クロスアンジュ イレギュラーと熾天使の輪舞   作:ヌオー来訪者

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 どうしてこんなタイトルになったのかは私は知らない。

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第14話 白色の、追跡者

 セラフ以外総ての僚機が新型ドラゴンの作り出す超重力に苦しんでいる間、セラフとアンノウンはドッグファイトを行っていた。救援には行こうにもアンノウンが邪魔をする所為で、それが叶わない。

 

「コイツ!」

 

 平行して2機の飛行形態が飛び回り、リオスは飛行形態の機首を上げて空気抵抗を受ける事で速度を無理矢理落とす事で背後に回ろうとするも、アンノウンも同じような事を試みる。掛るGが

尋常では無かったが今はそんな事を気にしている場合では無い。相手の操縦技術は相当だ。油断すればこちらが殺される。

 アムロ・レイめいた堅実かつ大胆な機体マニューバに、リオスは焦るに焦っていた。このまま彼と戦っていれば確実に重力化に居る皆がやられるだろう。

 

「何をしているのリオス、振り切れないの!!?」

「振り切ろうとはしてるんですよ! でもしつこいんですよ!」

 

 サリアの叫び声がリオスに通信機越しで聴こえて来るが、そう簡単に振り切れるものか。相手はエースだ。間違いなく。

 

「分かっている……振り切ればいいんだろう!?」

 

 だが競り勝ち、回り込む事が出来たのはアンノウンだった。全く持って器用な機体である。アンノウンはセラフの背後にライフルを発砲してくる。それにより数発背中の大型ブースターに当たったが、それでだめになる程セラフはヤワでは無い。

 だが、相手は非常に武器も豊富らしく誘導ミサイルを放って来る。

 

【背後からミサイルの反応あり。数は8】

「くそっ」

 

 H-1のナビゲーションを耳にして思わず悪態をつく。確かに自分はシャアと比べて遠くに及ばない。だが、1年以上ロンド・ベルの一員として戦ってきたのだ。追いかける機体『クラウドブレイカー』のパイロットとして。

 

「舐めるなァ!」

 

 リオスは吠えるとブースターのリミットカットして一気に限界までブーストした。強烈なGがリオスを襲うがそんなの気にしている場合では無い。そうしないと皆が死ぬ。サリアが、ヴィヴィアンが、シエナが、エルシャが。苦労あって大きく機体を離す事が出来た。そして変形して背後を向いて迫るミサイルをパルスガンで迎撃する。

 その間に高速で接近するアンノウンの飛行形態にリオスは舌打ちした。こうなれば致し方あるまい。再度機体を変形させて、再びチェイスを開始した。

 機体の高度を下げて、地面スレスレの所を飛び始めた。それにアンノウンは丁寧に喰らい付いてくる。相変わらず背後からライフルを撃って来るが、ここで被弾を恐れずリオスのナインボール=セラフは変形した。そして着地して機体脚部で無理矢理ブレーキを掛ける事でスピードを落として、背後にいるアンノウンの方を向く。

 アンノウンはそれに驚いたか、ライフルを撃ちながら減速するがもう遅い。

 

「いい加減止まれよ!」

 

 リオスは叫び、エネルギーブレードを発動させて斬りかかった。だが、それでもなおアンノウンは負けじと変形してエネルギーブレードを形成する。変形シーケンスが両機とも簡素な為人型形態に変わるのはさして時間が掛らない。再び両者は発生させたエネルギーブレードが衝突した。

 

―――このままでは駄目だ。このままでは……

 

 こんな時、アンジュが来てくれれば違う筈。リオスはそう思いながら大型ドラゴン周辺にふと、視線を向けると、そこには―――

 

 

 ヴィルキスが酔っ払いの如くふらふらと飛んでいた。

 

 

 

 このままでは機体が潰れて圧死してしまう。サリアはそんな危機感を感じていた。事実として超重力フィールドが敷かれている地面にクレーターが出来上がっているのだから。頼みの綱であるリオスのナインボール=セラフは正体不明のアンノウンと交戦しているが為に宛てにならない。ビームライフルという手段も有ったが、持ち上げようにも機体の腕が動かないので宝の持ち腐れである。

 

 万策尽きたかと、サリアは歯噛みして呟いた。

 

―――どいつもこいつも好き勝手やって……

 

 ヒルダたちが突出せずに様子見しながら増援を待って居ればこうはならなかったのだ。恨み言ぐらい言いたくもなる。だが―――丁度良い所に救いの船がやって来た。

 

『けほっけほっ……』

 

 咳き込む声が聴こえたかと思うと新たなる機体反応が一つ。アンジュのヴィルキスだった。どうやら風邪であるのに出撃したらしいが、そんな事はどうだっていい。この空間から抜け出すチャンスだ。

 

「近づくなアンジュ! 重力にやられるわよ!」

「大丈夫よ……いつも通りパパッとやって終わらせるわ。私一人で充分だから」

 

 サリアの忠告をアンジュは聞かずに新型ドラゴンに向かっていく。

―――ふざけるな……

 ふつふつと腹の底が煮え立って来る。どいつもこいつも好き勝手やって死にに急いだり効率のクソ悪い事をしたり……大概にして貰いたい。

 そしてその怒りは爆発した。

 

「いい加減しなさいこの脳筋女コマンドー! アンタ一人で何とかなる程あのドラゴンは甘くない! いつもいつもよくもまぁ好き勝手やってくれて―――死にたくなければ私の指示に従いなさいこの筋肉! 隊長の命令を聞きなさい!」

 

 怒りが爆発したサリアには対象で無い筈のアンノウンと交戦しているリオスも恐怖した。これまでの己に対する叱責と以前の殺害未遂の時はまだ温かったらしい。サリアから発する気迫はかの、ルクレツィア・ノインとは別ベクトルで怖かった。

 ヒルダたちも驚いた表情を見せる。

 

 

「ひっ」

 

 思わず妙な所でチキンなリオスは某政務官の如く、恐怖のあまり小さく声を上げた。

 

―――サー! ごめんなさい超ごめんなさい。ヒルダとの喧嘩止めますから許してくださいぃ!?

 

【君には言われていないのに何故恐怖している……?】

 

 そんな恐怖心にやられたリオスをよそにH-1はそれによりブレの出来たナインボール=セラフの動きを矯正、サポートしながらリオスという人間が理解出来ずに疑問に思うのだった。で、リオスがまぁ恐怖しているし、ヒルダも怯んでいるのだから当然、心臓に毛が生えているような人間であるアンジュでも怯んでおり、反射的に返事をしていた。

 

「アッハイ」

「だったらそのまま上昇しなさい!」

 

 サリアはアンジュに指示を飛ばしながら、アンジュのヴィルキスがベストポジションに入るように修正を加えていく。アンジュはふらふらと機体を動かし、サリアの指定した位置に向かって飛んで行った。

 

「そう、そこで止まって!」

 

 修正が終わり、アンジュのヴィルキスが大型ドラゴンの真上に止まると、大型ドラゴンがアンジュのヴィルキスも叩き落とそうと超重力フィールドを拡大させた。そしてヴィルキスはそのフィールドに呑まれてゆっくりと墜落していく―――

 

「あれ? 何か落ちてない?」

「気のせいよ! 熱でそう思い込んでいるだけ!」

 

 そして落ち行くヴィルキスが、新型ドラゴンの頭に生やしている大きな二本の角の付近まで近づいた。

 

「今よアンジュ、蹴りなさい! 海での私との殴り合いでかました蹴りみたいに!」

 

 超重力フィールドの発生源は角だと自分の機体であるゲシュペンストのサーチで明らかになっている。正直言ってゲシュペンストの方が蹴りに向いているが、背に腹は代えられない。サリアの決死の叫びを聞き届けたアンジュはヴィルキスにライダーキックめいた飛び蹴りの体勢をとらせてブーストした。

 一撃。勢いの乗った必殺ヴィルキスキックは新型ドラゴンの角ぐらい圧し折るのは容易だった。蹴り抜かれたドラゴンは大きく怯んで苦悶の雄叫びを上げる。そしてそれと同時に超重力フィールドが消失してし、アンジュのヴィルキスは蹴りを放った脚が破損して地上に墜落した。

 

 

 この後は最早一方的試合だった。新型ドラゴンの外殻が硬いが腹の所はぶよぶよで守りが薄いのでそこを重点的に狙ってしまえば良いという物で、火力は充実していたサリアたちにより決着は直ぐについた。

 

 

「お前は、お前たちは一体何を求めて戦う!? 答えろ!」

 

 新型ドラゴンが倒れ、形勢は逆転した。それによりアンノウンの攻撃が止まり、ゲートに向かって撤退していく。リオスはそんな彼の背中に向けて叫んで問うが、答えてはくれなかったし、追撃しようにも戦闘で機体のブースターに無理をさせ過ぎてオーバーヒートしてしまっており、彼を見送るしかなかった……

 すると、一連の戦闘を指令室のモニターで見ていたジルが通信をセラフに繋いでから呟いた。

 

『逃がしたか……』

「も、申し訳ございません……」

『後で戦闘の報告書を持ってきて貰う。強敵との戦闘、ご苦労だった』

「はっ」

 

 てっきり怒られるものだと思って肩が縮こまっていたが、あまり怒っていない様子でリオスは安堵のあまり脱力してコックピットシートに凭れ掛った。どうしてドラゴン側に人間側(と思われる)兵器があるのか分からなかったが、そんな事を考えている程、体力は残ってもいない。

 

【照合完了:UCE製人型機動兵器・ガンアーク】

「……H-1お前は一体―――」

 

 そして、追い打ちを掛けるようにしてH-1から提示された事実に驚く体力も無かった。何故この世界に存在しないとジルやモモカに言われているのにそんなものが有るのか。そしてガンアークなる機体はリオスの記憶には無かった。新型なのか、それとも―――

 

 

 戦闘後の収支報告は眼を見張るものがあった。一生に出会うか出遭わないか分からないようなレベルのレア物とされる『初物』を狩った第一中隊のメンバーはアンジュとリオス除いて歓喜した。

 

 基本的に収入の少ないクリスとロザリーは眼を輝かせて与えられた給料を凝視し、エルシャはこれで子供たちに色々してやれると満足げな表情。ヴィヴィアンは言うまでも無いし、ルーキーのミランダはココに何か買ってあげようと言い、人一倍喜んでいた。

 シエナも自分に与えられた給料を驚いた表情で凝視している。サリアもそんな彼女たちの様子を見ながら、自分に与えられた莫大な給料に満足していた。

 

「……少ない」

 

 だが、アンジュはそれの1%にも満たない僅かな給料しか得られなかった。当然だ、角しか折っていないのだから。

 

「仕方ないわね。角しか折っていないから―――でも、助かったわ。アンタが来てくれたおかげで」

 

 アンジュのお陰で自分たちが生きて行けている事をこの身で実感したサリアは素直に礼を述べた。彼女のお陰で生きてこのアルゼナルに帰る事が出来た訳だし、莫大な給料を得る事だって出来たのだから。

 これで全て綺麗に物事が収まるとそれをみていたシエナは思ったが、アンジュがサリアに手を差し出してから次に言い放った言葉が総てをぶち壊した。

 

「……何よ?」

「迷惑料よ。貴女の出した命令に従った所為で取り分減った挙句ヴィルキスが破損したんだから」

「……さっきの感謝取り消しよ」

 

 サリアは全力で後悔した。感謝した自分が馬鹿だったようだ。やはりこいつ(アンジュ)は気に食わない。そう思いながらアンジュから身体を逸らして嫌そうに横目で見ていると、アンジュが顔をサリアの耳に近付けて言い放った。

 

「あの趣味、ばらしても良いのかしら?」

「一生寝込んでなさいこの脳筋!」

 

 アンジュの傲岸不遜っぷりに呆れてブチギレたサリアは怒鳴った後、ヒルダたち3人組に声を掛けた。そろそろ一つ、決着を付けなければならない。確かにアンジュがやらかした隊長殺しの罪は重い。だがもうこれ以上やった所でもう意味は無いのだ。

 もう気が済んだろう。アンジュを殺した所でゾーラは戻りなどしないし、こちらの死亡率が上がるだけだ。

 

「どう、満足?」

 

 サリアの問いに、ロザリーは呆気に取られて反射的に肯定してしまい、ヒルダに睨まれた。

 

「こうして大金を手に入れ、生きて帰れたのはアンジュのお陰よね。戦闘中にアンジュを狙うの、もう止めなさい」

 

 アンジュを憎んでも構わない。けれど、アンジュをどさくさに紛れて殺すのは非合理的だ。サリアの隊長としての気迫が備わったのか、ロザリーとクリスの肩が縮こまる。

 

「色々あったけれど、私たちはこのチームで上手くやって行かなければならない。それに―――アンジュも報酬の独り占め、止めなさい。放っておいてもアンタなら稼げるんだから。足りないならばエルシャみたいに農業なり副業をする事を勧めるわ」

 

 この禍根について一区切りつける事が隊長としての役割だとサリアは考えていた。アンジュと海で殴り合った時、決意したのだ。隊員の訴えも聞かずにやっているようでは隊長も勤まらない。だから―――決着をつけようと。勿論、無かった事にしろとは言っている訳では無い。だが、公私の区別をはっきりさせなければシエナが所属していた第二中隊の悪夢の二の舞だ。あれだけは絶対に避けなければならない。

 

「これは隊長としての―――命令よ」

 

 サリアの一言で一気に皆が静まる。そしてヒルダは鼻で笑って返した。

 

「ハッ、アンタのいう事なんて誰も―――」

「いいわよ」

 

 聞きやしないんだよ。と言いかけた所でアンジュが挟むようにして了承した。それにはヒルダも驚きが隠せず、目を見開き動揺する。だが、やはりまた余計なひと言が付いてくる。

 

「私の足さえ引っ張らなければね……」

 

 余計なひと言が多いのにはもう慣れた。サリアは呆れを通り越して笑いが奥から込み上げて来た。そして後に続くようにしてクリス、ロザリーが同意していく。

 

「アンタたち何言いくるめられていんの?」

 

 半ば孤立状態に陥ったヒルダは裏切った二人を叱責して、「裏切り者」と言い捨ててこの場から歩き去ってしまった。まぁ、この状態では居心地も悪かろう。それにアンジュを一番憎悪していたのはヒルダだ。気持ちの整理なんて簡単に出来るものでは無いし、それを強制するほどサリアは鬼でも無かった。

 

「ねぇ、サリア」

「……シエナ? どうしたのよ」

 

 シエナの顔は至極真剣な表情で、サリアも神妙な顔で対応する。サリアの目じりには涙が溜まっていた事に気付き、サリアは一瞬慌てて自分が何かシエナを泣かせる事をしたのかと自分の言動を顧みる。そんな間で、シエナは次の言葉を口にした。

 

「―――ありがとう。サリアは勿論、リオスにも感謝してる」

「っ」

 

 隊内でのいじめで親友を失ったシエナにとってはある意味これは救いだったのかも知れない。あの数年前の集団いじめと僚機見殺し事件はアルゼナル内でも有名とされており、サリアなどの隊長格から聞かされている。これで彼女の心が救われたのならばそれは幸いである。

 

「―――どういたしまして」

 

 サリアは返事した後、両者は微笑み合った。これで状況が良い方にきっと傾くような、サリアにはそんな気がした……

 

「所で、リオスこないね。ドラゴンと殆ど戦えていないからお金入ってないだろうしショック受けてるのかな?」

 

 ヴィヴィアンが呑気そうに空気が読めていない事を言うと、サリアは現実に引き戻されたような感覚を覚えた。そうだ、あの白いアンノウンの事は忘れてはいけない。

 あれは明らかに人工のもので、ドラゴンが造りだしたものとは思えないものだった。だが動きとしては新型ドラゴンを守っているようにも見えた。

 外見は見た感じナインボール=セラフとほぼ同じサイズで、パラメイルとは規格がまるで違うように思える。

 

 リオスは恐らくジルに報告に向かっていると思われるが、サリアには何となく何か不穏な何かが始まろうとしているような、そんな気がした。

 

 

 

『報告、ご苦労だった』

 

 リオスはまだ、司令の執務室に居た。そこに執務室の席に座っているジルに先ほどの戦闘について洗いざらい状況と感想を述べるのだが、何故かジルの表情に驚愕の色は無かった。リオスは少しそれに不審さを覚えるも、それを問える程リオスには度胸もありはせず、心の中に留められたまま燻り出す。

 

 報告を終えると、リオスは背を向けて出口に向かってゆっくりと歩き始めたが、ジルに呼び止められた。

 

「リオス、お前はよくアンジュの元筆頭侍女から外の世界を聞いているそうだが。それを聴いてこの世界を―――どう見た?」

「どうって……」

 

 リオスは困惑した。何故そのような事を問うのか。答えに詰まり、沈黙がこの場に訪れた。

 

「正直に答えて貰いたい。……別に人がどう考えようとそれは自由だと私は考えている。どうせここから出る術など不可能だしな。エマ監察官にも言うつもりも無い。ただ―――個人的に気になったのだ。お前がよく口にする特異な世界がな」

 

 個人的に気になるとはどういう事か。リオスには分からなかったが、このジルという司令はアンジュのモモカ買収をエマとは違って黙認している。それにエマからのリオスへの認識『妄言癖のある精神病患者』で通っていて軽くあしらわれているとの事もあったので、別に応えても良いかと思いリオスは思い切って口を開いた。

 それにここで反社会的な事を言っても、ノーマが野蛮で危険で反社会的な人種とこの世界では通っているので実質隔離施設となっているこの場所で何を言っても大きな問題にはなるまいと、リオスは判断したのだ。

 

「ある意味、変な感じです」

「と、言うと?」

「俺が居た世界はマナなんて有りませんでした。確かにオーラバトラーやニュータイプ、A級ジャンパー等と呼ばれる特異な存在こそありましたが、殆どこの世界に於けるノーマに相当する人間で社会が形成されていました。……マナが無い為か、貧困差や差別感情が根強く存在しており、それが戦争を生んでいます。ですがこれとこの世界のノーマへの排斥とどう違うのでしょうか。差別対象が変わっただけで、人々のメンタリティはほぼ同じにし見えません。それに―――」

「?」

「この世界ではノーマが不良品だという事がまるで当然のように扱われていて、このように幽閉されている。ノーマを排斥して臭い物には蓋をしているくせに何が平和な社会なのか理解が出来ない。一体誰が決めたんです? ノーマは反社会的で無教養で不潔で、マナが使えない文明社会の不良品だなんて。ノーマを憎悪してこんな場所に閉じ込めて自称文明的は人間様はノーマに望んでも無い命懸けの戦いと厳しい環境を押し付ける……そんなの、俺たちが居た世界と何ら変わらないどころかそれ以上にもっとおかしいと思うんです。何処か変だなって……俺がおかしいのかも知れないんですが、そう思いました」

 

 リオスは思った事すべて言い切ると、ジルは「余計な時間を取らせたな。戻っていいぞ」と言いこれ以上何も言わなかった。本当に唯の純粋な興味なのか、それとも―――

 H-1がUCEという単語を出したという謎もあって、リオスは困惑するばかりであった。

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