クロスアンジュ イレギュラーと熾天使の輪舞   作:ヌオー来訪者

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 ハスラー・ワンの初期設定は人間で、シュワちゃんめいた外見をしているんですよねぇ……後、神威瑞穂ちゃんとかびっくりする外見をしていて驚きました。


第27話 集結戦線

 アルスは眼前に立ちはだかる機動兵器群に舌打ちしつつ、ガンアークにアークライフルを構えさせて敵機を確認する。アナザーセラフ1機。ナインボール3機。右腕その物が大砲である重厚な装甲を持つ無人人型機動兵器『レーヴェ』が5機。セラフを簡略化させたかのような形状をした機体の『フィーンドNB』が10機。ガンアークの量産試作機『フェザーアーク』3機。

 その内の『フェザーアーク』と『レーヴェ』はUCE製の機体であり、フェザーアークは有人機であった。

 

「教官はいない、か」

 

 アルスは一番戦いたくない相手が居ない事を確認して、そう呟き安堵しつつも、どっちにしろ面識の無いが仲間である人間と戦わねばならない事に気分の悪さを覚えていた。ロックを、隊長機であろう黒いセラフに向けるとAIナビが喋り出した。

 

『敵人型機動兵器、アナザーセラフです。敵はパルスキャノン、レーザーブレード、垂直ミサイルなどを装備。不用意な接近は危険です。適度に距離を取りながら、冷静に対処して下さい』

 

 何度も聞いたこのナビゲーションだが、そうやすやすと出来るものではなかった。近付けばパルスキャノンで蜂の巣にされるか、レーザーブレードで叩き斬られるし、離れたら離れたでミサイルやブレード光波が飛んでくる。予備動作抜きでぶっ放してくるチェーンガンも厄介だ。

 アルスは気を入れ直して、己の立ち回りを脳内でシュミレーションしながら敵機と睨み合っていると、サラマンディーネから通信が入って来た。通信をonにすると、曇った表情のサラマンディーネの顔が映る。

 

「大巫女様から勅令をお受けしましたわ」

「……何を?」

 

 アルスが問うと、サラマンディーネはとても言いづらそうに一つ間を置いて答えた。

 

「総員撤退せよ。と」

「なっ……」

 

 アルスの頭の中が驚愕のあまり凍りついた。では、逃げ惑う人々を見捨てろとでも言うのか?エンブリヲはこの世界を潰す気満々だ。きっと逃げ回っても無意味だ。それに逃げ惑う人々を見捨てる事などアルスの性分が許さなかった。それからサラマンディーネの報告から間もなくして有隆から通信が入る。

 

『アルス、聞こえるか。未踏査地区の調査に向かった味方も此方に向かおうとしているが、足止めを喰らっているらしい。一番近くに居た第13番隊も奇襲と破壊工作喰らって若干手こずっている。だが、必ずこちらに向かわせるから必ずもたせろ』

 

 どうやら別の場所に向かった者も攻撃されているらしい。その上に頼みの綱である同じ部隊の者もしてやられたときた。

 ……厄介な事になった。アルスの眉間にしわが寄り、より一層険しい顔色へと変わる。現状の戦力は5機その内1機が中破している為非常に不利だ。しかし、だからと言って―――都の人々を見捨てる気にもなれやしない。

 それにアグレッサーとの戦いに比べてみれば屁でも無い筈だ……多分。

 殲滅すれば済んだ頃と状況があまりにも違うがそう思う事で気を無理にでも楽にさせようとした。

 

「……了解!」

 

 だが、気が楽になる訳が無くアルスは若干ヤケクソ気味に返事をしてから通信を切り、それから通信をサラマンディーネに繋ぎ直した。すると有隆と入れ替わりにモニター画面にサラマンディーネの顔が映った。

 

『アルス殿。どうされましたか?』

「自分は……あの竜巻をどうにかして止めたいと思っています。同じ部隊の仲間たちもこちらに向かっています。だから自分は―――行きます」

 

 アルスはそう言ってから通信を切り、機体をブーストさせてアナザーセラフに接近。そのままアークライフルの銃口から形成させたエネルギーブレード『アークブレード』で斬りかかる。アナザーセラフもそれに対して腕部エネルギーブレードを形成して対抗。両機はブレードによる鍔迫り合いに入り、ブレード同士の衝突によるプラズマを発生させた。

 

 

 サラマンディーネは焦っていた。大巫女からの指示では早々に撤退するように言われたが、あのまま市民を見殺しにする事などサラマンディーネの性分が許しはしなかった。それはアルスたちと同じ想いなのは間違いあるまい。……だが。

 

 原因が分からない以上あの竜巻をどうする事も出来なかった。竜巻の護衛機たちの攻撃を掻い潜りつつ、試しに標準装備であるビームライフルで撃ってみるも、竜巻に放たれたビーム弾が触れた途端にビーム弾そのものが消滅してしまう。

 その上に弾幕がこちらに向かって飛んでくるものだから再攻撃すらも困難だった。

 

 だが、このまま戦えばアンジュとヴィルキスが危ないのには間違いない。

 一番損傷がひどかったアンジュのヴィルキスだが、再度動ける程度には戻ったとは言えどもロストした左腕は戻っては来ていない。その上内装も完全では無いのだと言う。飛んだり多少戦闘するには良いようだが、このまま戦わせるのは危ない事この上無い。それに彼女の性格からして絶対に引き下がらないだろう。

 それがサラマンディーネの胃を痛めつける。

 

 被弾する事も懸念してサラマンディーネは自機を人型形態である駆逐形態に移行し、敵機の攻撃をかわしつつビームライフルで応戦した。幸いアルスがアナザーセラフと交戦している為、厄介な相手が減っているが、それ以外の敵の中には一部人が載っている機体だってある。アグレッサーとの戦いで生き抜いた猛者だ。ただでは済まないだろう。

 大巫女の命令通り撤退するべきか、自分の気持ちに従ってアルスたちと共に勝算が見えない(護衛機は兎も角竜巻はどうしようもない)戦いを続けるべきか。サラマンディーネの脳裏に二つの判断が鬩ぎ合う。

 

 

 護衛機と交戦しつつもサラマンディーネは迷い続けていた。

 

 

 

 タスクはサラマンディーネの竜巻に対する攻撃が無意味だという事をこの目で見て知り、歯噛みした。自分たちはこのままどうしようもなく滅ぶのを見ているだけなのか?

 苦虫を噛み潰したかのような顔で竜巻に視線を送りつつ、タスクは敵機と交戦していた。

 

 メインウェポンであるガトリングガンで弾丸をばら撒きつつ、持ち前の機動性を以てロックオンされないように逃げ回る。だが、セラフそっくりのフィーンドNB3機がクラウドブレイカー量産型に劣らぬスピードでこちらに追いすがって来てパルスライフルを連射しつつミサイルも放って来た。

 

「くっ」

 

 タスクは険しい顔をしつつ、機体の高度を上げてミサイルが市街地に落ちないように誘導しつつ逃げる。ミサイルやフィーンドNBを振り切る為に速度が上がりタスクの身体が悲鳴を上げる。正直ここまでスピードを出したことが無かった(する必要が無かった)かなりの負担だったがそれに耐えきり、ある程度距離が空いた所でターンしてからガトリングガンを連射して追いかけて来たミサイルにばら撒いた。

 

 ガトリングガンの集弾性は悪く、弾丸はばらけてしまうという弱点がある為威力は低い。だが、その欠点は時として長所になりうる。ばらける弾丸を撒くように放つ事でミサイル迎撃に成功。爆炎がクラウドブレイカー量産型の前方に広がった。そして―――肩部ミサイルランチャーを6発発射し、爆炎の先に居た3機のフィーンドNBに2発ずつ命中、大ダメージを負わせて追い打ちを掛けるように左腕に装備されたエネルギーブレードで一番前に居たフィーンドNBを通り抜けざまに上半身と下半身に真っ二つに切り裂き、通り抜けた後で、やや離れた位置に居る2機のフィーンドNBにガトリングガンを放ち大破したフィーンドNBに命中させてそれらも爆発四散させた。

 

「……3機撃破、次!」

 

 撃破した途端に別の砲撃が真下から飛んでくる。撃ったのは2機のレーヴェだ。地上をホバーしながらこちらに向かって右腕の大型キャノン砲で発砲して来る。それを辛うじて躱しつつ、エネルギーブレード同様左腕に装備された電子スナイパーライフルを起動させた。折り畳まれた砲身が本体と連結し、都をホバーで動き回るレーヴェを狙う。……そして―――

 

 タスクは迷いなく引き金を引いた。

 放たれた弾丸は真っ直ぐと、レーヴェの足元へと飛んでいく。そして命中した所で一機のレーヴェは片足を撃ち貫かれバランスを崩し、転倒した。こうしてみれば武装は豊富でクラウドブレイカー量産型は高機動高火力の万能機体と思われがちだが、ところがどっこいそうでもなかったりする。

 

 まず、持ち前の高い機動性と引き換えとなった装甲の脆弱さは言うまでも無く、旋回性能の低さ。そして、武装が多すぎるが故に回されるエネルギー量が多くて、最もエネルギーを食う電子スナイパーライフルが割を食っているという点だ。

 一発の威力こそ高いのだが、一発撃つ毎にチャージを要するので連射は事実上不可能なのである。その弱点を知っていたタスクは一発撃った後即座に使用を止めた。

 クラウドブレイカー量産型は即座に電子スナイパーライフルの砲身を折り畳んで、左腕の複合兵装に収納。そのまま接近してトドメを刺そうとした矢先だった―――

 転倒したレーヴェに追い打ちと言わんばかりに、真下の道路を通って真っ直ぐ飛んできた青白いEN弾を受けて右腕のキャノン砲が消し飛んでしまった。

 

「……何だ?」

 

 タスクは咄嗟に、青白いEN弾が飛んできた方向を見やる。……そこには、右腕には大型のハイレーザーライフルを持ち、左腕にはエネルギーブレード発生装置。背中の右肩側にはミサイルポッド。左肩側は長い砲身を折り畳んだキャノン砲を装備した、確実に敵を潰す気満々の機体が都の中で立っていた。恐らく、撃ったのは右手のハイレーザーライフルだろう。

 

「……味方、なのか?」

 

 黒い機体。それにタスクはエンブリヲ側の機体かと警戒したものの、今レーヴェを撃ったのでそれは無いと判断した。黒い機体は、付近に居たナインボールを見据えている。そして―――ハイレーザーライフルをナインボールに向けた。

 今はあの機体の世話になろう。タスクは一機のナインボールを黒い機体に任せて、もう一機のレーヴェを撃つ事に専念して、市街地を無遠慮にホバー形式で走るレーヴェに向かって機体をブーストさせた。

 

 

 

「来たか」

 

 ヴィヴィアンとラミアを安全な所まで運び、降ろした後で、有隆は黒い機体に眼を向け乍らそう呟いた。

 あの機体は『アーマード・コア』と呼ばれる機種で略してACと呼れるものだ。名はクロウレイダー。因みに迅雷とウルフズ・アイはアーマード・コアを参考に造られたものである。

 アーマード・コアと呼ばれる機動兵器はレイヤード内に於ける強力な存在であり、『レイヴン』と呼ばれる傭兵が駆っている。今の所第13番隊が雇っているという形でこちらの味方として活動しているのだ。

 まぁ、出せる報酬は寝床と飯ぐらいではあるが。依頼を受けた本人たちとしては拠点が欲しかったらしいので承諾してくれた。

 

 

 何故レイヤードに居る存在が地上に居るのかと言うとあの黒いACのパイロットは数人の技術者やレイヴンなどをはじめとした反管理者のレジスタンスと共にこのドラゴンたちの都に自分たちが地球に帰還して間もない頃にレイヤードからの無人機部隊によるドラゴンたちの都の襲撃に乗じて現れたのだ。

 有隆とジャックは彼らのお陰で新たな機体を手に入れたようなものだ。ACは地上戦や閉所では無類の強さを発揮し、比較的自由な換装やカスタマイズが出来るようになっている。彼らが齎した恩恵は大きなものだった。彼らが持ってきた技術や情報はこちらが持っていた技術ノウハウを合わせる事で焔龍號の完成を早めたのだ。

 だが、そんな中リオスたちの来訪で一つ懸念事項が生まれた。あの黒いAC……クロウレイダーのパイロットがナインボールたちに対して―――いや、今は考えている場合ではないか。

 

 一応フレンドリーファイアをしないように情報をクロウレイダーのパイロットに与えているが……まだ肝心のリオスは出ていないようだ。まぁ、整備士連中と一悶着あるだろうとは読んでいたが。いずれにせよ、禍根が残っているようでは共闘は難しい(特に整備士とパイロットの間に確執があろうならば最悪の展開も有り得る)し、両者の確執に一つの決着を付けてもらうには丁度良い状況ではある。

 

 そうこう考えている内に、戦闘区域に入ったようだ。

 手始めに背中のグレネードキャノン一門を展開して前方に居たレーヴェに狙いを定める。その前にレーヴェやナインボールがパルスやらキャノン砲やら放って来るがこちとらガチガチのタンクだ。そう簡単に抜けやしない。ダメージに構う事無くターゲットサイトを前方でキャノンを放って来るレーヴェに定めて、そのまま迷う事なく有隆は発射用トリガーを引いた。

 

 一撃。

 

 轟音と共に放たれたグレネードはレーヴェの上半身に命中した。相手の装甲は分厚いが為に一撃必殺とはいかなかったが、グレネードの手痛い一撃を喰らったレーヴェの装甲は最早ずたずたで、二度目の被弾は無い状態にあった。

 

 これで最後だ。

 

 腕部そのものが砲身となったバズーカを間を置くことなくそのまま発砲し、レーヴェの上半身は最早人型機動兵器として機能しないレベルにまで大破してそのまま機能を停止。動かなくなった。

 

 

 サリアは襲い来る2機のフィーンドNBに手を焼いていた。

 

 こそこそ建築物を盾にしつつ隠れながらパルスライフルをサリアのゲシュペンストの装甲をガリガリと削っていく。しかも連射力はまるでマシンガン並だ。

 

「チィッ」

 

 サリアは舌打ちしながら、ナインボールが空中に跳んだ所を狙ってメガビームライフルを放つも、機動力ではフィーンドNBに利があるのか躱されてばかりだ。

 これでは埒が明かないのでメガビームライフルを捨てて、アサルトライフルに持ち替えて数で攻める事にした。

 ばら撒かれる弾丸は散らばり、素早く動き回るフィーンドNBに命中する。幸い、フィーンドNB自体の装甲は薄い上に当たり所が良かったのか、頭部、腕部、背中の大型ブースターに命中し、煙を上げて一機が墜落。森の中に落ち、黒い煙を上げ乍ら機能停止した。

 

 次は―――!

 

 アサルトライフルの銃口の先をもう一機のフィーンドNBに向けると、サリアはある事に気付いて血相を変えて慌て始めた。真下からサリアのゲシュペンストをロックオンしているナインボールが居たのだ。

 そのナインボールはパルスライフルを容赦なく発砲して、パルス弾がサリア機に迫る―――

 

 拙い。気を取られていた。

 

 まるで勝手が違う相手にサリアは焦って冷静な対処が出来なかった。このまま迫るパルス弾が成す術も無くコックピットに命中―――する前に白い機体が立ちはだかり実体ブレードで防御した。―――防いだのは……ヴィルキスだった。

 

『下にも気を配りなさい! 死にたいの!?』

「貴女に言われるまでも無いわよッ!」

 

 アンジュの叱咤にサリアは反射的に怒鳴る。

 サリアはアンジュが心底気に食わなかった。この女は一体何処へと行くと言うのだ。支配されるのは嫌だ嫌だと言った果てにコイツは何を成したいと言うのだ。否定し続けた先に何を成そうと言うのだ。その自分たちの希望たる大きな力で。

 自分を叩き伏せた先に、何を。

 

 前方のヴィルキスは流れるような動作で、地上に居るナインボールに向かってブーストして飛んでいく。サリアは心底気に食わない様子でヴィルキスからフィーンドNBに視線を移して、アサルトライフルを発砲してフィーンドNBを叩き落とした。

 気に食わなかった。タスクはアンジュに惚れたのか最後まで付いて行く腹積もりのようだし、この女は自分からどれだけ持っていくのか。

 

 苛立ちは募るばかり。

 

 その苛立ちをただただ、サリアは無人機たちに向けるしかなかった。ゲシュペンストは地上に居るレーヴェに狙いを定めて、ブーストを吹かせて勢いよく―――蹴り(ゲシュペンストキック)を叩き込んだ。

 

 

 

 先程までアルスはアナザーセラフと交戦していたのだが、3機のフェザーアークによる横槍をうけてしまい、4対1の状態に陥っていた。この状況は流石のアルスでも捌き切れるものでは無い。

 

「世界を作り変える為だ。悪く思うなよ」

 

 フェザーアークのパイロットはそう言って、手持ちのライフル『ファーストライフル』をガンアークに向ける。それにアルスは顔を顰めて、どうするべきか考えを巡らせつつ、機体を動かす。

 ガンアークがアナザーセラフに銃口を向けた途端、フェザーアークは散開してガンアークを取り囲もうとした。……戦力をこちらに集中させたのは恐らく、ガンアークの切り札である衛星砲『ガーディアンシステム』を警戒したのだろう。

 そうはさせないとガンアークは囲みから脱しようと動き回るが、アナザーセラフがそれを許しはしない。3方向から飛んでくるEN弾を掻い潜り、様々な武器を用いてアナザーセラフが襲い掛かる。

 

 これ以上は危険だと判断して一旦、大きく距離を取ろうと鳥のような形状をした飛行形態であるハイマニューバモードへと変形して、一気に離脱しようとするもアナザーセラフが飛行形態に変形して凄まじい機動力を以て追撃を掛けて来る。

 

 後方からチェーンガンを放って来るが、ローリングで軸をずらすようにして回避は出来た。しかし、まるで嫌がらせの様にバックパックに格納されたミサイルを追加として放って来た。

 

 

 山なりの飛んでからガンアークに迫るミサイル群。

 

 振り切ろうにも、ミサイルの方が速度は上である。仕方なく人型形態に変形して胸部に搭載されたレーザーガンで迎撃するがそれが悪手だった。ミサイルを全て撃墜している内にほぼゼロ距離まで詰められて、爆発したミサイルの爆炎を突っ切ってアナザーセラフが両腕にエネルギーブレードを形成して詰め寄った。

 

 ……駄目だ。反応し切れない。

 

 まるでコマ送りのような感覚でゆっくりとブレードが振り下ろされて行くように見えた。だが、身体は言う事を聞かず動かない。振り下ろされるブレードにアルスの眼が恐怖に染まったその時だった。

 

 横殴りに赤い何かがガンアークにトドメを刺そうとしたアナザーセラフに突進して、横に押し出した。あまりにも突然の事だから頭が働かなくて反応に若干遅れたが、アナザーセラフの攻撃を妨害した者が誰なのかは押し出されて行った方向に眼をやる事で分かった。

 

「……リオスさん?」

 

 アナザーセラフを大型ブースターを2基積んだ赤い戦闘機型の何かは人型形態になってアナザーセラフを蹴り飛ばす事で振りほどき、距離を大きく離す。

 そして赤い人型機動兵器はアナザーセラフの前に立ちはだかるかのように見据えつつ、そのパイロットはアルスの声に言葉を返した。

 

『さん付けと敬語はもういい。どうせ同年代だろうし』

 

 アナザーセラフを横殴りの要領で突撃、押し出したのはリオスが駆るナインボール=セラフだった。更に戦闘区域の外れからペンドラゴンと人型機動兵器部隊の反応があり、このまま彼らが戦闘に加われれば敵を撃退する事は容易であろう。

 サラマンディーネが駆る焔龍號がセラフの隣へとやって来る。

 

 真下には迅雷と黒いAC『クロウレイダー』が居る。全員其々武器を構えてフェザーアーク3機とアナザーセラフと対峙する。そして、アンジュのヴィルキスとサリアのゲシュペンスト、タスクのクラウドブレイカー量産型がこちらに向かって来た事で戦力は再び集合する事となった。

 

 現在の状況は敵方のレーヴェは全滅、フィーンドNBも全滅。残すは2機となったナインボールと、フェザーアーク3機。そしてアナザーセラフのみだ。

 8対6。その8人が猛者揃いな為に負ける要素は最早ゼロだった。それに増援も加えれば凄まじい事になる。ただ、懸念事項が一つ残っていた。それは、今もなお街を荒らしている謎の巨大竜巻である……




 半ばフロム&旧バンプレストメカ見本市になってしまった。

 取り敢えず機体の出典を書いておきます。
 フィーンドNB:アーマードコア3に登場するセラフもどき。
 アナザー・セラフ:ACE:R、ACBNWに登場する黒セラフ。厳密にはACERのは量産型ナインボール=セラフという名前である。
 レーヴェ:ACE~ACE3までに登場したデカいキャノン持ち。
 フェザーアーク:ACE2に登場したガンアークの試作量産型。隠し機体であり、無改造だと産廃。但し、フル改造すると化ける機体。緑色のバルクホルツカスタムなる機体も存在。
 ヒュッケバインMk-Ⅲ:スーパーロボット大戦αシリーズ、及びOG~OG外伝に登場。ガンダムっぽいナニカ。
 

 それとそっくりさん勢を纏めると……
 ウルフズ・アイ→フォックス・アイ(ACLR)
 迅雷→総監督マシーン改(ACMOA) 雷電(ACfA)
 クロウレイダー→アナイアレイター(ACMOA)

 尚、ウルフズ・アイと迅雷はACもどきの模様。
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