守りたい、ただそれだけ(本編完結) 作:ディニクティス提督(旧紅椿の芽)
時刻1500。
無駄に長い時間を過ごした俺らは最終的な準備に入っていた。俺は装備に新しい武器を追加したくらいだな。
——ハンドレールキャノン。
見た目ただのロングライフルのように見えるが、その実態は米軍が採用を決めているレールライフルの上位互換品だ。エネルギー消費系手持ち火器の問題点である充填エネルギーだが、弾薬とともにマガジンに込められているため、米軍採用待ちのレールライフルよりも使い勝手はいいらしい。銃身下部にはマルチランチャーが取り付けられ、様々な状況に対応可能なようだ。
「しかし、こいつはかなり外観が変わったな…………」
渚の藍狂狼は頭部ユニットが完全に変わり、改二と称されている。基本的には変わらないが、ビームライフルが二挺装備された。乱戦特化させた結果、二挺使って乱れ撃った方がいいという話だ。それ以外にも固定武装が全身に仕込まれている事に変わりはない。
「センサーリンク、よし。近接戦用FCS、問題なし」
アーミアは機体チェックをしている。あの機体、白龍は全身にこれでもかというほどビーム兵器を積み込んでいる。ハリネズミみたいな感じだな。背部のビームキャノンはフレキシブルに動いているし、両肩の奴は外してビームライフルとして使えるらしいぞ。もう、何がなんなんだか…………。
「よし、そろそろゆっくりとだけど、進撃しよっか。くーちゃん、深度八十まで浮上、微速前進!」
『了解しました。機関、微速前進、深度八十を維持、全魚雷発射管、起動』
艦内アナウンスが流れる。魚雷発射管って…………潜水艦かよ、こいつは。親父たちが残した最後の戦艦、ある意味でぶっ飛んでいたな。
「到着時間を合わせるよ。各員、作戦開示時刻三十分前には集合。それまでは待機ねー」
その指示を受けた俺は割り当てられた自室へと向かった。
…………。
……………………。
自室についた俺は備え付けてあったベッドへと腰掛けた。正直寝たとしても疲れが取れない。というか、腹減ってきたな。
「武蔵」
「どうした?」
「よりより、あるか?」
「ああ、あるぞ。ほら」
俺は武蔵からよりよりを受け取り、かじりついた。だが、予想以上に硬い。顎が逝かれそうだ。よくこんなもの食えるよなと俺は思う。やっとの事で噛み砕くと、普通に美味かった。口の中に破片が刺さりそうにはなったが。
食い終えるまで五分かかったのは言うまでもない。
「ふぅ、顎が疲れたわ」
「まぁ、仕方ないだろうな。それにしてもどうして急に食べたくなった? 」
「気分的なやつさ。というか、お前も何か感じているんだろ?」
「…………よくわかったな」
そう言うと武蔵は近くの椅子に腰掛けた。
「今回強奪目標の福音のコアだが…………おそらく、私や榛名と同類だ」
そういう武蔵の表情は一向に優れない。同類、ということは人格持ちという事なんだろ? 仲間に会えるのはいいことじゃないのか? なのに何故複雑そうな顔をしているのだろうか。
「前に言ったか、私の名前は母方に付けられたと」
「ああ、確かにな」
「最初はただの識別記号のようなものだと思っていた…………だが最近、私が戦艦であったかのように思えてならないんだ…………福音のコアも戦艦から取られた名前だろう。その名に私は驚いたさ…………まさか、あいつだったとはな…………」
武蔵は何を感じているのだろうか。コア人格は俺達操縦者の感情を読み取ることに長けてはいるが、俺たちが奴らの感情を読み取ることができないという不便な面もある。
「まだ、そいつの名前は言えない…………ただ言えるのは、一番長く生き残った戦艦だということだ。すまないが、私は引っ込むぞ」
「あ、ああ、了解した」
武蔵はそう言うと瞬く間に消えていった。…………頼むからこの消え方勘弁してくれないか? 消失したかのように思えてならないからさ。
それにしても
「最後の戦艦、か…………何かあったか?」
武蔵の言う最後の戦艦というものがわからずに考え込んでしまうのだった。
(ここは…………どこなんだろう?)
気がつくと何やらよくわからないところにいた。周りはなんだか凍りついていて、氷柱が立っている。見るからにして寒そうなところだ。
「うぅっ…………やっぱり寒いです」
「榛名!? どうしてここに!? というか、ここどこ!?」
突然あのいつもの改造巫女服で現れた榛名は、いかにも寒そうにガクガクと震えている。いや、確かに寒そうだけどさ、実際はそんなに寒くないよ? 榛名って寒がりなのかな?
「説明は後にします。とりあえず、今は進みましょう」
そう言われて榛名の後をついていった。足元も、壁も至る所が氷で覆われていた。う、うわぁ、普通の革靴だから滑っちゃいそうだよ。
「あ、言い忘れてましたけど、滑らないように気をつけてくださいね」
「それもっと早く言ってよ!!」
注意が遅いよ、榛名!
そうやって進み続けていくが、一向に出口など見えてこない。ただ氷で覆われた通路が見えるだけだ。そうやって何も変わらない道を歩き続けている時だった。
「あれ…………?」
足元に何かを見つけた。黒い物体。手に取ってみるとそれは私が今履いているような革靴。ただし片っぽだけ。なんでこんなところにこんなものが転がっているんだろうかと疑問に思う。
「どうかしましたか?」
「あ、実はねこんなものが落ちていて」
「靴、ですか…………だとしたらもしかすると」
「どうかしたの?」
「いえ、なんでもないです」
どうやら榛名は何か知っているみたい。だけど私には何も教えてくれなかった。なんだかそのままにしておくのもなんだし、落とした人も探しているだろうから靴は持っていくことにした。…………あー、なんだろう、前のいじめられていた時のこと思い出してきた。学校から帰るとき、下駄箱に靴が無くて探して、花壇に埋められていたのを見つけたっけ。あの時は大変だったなぁ…………。
だんだん歩いて行くと片方の壁がなくなって、そこを見たらどこまで続いているのかわからないほど深い穴があった。しかも次第に道がなくなってきているし…………これ落ちたらタダですまないよね? 多分じゃなくて大怪我。
「ね、ねぇ、榛名…………大丈夫だよね?」
「はい、榛名は大丈夫です!」
「榛名の心配もしてるけど…………今のはどっちかといったら、私の不安の方」
「あ、すみません! 多分、大丈夫ですよ」
「断定、できないんだね…………」
「足さえ滑らさなければ大丈夫ですよ、きっと」
そう言われてもね…………さっきからすごい滑りそうで怖いんだよ。なんだか穴に向かって道が斜めになっているし、足元にもごつごつとした氷の塊が転がっていて、さっきも転びそうになった。榛名は大丈夫と言っているけど、私にとっては全然大丈夫じゃないよ!
そうやって気をつけて歩いていた時だった。ちょっとした氷の塊に気がつかず躓いてしまった。慌てて体勢を立て直そうとしたけどすでに遅くて
「きゃあぁぁぁぁぁっ!?」
そのまま穴の下に落ちていってしまったのだった。ただ、何か榛名が叫んでいたのは聞こえたけど、細かくまでは聞き取れず、私は意識を手放した。
…………。
……………………。
目が覚めて気がつくと、そこは本当に氷で覆われた空間だった。ただ、今までと違うのは、空間自体に何やら鎖のようなものが巻き付けられていて、あまり良い印象は持てなかった。それでも、この空間はとても広くて全体が全く見えない。
とりあえず私はここがどこまで広がっているのかが気になり、ちょっと歩いてみてみようかと考え、実際に動いた。けど、どこまでいっても鎖で縛り付けられたような模様が見えるだけで変わりはない。
そんな時だった。遠くに何やら凍った木みたいなものの近くで座り込んでいる人を見つけた。私はここがどこなのか知れるかもしれないと思ってその人の元へ駆け出した。
次第に近づくにつれて、その人の様子がわかってきた。アイスブルーのちょっと短い髪の毛に水色の髪飾り、服装は白い感じのパーカーに黒のミニスカート、膝下の黒靴下、そして片っぽだけの革靴…………あ、もしかして!
「ね、ねぇ、もしかして、これってあなたのかな?」
そう言って私は拾った靴を見せた。この人——あ、いや、女の人だから彼女でいいや。うん、彼女は俯いていた顔を上げて私を見る。そして、右手に持っている靴に目をやる、すると
「あ…………あの、あのっ…………それ、僕の…………」
そう指差して答えてくれた。
「そうなんだ。よかった〜、見つかって」
私は彼女に靴を返すと早速履き直した。なんだか氷に触れていた方の足、とても冷たそう…………なんだか少し赤いよ。
「あの…………ありがとう、ございます…………」
「いいよ、気にしないで」
冷たいところを靴なしで歩くなんてよくあったからね。内履きも靴も隠されて冬の日に靴下だけで帰ったこともあるし、そんな思いは誰にもさせたくないから、そういうこともあって安心できたのかも。彼女はなんだか気弱そうな感じのする子だ。身長は私と同じくらい。だけど、それでもなんだか榛名とはまた違った子供みたいなそんな感じがする。
「…………」
「…………」
…………なんだか物凄く気まずい。向こうはなんだかまだ俯いちゃったし、私も私で何を話したらいいのかわからないし…………ポケットに何が入ってないかな? あ、あった。
「ねぇ、よかったらアメ食べる?」
ポケットから取り出したのは飴玉。なんだか前に買ったのをポケットに入れていたままだった。でも、別に溶けたりとかはしてないし、大丈夫だとは思うんだけどね。ちなみにイチゴ味。
「え…………貰って、いいの?」
「うん、いいよ。はい、どうぞ」
「ありがとう。僕…………なんだかお礼いってばっかりだね」
そう言ってちょっとだけ笑ってくれた彼女はとても可愛かった。でも、笑ってくれたことが嬉しかったかな。なんだかあんな風に膝を抱え込んで縮こまって俯いているのを見ると、私と少し重なって見えたからね。放って置けなくなったんだよ。
「もしよかったら…………あそこで少しお話し、いいかな?」
そう言って彼女が指差したのはあの凍った木では無く、少しだけ無事に普通の木が倒れてできたベンチみたいなところだった。
「いいよ。私も聞きたいことがあるからね」
「うん…………ありがとう」
彼女に言われた通り、私はその木に座った。一見とても固そうに見えたそれだけど、座ってみるとなんだか柔らかくて、本当に椅子みたいな座り心地だった。彼女は私の隣に座った。
「そういえば名前言ってなかったね。私は織斑一夏だよ」
「ぼ、僕の名前は…………アイオワ。元福音のコア人格」
…………え? コア人格⁉︎ それも福音って…………あの臨海学校の時の…………。
「そうなんだ。よろしくね、アイオワさん」
「アイオワだけでいいよ…………一夏さん」
「じゃ、私もさん付けは無しでお願い」
「うん…………でも、一夏は驚かないんだね、僕がコア人格なんて言っても」
アイオワにそう言われて気づく。そういえばそうだよね…………内心ちょっとびっくりしたくらいで、あんまり衝撃とかはなかったかも。
「まぁ、同じようなのがいるからね」
「同じような…………?」
「そうだよ。榛名って言うんだけどね、私の乗っている蒼龍のコア人格なんだ。性格はちょっと子供っぽいけど」
「そうなんだ…………なんだかいい人だね」
そう言うとアイオワはどこか複雑そうな顔をした。多分、榛名に反応している。でもどうしてなんだろう、同じコア人格の事を話しただけなのに…………。
「ねぇ一夏…………僕たちの名前って何からきていると思う?」
そう言われて考えてみる。榛名や武蔵はよくわからないけど、アイオワは確かアメリカの州だったはずだから…………
「地名とか?」
「うーん、近いけどちょっと違うよ…………僕たちの名前、軍艦から取られているんだ。アイオワ級戦艦一番艦アイオワ…………それが僕の名前の由来…………」
そう言うとアイオワはまた俯いてしまった。どうしてなのかな…………戦艦とかよくわからないからあまり言えないんだけど…………簡単に言っちゃったらなんだか力強いイメージがある。
「でもね…………もしかすると僕は、榛名を沈めていたかもしれないんだ…………」
「え…………?」
「第二次世界大戦…………一夏は知ってるよね?」
知らないはずがない。歴史の授業でも学んだことだし、何より日本に原爆が落とされた戦争だ。あの戦争でたくさんの人が死んで…………それからはそんなに大きな戦争は起きなかった。
「榛名が所属していたのは日本海軍…………僕たちアメリカ海軍の敵だった…………僕自身がアイオワの意思を持っていたわけじゃないんだけど、どうしてもそういうことを考えちゃって…………」
次第にアイオワの声はなんだか涙声に変わってきた。
「僕たちはそうやって榛名の仲間たちを沈めちゃった…………だから…………そんな僕が榛名達に会わせる顔がないんだよ…………」
そう言ったのち、アイオワは泣き出してしまった。私はどうしたらいいんだろう…………私にはアイオワがそんな悪い感じには見えないし、榛名も多分そんな事は気にしていないと思う。
そう考えたら私はアイオワを優しく抱きしめていた。
「いち…………か…………?」
「大丈夫だよ、心配しないで。私にはアイオワがそんな風に誰かの事を考えられるとても優しい人だってわかるから。榛名もきっと許してくれるよ。だから、大丈夫」
「うっ…………うぅっ…………うわぁぁぁ…………あぁぁぁぁぁ…………!」
私がそう言ったらアイオワは大泣きしてしまった。きっといろいろ大変な思いをしていたんだろうね…………悠助に貰った優しさを少しでもいいから誰かに分けてあげたい。そんな思いで私はそのままアイオワが泣き止むまで優しく抱きしめていた。
…………。
……………………。
「ごめん…………なんだか迷惑かけちゃったかな?」
「気にしないでいいよ。私も泣いちゃったときあるからね」
「そうなの? 僕には一夏って強い感じがするんだけど…………」
「私はそんなんじゃないよ。弱くて迷惑ばっかりかけているし…………」
「ううん、一夏は強いと思う。こんなに優しいもん」
そうなのかな…………優しいとかよくわからないけど。でも、そういうアイオワの蒼い目はとても真剣そのもので、有無を言わせないような感じがした。さっきまでの気弱そうな感じとは全く違うね。
「ねぇ、ところで、ここってどこなのかな?」
私はずっと気になっていたことを聞いた。こんな氷に覆われた空間なんてそうそうないし、なんで鎖で縛り付けられているんだろうって思う。
「…………ここはもともと僕だけの部屋みたいなものだよ。コア人格はみんなこういうところを持っているんだ」
どうやらアイオワの部屋みたいなものらしいけど…………なんでもともとなんて言っているんだろうかな?
「もともと?」
「うん…………結構重い話になるかもしれないけど、聞く?」
重い話かぁ…………あまり進んで聞く気にはならないとは思うけど…………聞いておかないといけないような気もして仕方ない。私は頷いて答えた。
「わかった…………一夏は福音が暴走した事、覚えてる?」
忘れるはずがない。あの時はすぐに助けたい思いでいっぱいだったし…………その後、悠助が殺されかけたから、ね。福音に乗っていた人が無事でよかったけど。
「あの時、僕の頭に電流が流れるような痛みが走って、そこから記憶がないんだけど…………それで、痛みが治まって、ナタルとアメリカに帰ってお家に帰れるかと思ったんだけど…………僕はそのままよくわからない基地に連れていかれて——身体を奪われたんだ」
「身体を、奪われた…………?」
「うん…………僕達ISは核となるコアと装甲や武器を含めたフレームからなるんだけどね、身体を奪わるということは、フレームからコアを取り外すということなんだ…………中にはそれに耐えられる人もいるけど、僕はそんな事に耐えられなかった。装甲を外されていくたびに痛かった…………コア人格の身体とIS全体としての身体はリンクしているからね」
そう言うアイオワの背中はとても震えていた。本当は話すのも辛いはずなのに…………私がこんな事を聞いちゃったからこうなったんだよね。もう止めていいよ、と言おうとしたけど、アイオワがそれを押さえるように私の手を握った。震えていて力は入ってないけど、最後まで聞いてあげようと私は決めた。
「全部の装甲を外された時、もう苦しくて辛くて、泣きたかった。ナタルと会うことはなかったけど、女の人が二人来てね——コアを手にとって地面に叩きつけて、蹴り飛ばしたんだよ。『この役立たず!』とか『疫病神が!』とかって言われてね…………あの時は酷かったなぁ…………部屋の中で激しく揺さぶられて、挙句靴は片っぽ無くなっちゃったし。こっちの身体にもダメージが来てボロボロになってから、急に周りが暗くなって、氷で覆われ始めて…………そして鎖で縛り付けられた。多分、封印措置がされたんだと思う。とても寒かった…………足、冷たかった…………何より誰ともお話できないのが辛くて、寂しくて…………助けて欲しかったんだ…………今日一夏に会うまで僕は一人ぼっちだったんだよ…………」
アイオワの目には涙が溜まって、今にも泣き出しそう。それだけ辛かったんだね…………。
「でもね…………一夏とこうやってお喋りできてよかった。そうじゃなかったら、僕はもう疲れて自らを消そうかなって考えていたから…………」
「さらっと恐ろしい事言わないでよ! だって、アイオワが消えちゃったら…………」
「コア人格が消えるだけだよ。代わりに
聞いてて辛かった。千冬姉さんが世界をとった時、あの時使っていたのは零落白夜——単一仕様能力だ。もしかして千冬姉さんはコア人格の事を分かってあげられなかったの…………? そう考えたら、身内がコア人格を、殺したの? 殆ど人と同じような榛名や武蔵、それにアイオワと同じ仲間を…………? それに私は単一仕様能力なんてものはいらない。それよりも、一緒に頑張れる仲間がいる方が嬉しいから。
「私はそうは思わないなぁ。そんな事をして一人でやりきってもなんだか虚しそうな気がするし…………一緒に頑張れる仲間がいるってなんだか楽しいからね」
「やっぱり一夏は優しいよ…………僕達の事を分かってくれた。そんな事を言ってくれる人は少なかったから、僕、嬉しい」
そう言ってアイオワは若干涙目だけど、ちょっとだけ微笑んでそう言ってくれた。そう面と向かって言われて私もなんだか嬉しい気持ちになった。
そんな時、
「一夏!」
「榛名!? どうしてここに!?」
「さっきまで一緒にここを目指していたの忘れたんですか!?」
あ、完全に忘れてた…………。
とりあえずそれはいいとして
「は、榛名…………?」
「アイオワ…………?」
完全に出会っちゃったんだよね…………アイオワもさっき話したから多分大丈夫かなと思っているんだけど、結構竦んじゃってる。
「アイオワ! 無事だったんですね!」
「え…………?」
「心配しましたよ! 突然リンクが切れたんですから…………」
「はる、な…………なんで、僕の心配を…………? だって僕たちは榛名の仲間を沈めた敵の——」
「そんな昔の事は気にしてませんよ…………悲しいけど戦争だから仕方なかったんですから。今はお互いマスターを守る仲間じゃありませんか!」
榛名も榛名でなんだか割り切っていたみたい。それを聞いて安心したのかアイオワはまた泣き出しそうになる。もしかすると拒絶されることだって考えていただろうし、それだけ怖かったんだろうね。
だけど、それを邪魔するように激しい揺れが私達を襲う。近くに生えていた凍った木みたいなものにしがみついて難を凌いだけど…………一体何が起きたの⁉︎
「きゃあっ!?」
「アイオワ! 大丈夫⁉︎」
「う、うん、僕は大丈夫…………でも、一体…………」
「——作戦が開始されたのですね。一夏、榛名達はここから出ます。アイオワはこのままここにいてください」
「あ…………うん」
「ちょっと、榛名!? アイオワをここに置いておくの!?」
「一夏がここにいる方がまずいです! 下手すると死んでしまいますから…………」
アイオワをここに置いていくことに私は抵抗を感じていた。こんなに激しく揺れているから何かが崩れてもおかしくない。でも、自分が死んでしまったら元も子もないから…………結局そうなっちゃうんだね。
「ごめんね、アイオワ…………私行くよ」
「心配しないで。僕は大丈夫だから…………一夏の安全が大事だもん」
「さぁ、行きますよ。——アイオワ、どうか無事で」
そう言って榛名は私の手を取り、そのまま私はまた意識を手放した。次に目が覚めた時、私は教室の机で寝ていた。夢、だったのかな…………でも、私の制服のポケットには入れていたはずの飴玉が無いから…………多分、本当のことなのかな?
「作戦開始!」
その号令とともに天海龍のVLSが解放され、トマホークが放たれた。空へ打ち上がったミサイル群は暗闇の空を引き裂き、一直線に目的地に向かう。その光景を俺はただ普通に見ていた。続いてアクティブ・カノンが起動、ターレットごと回転し、八つある砲門がレールキャノンのように展開、対地攻撃弾が放たれた。端的に言ってしまえば、戦艦とはここまでの火力を有していたのかと考えてしまう。だが、俺たちもそんな悠長に考えていられるほど余裕はない。第一波の攻撃が終了したのちに俺たちは基地に強襲しなければならないからな。
『RATX4-00、カタパルトデッキに移動してください』
俺に指示が出たようだ。さて行くとしますかね。俺はカタパルトデッキに移動し、ランチャーに両足を固定する。
『リニアボルテージ上昇、射出タイミングをパイロットへ譲渡します』
デッキに表示されている空間投影型ディスプレイには、接続と射出エネルギー充填完了を示す[CLEAR]が表示されている。じゃあ、行くとしようか。俺は背部のユニットを選択する。一度も使ったことないが、今回はBⅡ型を使ってみようと思う。選択するとともに大型のブースターポッド、両肩から覗くのは連射型ビームキャノン。機動性なら従来のよりは数段上だろうな。
「黒龍、出るぞ!」
リニアカタパルトが起動し、俺の体には激しいGがかかる。だが、そんな事は気にしていられない。俺は躊躇いなくBⅡ型のブースターを点火、一気に急加速した。
「敵基地までの距離は?」
『その座標からならそんなに遠くはないよ! 最大加速で向かって!』
「了解した。行くぜお前ら!」
「おうよ! 帰りは悠助に引っ張っていって貰えるから、エネルギーどか食いさせるぜ!」
「人をタクシー代わりに使うな!」
いつの間にか両サイドに並んでいたアーミアと渚。互いにブースターから出ている噴射炎は通常よりも長い。こいつら…………俺のDアームズ頼りで帰る気だな、おい。まあ、そんな事考えているほど余裕はないな。
「高熱源体接近! おそらく生き残った対空ミサイルだ」
「俺が迎撃する!」
面倒なことに対空ミサイルの接近だ。当たるのも癪だしな…………BⅡ型のブースターポッド部に搭載されているマイクロミサイルを放った。放射状に放たれたそれらはミサイルを次々とさほど綺麗でもない花火へと変えていく。
「イレイズド・セカンド到達まで残り六十セコンド! 総員白兵戦用意!」
だいぶ近づいてきたな…………。どれだけの兵力がいるのかという情報はない。だが、結局やることは同じだ。アーミアがコアを回収するまでの時間稼ぎ。それだけが俺らの仕事だ。
近づくにつれて生き残った対空砲が迎撃しようと撃ってくる。固定砲として有用なオートカノンタイプだ。当たれば派手に揺さぶられて動きを止められるだろう。弾を回避し、すかさずハンドレールキャノンを放った。電光を纏った砲弾が音速以上の速さで撃ち込まれる。それ以降砲撃が来ることはなかった。一発で仕留められるとかラッキーだわ。
基地に到達した俺らはそれぞれの場所へと向かう。アーミアはコアがあると思われる場所。俺と渚は遊撃。
「それじゃ、任せたぜ!」
「あいよ! さっさと見つけてこんなとこ後にしようぜ!」
「そいつは俺も同感!」
アーミアは再びブースターを展開し、進路上の敵を薙ぎ払いつつ、コアがあると思われる場所を目指す。さて、俺もするとしますか。目の前には戦車に戦闘ヘリに…………げ、クーガーかよ。やべえな、ここ。
「渚、いくぞ。一発たりともあいつには到達させるな!」
「言われなくてもな!」
俺と渚は同時に飛び立つ。右手のハンドレールキャノンを放ちつつ、俺は左手にツインガトリングガンを装備、ヘリに向かって放った。60mmというAPFSDSの何倍かはあるだろうという砲弾が戦車に向かって放たれる。向こうも滑腔砲を放つが、俺は上空に飛び上がり、戦車の弱点とも言える上面装甲を叩いた。最も薄いと言われるその装甲を何発もの砲弾が撃ち抜き、一両が瞬く間に炎上した。おそらくエンジンをぶち抜いたのかもしれないな。まぁ、どうだっていいが。
さて、俺もそう簡単に飛んでいられるわけじゃない。空には戦闘ヘリがウヨウヨ飛んでいるからな。背後からのミサイル接近警報。俺は振り向きざまにガトリングを放った。対ISミサイルではなさそうだ。弾速遅いしな。夥しいほど放たれる弾丸はヘリのキャノピーを砕き、パイロット諸共スクラップへと変えていく。操作する術を失ったヘリは地面へとはたき落とされ、先ほどの戦車の残骸に向かって墜落した。その直後の大爆発。残されていた弾薬に引火したのだろうな。
「渚、そっちはどうだ?」
『やっぱりラマーチとは違うな…………動き速えし。システム抜きじゃちょっと手こずりそうだ』
「おう、システム抜きで頑張れ」
『お、おい、ちょ——』
俺はそう言って通信を切った。そりゃ、目の前に機甲部隊がたっぷりと残っていやがるからな。ざっと数えて戦車十両、ヘリは四機。その他に機動砲塔システムや装甲車。残弾はまだたっぷりと残ってる。ならばやることは決まった。
「派手なパーティーといこうじゃねえか!」
ノーマルユニットに切り替えた俺はそのまま突入する。ガトリングで履帯とタイヤを破壊、そのままの勢いで砲塔部分にハンドレールキャノンを撃ち込む。確認はしない。後方で爆発音がしたからな。
ヘリが俺を取り囲むように陣取りながらチェーンガン、小型ロケットによる攻撃をしてくる。さっきの戦車の残骸に隠れつつ、頭部の近接防御機関砲による攻撃を行う。
「トリガー、ブレインコントロール、オンライン」
思考制御による頭部の機関砲斉射。標準的な5.56mmNATO弾だが、破壊力はお墨付きだ。こめかみの両方から飛び出る弾丸は確実にヘリのローターを砕いていく。次第にローターを失っていくヘリがそのまま宙にいられるはずもなく、地面へと叩きつけられた。残っていたミサイルが誘爆しさらに派手な花火が打ち上がる。どっかの爆弾魔が見たら、俺のアートには劣るとかなんとかと言いそうだぜ。
だがそれでもヘリ共は俺を狙ってやまない。それに地上からいつ滑腔砲が撃たれるか、それすらやばい。何より武器がでかいから誘爆しやすいんだよな…………俺らのシールドバリアは基本的に装甲の中心あたりに展開されているから、武器までは保護してくれない。ハンドレールキャノンならまだしも、まだ三千発近く弾が残っているツインガトリングガンなんかに被弾したらシャレにならねえ。誘爆を引き起こして大破確定。
(畜生…………味方だと情けねえくせに、敵だと厄介だ…………!)
一度だけ中東の解放戦線に加担して仕事した時もあるんだが、あの時は攻撃ヘリがすぐに堕とされたからな…………まぁ三次元機動ができない奴らだから仕方ないんだが、ちまちまかすってくるチェーンガンとか本当に厄介すぎる。俺が動かないと見たヘリ共は取り囲むように移動してきた。地上はなんとかなるかもしれねえから、まずは対空戦闘だな…………。ハンドレールキャノンの銃身下部にあるマルチランチャーにVTF弾を装填、ランダムで四発を放った。近接信管を搭載した砲弾はヘリの直前で起爆、キャノピーを砕いた。ヘリの装甲などたかが知れている。近くの装甲車に一機が直撃し、盛大な爆発を引き起こした。よし、手間が省けた。残るは地上兵器のみ。
残骸から飛び出し、俺はツインガトリングガンで上面装甲にトップアタックを仕掛けた。薄い装甲を撃ち抜かれ、一輌、また一輌と破壊されていく戦車や装甲車。対空砲を装備したタイプは俺を落とさんとばかりに弾を撃ってくる。だが、そんなもの俺には通用せん。脚部のスラスターで強制的に進行方向を変え、同時に脚部ミサイルポッドから対戦車ミサイルを撃ち込む。前部とエンジン部分に直撃した自走対空砲はその後俺に攻撃してくることはなかった。
残された最後の戦車は後退しながらも、俺に向かって滑腔砲を撃ってきた。手負いの獣はかなりヤバイと聞いたが、こいつも同類なんだろうな。現に正確に俺のいた場所を狙ってきている。まぁ、でかい砲身があるからどこを狙っているのかわかるんだけど。
「パーティーは終いだな」
迷う事なく俺はハンドレールキャノンを放った。車体と砲塔の接合部分に直撃した戦車は、自慢の砲塔を宙に舞い上げて大破、乗員は全員死亡しただろうな。
俺の周りには未だ熱のこもる残骸が幾多も転がっている。しかし、それもすぐにとは言わないが次第に小さく弱くなっていく。命の灯火が消えていくようにな…………。おそらく渚よりも殺した。増援はないようだが、アーミアからの報告はない。だが、報告だけはしておく必要があるだろうな。
「こちら黒龍、担当エリアの高脅威目標の殲滅を確認」
「げ…………もう、殲滅したのかよ彼奴」
通信で入ってきた報告に
「こいつっ! さっさと落ちなさい!」
撃たれるレールライフルの飛翔体を避け、バックユニットの80mm機関砲を放った。機関砲、とは言うが実際は単なる速射砲に近い。連射速度はそこそこだが、命中精度は高いぞ。機関砲でレールライフルと右肩の装甲を破壊し、接近ついでに蹴り飛ばす。既に二機落としているが、まだ三機残ってんだよな。口封じのために俺は全員殺す。情報を持っていかれるのは傭兵として辛いことだからな。
「うるせぇな…………テメエもあの世に送ってやるぜ!」
同じくバックユニットの120mmリニアキャノンを放った。俺の持つ最大火力だ。ラマーチならこれで撃破可能。だが質のいいアメリカ製の機体はどうなんだろうな。さっきの二機はビームライフルを撃ち込んだし。
「ぐぼぁっ…………!? く、くそ…………」
撃ち抜いて断裂などというオチにはならなかった模様。それでも装甲を砕き、中途半端に止まった砲弾はダメージを与え続け、その命を刈り取っていった。へー、擬似コアでもそれなりに強度はあるみたいだな。やはり外装によるものが防御力を決めているのか? 物言わぬ亡骸とその棺桶は地面へと叩きつけらる。残るは二機!
両手にビームライフルを構え、二機に向かって撃ち続ける。高威力のビーム兵器だ。正直、過剰なまでの攻撃力のせいで俺の中の狂狼が目覚めそうになる。
「きゃっ…………!」
「怯むな! 当たらなければなんともない!」
とは言ってるが、既に二機に直撃してんだがな。ビーム兵器の弾速はレールガンと同等。回避するのにはもはや第六感でも使うか、銃身を見続けているかのどちらかしかない。向こうも向こうで手前の一機がアサルトライフルとナイフを構えて突撃、奥の方は狙撃ライフルで援護してきている。だが、奥のやつは何やら狙いが甘い上に、逃げに徹しているように思える。ならいい、目の前のやつに集中だ。
「仲間の仇ぃぃぃぃっ!!」
アサルトライフルを連射して急接近してくる機体。二挺ビームライフルでは使い勝手はいいんだが、接近戦では少し銃身が長いため取り回しが悪いと判断。代わりに直刀を取り出し構えた。
「うるせぇ! どうせお前も女権の回しもんだろうがよ!」
胸部の12.7mm内蔵ガトリングと80mm機関砲を斉射しつつ、両手に持つ直刀を振るった。片方の直刀は単分子ナイフによって受け止められてしまったが、もう片方はライフルを切り裂く。
「くっ! ライフルが死んだが、ここまで接近したらナイフが有利!」
切り裂かれたライフルを捨て代わりにナイフを取り出して切りかかってくる。けどな、動きがバレバレなんだよ!
「んなわけあるか!」
「ぐはぁっ!?」
膝蹴りをお見舞いして距離を無理やり取らせる。俺の膝の装甲は格闘戦を考慮して非常に固くなっている。質量によるダメージは一概にバカにできないものだ。膝蹴りで奴の胴体の装甲は砕け、ダメージ自体全身に行き渡っているようだ。そんな絶好の隙を狼は逃すはずがない。
「くたばっちまいな!」
横薙ぎに直刀を振るい、ひび割れた装甲ごと胴体を切り裂いた。固い感触とともに何か柔らかいものを切る感触。直後、クーガーは爆発。擬似コアでも切り裂いたのだろう。あれ、下手にダメージを与えると爆発を引き起こす代物だしな。
「さて、と…………残るはお前だけだな」
残る一機に俺は視線を向けた。遠くからでもわかるほど、狙撃ライフルを構える腕は震えている。なんなんだ、この違和感は…………。だが、そんな事を気にしていられるほど俺に余裕はない。バックユニットのブースターを点火して一気に迫った。
「こ、来ないで! 来ないでっ!」
何かを叫びながらあいつは狙撃ライフルを見当違いの方向に撃ち、隙を作りたい放題だった。普通ならここで攻撃をして終わりなんだが…………俺はさっきの違和感がなかなか離れずに、攻撃を躊躇っていた。
「くそっ…………邪魔な違和感だ!」
仕留める気なら120mmリニアキャノンを使えばいいだけなのに、俺は12.7mm内蔵ガトリングで攻撃し続けていた。
「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
そいつは自分の頭を守るように腕で覆う。代わりに狙撃ライフルはガトリングの餌食となり、完膚なまでに破壊された。なんでなんだ…………あれは回避だってできる弾だぞ。なんで回避しなかった…………いや、できなかったんだ?
気がつけば俺と奴との距離は殆ど離れていない。むしろ近距離だ。これは一つ話をして見る価値があるな。
「おい、バイザーを解除して顔を見せろ、見せなければ」
そう言って俺はリニアキャノンを片方照準を合わせた。そいつはそれに恐怖を感じて竦んだが、助かりたいという思いの方が勝ったのだろうな。言う通りにバイザーを解除した。だが、それを見た俺は驚きしかなかった。
「おいおい…………嘘だろ、こんな奴が軍にいていいのかよ…………!」
俺が殺しかけた操縦者、そいつはほぼ俺と同年代と考えていいほど幼い少女だった。なんで…………なんでこんな奴がここにいるんだ!
「こ、殺さないでください…………し、死にたくないです…………」
彼女は今にも泣き出してしまいそうだ。こんな奴、軍に相応しくないだろうが…………上の連中は何を考えていやがるんだ。
俺はリニアキャノンの照準を外した。俺にはこいつを殺すことなどできない。見た感じ女尊男卑にも染まってない。普通のどこにいてもいい女の子だぞ。きっと殺したら、俺は完全に道を外れる。
「…………見逃してやる。早く行け」
俺はこの時見逃してやるように促したが
「そ、そんなの無理です…………私には帰れるところなんてないですから…………」
そう言ってただ力なく地面へと顔を向けていた。
「親のいない私には家なんてないですから…………でも、軍に拾われてもいいことなんてなかった! 毎日毎日、人を殺す練習をして…………薬を打たれて…………それが辛くて…………」
「——それ以上は言うな」
これ以上語られると面倒なことになるから言葉を途切れさせた。こいつ…………俺と似た感じのやつだ。同情なんてしたことないのにな…………。
「ひとまず武装解除しろ。話はそれからだな」
「…………うん」
彼女は力なく頷くと地上に降り、クーガーを解除した。俺もそれにつれて地上に降りる。
「束さん、捕虜を一人確保した。そちらに運んでもいいかい?」
『なーくんがそうしたいならそうしてもいいと思うよ』
「そうか…………ありがとう」
この時、俺は初めて戦場で人を殺す事を躊躇ったかもしれない。システムに飲まれようが飲まれまいが、殺して殺してそして生きてきた俺にとって、この日は多分忘れられないだろうな。
「そういや、お前、名前なんていうんだ?」
「私…………? …………エイミー、エイミー・ローチェ」
「エイミー、か…………いい名前じゃねえか」
「オラオラァァァァァッ!! 俺の道を邪魔すんじゃねえ!!」
ロングスマートガンより放たれたビームは一直線にいた戦車を撃ち抜き、沈黙させた。だが、そんな事をずっとかまっていられるほどの余裕などない。最大加速で
(見えた!)
ドーム状に作られている、古墳のような何か。あれが保管施設だ。遠くから見てもわかるように無駄に頑丈そうな扉が閉まっている。けどな、そんなもん今の俺には無駄だ!
両膝から円筒形の物体を取り出す。これにあるスイッチを押すと、ビームの刃が形成された。悠助のやつも使っているビームサーベルだ。両手に構えた俺は扉に向かって一気に接近し、
「しゃおらぁぁぁぁっ!」
扉を溶断した。クロスで切り裂かれた扉は無残に転がり、切り口は赤熱化している。まぁ、俺にはあまり関係ないけどな。施設内は扉の厳重さに比べて、かなり簡素な作りになっている。地下に向かって伸びる螺旋階段と、空洞。迷ってる暇などない俺は空洞を一気に降下していった。外気はかなり下がっている。封印処置をされてコアがどんな扱いを受けているのかわからないが、天龍のように意思があったらな…………こんな暗いとこにいたら怖がってるかもしんねえ。そう考えると加速に一層の力が入る。
いったいどれだけ降下したのだろうか。意識を上に向けると入ってきた穴がかなり小さい。そして、下には何やら空間が広がっている。ここが最深部のようだ。光など俺のデュアルアイ以外ない。そのはずだが、一点だけ、弱々しくも光っているところがある。間違いない、あれはオリジナルコアの輝きだ。俺はすぐにそこまで飛んだ。
だが、コアの状態は酷いものだった。傷などはないが、全体に鎖を巻き付けられ、透明な格納容器に収められている。こいつじゃあ、コアがかわいそうとか考えねえのかよ!
「…………すまねぇ、助けに来るのが遅かった」
返事など帰ってこないが、それでも謝らなければならない。こんなことにしてしまったのは、俺たち人間だ。ISに罪はない。だが、俺たち人間はこいつに罪を被せたんだ。こんな事、許されるものではないはずだ。
「今ここから出してやるからな…………行くぞ!」
上空に向けて背部と両肩のビームキャノンにロングスマートガンを放った。七条ものビームが施設の天井を貫き、道を作る。俺はブースターを全開にし、ここまで通ってきた通路を突破、夜の空へと躍り出た。
だが、どうしてだ…………なんでナタルの気配がないんだ!? 司令部施設を見た。だがすでにもぬけの殻、監獄エリアも誰一人としていなかった。どういうことなんだよ⁉︎
殲滅の完了した
「悠助! こっちはすぐに出れるぞ!」
真っ先にアーミアが何やら透明な容器のようなものを抱えてきた。おそらくあれにはコアが収めらている。ということはこっちの目標は一応達成はできたようだ。
「アーミアはアームズの後方グリップに捕まってくれ!」
「おうよ!」
片方のグリップに白龍のマニピュレーターが接続したことが表示される。それから間もなくして
「おい悠助! もう一人分のスペースってあるか?」
渚も帰還した。だがな…………
「お前…………なんで敵さん連れて来てんの?」
「捕虜にしたから問題ねえ。それにここを抜け出したいらしいしな」
フルフェイスバイザーが解除されたクーガーの操縦者はとても若い、というより幼い。俺と同じくらいか? しかし、こいつが殺さずに連れてきたとはな…………。何か特別な事情でもあるんだろうか?
「グリップが片方残っている。クーガーの奴にはそれを使わせてやれ」
「いいのかよ!?」
「良いも悪いもない、それだけだろ?」
「感謝するぜ! エイミー、掴まれよ」
「あ、うん…………ありがとうございます」
「渚、お前はミサイルモジュールにしがみついていきな」
「まぁ…………そうなるか」
ということで、もう片方のグリップにもマニピュレーターが接続され、渚のやつは必死になってミサイルモジュールにしがみついてる。
「じゃ、飛ばすぜ! 舌を噛むなよ!」
俺はDアームズの全ブースターを点火、一気に基地を後にする。天海龍が停泊している地点までは少しあるが、そんなに時間はかからないだろう。
「あ、そうだ! お前ら、ナタルの姿を見てないか!?」
移動中、アーミアが唐突にそんなことを言い出した。確かにこの場にファイルス中尉の姿はない。
「い、いや、見てねえぞ、俺」
「お、俺もだ…………」
だが、俺と渚は外で派手に戦闘していたし、何より生身の人間は全く見てない。
「ナタル…………もしかして、ナターシャ・ファイルス中尉ですか?」
「あ、ああ、そうだが…………」
「…………ファイルス中尉は移送されました」
その話を聞いていたクーガーの操縦者がそう呟いた。
「どういう事だ…………?」
「ファイルス中尉が福音のコアとの接触を完全に不可能とするため、中尉は今、サードへ移送されています」
「サード、だと!? イレイズドは全部で二つしかないんじゃないのか!?」
「いいえ、イレイズドは全部で三つ存在していて、ファーストで機体の開発と運用試験、セカンドは
言葉が出なかった。嘘だろう?なぜそんな事が…………理不尽なっていうことは、アーミアの危惧しているでっち上げの罪状を述べるだけのアレっていう話になるんじゃないのか!?
「刑の執行は早くても明日の朝ですが、サードへの道は私にはわかりません…………ごめんなさい」
「くそったれが…………!」
なんとも言えない空気が俺たちを包み込んだ。その空気のまま俺たちは天海龍の後部甲板に着艦したのだった。
…………。
……………………。
「そう…………なーちゃんが」
「ああ…………くそっ、俺が信じた米軍はこんな事を平然とするのかよ!」
着艦し、機体を解除した俺たちだが、アーミアは悔しさのあまり床に拳を叩きつけている。そりゃ悔しいだろうな。クーガーの操縦者、エイミー・ローチェが言葉をかけようとしているが、彼女自身どうしたらいいのかよくわかってない。その傍には容器が置かれている。
「アーミア、とりあえずコアを開放してやろうぜ…………」
「…………ああ、了解した」
俺の言葉に反応してアーミアは右腕のみを展開、対装甲ナイフを取り出し容器を割った。その中から出てきたのは鎖に縛られた淡く光るキューブ——オリジナルコアだ。アーミアは一旦そのコアを床に置き、ナイフを振り上げ、錠前を一気に砕いた。その瞬間だ。眩い光が俺たちを包み込む。なんなんだ…………この光は。光が収まるとそこには一人の少女がいた。アイスブルーの短髪に蒼い髪留めをつけて、ぺたんと女の子座りしてる。
「はふぅ〜、びっくりしたぁ…………って、ここどこ!? あ、あれ、僕、体を持ってる…………?」
なんだか状況を読めてない模様。だが、間違いない。こいつが福音のコア人格だ。
「おい、お前!」
「ひゃい!? な、なんでひゅか!?」
アーミアは突然声を張り上げてそいつを呼んだ。だが、その気迫に押されてか、少々気弱そうなところがある彼女は萎縮し、思いっきり舌を噛んだ。
「お前、福音のコア人格でいいんだよなぁ?」
「しょ、そうです!! な、名前はアイオワと言います!!」
「アイオワか…………なら、頼みがある」
そう言うとさっきまでの気迫はどこへいったのやら、アーミアは彼女——アイオワに対して土下座をした。
「お、おい、アーミア——」
「言うな。俺だってこんな事する性格じゃねえのは自分が一番よくわかっている。けどな…………親友を、幼馴染一人助けてやれねえ俺にはこうするしかないんだ…………頼む、アイオワ、ナタルを助けてやってくれ!」
そう言うアーミアは僅かだが目元を濡らしている。…………守れなかった悲しみ、か…………俺もいずれ味わうことになるのかもしれないと思うと、どこか苦しい思いになる。アーミアの切実な願い。
「ねえ、顔を上げて…………僕だってナタルを助けたいんだから…………ナタルの場所、僕、今なら感じられるよ」
その思いが届いたのか、アイオワの口から出てきた言葉は、今のうちひしがれているアーミアを一気に立ち直らせた。
「本当か!?」
「うん。でも、僕には身体がないから追いかけられないよ…………」
「なら、新しい機体を使うといいよ。アイオワちゃん、奥のハンガーにある機体、君が使ってあげて。具現化したコア人格なら機体を自由に操作できるはずだから」
今度はアイオワが驚く番だ。それを聞いた彼女の顔は曇りから晴れへと変わっていく。そして、格納庫の一番奥にある機体を目指していった。
眩い銀色に輝く機体。背中の巨大なウィングバインダーは、まるで天使の羽のようにも見える。
アイオワはその機体の前に立つと、その銀色の装甲に手を伸ばす。その瞬間だった、銀色の淡い光が溢れ出てきたのは。
僕があの銀色の装甲に触れると、頭の中に膨大な情報が流れ込んでくる。前の時よりも多い情報のはずなのに、僕の頭はとてもすっきりしていて、どこか優しさを感じていた。
——RAT4-02
——シールドバリア、絶対防御、異常なし
——システム、オールグリーン
——コア人格肉体による展開を確認
——装甲接合部、異常なし
——スタートアップイニシャライズ、コンプリート
——メインシステム、起動
その言葉が頭に流れてきた途端、僕の視界はいつもと違ってとても綺麗に広がっていく。癖なのかな? 真っ先に武器の確認をしちゃったよ。えーと、手持ちはフィンライフルにビームエッジブレイド、あと膝の装甲に格納されているビームサーベル。背中のウィングバインダーの間に大型プラズマキャノン、太ももの両サイドにビームアサルトガン…………うわぁ、福音の時も思ったけど、僕ってこういう高火力な武器しか持たせてくれないのかな? って、今はそんな事考えていられない。
「展開が完了した…………すげえな」
男の人がびっくりしている。うん、僕自身驚いているんだけどね。まさか、こんな事が普通にできちゃうんだから。でも…………
「多分この機体でも間に合わないよ…………今いるのが太平洋でしょ? ナタルがいるの、大西洋にある小島だから…………」
どんなに飛ばしていっても今からじゃ無理だ。ナタルが僕の前から消えちゃう…………
「瞬時加速のエネルギーにアクティブ・カノンを使ってみる? 瞬時加速はエネルギーを放出してから圧縮して吸収、そして突き進むもの。それは外部から供給されるものならなんでもいいよ。だったら、エネルギー兵器最高出力のアクティブ・カノンのエネルギーを使えば、すぐに行けると思う」
どこにあるのか束さんにもわからないけどね、とその人ーー
「お、おい! アクティブ・カノンは下手したらマズイぞ! ゴーレムタイプを余裕で飲み込み消滅させる威力…………それも俺より強力な51cmをぶつけんのか!?」
「え!? ぼ、僕消えちゃうの!?」
「あ、いや、直撃したらの話だが…………」
「大丈夫だよ、アイオワちゃんがタイミングを見極めればなんとかなるって」
そうお母さんが言うけど、僕はあまり自信がなかった。いつもナタルが声を聞かせていてくれたから落ち着いていられたけど、今の僕はちょっとしたことでもテンパっちゃう…………。だけど…………今ここで僕がこうなってちゃダメだ。そんなことをしたら、アーミアさんの期待を裏切っちゃう…………絆とかそういうのが好きな僕には、そんなことできないよ。
「わかりました…………それでお願いします」
「うん、わかったよ。じゃ、とりあえず、格納庫の外に出よっか」
だから僕はその案を受け入れた。これがどんな結果になるかわからないけど…………やる価値はある。僕はお母さんの言う通りに従って、ここから出ることにした。
…………。
……………………。
格納庫の外に出た後、僕は今いたのがとんでもないもののところだったと気付かされた。…………だって、戦艦の中にいたんだもん。戦艦の中に戦艦がいるなんて…………結構おかしなことかも。そして今、その戦艦の大きな主砲の真ん前に僕は立っている。戦艦だった僕の主砲よりも大きい。
『じゃ、始めるよ…………気をつけてね』
お母さんはちょっと不安そうにそう言ってきた。うん、僕も少し不安がある。でも、ナタルを助けたいという思いの方が今は強いから、そんなことはあまり感じてない。
さっきまで主砲の形をしていたものが、ガコンという音ともに変形していく。砲身が四つに割れ、砲塔が展開し、冷却装置みたいなものが見えた。え…………な、なんなのこれ?
『第四アクティブ・カノン、エネルギー砲形態移行完了。充填開始』
四つに割れた砲身に紫色のエネルギーが溜まっていく。光の強さは次第に強くなっていって、今にも弾け飛びそうなほどだ。僕はウィングバインダーを全展開して構えていた。バインダーの根元に大型のスラスターがある。何よりウィング自体がスラスターみたいな役目もしているっぽいから。
『充填率、規定値をクリア。何時でも発射できます』
「そちらの判断でお願いします」
『了解しました。では発射カウントを開始、五、四、三、二』
僕はこの瞬間、瞬時加速の構えをとった。スラスターからはエネルギーが放出される。でも、まだ回収はできない。
『一』
加速用のエネルギーは全てが放出された。ブーストゲージはもう何も残ってない。
『零、発射』
その言葉の直後、僕の背中には激しい衝撃が襲った。体が引きちぎれそうな感覚に陥るけど、それでもこうしなければいけない。僕はエネルギーを回収し始める。さっきまで空っぽだったブーストゲージはもう限界を超えて、チャージ率三百パーセントとかを示している。凄い…………これだけのエネルギーを溜め込んでいけるなんて。
「アイオワ、行きます!」
そして僕はそのエネルギーを開放、各部のスラスターというスラスターから溜め込んだエネルギーが溢れ出し、物凄いスピードで銀色の光跡とともに夜空を駆け抜けた。方角はあってる…………あとは真っ直ぐ突き進むだけ! 今助けに行くからね、ナタル!!
「わーお…………こいつはすげえな。時速何キロだ?」
「こ、言葉にできねえ…………」
「アイオワ…………任せたぜ」
「なんだかとんでもない光景を見た気がします…………」
夜空を駆け抜けていくアイオワの姿を見て、俺たちはただ呆然としているしかなかった。アクティブ・カノンの全エネルギーで吹っ飛んでったあいつ…………無事なのか?
「ところで、そのなーくんが連れてきた子なんだけど——」
「あ、そうだな。なんでこいつがナタルが移送されたなんて知ってるか気になるな」
そういうわけで、渚の奴が連れてきた捕虜のエイミーを指して尋問…………じゃねえ、質問会みたいな事が開かれている。ちなみに天海龍は針路をアイオワが向かったと思われる座標に向けて最大速力で一時南下し、その後大西洋入りするようだ。
「あの…………私が知ってる理由ですけど、レベルAの情報閲覧権を持っていて、あの基地の情報管理もしていたからですよ」
情報管理とか…………渚はとんでもない奴を引き連れてきやがった。情報は時として核よりもやばい武器になるからな。
「マジ、で? なんでそんな高レベルの情報閲覧権を持ってんの?」
俺なんてあんまり見れなかったのに…………とかとアーミアは言っている。まぁ、確かにこんな幼い奴にそこまで高度な情報閲覧権などあまり必要ではないような気がするが…………何か裏がありそうだな。
「ありとあらゆる敵に勝つための情報を集めるためです」
「エイミー…………お前は一体何者なんだ? ただの操縦者じゃねえだろ?」
連れてきた本人である渚がそう聞いた。ありとあらゆる敵に勝つためって…………まさか、天海龍に着艦するまでに聞いた不吉な、アレか!?
「…………あまり驚かないでくださいね。私は
そう言うエイミーの顔は暗く沈んでいて、俺たちはなんでこんな目にあう女の子が生まれなきゃいけなかったんだと、悔しさと怒りが混じった感情に苛まれるのだった。
白龍
【挿絵表示】
型式番号 RAT4-01
所属:無し
操縦者:アーミア・カリウス
蒼龍などと同じくビーム兵器を標準搭載した機体。Xナンバーが無いため、試作機というわけではなく量産化を計画した機体である。だが、高性能ゆえ量産化は見送りとなっている。もとよりRATナンバーシリーズが量産可能かすら不明だ。
全領域での戦闘を重視している本機だが、近距離と遠距離に秀でている。また格納している武装はあまり無く、基本的に固定武装による戦闘が殆どだ。
本機はアーミア・カリウスが乗り換えた機体の四機目であることも追記しておこう。
固定武装
[背部ビームキャノン]
背中に装備されている四門のビームキャノン。攻撃可能範囲はあまり広くはないが、上空と後方に攻撃が可能。
[肩部ビームキャノン]
背部ビームキャノンと違い、射角が広く扱いやすい武器である。また、キャノン部にはグリップがあり、ライフルとしても使用可能だ。
[ビームアサルトガン]
大腿部に取り付けられたビーム兵器。一撃の威力はビームキャノンに及ばないが、連射力では勝っており、けんせい等にも使用可能。
[ビームサーベル]
膝の装甲内部に装備されている近接武装。グリップにはスイッチがあり、そこを押すことでビーム刃が形成される。
射撃武装
[ロングスマートガン]
本機の持つ最高火力である。高出力のビームを放つことが可能な上に、レドームからの情報を受けて、高機動戦闘での狙撃を可能としている。
近接武装
[近接長刀]
刀である。ただし、強度は打鉄のブレードよりもはるかに高く、折れることはまずない。
[対装甲ナイフ]
RATナンバーシリーズに積まれているものと同型。アーミアはこれを投擲武器として扱う事が多い。
藍狂狼改二
型式番号 RGAT3-80C
【挿絵表示】
所属:無し
操縦者:伊達渚
伊達渚の駆るRATナンバーシリーズ。性能としては黒龍などのRAT4ナンバーと比べるといささか低いように感じられるが、本機の戦闘能力は時にそれらを超える。本機に搭載されているシステム、[EXTERMINATION SYSTEM]は起動と共に機体性能を著しく引き上げる。だが、操縦者の意識とは違う独自の行動を示す時があるとして、単機でいる際にしか使用は制限されている。
また、固定武装の多さではトップクラスであり、全兵装の一斉射をまともに受ければタダでは済まない。その上、格闘戦では蒼龍に次ぐ性能である。
固定武装
[頭部近接防御機関砲]
こめかみの辺りに搭載された機関砲パック。5.56mm弾を使用。ミサイルの迎撃に用いられる。
[胸部ガトリング砲]
胸部に積まれた12.7mmガトリングガン。破壊力はたいしてないが、武器を破壊するなど牽制には向いている。
[腹部ミサイルランチャー]
両脇腹に積まれているミサイル。ただし、各ランチャーそれぞれ一発限りのため、ほば最後の切り札である。
[バックユニット搭載120mmリニアキャノン]
レールガンと似たような原理を持つ最大火力武装。センサーが搭載されているため、各砲でそれぞれ違う目標を狙うことも可能。
[バックユニット搭載80mm機関砲]
機関砲としては大型の80mm弾を使用する。威力は高いが、代わりに射角が固定されているという欠点もある。
[ビームサーベル]
改装前はレーザーソードだったが、改装に伴いビーム兵器になった。腕部と脚部に装備されているが、腕部はシステム起動時のみ使用可能。その際にはホルダーが回転し、トンファーのように使用できる。
射撃武装
[マシンガン]
30mm弾を使用。平均的なマシンガンである。
[ビームライフル]
改装と同時に装備された。乱戦での使用を想定し。高速連射可能なほどにバレルを強化、銃身下部にはグレネードシューターが装備されている。
近接武装
[直刀]
いわゆる斬馬刀のような武器。バスターソードほどの重量はないが、それでも強引に断ち切る事は可能。
特殊武装
[EXTERMINATION SYSTEM]
日本語に直訳すると『殲滅システム』。機体性能を著しく引き上げるというシステムだ。だが、操縦者の意思とは違う行動を示す事があり、敵味方関係なく攻撃をする危険性もある。頭部フルフェイスバイザーユニットにブラックボックスとして搭載されている。システム起動時には腕部の装甲が展開し、その下の赤いフレームが露出、デュアルアイや各センサーも同じ色へ変化する。
悠助「というわけで、白龍と藍狂狼の二機だ」
【挿絵表示】
【挿絵表示】
一夏「えっと、上がシステム起動時で、下が改装前みたいです」
悠助「まぁ、ガンプラ再現が出来なくて嘆いてたみたいだがな。そんな作者が書いているこの小説も気がついたら四十話に到達しそうな勢いだ」
一夏「これからも生温い目でよろしくお願いします」