守りたい、ただそれだけ(本編完結)   作:ディニクティス提督(旧紅椿の芽)

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第41話

「くたばりやがれってんだ! この人形風情が!」

 

至近距離で対IS成形炸薬弾を放ち、目の前の無人機を撃破する。すでに四機スクラップにしているんだが、一向に数は減る気配がない。むしろこれ増えてねえか?

そうこう考えている間にもアサルトライフルは撃ち続け、隙を見てバズーカを叩き込む。接近など許さん。手間がかかって仕方ないからな。

 

「おいおい、こいつら何機いるんだよ…………」

「物量戦にもほどがありますよ!」

 

渚とエイミーもビームライフルやサブマシンガンを撃ちながらそうボヤく。まぁ、彼奴らは俺よりも先に戦闘をおっぱじめていたしな。だが、そんな事を言ってるからといって状況が変わるわけでもない。

俺の真下に生体反応があった。一応確認すると、スナイパーのようである。狙いは俺たちではなく、一夏達の方だろう。ならば撃たれる前に殺るしかねえ。

一瞬だけアサルトライフルを下に向けて放つ。その直後、トマトが潰れるような音ともに一本の木が赤く染まった。スナイパーは彼奴以外には見受けられない。当面は安全だろう。

 

「なんだ? スナイパーでもいたのか?」

「ああ、やばそうだったから始末したが、にしては数が少ねえな」

「あ、それなら危なそうだったので私が先に潰しておきました」

 

そう、さも当然かのように答えるエイミー。前は殺すのも殺されるのも嫌だったようだが…………やはり戦場に立つと生存本能でそうなってしまうのだろうか。

 

「敵機、撃破っと…………これで六機目だな」

 

渚は無人機の頭とコアをビームライフルで撃ち抜き、そう呟いた。お得意の直刀を抜き放ってないため、そこまで本気でもない模様。彼奴は射撃戦より、近接格闘戦の方が得意だしな。俺とは正反対の性質をしている。一方の俺はといえば、近づいてきたやつに脚部多連装ミサイルを二発プレゼントしてやったくらいだな。

 

「これ弾切れなんねえよな…………?」

「おい! 重装備のお前がそう言うと不安しかねえんだが⁉︎」

「あの…………さらに武器の少ない私に対する嫌味ですか?」

 

俺がそう呟いたらなぜか二人に怒られたんだが…………実際弾切れなりそうだし、アサルトの一マガジン。予備に交換する隙もとにかく減らしたい。バズーカも少し心もとねえしな…………武器の交換時だな。一旦アサルトライフルとバズーカを引っ込め、代わりに両手にツインガトリングガンを装備する。やけに多い弾薬数と高い攻撃力のあるこいつなら、しばらくは持つだろう。

 

「またエグそうなものを取り出して…………蜂の巣確定じゃねえか」

「まぁ、制圧にはもってこいの装備だからな。誤射はしねえから心配するな」

「敵機の増援を確認しました!」

「うっし、じゃあやるとするか」

 

ツインガトリングガンを正面に向け、無人機をセンサーリンク内に捉える。ざっと数えて十機か…………。

 

「くたばれよ、雑兵どもが!」

 

躊躇いなくトリガーを引いた。高威力の30mm弾が絶え間なく吐き出されていく。俺の後ろからも何やら砲弾が飛んできている。

 

「あれだけ的がでかけりゃ俺だって砲撃戦もできるぜ?」

 

渚の奴がリニアキャノンと機関砲で攻撃してきた。これは正直助かる。ガトリングだけではどうしても装甲自体を一撃で撃ち抜けねえからな。というか、あの機体に80mmの機関砲が積んであることに驚きだわ。80mmっていいところの無反動砲か艦載型の速射砲クラスだぞ。本当に気が狂ってるとしか言いようがない。

 

「エイミー、敵はどのくらい残ってるかわかるか?」

「え、えーと、残存機体六十パーセントです!」

 

結構残っていやがるな…………30mmもあればそれなりには撃墜できるんだが…………あいつら、エネルギーフィールドでも展開しているのか?

 

「おいおいまだ半数しか削ってないのかよ…………リニアの弾、あと半分しかねえぞ」

「仕方ねえ。お前ら近接格闘戦に移行しろ。援護する!」

「了解しました! 吶喊します!」

「やっと俺の出番か…………やっぱり戦いは、白兵戦じゃねえとな!」

 

そう言いながらエイミーと渚は敵陣に突っ込んでいく。渚に至ってはデュアルアイを赤色に変化させ、両腕の赤色フレームを露出させている。…………あーあ、敵さんご愁傷様。ああなってしまった渚は、敵と判断したものは全て破壊する。何より攻撃を恐れずにくるから、なおさらタチが悪い。

ガトリングを一旦格納し、代わりにバズーカを両手に持つ。弾頭は着弾の直前に粘着榴弾の子弾を撒き散らすクラスタータイプ。殲滅戦にはもってこいだ。

 

「出し惜しみはしねえ! 全部持っていけ!」

 

トリガーを引くたびに発射ガスが噴き出す音が聞こえ、マガジンからチャンバーへと次弾が装填される音が聞こえる。その音を合図に左右交互に撃っていく。弾速こそ遅いが、直前で起爆する砲弾だ。望遠カメラで確認すると、爆発に巻き込まれた機体は皆一様にパーツの至る所を破壊され、戦闘力を大きく削っていた。

 

「ん? なんだありゃ…………」

 

その望遠カメラで確認した時だった。無人機の奥から何やらそれらと違う機体が無数に出てきている。無人機の特徴たる首と胴が一体化してない上に、完全に内蔵されているか固定されて腕部と一体化してる武装が見当たらない。鋼鉄の巨人をイメージさせるものとは程遠い、柔軟な人を連想させる機体。全体的に曲線の多いシルエット、両肩の張り出したスパイク、頭部のブレードアンテナ…………あの機体はなんなんだ?

 

〔生体反応を確認した…………あれは有人機だ〕

「何処製の機体かはわかるか?」

〔データベースに登録されてないな…………おそらく新型か、秘匿され続けた機体だろう〕

「となると、この襲撃犯のお手製ってことでいいのか? 内部の制圧ユニットに無人機、そのあと詰めに有人機ときた。あまりにも都合が良すぎるぞ」

〔実際、私もそう思っている。あのタイプ、ロシア系に近いが何処かアメリカやヨーロッパの系統も少し混じっているな〕

 

厄介な相手が来たようだ。無人機ならばある程度のプログラムのパターンがある。それを利用した戦い方もあるにはある。だが、有人機となれば話は別だ。人が操作している以上、完全な行動パターンなどというものは存在してない上に、奴らには感情という未知の要素を備えている。どれだけ相手より先に潰せるか、それが鍵だ。

それよりも、機体の系統がロシアやアメリカ、ヨーロッパか…………この辺りのことは俺はよくわからないんだが、アーミアあたりならわかるんじゃねえか? あいつ、元アメリカ軍でロシアに飛んでヨーロッパで武力介入してるし。

 

「そうか…………わかった。武蔵、Dアームズを使うぞ。制御の一部を預ける。絶対に奴らを近づけはさせん」

〔了解だ。Dアームズ、リフトオフ〕

 

展開されているディスプレイに新たな表示が追加される。武装一覧の下にDアームズの固定武装が全て表示される。俺の機体に積まれているマルチロックオンシステム。同時攻撃可能数、最大四十八。同時ロック数はその五倍の二百四十。一機でイージスシステムと同じレベルの働きをすることが可能だ。マルチロックオンシステムがあったからこそ、俺は幾多もの戦場を生きてきた。だが欠点もあるんだよな…………こいつのロックに集中している間は脳に負荷がかかる。操作系統が少々疎かになりがちになるんだわ。今回はそれを踏まえて制御の一部を武蔵に任せた。改装を重ねたこの兵器を扱うには、俺一人じゃ厳しいからな。

 

「強制波動装甲、モノフェーズで展開。吶喊する!」

 

幾つあるのか俺にも把握できてない大型ブースターが唸りを上げ、全身武器庫の俺を強引に突き動かす。いくらISの操縦者保護機能があるからといっても、全身に無茶なGがかかって軋みをあげる。だが、そんな些細なことを気にしていられる余裕はない。

ディスプレイに次々と表示されていくロックオンマーカー。その全てが無人機だ。まぁ、有人機であろうと無人機であろうと関係ない。今はこいつらを殲滅する事が優先だ。

 

「VLS一番から二十四番、アルバレスト装填、発射!」

 

右側のウェポンモジュールより二十四発のアルバレスト対IS大型誘導弾が放たれる。轟音を響かせ、舞い上がっていく重弩の弾。白煙をなびかせ、無人機へと突っ込んでいく。無人機に当たると巨大な火球が生み出され、人形どもをただのスクラップへと変えていった。中には内部に突き刺さって起爆したものもあるようで、膨張して破壊されたものもある。

 

〔有人機の反応増加を確認した〕

「ちっ…………どれだけの戦力を持ち込んでやがんだ!」

 

115mmガトリングと220mmロケットランチャー、56連装ミサイルポッドから吐き出される膨大な量の砲弾とミサイル。アルバレスト程の攻撃力は有してないが、それでも腕や脚をもぎ取っていく。第三世代主力戦車と変わりないサイズのガトリングに、MLRSと同じロケット弾、連装ミサイルに至っては比較対象無し。そんな攻撃を食らったらひとたまりもないのは明白だ。

 

「悠助!? おまっ、それって!!」

「お前ら、流れ弾には気をつけろよ! あと射線に入り込むな!」

「無茶苦茶ですよ!? そんな吹っ飛んだ火線からどうよければいいんですか!?」

「根性でやれ! 雑魚どもはすっこんでな!」

 

両方のガトリングを向かってきた無人機に叩き込む。ガトリングガンとは思えない音ともに対IS用APFSDS弾が無人機に吸い込まれるように当たっていく。向かう途中に一発食らって左腕を失い、もう一発で頭部を失う。まともなセンサーを潰された奴は行動不能に陥り、胴体を貫しあせこは幾多もの砲弾に耐えられず、海中に没した。

 

〔新たなる高脅威目標を確認〕

「知ってるわな!!」

 

後方から攻めてきた無人機へ、振り向きざまの460mmアクティブ・カノンを撃ち込んだ。流石に粒子砲モードによる射撃にはラグが足りないと判断、実弾砲モードによる攻撃となったが、それでも上半身を吹き飛ばすには十分だった。

 

「全く…………何機いやがるんだ!」

 

ここまで十何機と落としてきたが、その数が減る気配はない。Dアームズに残された残弾もガトリング、ロケット、連装ミサイルが約半分だ。まともに使えるのはアクティブ・カノンとVLS、そしてウェポンモジュールに搭載されたハルバードのみ。だが、弾切れなんざどうだっていい。

 

「マルチロックオンシステム、ネメシスモード」

 

マルチロックオンシステムを最大限に活用するにはこのネメシスモードを使わなければならない。だが、こいつを使うのはさらに脳に負担がかかる。ビット系統の兵器を使うのと同じか、もしくはそれ以上。下手すれば脳が焼き切れる恐れだってある。

けど、こんな状況でいちいちそんな事も言ってられる余裕もないのが事実だ。ディスプレイには無数の黄色のロックオンマーカーが表示され、そのうちの四十八個に赤色のロックがかかった。赤色ターゲットはVLS及び連装ミサイルが攻撃対象として飛来していく。なお、ハルバードは通常ロックが使えないため飛翔しない。だが、それでも元より対IS用のアルバレスト、HEAISが弾頭に積まれているんだ。直撃していくたびに汚ねえ花火が幾多も生み出されていく。…………その中に命の散る輝きもある事を忘れてはならないな。

 

『アリゲトル5!? くそったれがぁっ!』

『待て! 隊列を崩すな! …………くっ、アリゲトル1よりアリゲトル4、随伴機(チェイサー)を頼む!』

『アリゲトル4、了解した!』

 

無人機をかき分けて突っ込んでくる二機を確認。形状から有人機と判断。その手にショートバレルのサブマシンガンを構えて撃ち込んでくるやつとバズーカを構えて向かってくるやつだ。サブマシンガンから放たれる銃弾が強制波動装甲を叩き、血のように赤く光るシールドを作動させている。

 

「武蔵! 強制波動装甲の作動率は!?」

〔現在、32%だ! まだまだ余裕がある!〕

「上等だ!」

 

大型ブースターの推力を調節し、あの突っ込んでくる奴らの方を向く。そのまま突き進み、115mmガトリングガンを放つ。轟音と共にその口径に見合った空薬莢が強制的に排出される。

 

「ぐぼぁっ!? て、てめぇ…………!」

 

サブマシンガン持ちに直撃し、右腕を吹き飛ばす。それと同時に自身の得物を失ったわけだ。だが、奴は速度を緩める気がない。俺はそのままガトリングを撃ち続ける。奴の装甲が砕かれ、その下の生身が血で染まっているのがわかる。

 

「落ち着け! その状態のお前には——」

「——ああ、何にもできねえよなぁ? ははっ、逝っちまいな!」

 

突っ込んでくるやつに220mmロケット弾を味あわせてやる。大型のロケット弾はその機体を飲み込むほどの巨大な火球を生み出した。

 

「ば、バケモノだ…………——」

「あ、アリゲトル6!? きっ、貴様ぁっ! 一度ならず二度も!」

 

そう言ってバズーカ持ちは俺に向かって砲弾を叩き込んでくるが、強制波動装甲に阻まれダメージを与えることができてない。まぁ、作動率がバンバン上がっているから不安なんだよな…………作動率が100%に達した瞬間、強制波動装甲は発生基部の放熱を行うため、しばらくの展開が不可能になる。

 

〔強制波動装甲、作動率65%に上昇!〕

 

限界値の半分を切った。さすがにやばいと感じたが、それは杞憂に終わった。

 

「くっ、弾切れか!」

 

向こうのバズーカの残弾が尽きたようだ。ふー、危ねえ危ねえ。ロケットエンジンに武器の塊のこいつが起爆したら俺もタダでは済まないだろう。それだけはなんとしてでも避けねばならない。

 

「だが、その図体で格闘戦はできないだろう!」

 

そう叫ぶと奴は手にナイフを展開した。単分子タイプか対装甲タイプかはよくわからないが、ラマーチやクーガーのそれらとは違う。大型のククリナイフのような形状をしている。攻撃性は高そうだな、ありゃ。

 

「仲間の仇ぃぃぃぃぃっ!」

 

そう言って突っ込んできたやつだが…………お前の言っている通りにはなるわけにいかねえんだ。だからよ

 

「とぉころが、ギッチョン!」

 

両サイドウェポンモジュールを後方に回し、バスターソードを展開した俺はそのまま一気に振り下ろした。こいつの破壊力はお墨付きだ。縦一文字に振り下ろすと、敵は真っ二つに切り裂かれていた。ちょいと返り血を浴びてしまったが、問題はないだろう。切り裂かれた奴は俺の後ろで爆散した。

 

『嘘、だろ…………モンスターだ…………』

『怯むな! 奴だって人間なんだ、倒せないはずがない! アリゲトル中隊、行くぞ!』

 

再び俺に向かってくる敵機。総数は九。変則三個小隊のようにも思えるな。だが、戦闘を突っ切る奴の機体は他とカラーリングが違う。他がインディゴブルーなのに対し、あいつの機体はダークブルーだ。おそらくあれが隊長機なのだろう。なら、やる事は決まったな。

 

「アクティブ・カノン、一番二番、粒子砲モードで起動。チャージ開始」

 

アクティブ・カノンを両方とも起動させ、チャージを開始させる。距離的には申し分ないからな。しかし、奴らもこっちの異変に気がついたのか、三方向に散開して行きやがった。アクティブ・カノンの餌食になる気はないようだ…………そんな事させるか!

残されたミサイルを放ち、奴らの進行方向を妨害する。連装ミサイルによる弾幕、VLSのしつこい追尾が奴らを襲った。

 

『ちっ…………なんなんだよ、このミサイルは!』

『あの機体は一体幾らの弾薬を積んでいるんだ⁉︎』

『だ、ダメだ! 振り切れない! うわぁぁぁ——』

『アリゲトル2!! 応答しろ、アリゲトル2!!』

 

はっはー、いい様だ。だが、さっきの一斉射でミサイルはハルバードを残して弾切れ。今後の使用は不可能だ。

しかし、今回の本命はアクティブ・カノンだ。こいつで他の無人機も纏めて薙ぎはらってくれるわ!

 

「充填率、100%…………最高だぜ。アクティブ・カノン、一番二番、フルバースト!!」

 

巨大な砲身から放たれたのは、どこまでも暴力的なアカの粒子。全てを無に帰す、地獄の砲火。それは一直線に曇り空のもとを突き進んでいく。

 

『お、おい! あれはなんなんだ!?』

『総員退避だ! すぐに退避を——』

 

言葉を言い切る前に粒子の奔流に飲み込まれ、機体もろとも蒸発していく。それは隊長機にも言えることだ。一気に七機を呑み込んだわけだが、二機に逃げられてしまった。全速力でこの空域を離脱しようと考えているようだが、逃すと思ってんのか!

 

「このまま、前方を薙ぎ払う!」

 

サブスラスターの推力を利用し、前方を薙ぎ払う。巨大なビームサーベルで、空域ごと切り裂いているようなものだ。それは逃げようとしていた二機の他、無人機多数を巻き込み、敵陣営に多大なダメージを与えた。

 

〔アクティブ・カノン、冷却プロセスに入る〕

「了解だ…………やべぇ、頭痛が激しい」

 

ネメシスモードが解除され、通常のマルチロックオンに戻ったわけだが、多大な情報を処理していた俺の脳は限界を超えていたのか、頭痛に見舞われていた。一応、ブドウ糖剤が投与されたが、それでも一時的な気休めにしかならねえ。

おまけにアクティブ・カノンを使用した所為で、強制波動装甲が解除されてしまっている。まぁ、制御するのにかなりのリソースを食うものだからな、どちらかしか使えないと言うのも考えどころだ。こんな時に敵に襲われたらやべえよ。

 

〔ッ!? 後方警戒!!〕

「何っ!? くそったれが!」

 

武蔵から後方警戒の指示が出た為、スラスターで強引に振り向くと、無人機が左腕のビーム砲を構えていた。さっさと潰すべくガトリングを放とうとするが、カラカラと虚しい音が響き渡るだけだった。マジか…………このタイミングで弾切れかよ…………。

離脱しようにも、奴の方がビームを放つのが早かった。ちっくしょう…………ここまでなのかよ…………。

…………。

……………………。

………………………………。

だが、いくらたっても爆発の反動などは来ない。よく見りゃ俺の正面に何やら碧色の縦長い六角形の物体がビームを防いでいた。その直後、無人機は上空から放たれたビームで撃ち抜かれ、爆散したのだった。

それにしても、この物体は…………そう思っていた時、俺の前に一機のISが降り立った。白をベースに所々に碧色の増加装甲をあしらい、右肩に謎のフィン状のパーツ、左肩にはさっきの六角形の物体が多数装備されていた。また、腰から伸びるアームにはその機体の半分もある碧色のプレートがシールドのように付いていた。そして、その手には放ったであろうスナイパーライフルが握られている。

 

「待たせちゃったね、ゆーくん」

 

そう言って、その機体の操縦者はブレードアンテナとデュアルアイが特徴的なフェイスバイザーを解いた。この声…………まさか、この機体に乗っているのって

 

「束さん!?」

「せいかーい! ほら、ゆーくんもユニットを切り替えて!」

「り、了解!」

 

突然のことに戸惑った俺だが、束さんに言われてノーマルユニットに切り替える。その時、ディスプレイの隅にライブラリが開かれたことを示すアイコンが点滅していた。そこに視線操作でライブラリを解放すると、あの機体についての情報が表示された。

 

(RATX4-02 碧龍…………広域殲滅型特殊兵装搭載機…………)

 

俺や一夏、簪と同系統の機体…………それだけでどれほど戦力になるのか、想像に難くないだろう。だが、俺としてはそんな情報よりも

 

『こちら白龍、戦闘空域に到達したぜ!』

『こちら銀龍、戦闘行動を開始するわ!』

『こちらは天海龍、要請が入り次第支援します!』

 

こっちの通信の方が格段にいいぜ。

 

「さ、こんなごたごた、早いとこ片付けちゃうよ」

「そうだな。なら、さっさと終わらせて、一夏の元に戻るとするか!」

「ここでも惚気るの⁉︎」

 

まぁ、いいじゃねえか。俺にとって帰る場所は、一夏の元以外ねえ。だから、俺はその場所を死んでも守らなければならない。守る為に全てをぶち壊す、それが俺のやり方だ。

 

「それとだ、ここから学園の生徒を避難させたいんだが、天海龍はどこまで来ている?」

『現在、学園島より十マイル近く離れていますが、十分以内に着いてみせます!』

「収容人数は?」

『格納庫、通路、甲板上を使えば千人なんて軽く乗りますよ!』

「そうか。頼むぞ、艦長」

『了解しました!』

 

これで無駄に非戦闘員を死なせることにはならないだろう。いくらシェルターがあるからといって、安心なんてできやしない。早いとこ本土にでも送り込んでおきたいんだよ。

 

「じゃ、くーちゃん来るまで、絶対に死守するよ。防衛ならこの機体にお任せ〜」

 

そう言って束さんはシェルターの方へと向かっていった。広域殲滅型特殊兵装搭載機である碧龍で防衛ってどういうものなのかと思ったが、まぁ束さんの事だし何か考えがあるのだろう。

俺はノーマルユニットからG型ユニットに換装する。機動力は格段に落ちるが、打撃力をあまり落としたくはない。右腕の105mmオートカノンを展開、こちらへと向かってくる無人機に銃口を向けた。

 

「さぁ、どっからでもかかってきやがれ! だがな…………俺を落とす気でいるんなら、この倍は持ってきやがれってんだ!」

 

オートカノンの砲声と共に、俺はまた敵陣へと突撃したのだった。

 

 

 

 

 

「アリゲトル中隊が全滅、だと…………他の中隊はどうなんだ!?」

「ラーストチカ中隊は小破二機、ジュラーヴリク中隊は未だ損害無しです!」

 

どうやら慌ただしくなってきたようだ。一中隊が全滅したのか…………向こうにどれほどの戦力があるのかわからないが、中隊を相手に取るなど余程のことがない限りしたくはない。尚且つ、あの特殊パルス波発生装置を破壊されてしまっているから、他の代表候補が専用機を駆って出てくるかもしれないだろう。どのみち、私がする事は決まっているんだろうが。

 

「無人機も多数落とされたようだしね…………」

「私達も出るべきじゃないか?」

「敵に無人機の思考アルゴリズムが追いついてないようだからガンポートとして使う。さぁ、行こうか。ブラーミャリサ中隊、出るぞ!」

「よし! これであの邪魔者達を消せるんだ! 僕達の世界がそこにあるんだ!」

「ハハハッ! この力さえあれば、代表候補など、恐れるに足りないぞ!」

「さて、我々に刃向かう者を粛清しに行くとしようか」

 

真紅、白、桜色、赤黒の機体が先頭を突き進み、その後ろを薄青の機体達が続いていく。となると、私も出番か…………別に戦う事に躊躇いを感じているわけではない。私は兵士だ。ただ戦う事だけが、私の存在理由。戦場こそが私の本来あるべき場所。だからこそ私も行かなければならない。その手で何を殺そうとも、迷う暇などない。

 

「…………クロノス、出るぞ」

 

背部ブースターユニットを起動、若干隊列に遅れをとってはしまったが、その加速力で復帰する。もう引き返すことなどできない。だがこの戦いの先に、私が望む世界はあるのだろうか…………半分兵器と化した私が抱いた疑問は、戦場の音が聞こえてくる度に薄れていったのだった。それにしても、なんなんだ…………この頭にチリチリと響く感覚は…………。

 

 

 

 

 

「機関、出力最大! 最大戦速!」

「了解よ! 重力子エンジン、オンライン!」

 

天海龍を指揮している(クロエ・クロニクル)は、全速力でIS学園のある人工島を目指していた。そこへ向かっている理由は一つ。悠助様から受けた命令、残されている生徒をすべて避難させろ、との事。束様、アーミア様、ナターシャ様をリニアカタパルトで射出した後、私も五十ノットで進んではいたが、悠助様からの連絡を受け、たった今この艦の最大速度である百二十ノットまで引き上げたところだ。四百メートルを超す船体がそこまでの速度で突き進んでいくのは中々の迫力があるだろう。今はそんな事を気にしている余裕などないが。

 

「日向、付近に敵は?」

「対空及び対潜センサーに反応なし。水上目標も未だ存在してないから、当面は問題ない」

「そうですか…………念のため全兵装、第二種警戒体制をとりなさい」

「了解した」

 

私の眼の前に展開されているディスプレイには、この艦の全体図が表示されている。そのうちの兵装ブロックが(セーフティ)から黄色(アラート)に変わる。この状態から戦闘形態に移行するまで殆ど時間はかからない。モニターに映し出されている景色はとてつもない速さで過ぎていく。次第に人工島もその姿を見せはじめた。

 

「接岸直前にサイドキックをします。速吸、格納庫内の未固定コンテナを全てワイヤーロック、総員衝撃に備えて下さい」

『よ、洋上でサイドキックするんですか!? 船体が持ちませんよ!』

「大丈夫です。この艦ならその程度の事は余裕です。それよりも、固定準備を急いで下さい」

『わ、わかりました!』

 

今頃格納庫では補給物資や修復資材の固定作業が行われていることだろう。そうしなければ、格納庫の中で資材の嵐が吹き荒れる。それだけは避けたい。

 

「あらあら〜、クロエちゃんも無茶するのね」

「昔の私達では到底無理なことだな」

「無茶でも無理でも、そこに僅かな希望があれば、私はそれに賭けます。それが今の私達に出来る最大限の事ですから」

 

こんな事、今まで思った事はない。私自身は何処かで生み出されたクローン素体。確か、IS学園に同じような境遇の人がいたはず。そんな私には戦う事だけがインプットされていた。戦闘用の生体端末ユニット、それがかつての私。だが、束様に拾われてから私は戦う事以外の事を知った、感じた、教えられた。束様の会話の中ではいつも、ゆーくんやいっちやんといった愛称をつけられた人達がよく出ていた。その時の束様はいつも笑顔だったし、恩人のそのような顔を見ているの私も心が温かくなった。

だから私は戦う。生体端末ユニットとしてではなく、一人の意思を持った人間、クロエ・クロニクルとして。殺すために戦うんじゃない、守るために戦うんだ。

学園島はすでに見えている。ならばやる事は決まってる。

 

「総員、第一種戦闘配置! 強制波動装甲、最大展開! サイドキック、スタンバイ!」

 

 

 

 

 

シェルターに避難した(一夏)達だけど、実際そこはすでに安全な場所とは言える状態ではなかった。最初のうちこそはまだなんともなかったから安心していられたけど、今はそうじゃない。あの時の無人機が攻撃してきたから。

 

「こ、のぉっ!」

 

だから私は蒼龍を展開、無人機と交戦していた。ブレードライフルを勢いよく振り下ろすが、その巨大な腕に受け止められる。けど、今はまだこれで十分。向こうが防御しているときは何も攻撃はしてこない。今、セシリア達がみんなを別な場所に避難させてくれているから、誰かが囮になっていれば、みんなに攻撃される危険性がそれなりには下がる。

 

「…………爆ぜろ!」

 

簪がツインビームライフルで援護射撃をしてくれてる。戦っているのは私一人じゃない。無人機は左足を破壊されるが、それでも私達に攻撃しようとしてくる。

 

「させないよ!」

 

ブレードライフルをそのまま振り下ろし、その勢いを利用してトンファーブレードを振り抜いた。硬いものを切り裂く感覚が手に伝わってくる。よく見れば、肩にあったビーム砲のようなものを切り飛ばしていた。でも、あれだけじゃ…………!

 

「…………ぶっ潰す!」

「簪!?」

 

援護射撃に徹していた簪が左腕にシールドクローを取り出し、無人機を押さえ込んだ。クローの先端からは何やらフィールドのようなものが展開されていて、無人機の胴体に突き刺さっていた。

 

「…………くたばれ!」

 

簪は右手のアームカバーを解放、アームマシンキャノンによる攻撃を開始した。小型のビーム弾が無人機の装甲表面で弾けていく。だけどあまりダメージは与えられてないみたいだ。それどころか、残された砲門にエネルギーが溜まり始めている。

 

「簪、避けて!」

 

私はビームサーベルを抜刀、無人機の頭から一直線に突き刺した。中の電子機器類が焼けたのか大きく痙攣した後、無人機は力なく両腕を下げて地上へと墜ちていった。

 

「…………一夏」

「簪、落ち着いて! 慌てたらダメだよ!」

「…………ごめん」

「謝らなくていいから。無事でよかったよ」

 

ひとまずの危機は去ったけど、それでも無人機はまだこっちに向かってくる。その数、二。一体はさっきと同じ機体、もう一機は右腕がブレードになっているタイプ。

 

「ねぇ、あのブレードを持っているの、私に任せてもらってもいいかな?」

「…………で、でも、二人がかりでさっさと倒しちゃった方が——」

「それじゃ、残った一体が自由だもん。じゃ、それでお願い」

「…………一夏にそこまで言われたら仕方ない、かな。でも、怪我なんかしないでよ、みんな悲しむから」

「わかってるって」

 

ブレードライフル、トンファーブレードの刀身を展開させる。ウィングブースターにはエネルギーが充填されていく。さぁ、行こう…………蒼龍、榛名。

 

「背中は任せたよ、簪!」

「…………任された!」

 

私はブレードを持っている機体に向かって突っ込んでいった。向こうもそれに反応したのか、私に向かって左手のビーム砲から赤黒いビーム弾を撃ってきた。けど、どうしてなんだろう…………私にはそれがまるで来ることがわかっていたかのように感じられて、そのまま難なく避けられた。

でも、そんな事を考えていられるほど余裕はない。一気に接近した私はトンファーブレードを一気に薙ぎ払い、無人機へと斬りつけた。無人機のブレードに防がれてしまったが、それでも力ではこっちが優位に立っている。その証拠にブレードからはミシミシと音が聞こえてくる。

 

「負けられない! お前達なんかに!」

 

無人機は動きが止まっている今を好機と見てか、左手のビーム砲を再チャージし始めた。普通ならまず読めないその動きすらも、今の私には読めてしまった。ブレードライフルを振り上げ、そのまま振り下ろす勢いで左腕を肩から切り落とした。オイルが噴き出して妙に生々しく感じられるが、そんな事を気にしていられない。そして、斬り結んでいた無人機のブレードが砕けた。力を押さえつける物がなくなったトンファーブレードは肘から下を完全に破壊した。

 

「これでぇっ!!」

 

無人機をトンファーブレードで弾きとばし距離をとった私はブレードライフルを畳み、そのままビーム弾を何発も放った。威力の高いビーム弾は無人機の装甲を貫き、機能を停止した鉄の骸は爆発して散っていった。

簪の方もさっき終わったみたい。なんだかビームガンを至近距離に付けて何発も撃っていたみたいだけど…………あれってあんな使い方できるんだ。

そんな風に考えていた時、何やら海の方から突っ込んでくるものが見えた。船のように見えたそれだけど…………あまりにも大きすぎる。あんな大きさの船、見たことないよ! しかも、かなりのスピードでこっちに向かってくる。あのままだと乗り上げちゃうんじゃ…………しかし、それはあの船が急に方向転換をした事で杞憂に終わった。そして、通信がきた。

 

『一方的な通信、失礼します。私はクロエ・クロニクルと申します。一夏様、学園の生徒を連れ、先ほど接岸した艦に至急学園の生徒を避難させて下さい』

「え、ちょっと待って!? なんで私なの!?」

『偶々回線がオープンになっていたからです。では、あとは頼みます』

 

そう言って通信は切られた。みんなを連れてあの船に向かえって言ってるようだけど…………でも、通信をくれた人は悪い感じのする人じゃない。だったらかけてみようと思う。

 

「簪! みんなをあの船にまで連れて行くよ!」

「…………え!? あの戦艦に!?」

「そう。多分、ここよりもあっちの方が安全だから。だから!」

「…………わかった。セシリア達にも連絡しておく」

「うん、お願い」

 

みんなをあの船に誘導することに決めた私達はすぐにみんなの元に向かった。私は仲間を誰も失いたくない…………私が傷つくのは別に構わないけど、私のせいで、私が何もできなかったせいで誰かが傷つくのは見たくないから…………だから、絶対に守る! 悠助との約束を守る為にも、何があっても生きる! 私にできるのはこれくらいだから——。

 

「一夏さん! 簪さん!」

「二人とも無事なのね!」

「…………あの程度に遅れはとらない」

「でも、心配したんだからね」

「力無い私達が不甲斐なくてすまない…………」

「気にしなくていいよ。みんなだって守っていたんだから」

 

みんなには攻撃が何一つ届いていなかった事を確認すると、ホッとした気分になった。もし流れ弾みたいなのがきてたらなんて考えたら…………ぞっとするよ。悠助はいつもこんな気持ちで戦っていたんだよね。

 

「そうだ! みんな、あそこに見える船にすぐに向かって!」

「って、でかっ!?」

「強襲揚陸艦か!?」

「あの船に行けばなんだか避難の手助けをしてくれるみたいだよ。だから早く!」

 

そう叫ぶように伝えると、みんなは私の示した方向に迷い無く走っていった。これでなんとかなるのかな…………。

 

「私達はみんなの護衛に行くよ。ここからあそこまで距離はあるだろうしね」

「了解。僕の機体は守るのに向いてるから先に行ってるよ」

「私もだ。民間人を守るのが軍人の使命だからな」

「私も貴族の務めを果たしに行くとしますわ」

「まぁ、あたしは親友のあんたからの頼みを断れないだけなんだけどね」

 

みんな迷いなんてなかった。私の言うことに反対するかもしれないとか、そんな風に考えてたけど、そんなことなかった。疑ってたわけじゃないけど、それでも昔の事が抜けきってない私からすれば無視されるかもとか考えてた。それがなかったという事は、それだけで私は嬉しい気持ちになった。

 

「あらあら、おねーさん達も護衛に着くわよ」

「と言っても、私と更識さんだけですけどね」

 

後ろから声をかけられたと思ったら、そこには楯無さんと…………よくわからない濃緑のISがいた。一瞬身構えたが、向こうがバイザーを解除した事ですぐに緊張は解けた。

 

「「山田先生!?」」

「はい。生き残った人は私達の後ろにいますが…………皆さんも無事避難できるでしょうか?」

「多分大丈夫だと思いますけど、保証できませんよ」

「いや、少しでも希望があるならやりましょう。もう水のヴェールも持たないの」

 

楯無さんは苦い顔をしてそう言った。よく見れば楯無さんの機体にはアクアクリスタルというユニットがあるのだが、それがもう半分しかない。これじゃ限界もくるよ。

 

「…………なら早く行こう、お姉ちゃん」

「ええ、そうね。簪ちゃん、道をお願い」

「私は右をカバーします、織斑さんは左側をお願いします」

「わかりました。では、行きましょう」

 

簪と楯無さんが先行し、山田先生はシールドを構え、私はブレードビットでフィールドを張り、先輩達を護衛しながらあの船を目指して進んでいったのだった。

 

 

 

 

 

「敵との距離は?」

〔もうそんなに残ってないネ。全システム、戦闘モードに移行するヨ〕

「頼んだ」

 

金剛にこの機体のシステムを戦闘モードへと切り替えてもらっている。長い間節約していたようなものだしな。切り替えの猶予も無くやってガタがきたから困るだろ。

あいつにその作業の全てを任せている間、(一秋)はただ一点を見つめていた。ハイパーセンサーによって強化された俺の目にはある部隊の編隊が見えた。その中にある桃色と白色の機体。あの機体には十中八九、あいつらが乗っているに違いない。そう考えると、両手に持っているビームライフルを握る力が一段と強くなった。

 

「なぁ、金剛」

〔What's?〕

「俺のやろうとしていること、お前はどう思っているんだ? 唯の自己満足か?」

 

今更だ、あいつを、一夏を苦しめる元凶を摘み取るなんて…………遅すぎたんだ。俺のやることはきっと唯の自己満足にしか過ぎないだろう。だからこそ、長年の相棒の金剛に聞いておきたかった。

 

〔私はそう思ってないネー。大切なsisterを守るのに遅いも早いもないデース。大事なのは、やるかやらないか、それだけデース!〕

 

俺は金剛が皮肉で返してくるのかと考えていた。だが、実際はどうだ。俺の考えに反し、あいつは今からでも遅くないと、そう言っているじゃないか。…………全く、自己満足なんだなんて考えていた俺が馬鹿らしく思えてきた。

 

「そっか…………そうだよな。ありがとうな、金剛」

〔マスターをsupportするのも私の使命ネー! このゴタゴタが終わったらsisterに会いに行くデース!〕

「そうだな、会いに行かないといけないな」

 

そのためにも今はこの戦いに全てをかけよう。死んでも帰らなきゃいけないからな、妹の元に。

 

「金剛、フル装備状態にしてくれ。ブレードライフルとトンファーブレードは一先ずいらないぞ」

〔OK、ただしバズーカも外すネ〕

 

この機体の至るところにあるハードポイントに武器が接続されていく。脹脛にはビームガンのホルスター、腰にはハンドバスターソード、左腕にはミサイルランチャー、襟元には大型のメガランチャーが接続される。近接主体の蒼と対をなす、射撃主体の()。近接戦もできなくはないが、得意なわけでもない。守りながら戦うのは正直言って苦手だ。だから俺は、先に厄介の種の火を消しに行く。守るために、壊すしかない。

 

〔戦闘モード、起動complete…………いつでも行けるネ〕

「ああ、行くとしようか、金剛。もう、後悔するのだけは御免だ!」

 

ウィングブースターを起動、俺は一気に突っ込んでいった。

 

——RATX4-01F 紅龍

 

紅の粒子を撒き散らしながら、俺はあいつらに向かって一条のビームを放った。




投稿が遅れた言い訳的な何か

課題研究や観艦式や艦艇一般公開が重なったんですよ!
あと撮り溜めた新作ガンダムとか、劇場版アルペジオDCとか…………

悠助「自滅じゃねえか。挙句、アルペジオはCadenzaじゃねえのかよ」

…………今後さらに投稿ペースが落ちます。こんな状態の作者が書いてるこの小説をこれからも生温い目でよろしくお願いします。
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