望side
僕はA組の教室にいる。
この学校は成績によってクラスが別れているらしい。
当然、転入試験の点数が高かった僕はA組に入れたのだ。
だが、クラスの雰囲気は最悪だった。
「転校して来た天川望です これからよろしくお願いします」
パチパチパチ……。
少しの人が拍手をするくらいでほとんどの人は興味がないようで勉強をしていた。
その冷たい雰囲気に僕は疑問と不満を持っていた。
後々聞くと中間テスト3日前だったらしくみんな切羽詰まってたそうだ。
先生は僕を席に座るように促し、すぐに授業が始まった。
授業は難しくペースも速のでみんな大変そうだったが、僕はしっかり授業についていけた。
放課後、僕の転入してきたのを祝ってみんなで出掛けるのを期待していた僕をあざ笑うかのようにみんなは塾があると言ってさっさと帰ってしまった。
僕はそれにため息をつきながら帰り自宅をしていると声をかけられた。
やっと話し掛けられたと思い顔を上げてみると一人の男子生徒がいた。
「ちょっといいかな」
「僕に何か?」
「お前が今日転校してきた天川望だな 浅野学秀だ よろしく」
「うん、僕が天川望だよ こちらこそよろしく それで何かな?」
「何故この時期に転校してきた?」
「あぁ、そのことかそれならこの学校に興味を持ったからさ」
「それだけでは理事長は同意しないだろう」
「確かにねだけど、僕は転入試験で満点をとったからだよ」
その発言を聞いた彼は少し眉を上げ驚いた顔をしていたが、すぐに顔を戻し、そうかとだか言ってどこかに行ってしまった。
その反応を見た僕はこの学校の生徒はみんなこういう反応しか出来ないのかなと思った。
また、今日1日この学校にいて分かったことがある。
それはこの学校の生徒の全員が母さんの独特なオーラに似ていないということだ。
学校全員の生徒を見た訳ではないがおそらく生徒全員が母さんの独特なオーラと似ていないと思う。
僕はこの前見たときのやつは勘違いだったかなと思いながら家へと帰るため下駄箱へ向かうのであった。
学秀は理事長室へと来ていた。
この学校の理事長は学秀の父である浅野學峯がやっている。
だが、おやこだから仲が良い訳ではない。
どちらかといえば悪い方だ。
「理事長、天川望はどういうことですか。」
「どういうこととはどういうことかね、浅野君」
「いくら学力が高くても、この時期に学校に入るのは不思議すぎると思うのですけど。」
「不思議ではないだろう 彼は満点で転入したのだから」
「そうですね では、はっきり言いますあなたは彼について何か隠しているのではないですか」
「……知ってどうする ネタにして私を支配でもする気かい」
「当然でしょう すべてを支配しろと教えたのはあなたですよ」
「さすがは最も長く教えて来た生徒だよ」
「「はははははは」」
理事長室には険悪なムードが漂っていた。
その後学秀は理事長室から出て行った。
それを確認したように學峯は引き出しから天川望転入資料と書かれた紙を取り出し
「この白髪は親子変わらんな
と誰もいない部屋でなつかしむようにつぶやいた。
《その日の望と愛理の夕飯の時の会話》
「どうだった新しい学校は?」
「つまらん」
「つまらんってどういうこと⁉︎ のんちゃんが楽しそうって思ったから転校したんじゃないの⁉︎」
「そりゃそうだけどさ」
望はA組の雰囲気を説明した。
「そういうこと、そりゃあしょうがないよ それより、のんちゃんはテスト大丈夫なの?」
「…さぁ? まぁ、なんとかなるでしょ!」
「さぁって!」
「そういえば、愛理もテスト近いんだろ大丈夫なのか?」
「大丈夫よ 今度こそのんちゃんよりいい点数取るんだから」
「はいはい、頑張ってくださ〜い『そんなこと言っていつも負けてるんだけどなぁ』
「あっ、なにその余裕な感じムカつくんだけど」
「ムカつくって言われてもなぁ」
「そんなに余裕なら賭けしようよ」
「賭け?」
「うん、賭け 勝った方が負けた方に何でも頼めるっていうのはどう?」
「お〜、いいね〜 楽しそうだからやるよ」
「よし、決定ね 五教科の合計点で勝負ね」
と賭けをする二人であった。