俺は星空星輝ただの高校二年生だ。そう本当にただの高校二年生悲しいぐらいに普通の人間だ。別段、勉強ができるわけではない。しかし、真面目に受ければ成績は上位クラスになる。運動もそうだ部活は何をやっても常人より少しうまいぐらい。
俺は才能があるわけではない普通なのだ。
出っ張りがなく凸凹も無い綺麗な丸い石ころのような物だ。普通なら喜べるものだろうが俺自身の精神は普通ではない。
普通に嫌気がさしてしまったのだ。確かにクラスのみんなとは楽しくやっているが平凡である。
俺はいつも非日常的なことが起きることを願っていた。その矢先にまさか転校生が来るとは思わなかった。
今日もいつも通りクラスでみんなが友達と話していた。俺の場合朝は眠いから寝てる。ホームルームは無視しているが今日はなぜか眠れずホームルームも起きていた。すると、今年から担任のモロキンもとい諸岡金四郎が入ってきた。
「静かにしろー!」
モロキンは怒鳴りに近い声で教室を静めた。その隣には灰色の髪で大人しそうな顔をした見たことない男性が入ってきた。そういえば、転校生が来るとかどうとか言ってたな。それとどうでもいいが、転校生の第一印象は、なぜかわからないが俺と似ていると思った。
「今日から貴様らの担任になる諸岡だ!いいか、春だからって恋愛だ、異性交遊だと浮ついてんじゃないぞ。ワシの目の黒いうちは、貴様らには特に清く正しい学校生活を送ってもらうからな!」
相変わらず話が長いおっさんだ。
てか、春だからって恋愛が発展するわけないだろうに・・・・・・自分の学生時代が春色じゃなかったからって俺らにも同じ学生時代をおくらせるなよな。
俺が呆れてため息をすると、ギロっと睨まれた。すぅっと目を逸らした。ゴホンとわざとらしく言うと、転校生の紹介をいやらしく始めた。
「それと、不本意ながら転校生を紹介する。ただれた都会から、辺鄙な地方都市に飛ばされた哀れな奴だ」
転校生をバカにしつつ稲葉市を愚弄するから評判悪いということに気づかないのか?どうでもいいけど。
「では、鳴上悠。簡単に自己紹介しなさい」
「・・・・・よろしく」
転校生・・・鳴上悠は簡単な挨拶をしただけであったが、モロキンが理不尽に怒鳴った。
「む、貴様・・・後ろから二番目、窓側の女生徒を妖しげな視線を送ったな!?いいかね!ここは貴様が今まで居たイカガワシイ街とは違うからな。いい気になって手を出すなよ?・・・と言っても最近はここいらの子供もマセているからな。どーせヒマさえあれば、ケータイで出会い系だのなんだのと・・・・・・」
モロキンの話があらぬ方向へと続き長くなりそうな話を始めた。しかし、それを見兼ねた斜め後ろの席のショートカットの女生徒、里中千枝が大きい声で聞いた。
「センセー。転校生の席、あたしの隣でいいですよね?」
「あ?そうか。よし、じゃあ貴様の席はあそこだ。さっさと着席しろ!」
相変わらず理不尽だなモロキンは。転校生も可哀想に転校したクラスがモロキンクラスなんてな。転校生が俺の隣を通過した瞬間、俺は転校生に向けどんまいと笑った。
すると、転校生は苦笑いになった。なぜか周りの奴らに驚かれたが気のせいだろうか。千枝が転校生に話しかけていたがまあ、気にせず寝よう。
今日も長い一日だった。俺は何と無くだが転校生に話しかけてみた。
「よう。転校生?このクラスの気分はどうよ?」
急に話しかけられたからだろうちょっと戸惑いが見られた。
「え?えーっと、まだわからないかな・・・」
「まあ、そうだよな。俺は星空星輝よろしく」
「よ、よろしく」
俺は転校生に手を差し出し握手を交わした。その瞬間、ビクッと背筋が凍るものを感じた。風邪か?と気になっていると、なぜか天城雪子を連れて里中がこっちに来た。
「あれ?星空くん珍しいね、まだ居たの?」
俺は里中の言葉に少しムッとした。
「なんだよ?いちゃダメか?」
「いや、そう言うわけじゃ無いけど。それに星空くんから他の人に話しかけること事態珍しいし」
「そうだっけ?」
「そうだよ!ね!雪子!」
「うん。私も今日は少し驚いた」
揃いも揃ってひどい言い草だ。俺だって話しかける時はあるよ。ただ、眠いから寝てて話しかけないだけだ。
「それよりも、鳴上君一緒に帰らない?」
「別にいいけど」
「じゃあ、決まり!星空くんはどうする?」
「まあ、久々に一緒に帰るのもいいかもな」
そう言って四人で廊下に出ようとすると残念王子がやってきた。
「や、やあ!里中さん!これ借りたDVDちょ、ちょー!面白かったよ!それじゃあ!俺はこれで!」
「待ちなさい!」
そそくさと帰ろうとしたら残念王子もとい花村陽介の姿を見て怪しく思ったのか里中は花村を呼び止めた。そして、DVDのケースを開けると里中は悲鳴に近い声で叫んだ。
「ああぁぁ!ヒビ入ってんじゃん!!」
「ほんっとにわるぃ!給料日まで待って!」
そう言って手を合わせ謝る花村に向け里中は蹴りを入れた。花村はちょうど目の前にあった机の角にクリーンヒットし、床に崩れ落ちてしまった。
これはもうそう簡単には復活できないだろう。
里中は怒って先に行ってしまい雪子もそれを追いかけ、鳴上もそっとしておこうと思ったのだろう。哀れみの目で花村を見た後、行ってしまった。
俺は花村に合掌をし、三人の後を追いかけた。
帰り道四人でたわいも無い話をしながら歩いていた。
「雪子ってすっごい綺麗だと思わない?」
いきなり里中の雪子自慢が始まった。鳴上はその質問に困ってしまっていた。しょうがないので助け舟を出してあげた。
「里中の方が綺麗だよ」
「な、なに言ってるの星空くん!!」
顔を真っ赤にし手をブンブンと大きく振った。
「天城もそう思うよな?」
「うん。すっごく思う」
「ゆ、雪子までぇ〜!」
「転校生は?」
「綺麗だと思う」
「うぅぅ・・・・」
里中は顔を真っ赤にしながら悶えていた。綺麗よりも可愛いが似合うと思うこの状況。
すると、俺の発言に何か引っかかる点があったのか天城が俺に視線を向けていた。
「どうした天城?」
「え?うんと星空くん鳴上君のことなんで名前で呼ばないのかなぁって思って」
「あ!あたしも思ってた」
そういえば俺さっきから鳴上のこと転校生って言ってたな。あんまし違和感なかったから気がつかなかった。
「いや、特に理由はないんだが・・・・転校生って呼ばれるの嫌か?」
「できれば名前で読んでくれれば嬉しい」
「まあ、そうだよな。それじゃあ・・・鳴上!」
「はい」
名前を呼ぶとわざとらしく返事をした。俺は久々に楽しい帰宅だと思った。しかし、その感情はすぐ先の十字路についた時には無くなっていた。
事件があったようで十字路には警察が沢山おり何かを調べていた。
「何か事件かな・・・」
天城が心配そうに言った。すると、キープアウトと書かれたテープの中から刑事らしき人が前を走って行き電柱に吐いていた。死体でもあるのだろうか。
「足立!お前まだ新米気分か!?」
足立と呼ばれる刑事は弱々しく返事をした後、また吐いていた。そして、怒鳴った人物はこちらに気づき近づいてきた。
「ん?悠じゃないか。それに星輝も」
「あ、堂島さんか。あ!もしかして堂島さんのとこに来たって言うのは鳴上のことだったのか!」
「同じクラスだったとはな。悠こいつは隣の家に住んでる星空星輝って紹介しなくてもいいか」
堂島さんの笑っていた顔は急に真剣な顔になり言った。
「にしても、どうしてここにいるんだ?学校には通らないように言ったんだがな」
「何も聞いてないけど」
「まったく・・・・あの学校はどうなってるんだ。とりあえず今は危ないから早く家に帰ったほうがいい」
そう言って、また現場に戻って行った。
里中は少し心配になったのか顔がすぐれなかった。
「あたしたち急いで帰るね。それじゃあ!二人ともまた明日!」
天城と里中は急いでバス停の方に向かった。
「さて、俺らも帰るか鳴上」
少し急ぎ足で帰路を歩いた。途中、鳴上といろいろな話をしながら歩いて帰った。やはり、鳴上と俺は何処かにている気がした。
鳴上の家の前に着き、別れ俺も自宅に戻った。
俺の家には今は誰もいない。両親は海外を旅するのが好きで家にいることはまず無い。寂しいと思ったことは無い。何故なら両親は毎日夜に電話をかけてきて俺の安否確認するからだ。うっとおしいと思うが悪く無いと思う自分もいる。夕食を終え、俺はベッドの上に横になった。すぐに睡魔は襲ってきた。
俺は妙な感覚になり目を開けた。すると、そこは自室の見慣れた壁ではなく。見たことのない青い部屋の中にいた。そこには長い鼻をした男と大人びた雰囲気の女性と俺と同い年ぐらいの女の子が座っていた。
「ようこそ、ベルベットルームへ」
ベルベットルーム?ここの名前だろうか?
「ここは夢と現実、精神と現実の狭間にある場所。お客人の意識だけこちらに来てもらった次第です」
突拍子もない夢だな。でも現実の感覚が地味にあるのが不思議だ。
「さて、あなたをここに呼んだ理由は、あなたが近い未来にある契約をするからです」
契約・・・・・?
「さよう。契約をした瞬間にあなたは、もう二度と普通の日常に戻れなくなるでしょう」
二度と戻れない?それって俺が化け物にでもなるのか?面白そうだが、非現実的だな。
「フフ、面白い方だ。しかし、それはあなたが一番望んでいたものです」
俺が一番望んでいたもの・・・・・・
「では、時間でございます。それでは、契約をした後で、詳しくお話しをいたします。ではまたお会いしましょう・・・・・」
遠くから何か頭に響く音がする・・・・・。目覚ましの音か?
9/25 文章追加、改変