ペルソナ4〜宇宙の少年と非凡のペルソナ〜   作:あるま☆

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【宇宙】その参

時計の針が11時30分を指した。俺は眠気に耐えるため里中と電話をして時間を潰していた。内容はあっち系を出さないようにしてる。花村で散々な目にあってそうだからね。

そういえば、こんな風に友達と夜に通話ってしたことなかったな。最近は色々変わって来てるないいことかもしれないんだろうけど。

 

「もしも〜し?星空君?起きてる?」

「起きてます起きてます!」

「急に黙っちゃうから寝ちゃったと思ったよ」

 

里中は電話越しでもわかる位に笑っていた。そんな笑わないでください恥ずかしいです。

 

「それにしても星空君とこんなに話すの久しぶりだね?」

「そうかもな。中学校の時は結構話してたのにな」

 

俺と里中と天城は小さいころから一緒でよく遊んでいた。

高校に入ってからは「普通」が嫌になって色々考えていることが多くなって、里中と天城や他の人たちと話す機会がなかった。

 

「高校に入ってからあまり話さなくなったけど、星空君と話すとやっぱり楽しいよ!」

「そ、そうか?くすぐったいからあまり真っ正面で言うな!」

「顔赤くなってるでしょ?昔っからだよねぇ褒められると赤くなるところ」

「誰も赤くなってるって言ってないだろ!!」

 

こんな風な会話いつぶりだろうな。最近は充実してる馬鹿みたいにな。けど、こうゆうのってフラグって言うかも、いつか恐ろしい目に会うかもな。嫌だなぁ。

 

「そうゆうことにしてあげる」

「解せねぇ・・・・」

「それよりも後もう少しで時間だよ!」

 

時計を見ると針は12時をさそうとしていた。

 

「そうだな。じゃあ、結果は明日ということでそれじゃあな!」

「うん!バイバーイ!」

 

電話を切り部屋の電気を消した。

外は雨が降っており遠くで雷がなっていた。時計の針が12時を指す。俺は何もつけていないテレビの真っ暗な画面を見つめた。自分の顔しか写っていない。やはりデマかと諦めたその時、テレビの画面がいきなり明るくなり何かが写った。

写ったのは人型のシルエット。女性のような細い身体で長髪としかわからないがたぶん女性だろう。女性はずっと立っていた。そして、映像はそこで終わった。全くもって不思議な番組だ。寝よう。

 

次の日、パトカーのサイレンの音で目を覚ました。また事件かと思いつつ時計を見ると遅刻寸前であった。

急いで布団から飛び出し、制服に着替え寝癖も直さずに俺は学校に向かって走った。

チャイムと同時に俺は教室に入ることができた。ギリギリセーフってやつさ。

 

今日の授業も寝て過ごし、昨日のマヨナカテレビについて話をしようと花村達の方を向くと何やら花村と里中が信じられないと言った顔で鳴上と話していた。

 

「それ寝ぼけてただけじゃね?」

「いや、でも・・・」

「どうした?」

「星空やっと起きたのか。鳴上がテレビに手が刺さったって言ってんだよ」

「・・・・・・はぁぁ?」

 

そりゃあこいつらのさっきの顔も頷ける。鳴上も寝ずに相当がんばって起きてたんだな同情するよ。俺も結構辛かった。

 

「鳴上今日は早めに寝ろよ?」

「いや本当なんだ!」

「じゃあ、今日ジュネスで試してみようよ。ついでにあたしん家のテレビ買い換えるから見たいし」

「よし決まりっとあれ?そいやぁ天城は?」

「今日は旅館が忙しい柄早めに帰るって」

「相変わらず天城の家は大変だな」

 

天城も高校生になってから旅館の手伝いをするようになって学校をたまに休むようになったな。大変だろうな。

さて、場所も変わりここはジュネスの家電コーナー。いろいろなテレビがある中、俺たちはジュネスで一番大きいテレビの前に立っている。理由は鳴上の昨日の実験だそうだ。

花村と里中が触って見たが、結果は刺さるわけも無く画面を触るだけ寝落ち確定となった。里中は、花村にオススメのテレビを紹介してもらいに行った。鳴上は納得がいかないのかテレビ画面を触った。

 

「おいおい。無駄だって・・・って、え!?」

 

鳴上の手が刺さった。しかも、テレビの裏に突き抜けた様子は無く、信じがたいがテレビの中に入ってるようだ。

 

「刺さった・・・」

「本当に刺さった!?」

「おいどうしーーーって、おおおお!?」

 

花村も異変に気づき、こちらに走って来た。里中もその光景に目を疑っていた。鳴上は周りの心配を気にせずさらに上半身をテレビの中に突っ込んだ。

 

「もっと中に入れるかも・・・」

「まじで?本当にどうなってんだよこれ!」

「だ、大丈夫なの!?」

「やっべぇ!びっくりしすぎて漏れそう!!」

「漏れるって何が?!」

 

いきなり起きた非日常な光景に二人が慌てふためく中、俺は鳴上のようにできるか実験して見たところどうやら鳴上が触れているときで無いと手をテレビの中に突っ込めないようだ。鳴上に一度抜けてもらった状態で触ったから間違いない。もう一度触ってもらい俺も上半身をテレビの中に入れて何かを探そうとした時、悲劇は起きた。

後ろでぶつかる音がしたかと思うと、背中に衝撃が走った。その衝撃のせいでテレビの中に上半身どころか体全身が入ってしまいそのまま、下に落ちて行った。

 

数秒落ちる感覚を味わうと地面に激突する寸前がんばって受け身をとったが、やはり失敗し、少し地面を転がった。

たぶん全身に軽い青タンができた。起き上がり周りを見渡すと霧に覆われていた。霧は深く遠くまでは見渡せなかった。近くには鳴上達がおり、花村は「ケツが・・・割れた・・・!」と言いながら尻を撫でていた。いや元から割れてるだろ。

どうやら全員がテレビの中?に落ちてしまったようだ。

 

「ここってやっぱり・・・」

「テレビの中だろ。テレビに向かって俺たち倒れたんだぞ?」

「ああ、背中押されたと思ったらお前らがこけたのか」

「わ、わりぃ・・・」

「面目無い・・・」

 

反省してるから怒らないが、それよりもここからどうやって出るかだ。

 

「どうやってここから出ればいいんだ?」

「も、もしかしてこのまま一生・・・!」

「お、おい!どうすんだよ!!」

「まず落ち着こう」

「そ、そうだな!」

 

鳴上は落ち着いた口調で言ってるが大丈夫なのか。まあ、見た感じ大丈夫だな。

 

「とりあえず周りを探索しよう」

「あ、危なくない?」

「いや、ここでじっとしてるよりはいいと思う。大丈夫!みんなでやれば怖くない!」

 

その言葉に励まされたのか里中は頷いた。

足元に気をつけながら進むとある一室にたどり着いた。そこは顔の部分が引き裂かれたポスターが部屋の壁一面に貼られていた。この部屋からは不気味な雰囲気よりも憎悪が感じられた。

この部屋に何かないか探していると、花村の行動が怪しくなって来た。

 

「大丈夫か?花村」

「も、もう限界だぁぁ!!」

 

そう叫ぶと壁に向かい俺たちがいる目の前で用を足そうとした。

 

「ちょ、ちょっと!何してんの!?」

「こっち見るなよ!見られると出ねえじゃねえか!」

「鳴上・・・このことは決して他の人に言っちゃダメなやつだな」

「ああ」

「でねぇ!くっそぉ!膀胱炎なったらお前らのせいだからな!」

 

先にトイレ行ってこいよ。

そのあと、出なかったことに不満を言いつつ、部屋から出た。何も見えない状況で歩いていると何かの気配を感じた。

 

「どうしたの?星空君?」

「しっ!何かいる・・・・」

 

奥の方で黒っぽい影みたいなものが蠢いていた。

影はこちらに少しずつ這いずりながら近づいてきた。

 

「なんだこいつら!?」

「気持ち悪い・・・!」

 

影みたいなもの達は、空中で丸くなり白黒の斜線上の縞模様が付き、中心が口のように裂け大きな舌が出ていた。

怪物に囲まれる前に建物から脱出しようとしたが怪物は俺たちを排除したいのか追いかけてきた。

建物からなんとか脱出することはできたが、怪物は俺たちの前に回り込んだ。一番前を走っていた里中は怪物に舌で舐められてしまい、気絶してしまった。

 

「さ、里中!」

「絶体絶命ってやつかな?」

「縁起でもないこというなよ!」

 

怪物が眼前に迫りもう駄目かと思ったそのとき、鳴上の頭の中に何者かの声が響く。

 

『我は汝・・・ 汝は我・・・。汝、己が双眸を見開きて・・・今こそ、発せよ!!』

「ペ・・・・ル・・・・ソ・・・・ナ・・・・ッ!!」

 

鳴上の言葉に反応するかのように突然、眼前に現れたアルカナの0番目のカード【愚者】の絵が描かれた青いカード表れた。鳴上はカードを砕くと、黒い長衣を纏い大刀を携えたペルソナと呼ばれる者が出現した。

 

「な、なんだそれ!?」

「・・・・イザナギ!!」

 

ペルソナ:イザナギは鳴上の声に反応し、怪物の一体を切り裂き、もう二体残っていたが手を構えた。すると、怪物に雷が降り注ぎ直撃し消滅した。

しかし、怪物はまだ他にもおり、先ほどのような奴らとは違う姿をしていた。

鳴上はもう一度、雷で攻撃をしたが今度はあまり効いてる様子ではなかった。そして、敵がかまいたちのような風を起こし、イザナギを攻撃した。イザナギに攻撃がヒットすると鳴上にもダメージが行く。今の攻撃はイザナギにとって大ダメージをもらったみたいだ。鳴上がもう瀕死になっていた。

 

「鳴上!!」

「に・・・げろ・・・」

「何言ってんだ!お前も一緒に!」

「・・・こいつらを食い止める・・・から・・・その隙に・・・!」

 

鳴上の体はどうみても限界に近いはずだった。たぶんもう一度さっきの攻撃を食らえば命は無いだろう。

 

「花村!!」

「なんだよ!俺だってどうすりゃいいか!」

「俺があの化け物の気を引く!その隙に鳴上と里中を安全な場所に!」

「なっ!?お前まさか!」

「頼んだぜ?」

「星空!!」

 

星空は怪物に向かって殴りかかった。怪物も不意打ちだったためかもろにダメージを受けた。

その隙に花村は里中を担ぎ、鳴上を背負い運んだ。しかし、怪物は星空よりも不思議な力を持っている鳴上を優先した。怪物が花村達を攻撃しようと追いかける。

 

「く、くんじゃねぇ!」

「花・・・村・・・俺を・・・」

「見捨てるわけねぇだろ!」

 

怪物が攻撃の大勢に入った瞬間、その間に星空が飛び込んだ。怪物の攻撃がもう眼前に迫った。

その時、何者かの声が頭に響いた。

 

『我は汝・・・ 汝は我・・・。汝、己が心を見つめ・・・今こそ、発せよ!!』

「ペル・・・・ソナ・・?」

 

眼前に攻撃が迫る中、星空の手のひらには鳴上と同じ青いカードが出現した。星空はカードを砕いた。

現れたペルソナは目と鼻が見えず、口だけが出るマスクを付け、大鎌を持ち、マントを羽織り、軽装備の戦士のような格好をしていた。

 

「星空も使えんのか!?」

「蹴散らせ・・・ケフェウス!」

 

ケフェウスと呼ばれるペルソナは炎を纏った大鎌で怪物を蹴散らした。怪物は力付き消滅した。怪物はもういないようで出現しなくなった。

 

「大丈夫か鳴上!」

「ああ、もう大丈夫。助かったよ」

「里中も気絶してるだけだし、よかった」

 

俺たちは里中が目覚めるまで休憩することにした。

里中が目覚め、何があったかを説明すると申し訳なさそうな顔をし、少し落ち込んでしまったが花村の言葉で立ち直った。出口を探してだいぶ経つが結局、何も見つけることはできずに最初に俺たちがいた場所に戻ってきた。

 

「くそ!どうすりゃいいんだよ!」

「な、なにあれ?」

 

里中が指をさす方向には見たことのない形の生き物らしきシルエットがいた。何処と無くクマっぽい。

シルエットはだんだんこちらに近づき、やっと見える所まで来た時、さらに驚いた。どう見てもこの世の生き物ではない。ただどこかクマっぽい。

 

「な、なんだおまえ!」

「君たちこそ誰クマ?」

「聞いてんのはこっちだよ!クマっぽい奴だな」

「俺も思った。なぁ、クマっぽい奴お前名前は?」

「ぽいじゃ無くて正真正銘のクマだクマ」

 

どうやら、この謎の未確認生物はクマという名前のようだ。こいつならここのこと詳しそうだな。

 

「ここってなんなんだ?」

「悪いけど今は説明してる暇はないクマ!早くここからでないと君たちシャドウに襲われるクマよ!」

「シャドウ?さっきの怪物か?」

 

鳴上はシャドウという物が気になって聞こうとしたが花村によって妨げられた。

 

「こっから出れないから俺たち困ってんだよ!!」

「だぁかぁらぁ!クマが出してあげるっていってるクマ!!」

「出れないっていって・・・は?」

「どっこいしょ!」

 

変な掛け声を言うとどこから出たのか積み重なったテレビが出現した。

 

「さぁ!さっさと行くクマ!」

「ちょ、ちょっと!」

「お、押すなって!」

「これって通れんのか?」

「さぁ・・・?」

 

クマに無理やりテレビに押し込まれたかと思うと、また落ちた。そして、また数秒落ちる感覚を味わうとジュネスの家電コーナーにいた。

 

「で、出れたの?」

「た、助かったぁ!」

「全員無事に出れたみたいだな」

「あれって・・・絶対落ちなきゃいけないのか?」

 

星空の言葉にみんなが呆れた顔になった。

皆何処か顔が疲れ切っていた。

 

「なんかあたし寒気して来た・・・」

「色々あったから疲れたんだろ。今日はゆっくり休め」

「うぉぉ!ト、トイレ!!」

 

花村の膀胱と人間としての威厳は守られたようだ。俺もなんか気分が悪くなって来た。花村が戻って来てから全員で解散した。里中は俺と鳴上で家まで送って行った。

家に帰る途中、鳴上に一つ気になることがあり、聞いた。

 

「鳴上さ?お前のテレビに入るあの力前からあったのか?」

「いや、こっちに来てマヨナカテレビを見た時に始めてできたことだから、たぶんごく最近だと思う。星空は?」

「俺は入る前はたぶん何も力はなかった。けどあの中できっと目覚めたんだと思う」

 

俺たちの力は鳴上もわかってない感じか。鳴上と自分の不思議な力“ペルソナ”、テレビの中の世界、クマと名乗る謎の生物、そしてシャドウと呼ばれる怪物。あの世界は一体なんなんだろうか。何も喋らないまま家に着き、鳴上と別れた。

俺はすぐに布団に横になった。今日はいろいろな非日常なことが起きて疲れてしまったのかすぐに睡魔が襲った。

 

何故か目を開けてしまった。すると、そこは自分の自室では無く前にも見たベルベットルームと呼ばれる部屋の光景だった。今日は、イゴールと大人びた女性だけだった。中央に座っているイゴールが口を開いた。

 

「ようこそ。ご心配めさるな。現実の貴方は眠りについていらっしゃる。私が夢の中にて、お呼び立てしたのでございます」

 

どうやら本当に夢じゃ無いんだな。そう言えば、その女性は喋れないのか?

 

「これは失礼いたしました。まだこの部屋の住人について紹介していませんでした」

「またお会いできて嬉しいです。この前は紹介できませんでした。私はマーガレットと申します」

 

珍しく大人びた女性、マーガレットが口を開いた。そう言えば、この前は俺とイゴールしか話していなかったからな。あの同い年くらいの女の子はどこに行ったんだろう。

 

「あの子はマリー。気づけばこの部屋にいましたが、今はいません。いずれ戻ってくるでしょう」

 

今まで、夢だと思っていたが、このベルベットルームってなんなんだ?

 

「ここは、何かの形で“契約”を果たされた方のみが訪れる部屋・・・貴方は日常の中で無意識に目覚めを促され、内なる声の導く定めを選び取った・・・そして見事・・・“力”を得たのです」

「これをお持ちなさい」

 

目の前のテーブルに鍵が出現した。鍵は消えたが気づけば自分の手の中に握られていた。

 

「今宵から貴方は、この“ベルベットルーム”のお客人だ。

貴方は“力”を磨くべき運命にあり、必ずや、私共の手助けが必要となるでしょう。貴方が支払うべき代価は一つ・・・“契約”に従い、ご自身の選択に相応の責任を持って頂く事です」

 

ようは契約の内容を果たすために動けばあんたらは協力を惜しまないってことか?

 

「平たく言えば、そういう意味になるでしょう。貴方が手に入れられた“ペルソナ”・・・それは、貴方が貴方の外側の事物と向き合った時、表に現れ出る“人格”。様々な困難と相対するため自らを鎧う、“覚悟の仮面”・・・とでも申しましょうか」

 

いわゆる守護神のような存在か?

 

「相変わらず、あなたは理解が早くて面白い方だ。しかし、貴方の“ペルソナ”は仮面であってまだ仮面ではない」

 

どういう意味だ?“仮面であって仮面ではない”?

 

「貴方の仮面はまだ不完全。まだ貴方が求める“非凡の仮面”になりきっていない」

 

俺が求める"非凡"?

 

「しかし、貴方の仮面が“非凡の仮面”になった時、何処へ向かう事になるのか・・・ご一緒に、旅をして参りましょう・・・フフ。では、再び見えます時まで・・・ごきげんよう」

 

俺が最後まで自分のペルソナと言う存在を理解することなく、意識は現実へと引き戻された。

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