ペルソナ4〜宇宙の少年と非凡のペルソナ〜   作:あるま☆

6 / 12
【魔術師】その参

現れたのは、驚くべきことに花村であった。だが、何処か雰囲気が違った。

花村?は不敵な笑みでこちらを見つめていた。いや、花村を見ていた。

 

「おまえ・・・誰だ?」

『俺はおまえだ』

「え・・・俺・・・?」

 

花村?は、花村だと言っているのか?こいつは一体何を言っているんだ。

 

『俺には全てお見通しなんだよ。小西先輩を助ける?本当はこの場所にワクワクしてたんだろ?ド田舎ぐらしにはうんざりしてるもんな?』

「ち・・・・ちがう・・・」

『あわよくばヒーローになれると思ったんだろ?大好きな先輩が死んだって言うらしい口実もあるしさ』

 

花村?は不敵に笑っている。

 

「おまえ、なんなんだ!何言ってるんだ!」

『我は影、真なる我。俺はお前の影』

 

花村?は花村の影と名乗った。

花村は、それを否定するかのように、自分の影を拒絶するかのように言った。

 

「ふざけんな!!お前なんかしらない!」

『ふはっはっは!くる!クルぜ!力がさぁぁ!!』

「お前なんか・・・・俺じゃ無い!!」

 

花村の影の周りから、赤い不気味なオーラが出ていた。まるで、ある高揚感に浸っているかのように、大きく笑い始めた。そして、蔑んだような目で花村を見ながら言った。

 

『ああ、そうさ!もう俺は俺だ!!お前なんかじゃ無い!!』

 

次の瞬間、花村の影の姿が変わり始めた。

体が大きくなり、迷彩柄のカエルのような生き物から、人間の上半身が生え、巨大な(シャドウ)に変わった。その衝撃で、建物の壁が崩れ、最初にいたスタジオのような場所になっていた。

花村の(シャドウ)は横にぶらぶらと不気味に揺れていた。(シャドウ)は、揺らしていた腕をムチのように、花村に向け振るった。花村は、ショックを受けているのか動けずにいた。

 

「花村!」

「・・・・ペルソナ!!」

 

鳴上が青いカードを砕き、イザナギを出現させ(シャドウ)の攻撃を防いだ。イザナギが剣を振るうが、かわされてしまう。

 

「すばしっこいな!」

「いやいや!そんな、凄い力を持ってたなんて、先生はすごいクマね!」

「ちがう・・・・あんなの俺じゃ・・・」

 

花村はずっと、違うとつぶやいていた。まるで、自分の(シャドウ)を認めたくないようだ。しかし、クマは言った。

 

「あれは陽介の中にもともといたものクマ」

「ちがう!あんなのは俺じゃない!」

『そろそろ、おまえは消えろ!』

 

花村に向け、影は腕を振り下ろした。花村を庇うようにイザナギが受け止めたが、影の力が強すぎるのか、押しつぶされそうだ。花村が否定するたびに、影の力が強くなって行く気がする。

気のせいか。周りからシャドウの気配がする。いや、床に黒い斑点みたいなものが、大量に現れ始めて、そこから出てきたんだけど。

 

「周りのシャドウが集まってきたクマァァ!」

 

現れたシャドウ達は、一斉に鳴上の方向に飛んで行った。花村の影に呼応されたか?

 

「ちぃ!ペルソナ!」

 

青いカードを砕くと、前と同じくケフェウスが現れた。

 

「と、星輝も使えるクマ?!」

「俺は呼び捨てか!まあいいが、蹴散らせ!ケフェウス!」

 

ケフェウスが持っていた剣を振り回し、鳴上と花村に攻撃を加えようとするシャドウを全て叩き斬った。

 

「喰らえ!」

 

ケフェウスの剣が花村の影を斬りつけられ、少し怯んだ。その隙を逃さず、鳴上は花村を担いで脱出した。

 

『本当にうぜえなおまえら!なぁ、そうだよな俺!』

「ちがう、ちがう!」

『俺は全部知ってるんだぜ?おまえがどれだけ弱い奴か。影でどんな風に言われているのか知っているくせに、いい人ぶってんだろ?一人は嫌だもんな?』

「やめてくれぇぇぇ!!」

「イザナギ!」

 

イザナギの拳が花村の影を、鳴上の拳は花村を殴った。

 

「鳴上!?」

「あ、間違えた」

「はぁ!?」

「ぷくくく・・・・」

 

クマは笑いを堪えていた。

 

「お前なぁ!」

「好きだったんだろ?先輩のこと」

「・・・・!ああ、そうだ。好きだったさ」

「なら、それでいいじゃないか」

「・・・・ああ、そうだよな」

 

花村は自分の影を向いた。その顔は、さっきまでとは違い、向き合おうとしていた。

 

「あれは、俺だ。目を背けちゃいけないよな」

『!!うぜぇ!うぜぇぇよ!!』

 

花村の影の様子がおかしくなった。体の周りにノイズのようなものが走り、苦しんでいるようだ。

 

「シャドウが弱っている今クマ!」

「鳴上やるぞ!ケフェウス!」

「わかった。イザナギ!」

 

ケフェウスが、花村の影に炎を纏った剣で斬りつけ、動きを止めさせ、その隙にイザナギが腕を振り下ろし、雷を影に向け落とした。

影は黒い粒子を、周りに放出し、花村の姿に戻っていた。力尽きたのか、その場に倒れ伏した。花村は逃げずに、自分の影に歩み寄った。

 

「お前は俺で、俺はお前だ。認めれなくて悪かったな」

 

その言葉に安心した様に、影は笑い、体が淡い光を放った。光が収まると、そこには両手に大きな手裏剣を持ち、ヒーローのような服装をしたペルソナに変わった。

 

「これが、俺のペルソナ・・・」

 

ペルソナは青いカードとなり、花村の中に消えた。

 

「ありがとな。鳴上、星空」

「気にするな」

「まあ、楽勝だったし?」

「クマにお礼はないクマか?」

「お前なんもしてないだろ?!」

「そ、そんなことないクマ!!」

 

花村とクマの口喧嘩を俺と鳴上は笑いながら、見ていた。それに気づいた花村は、恥ずかしそうに頭をかいて、笑ったのだった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。