ペルソナ4〜宇宙の少年と非凡のペルソナ〜   作:あるま☆

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【魔術師】覚醒

 

今日は本当にいろいろなことがあった。花村の影に会って、襲われたり、なんとか倒してテレビから出たと思ったら、里中に心配させてしまったお詫びに、花村はビフテキ十皿、鳴上は肉丼、俺は激辛麻婆豆腐だ。どんだけ食う気なんだ里中。

今は、三人で雨が降っている中、土手道を歩いて帰っている。

 

「今日はいろいろあったな」

「そうだな」

「・・・なぁ?お前ら、クマの言ってたことどう思う?」

 

クマの言ってたこととは、テレビの世界から出る数分前、俺たちは、花村の影を倒し、少し休んでいた。すると、クマは何かがわかったかのように言ったのだ。

 

『たぶん、今までにこっちの世界に入ってきた子達も、さっきの陽介みたいに自分の影に襲われたんだと思うクマ』

『自分の影を認められずに、自分に殺されたってことか』

『そうだと思うクマ』

 

自分の影に殺された・・・か。そういえば、俺と鳴上の時は、影が発生しないで、ペルソナの力を手に入れることができたが、何か特別な理由があるのか?鳴上はわからないが、俺のペルソナは未完成で、【非凡】ではないらしいし、ペルソナって一体なんなんだ。

考えていても仕方ないか。俺たちは、もう後には戻れない。

 

「あの中に、一人で入れば、死ぬんだよな?なら、テレビの中に放り込んでいる犯人は、それを知っているのか?」

「知っているはずだ。じゃなきゃ、なぜテレビに放り込むかって話だ」

「じゃあ、どうして先輩なんだ・・・」

 

やはり、まだ立ち直ってはいないんだな。仕方のないことだが、どうにかしてやれないかな。

俺の気持ちに気付いたのか鳴上が花村に言った。

 

「それを知るために、犯人を捕まえるんだろ?」

「・・・ああ、そうだな。俺たち三人で捕まえような!」

「もう、これ以上の被害を出さないためにもな」

 

俺たちは、向かい合って、拳を合わせた。

この日、謎の連続殺人事件を解決するべき、一つの探偵団が結成されたのであった。それを、激励するかのように雲の切れ間から、太陽が覗き、三人を照らしていた。

 

その後、それぞれの家に帰ったのが、午後六時を回ったところだった。俺は、さすがに疲れ布団の上に倒れ込んだ。

ペルソナでの、長期戦闘はかなりの体力を消耗した。しかし、弱音を吐いている暇なんてない。もっと、力をつけて、ペルソナを使いこなせるようになって、みんなを守るんだ。そんな時に、あいつから電話が来た。

久々に電話が来たために、最初は誰か気づかないほどだった。あちらさんも、探偵の仕事が忙しいのはわかるが、もう少し連絡をくれてもいいと思う。だが、声は元気そうだ。ちょっと、安心したのは秘密だ。

久しぶりの電話だったため、一時間も話したのには俺も驚いている。そして、俺の精神はもう、睡魔に勝てないぐらいに弱まっていたため、俺の意識は闇に溶けて行った。

 

目を開けると、またもや、呼び出されたようだ。目の前には鷲鼻の老人、ベルベットルームの主、イゴールがいつも通り、不気味に笑っていた。気のせいか、ベルベットルームの構造が変わった気がした。前は自分の部屋が青く装飾された感じであったが、今はリムジンの中のような感じだ。

そういえば、ここって夢と現実の狭間って言ってたし、部屋の形は定まってないのか?

 

「ようこそ、ベルベットルームへ。どうやら、部屋の変化に驚いているご様子で」

 

相変わらず、鋭い御人だ。それが不気味で仕方ない。

 

「褒め言葉としてもらっておきましょう。それで、今回お呼びしたのは、新たにペルソナを手に入れたお仲間との絆を深めたからです」

 

もしかして、花村のことか?

 

「左様。ご友人は、【魔術師】のペルソナ。そして、【愚者】のペルソナ。【愚者】の方は、さらに特殊な方でして、きっと、あなたの【非凡の仮面】を手に入れる手助けとなるでしょう」

 

思っていたが、その【魔術師】や【愚者】ってのは、タロットカードの大アルカナからとっているのか?

だとしたら、俺のペルソナは一体なんだ?

 

「あなたのペルソナは、まだ不完全。しかし、完全な【非凡】のペルソナとなった時、あなたのペルソナは、無限大の強さを持つペルソナ。言うなれば【宇宙】のペルソナ」

 

【宇宙】?アルカナに【宇宙】なんてあったか?【世界】とか【死神】じゃないのか?

 

「【宇宙】とは、【世界】と表裏一体。世界が裏で有れば表、世界が表で有れば裏。まさに、鏡のような関係でございます」

 

簡単に言えば、ドッペルゲンガーってとこか?

 

「そう思っても構いません。しかし、【宇宙】は、とても変化しやすいもの。あなたの心の変化で、ペルソナにも変化が発生し、どうなるか私どもにもわからないので、くれぐれも注意を・・・・」

「あなたの行く末がどうなるか、ともに見て行きましょう。それでは、また、会う日を楽しみにお待ちしております・・・・」

 

そして、目の前が真っ暗になり、目を開けると、日が昇っていた。

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