目が覚めるといつも通りの天井が目に入る。今は何時なのか時計を見ると、八時過ぎであった。あ、遅刻じゃん。急いで準備をしようと布団から飛び起きると同時に、今日が何曜日か思い出した。今日は日曜日だ。昨日色々ありすぎて、曜日感覚が崩れてしまった。
日曜日かぁ。なんもやることないなぁ。そうだ、あいつに電話してみよう。忙しいと言っても、朝は忙しくないはずだ。俺はそんな思いつきであいつに電話をした。すると、呼び出し音が鳴って数秒で電話に出た。
「もしもし、白鐘です」
「よう白鐘!元気か?」
「・・・・・こんな朝早くから、なにかようですか?というか、昨日話したばかりでしょう?」
今話している相手は、昨日電話をかけてきた人で、白鐘直斗と言って俺の幼馴染だ。だが、歳は俺の一つ下だ。そして、どうやら白鐘は寝起きのようだ。機嫌が悪い。白鐘って、寝起きの時に冗談言うとものすごく怒るから、言葉に気をつけないといけない。しかし、本当に眠そうだ。電話越しでもわかるくらい大きなあくびをしてる。
「まあ、あれだ。話し足りなかったってことで」
「やることがなかっただけでしょう?」
「うっ!」
「図星ですか・・・・まったく。星空先輩は昔からそうですよね」
「う、うるせえよ!それと先輩はつけなくていいって言ってるだろ?」
昔から、こいつは先輩ってつけるけど、幼馴染だから気にせず呼び捨てでいいのにな。歳も一つしか違わないんだし。
「だったら先輩も僕のこと、下の名前で呼んでくださいよ」
「いやだ」
「じゃあ、僕も嫌です」
こうゆうやりとりを毎回話すたびに俺たちはやっている。むしろ、これをやらないと白鐘と話してるように感じない。
まあ、そんなことはさておき、白鐘に聞きたいことあったんだ。
「おまえさ、仕事でこっちに来るって話だけど、ほんとか?」
「はい。誰から聞いたんですか?」
「お前の爺さん」
「おじいさまに?会ったんですか?」
「まあ、うん。学校から帰ってる途中でーーー
『おお!星輝君じゃないか!』
って言って、嬉しそうな顔しながらこっちに近づいて来てさ、どうしたのか聞いたんだよ。そしたら
『直斗が仕事でじゃが、こっちに帰ってくるんじゃよ!』
って言ってた」
白鐘の爺さん落ち着いてるイメージあるけど、意外におちゃらけな人なんだよな。まえに、ちょっといたずらされたし、すごい長生きしそうな爺さんだよなぁ。
「おじいさま相変わらずのようですね」
「あ、あと『星輝君も嬉しいじゃろう』って言ってた」
「・・・・・先輩はなんて答えたんですか?」
「めちゃくちゃ嬉しいです!って言った」
「先輩も先輩ですね・・・・」
褒めてんのか、貶してるのかわからない。
白鐘が、そろそろ仕事で行かなければならないそうなので、今日はここまでにした。また今度話そう。
昼になり、腹が空いたので久々に外食をすることにした。まあ、今日も肉丼を食いに《愛家》に向かう。その途中で、鳴上とあった。鳴上も腹が空いていたそうなので、一緒に愛家に行くことにした。愛家に入ると、同じクラスの中村あいかが働いていた。
「いらっしゃーい」
「中村相変わらず棒読みだな」
「誰?」
「ああ、そうか。お前転校して来たばっかだもんな。こいつは中村あいか。一応、俺達と同じクラスだ」
「中村あいかです。よろしく転校生君」
「鳴上悠だ。よろしく」
なんか鳴上の素が見れてきた気がする。前より喋り方が勇ましい?強気?になっている。まあ、こっちの方が面白いんだけど。
さて、とりあえず肉丼を頼んだ。ここの肉丼って肉の量が多くてなかなか白米にありつけないんだよなぁ。里中は余裕で平らげてたけど。
そんなこんなで待っていると、鳴上があることを聞いてきた。
「なあ、星空はベルベットルームって知っているか?」
「なんでお前がそれを知ってるんだ?」
「俺も行ったことがあるからだ」
どうやら、ベルベットルームと言うのは色々な人が入れるようだ。しかし、人それぞれにベルベットルームが存在するのか、一度も他の客人にあったことがない。鳴上もベルベットルームに行ったことがあるところを見ると、この可能性は否定はできないな。
「そうだったのか。実は、俺も何回か招かれている」
「自分の意思ではいけないのか?」
「ああ、必ず呼ばれる」
「じゃあ、青い扉を見たことあるか?」
「青い扉?なんだそりゃあ」
鳴上はやっぱり見えないのかと言って黙ってしまった。
どうやら、あのイゴールの言ったとおり、鳴上は何か特別なのかもな。まさに特殊と言ってもいいぐらいに、俺がなりたい存在そのものだ。羨ましいよ。
それからベルベットルームについて他に聞きながら話していると、肉丼が目の前に並べられた。
「まず今は、食うか!」
「そうだな」
『いただきます!』
やっぱり、肉の壁が厚すぎるぜ・・・・・。
肉丼を完食し、お代を払って外に出た。そのあと、鳴上に本屋のところに連れてかれ、「ここになにかあるか?」と質問されたが、鳴上が指差す方向には、何も見えず目の前のだいだらしか目に入らない。鳴上には何かが見えるのだろうか?それがさっきいっていた青い扉なのだろうか?
結局何も見えないまま、俺は鳴上と別れ、一人家に帰宅。特にやることもなかったから眠りについた・・・・・
あの感覚が俺を襲う。目を開けるとまたかと言いたかった。そう、またベルベットルームに呼ばれたのだ。今日は何事かと言いたかったが、イゴールが不気味な雰囲気で言った。
「ようこそベルベットルームへ。どうやら、一つの絆を築けたようですな」
絆?何のことだ?
「今日あなた様は、【愚者】のお方といろいろとお話になり、コミュニティを築き上げました。それにより二人の間に絆が生まれたのです」
【愚者】?鳴上のことか?やっぱり、あいつが【愚者】だったのか。特別な力を持つペルソナ使いか。羨ましいぜ。
「絆が生まれたと同時に、【非凡の仮面】に変化が起きておりますな。気をつけないといけませんぞ?いい変化なら良いのですが、悪い変化ですと、あなたは恐ろしい目にあってしまうので、覚えておいてくだされ」
・・・・・ああ、心に刻んどく。
「よろしい。それでは、また会う日まで・・・・」
「あなたの成長を見届けております・・・・」
視界が歪み目を開けると、もう外は真っ暗だったから、ご飯を食べてすぐに寝た。