おぎゃあ、おぎゃあと私は泣く。
泣きたくても、泣きたくなくても関係ないと、お構いなしに私の身体は泣きつづける。
私が疲れたと思っても、心底疲労するか機嫌が良くなるまでは基本的に止まらない。自分で自分の声が煩わしい、鼓膜を突き破ってしまいたくなる。
そんな私、アリス・ファントムハイウ゛は、所謂「生まれ変わり」という分類の人間になるんだろう。気が付いたら訳が分からない空間で、理解し難い「声」に願いを叶えてやると言われた。
私は歓喜した。何故ならそれは前世(実際は分からないがそう呼称する)で散々ネットにて読みあさった二次小説に展開が酷似していたから。チートと呼ばれる能力を引っ提げて、他世界を蹂躙するーーやりたい放題なお話。
貰えるチートは1つだし、転生先も答えてくれないのには少々不満と不安を感じたけれど。やっぱりチートは魅力的、それにあれ以上「声」を相手にしていたくなかったから、私はそれを良しとした。
そして私が産まれた先が、ファントムハイウ゛家。母はリジー、父はシエル。これは黒執事の世界に来たのかしら!? と、当初は興奮したのだけど。どうやら時間軸が中世じゃなくて、私が居た時と同じ現代らしい。疑問に思いながら周りの声に耳を傾けていると、「まほら」だの「かんさいじゅじゅつきょーかい」だのなんだの。
そう、どうやら私はネギまの世界に居るらしい。美少女や美少年、果ては渋いオジサマの跋扈するドタバタラブコメディー(バトル有り)な世界。まぁ私は美少女も愛でる意味では好きだし、イケメンだって居るから私的にはオールOKだ。それに……
「全く、赤子は本当に面倒ですね。……お腹が空いたのですか? ほら、ミルクですよ」
憧れのセバスチャン様が居るからねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! フヒヒヒヒwwwwセバスチャン様prpr!
そう! 私が望んだのは「黒執事のセバスチャン・ミカエリスを私の執事にすること」!!
シエルきゅんとの契約の延長線上として、私が成人するまでは私の執事やってくれるんだって!! ひゃっほぅ! やったね私! 執事が出来るよ!
あ、もちろん私がセバスチャン様と契約したとかではないよ。だからFate/zeroで言うとソラウに近い立ち位置かな、ランサーがセバスチャン様でシエルきゅんがケイネス。ゲイネス・エロメロイ・アーッ!チボルトさん……いや何でもないよ?
だから将来が楽しみ、早く大きくなってセバスチャン様とたくさん絡みたいなー。もちろん物理的にも可、デュフフwwww
あんっ、セバスチャン様ぁ。おしめを変えられると感じちゃうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!
「……旦那さま。アリスお嬢様が、その、阻喪をなさるのですが」
「赤子なんてそういうモノだろう。……なんだ? 嫌になったか?」
「いえ。そうではないのですが……」
満1歳になった私の側でシエルきゅん、じゃなくてパパがセバスチャンと絡み合う妄想に余念がない私だけど、流石に飽きがくる。
例えるなら「これから一生、毎日大好物だけを食べて生活しろ」って言われた様な気分。どんなにそれが好きだとしても、人間って慣れる生き物だね。腐ってる自負のある私でも飽食気味。
というか何よりも時間が経つのが遅い。
前だって、娯楽に溢れていたけど時間は簡単に過ぎてはくれない。キングクリムゾンッ! だなんて出来ない私はひたすらに耐えるだけ。ジョジョは絵が無理だから読んでないけどスタンドくらいは少し知ってる。
ひーまー、なんて言おうとしたって情けない声が出るだけで。ごろごろ転がろうものなら身体に影響が出る、それ以前に動けない。寝返り一つ打つのも一苦労だし。
会話が出来ない身体じゃ、セバスチャン様と話してたらこんな時間……なんて事にもなれないし。まぁセバスチャン様の無防備な姿が見れるのは嬉しいんだけどね? イケメンに飽きるとか私マジ恵まれてる。
前じゃ顔の微妙なオタク男しか友達いなかったしなぁ……あ、セバスチャン様ミルクありがとうね。セバスチャン様ツンデレ可愛い。
歌いたいなぁ、漫画読みたいなぁ、ゲームしたいなぁ、動画見たいなぁ、創作活動したいなぁ。
……あぁ、暇だなぁ。
第2話です
とりあえずファントムハイヴはイギリス貴族で、魔法使いの家系という設定に
学生だった時代に、麻帆良に交換留学生として招かれ、日本を気に入ったリジーにせがまれ移住といった流れ
ちなみにセバスチャンはこの世界でも悪魔で、原作のような理由ではなくただの小間使い的なものとして契約しています。この作品では
アリスの乳母……乳父? のようなモノですね
ではでは