涼宮ハルヒの全滅   作:カオミラージュ

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「A」涼宮ハルヒの事件

「A」ー涼宮ハルヒの事件ー

 

 

 

「この世界は謎が多い

 

 

キョン、僕は思うんだ。

大きな時空振も多元宇宙理論も

興味があるけれど全て憶測の段階だ。

 

僕はこの世界を愛してるとは言えないよ

 

 

でもね、キョン。君と話しているこの時間が

少なくとも僕はこの世界より好きだよ。

 

 

君は良いも悪いも混ぜた言い方で

僕のレーゾンデートルを教えてくれる

 

君さえ良ければもっと話していたいんだよ

 

…ふふ、僕らしくないね

 

 

 

ねぇ、キョン。

 

 

この世界は…」

 

 

 

 

 

 

…目覚めの悪い朝だ。

朝っぱらから小難しい夢を見た、、。

 

こんな日は早く起きて早めに学校に行くに限る。

こういう朝は大抵、色々起きるものさ。

 

またハルヒのやつが何か企んでる、とかな。

 

そうと決まればさっさと体を起こそう。

ん?携帯に着信?

しかも一時間前。朝の5時に誰だ。

 

掛け返すか。

 

 

 

 

「もしもし、こんな早くにどうした?

まだ寝てたんだ」

 

 

 

「…そう。朝早くの連絡を謝罪する。」

 

 

「いいって。 急ぐのか?」

 

 

「肯定。 事態は迅速を窮する

直ぐに部室に来て欲しい。

私は先に行ってあなたを待つ」

 

 

「なんだってんだ…。 とりあえずすぐ行くから、待ってろよ長門!」

 

 

「分かった。」

 

 

 

長門の声、心無しか焦っていた気がする…。

あの長門が…??

それほどの事態だと言うのかよ…

 

すぐ行ってやらねーと!

 

 

 

am:6時35分

 

 

ガラガラ…

 

 

「よう、来たぞ」

 

 

「待っていた。 直ぐに説明する」

 

 

俺が切らせた息を整え入った文芸部室には、見慣れた顔があった。

 

 

まずは呼び出した張本人、長門有希。

「情報統合思念体」という生命体により作り出された意思が集ったアンドロイド。

機械ではないが情報統合思念体との連結により強大な力を持っている。

寡黙。無口だ。

 

 

 

そして古泉一樹。

超能力者にて「機関」という組織を束ねている。

超能力は別空間ではないと強く使えないが、戦闘力だけではなく知識が豊富だ。

 

 

我らがSOS団の天使、朝比奈みくる。

朝比奈さんは可愛い。天使だ。

正直ずっと眺めていたい。

だが未来人だ。しかしポンコツだ。

TPDDという力で未来や過去を行き来可能だが上の位の人(未来の朝比奈みくる)による情報解禁を禁則事項として縛られている。

 

 

 

そしてこの場には居ないが一応紹介だ。

 

SOS団の団長、涼宮ハルヒ。

ハルヒは人間だが、「思ったことが確実に現実になる」能力を持つ。

世界を意のままに変えたり超能力者や宇宙人、未来人を呼び寄せたり。

ハルヒの望んだことは現実になる。

そしてハルヒのイライラや不安が募れば「閉鎖空間」が発動し世界は壊滅する。

それを防いでいるのが古泉たち「機関」の役目なのだ。

 

 

 

そんな愉快な仲間が今日は暗い顔で集っている。

嫌な予感だぜ。

 

 

 

「ハルヒ以外を呼んでたのかよ」

 

 

「あなたが最後。 座って。」

 

 

「貴方も呼ばれたのですね。

僕も先ほど長門さんから呼ばれて駆け付けた所です」

 

古泉はやや苦笑いしながらいつものペースで話す。

 

 

「あわわ… きょ、キョン君、汗びっしょりですぅ〜 」

 

朝比奈さんはパタパタしている。

相変わらずかわいいぜ。

 

 

「 長門、何が起きたのか教えてくれ」

 

 

「分かった。 朝比奈みくる、お茶は後でいい。

今は座って欲しい」

 

 

「えっ、は、はいっ 」

 

 

 

全員がいつもの席に着き、長門を見る。

長門は全員が話を聞く体制になると、話し出した。

俺は嫌な予感しかしなかった。

 

 

 

「情報統合思念体のヒューマノイドによる先制攻撃を察知。

目的は不明。意識の無い別離物体である事は明白。

わたしが感知したのはわたし達とは別の情報統合思念体による直接的牽制攻撃。

このSOS団を狙っている」

 

 

「ど、どういうことだよ」

 

分からなかったのは俺だけじゃなく、朝比奈さんもだった。

 

 

「つまりこういう事です」

 

古泉が話し出す。

 

 

「長門さんたち一派の「情報統合思念体」とは別の情報統合思念体による攻撃がこのSOS団に向けて開始されてるみたいです。

 

いつぞやみたいに長門さんの頭の中への情報攻撃ではなく、殴る蹴るという外的な攻撃を、してきているということです。」

 

 

「で、でも、俺はさっき普通に走ってきたけど全く何もなかったぞ!?」

 

 

「わたしが防御した。

最初に牽制を仕掛けてきたポイントで返り討ちにした。

逃亡を図った情報統合思念体がわたしにこう言った。

貴様の仲間を殺す事が我々の目的ではないが近しい、と。」

 

 

「だからそれはあなた達の事。

安心して欲しい。

全ての攻撃はわたしがブロックする」

 

 

な、長門…

「仲間」

と聞いて俺たちだと思ってくれたんだな。

ありがとな。。。真剣に嬉しいぜ。

 

 

「だがそれだとまた長門だけが傷付くだろうが!

ってか何なんだよ、なんで俺たちが狙われるんだ!?」

 

 

俺はつい声を荒げてしまう。

長門には頼りっぱなし迷惑かけっぱなしでなんの恩返しも出来ていない。

なのにまた長門一人に苦悩を押し付けてしまうのかと思うだけでやりきれない思いが募る。

 

 

 

「大丈夫。これは情報統合思念体が起こした災害

 

あなた達は被害者。

わたし一人で守ることに意味がある

それは情報統合思念体の油断を促す」

 

 

 

古泉が口を開く。

朝比奈さんは戸惑っているだけだった。

 

 

「落ち着いてください。貴方も知っているでしょう。

情報統合思念体の戦闘力は高い。

だとすれば現世では「力」を存分に打てない僕ですら歯が立たない相手に一般市民の貴方で何が出来るでしょうか。

だから今回僕らにできることは一つです。

 

僕らの「機関」や朝比奈さんの「TPDD」、そして貴方の行動力。

この3つを合わせ今回の情報統合思念体の攻撃がなぜ行われているのかを探ることです」

 

 

「だ、だけど…っ」

 

 

 

「それがいい」

 

 

 

「な、長門!?」

 

 

 

長門が初めて自分の意思を口にした。

「それがいい」なんて、賛同なんて。

 

 

「わたしは今回は防御に専念したい。

それでも力を使うことは可能

情報を得たらわたしに報告して欲しい。

古泉一樹、朝比奈みくる、勿論あなたにも。」

 

 

 

 

長門が専念したいと言うなんて。

今回の攻撃規模はそれほどなのか…。

そう思った俺は、無力な自分を恨みながらそれを了諾した。

 

 

そしてそこまで話した時ハルヒが登校してきた。

時間はすでに7.30分。

後15分でホームルームだった。

 

俺たちは一度そこで別れそれぞれの教室に向かった。

 

 

 

ハルヒ以外、心に不安を残してー。

 

 

 

そしてこの時俺は嫌な予感はしていたが心の底から危惧はしていなかったのかもしれない。

「全員で力を合わせれば」

今回だってなんとかなると思っていた。

 

 

 

そう、俺は甘かったのだ。

 

 

 

 

 

ーー 涼宮ハルヒの全滅ーー

 




どうも、カオミラージュというものです!

小説は昔から書いています。
初投稿は自分の代表作のような作品、「涼宮ハルヒの全滅」を載せたいと思います!

「ああ、なるほど!」という展開を何個か入れています。
キャラ崩壊などもないように原作を読み込み書きました。
誤字脱字確認はしていますが、あればすみません!

これからよろしくお願いします!
一人でも多くの方に全滅を読んでいただければ嬉しいです!

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