涼宮ハルヒの全滅   作:カオミラージュ

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「J」涼宮ハルヒの帰還 「K」涼宮ハルヒの終章

「J」ー涼宮ハルヒの帰還ー

 

 

 

 

 

ヒュユッ

 

 

急に人が現れた。

空中に浮かぶのは見慣れてはないが見たくない顔。

 

「天蓋領域」周防九曜だった。

 

 

 

 

 

【少しわかりにくいので人物名前表記を少しだけします】

 

 

 

 

キョン「周防…九曜!? お前が潜泳疑念空間をやったのか!?」

 

 

九曜「ーーーーそーーーう」

 

 

 

涼子「手を組む…あいてまちがえ…た…わね…」

 

黄緑「朝倉さん…」

 

 

涼子「キョン…くん?」

 

 

キョン「な、なんだよ…」

 

 

 

「向こうの私は、大切にしてあげて…ね」

 

 

 

 

そう言い残し朝倉は消えていった。

 

 

 

 

「潜泳疑念空間の完全消滅を感知。

朝倉涼子も死亡したと思われる」

 

 

 

黄緑「周防 九曜さん。 あなたの目的はなんですか?」

 

 

 

「べーーーつにーーーーないーーよーーー」

 

「しいて…いう…なら」

 

 

「ひひひ、ひ、まつぶーーーーーし?」

 

 

 

 

ビュオンッ!!

 

 

 

「…周防九曜の存在を感知出来なくなった。

この世界から消えた模様。

あれは1兆七千三百四十二個目のパラレルワールドの周防九曜かと思われる。

ここに来た理由、潜泳疑念空間を発生させた原因を作ったのも恐らく周防九曜」

 

 

「な、本当に何をしに…」

 

 

「…本当に暇潰し、なんでしょうね。

…キョン君、何はともあれ未来が正常に動いています。

もうじき眼が覚めるでしょう。

だから、この世界の人たちに言うことがあるならば…

この後蘇るこの時代のキョン君が気まずくならないセリフで、お願い致しますよ?ふふっ。

 

この世界を守ってくれてありがとう、キョン君、長門さん。

 

またいつか。。会えたならば…」

 

 

 

 

「朝比奈さん…!向こうの世界でも、朝比奈さんを大切にしますから!!」

 

 

「ふふふ。気まずくならないものって言ったのに、照れちゃいます 」

 

 

そう言い残し大人朝比奈さんは消えていった。

 

 

するといつの間にか黄緑さんの姿はなかった。

どこかに行ったのだろうか。

お礼を言いたかったんだが…

 

 

「ちょんちょん」

 

 

「んっ、ど、どうした長門?」

 

 

「…涼宮ハルヒに告白したと聞いた。

それはあなたの意思?」

 

 

「…ああ、そうだ。

俺はハルヒが好きだ。った。」

 

 

「った?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「この世界の俺は必ずハルヒを好きになる、そう確信したから。

この世界の俺のために、人生初告白ってのも悪くねーだろ?」

 

 

「…そう」

 

 

そう言った長門の顔は、心なしかどこか微笑んでいたようにみえた。

いや、微笑んで居たのだろう。

きっと、そうだ。

 

 

 

だってさ。この世界のハルヒは気付いていたんだ。

 

俺が俺だけど「キョン」じゃないこと。

ハルヒは自分が知るキョンじゃないことを確信はないけど心のどこかで俺たちが死んだことを覚えてたのかもしれない。

 

でもな、ハルヒ。安心しろよ。

大丈夫だ。しばらくしたらお前の知るお前の好きな「俺」が蘇るさ。

 

あと、「俺」!

勇気を出してハルヒに告白したのは俺なのにお前はいい思いしやがってこんちくしょーめ!

 

…なんてな。

多分蘇ったお前は朝比奈さんたちの力で齟齬のない知識を共有するんだろう。

死んだことを忘れて、告白を覚えていて。

 

そうだと思ったからよ。

近所迷惑になるほど愛を叫んだぜ!

少しくらい黒歴史として恥ずかしい思いをするんだな!はっはっは。

 

 

 

…これも軽口だ。

世界は違えどお前は俺なんだから。

 

「俺」なら、ああ告白しただろう。

分かってるぜ、俺の事は俺が一番、な。

 

 

ハルヒ。こっちの俺にちゃんと幸せにしてもらえよ?

あんまりわがまま言うなよ!

 

長門。この世界の長門もきっと情けない俺をずっと見守ってくれてるんだろーな。

俺が迷惑かけるな、代わりに俺が謝ろう。

そしてこの世界の俺には、俺の世界の長門に俺の不甲斐なさを代わりに謝ってもらうとしよう。

 

 

朝比奈さん。

この世界の朝比奈さん。

大人になった時、別の世界からくる過去の俺を、よろしくお願いします!

この世界でも、いつの時代の俺でも、ハルヒにちゃんと告白出来るように。

 

 

古泉、超能力で不幸を自分一人に引きつけようとしてたハルヒを守ってくれててありがとな。

影のサポートで一番の活躍は間違いなくお前だぜ。

もっとボードゲーム強くなれよ!

 

 

 

「佐々木」

 

「…なんだい?キョン。

僕にはお別れの言葉はいらないよ、同じ世界に帰るんだから」

 

「俺の夢で俺をこの世界に導いてくれてありがとう。

お前の声は確かに俺に届いた」

 

 

「振った女に優しくするのはやめたまえ。

ああそうだ、キョン。親友の件だが。

 

迷いなく続行だ、これからも、まっ、一つ宜しく頼むよ、キョン!」

 

ぼそっ「長門さんのことも、相談に乗ってあげるよ、僕は優しいからね」

 

 

「ななっ!なぜそれを…っ!?」

 

「…?聞こえなかった、二人で何を話してる?」

 

「い、いや長門っ!なんでもないぜっ!?」

 

 

「…?…そう」

 

 

「あ、あのさ、長門」

 

「なに?」

 

 

「その…」ぎゅっ

 

「…これはなんの行為」

 

「…好きな奴に…する行為…」

 

「………そう」

 

 

 

 

これは今までで一番の長門の笑顔だった。

その笑顔を俺は忘れはしないだろう。

 

 

 

 

 

 

「K」ー涼宮ハルヒの終章ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーAm6時45分ー

 

ピピピピピ

 

 

「ん…んああ…」

 

はっ!

 

「ここはっ!?」

 

 

見慣れた景色。見慣れた風景。

カーテンを開けて進む時間。

減る腹。

鳴り響く携帯。

ハルヒからだった。

 

 

「もしもし?なんだよこんな朝早くに」

 

「キョン!? 今すぐ部室に来なさい!

いーい?1秒以内っ!」

 

つーつーつー

 

 

無理だろ…。

何があったのか、とりあえず俺は急ぐことにした。

帰ってきたばかりの世界を楽しめず、余韻に浸る間もなく着替えた俺は走り出す。

 

 

どうせあれだ。

「幽霊」でも探しに行くと言い出すんだろうな。

 

 

なんでそう分かるかって?

 

 

 

 

 

…電話越しの声が楽しそうだったから。

 

じゃ、不服か?

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も世界は回る。

巡り巡る。

それぞれが誰も彼もレーゾンデートルを探して歩く。

その道のりは紆余曲折している。

だけど…どれだけ曲がり果てても。

 

 

 

この道は間違いなく仲間たちの場所へと繋がっているのだろう。

 

 

 

 

 




え〜どうも!カオミラージュです。

オリジナルストーリーのハルヒ小説

「涼宮ハルヒの全滅」「涼宮ハルヒの事件」「涼宮ハルヒの幽霊」「涼宮ハルヒの細工」「長門有希の異変」「涼宮ハルヒの苦悩」「長門有希の剥奪」「涼宮ハルヒの相愛」「朝比奈みくるの真実」「涼宮ハルヒの告白」「涼宮ハルヒの帰結」「涼宮ハルヒの終章」

いかがでしたでしょうか!

これにて全編終了となります!

ここから少しだけ解釈を。


まず本タイトル「涼宮ハルヒの全滅」の意味です。
これは、作中オリジナルで出しました「潜泳疑念空間」が「情報統合思念体」を乗っ取った時地球が全滅してしまう。

その前に世界を救えるのか。という意味合いです!


そして「涼宮ハルヒの告白」です。
原作でもハルヒとキョンは良い感じですが、告白とかはしてません。
世界観を壊すじゃないか!と思われるかもしれませんが、作中でも書きましたが一応ここでも書きます!

あのキョンに告白したハルヒは「パラレルワールド」のハルヒなのです。キョンを好きなハルヒのパラレルワールドですね。


佐々木がキョンのことを好きだというのは勝手な推測です。
話を運ぶためにも必要でした!
最後の長門を抱きしめるシーン。
あそこは微笑ましく見守ってあげてください!

作中何度かキョンが言っている「異変」はパラレルワールドと知っていた長門の動向が気になった、です。
長門といえど好きな人相手に隠せなかった、などの解釈を好きにしてください!

そして黄緑さんですが…
喜緑 江美里の間違いではございません、意図的なものです。
喜緑 江美里のバックアップとでも思ってください!
何故そうしたかというと、喜緑 江美里さんを周防さんと一緒にラスボスにしようとして温存してたんですが、途中でその展開をやめることにしたからです 
オリジナルストーリーということで、オリキャラとしてご許しください。。


今回はこの小説を読んでいただきありがとうございました!
また書きだめてる何かを投稿しますのでその際は良ければっ!

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