涼宮ハルヒの全滅   作:カオミラージュ

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番外編2、元の世界の長門とキョンの恋愛です。

これもまた、以外と好きです。笑


「M」長門有希の惑溺 In元の世界

「M」ー長門有希の惑溺ー In元の世界

 

 

 

 

 

パラレルワールドに飛ばされてから早5日が経過した。

あの後幽霊探しに付き合わされ俺の体はもうクタクタだった。

そりゃそーだろ、世界救うために走ってきたんだぜ?

 

…まあ、ハルヒに告白して長門に抱きついただけなんだけどな、情けねぇ…。

 

 

 

 

そして学校に行く。

早く来すぎたな。

俺しかいない…訂正しよう先客がどうやら居たようだ。

 

 

「…相変わらず早いな」

 

 

「あらキョン君。おはよう」

 

朝倉涼子。

元長門のバックアップだ。

だが今はその力を喪失しただクラス委員としての仕事のために早く来ているわけだ。

 

その昔こいつには殺されかけてるから二人きりは怖いんだが、どうやらプリントを運ぶようだ。

 

へっ。手伝って欲しそうな目をしても無駄だ、俺はそこまでお人好しじゃないぜ。

 

 

 

 

なんで今職員室にいるか…そんなの聞くなよ…

一人で持とうとして転んでプリントをぶちまけてあたふたする朝倉を無視できるほど悪にはなりきれん…。

 

もともと手伝うつもりだったのが本音だがな。

 

「ありがと、キョン君は相変わらず優しいんだね」

 

「まあ俺は幾らお前だからって別段冷たくできない人間なんだよ」

 

「そう思っておくわ。」クスクス

 

「ところでキョン君。あなたはどうしてわたしを受け入れられるの?

仮にも殺そうとしたわたしを、不思議よ」

 

 

「別に受け入れちゃあいないさ。

だが今のお前に力はないんだろ?」

 

「ええ、そうね。情報操作能力も身体能力もないわよ」

 

「だったら愛想無くする理由がねぇよ。

確かに殺されかけはしたがな。

それはもう過ぎたこと…だろ?」

 

 

「ー。 …ふふ。長門さんが制御不能のエラーに落ちた理由も分からなくもないわ。

でもわたしには有機生命体の感情なんて未だに理解し難いんだけどね〜♪」

 

 

…全く、朝倉は変わらないな。

そう言うと朝倉は用事があるとかで校長室に向かった。

俺も教室に戻ろう。

そう言えばせっかく早く来たのに。

教室にはカバンを置きに行っただけなんだが、やめればよかったか?

まあ、朝倉もお礼を言ってたわけだし、仕方ないとするか。これも運命だ。

 

 

っていってもこんな早くから来てないだろうな、登校時間までにはまだ30分もある、大抵の奴らは今起きる頃だろう。

 

 

そう思うと俺は既に文芸部の部室の前に立っていた。

 

俺が早く来た理由。

それなんか一つだぜ。

寡黙なアンドロイド。

そして俺たちの大切な仲間。

 

ーー長門有希に早く会いたかったからだ。

 

 

ガチャ

 

 

 

「! よぉ、長門。早いな」

 

「…」

 

「入っても…大丈夫だった…か?」

 

「…いい。」

 

 

そう言うと長門は俺から目をずらす。

いつもはそんな事はない。

大抵は誰が入ってきたか識別すると本に目線を戻すか俺が長門の目線からフレームアウトする。

 

だがこの五日間はこんな感じだ。

俺は「あの日」を意識しているからだ。

嘘隠ししないぜ、自分に正直に生きたいんでな。

 

長門は、あの時の俺の行動をどう思ったのだろうか。

朝倉は言ってた、「有機生命体の感情なんて未だに理解し難い」、と。

 

長門はどう思ってるのだろうか。

やはりなんとも思ってないのだろうか。

 

俺は確かに伝えた。

「好きな奴にする行為」と言って長門を抱きしめた。

 

だがそれは情報統合思念体のインターフェース•ヒューマノイドの長門には理解できてないのではないか?

 

一抹の不安は次の一言で取り消されることとなる。

俺はこの今悩んでたことを頭の中で巡らせていた時、つい長門の方を見つめて思い耽ってたみたいだ。

 

長門はいつもならそんなの気にせず本を読む。

 

だが、今回は違ったんだ。

 

 

 

「……困る」

 

その大きいとも言えないが普段よりは少し大きめの声量に強く驚いた俺は一瞬で考察の世界から引き戻る。

 

 

「えっ!?」

 

 

 

「……そんなに見られては…

 

対処に困る…。」//

 

 

 

 

あ…!!!

あ、あの長門が……

て、照れている…だ…と!!??

 

馬鹿な、「消失世界」の長門は照れて可愛かったがこの世界の長門に照れなんて…っ

 

まさか、まさか、長門も俺を意識…して??

 

 

「あ、ああ、わ、わりぃ…」

 

俺目線をずらす。

長門はうつむきながら本に目線戻し、顔を俺から隠す。

 

俺は思い切って聞く事にした。

さっき言っただろ?

正直に生きたい、と。

 

 

 

「なあ、長門」

 

「…何?」

 

「お前、俺のことどう思ってる?

異性としてな」

 

 

「…っ」

 

 

「…なんとも」//

 

がーん

だが、諦めんぞ。

その頬の紅潮は俺を勇気付けるっ!

 

 

「俺は、その…

 

あんとき言った通りだ。

 

長門、俺はお前が好きだ。

仲間としても異性としても、な。」

 

 

「…わたしは情報統合思念体のインターフェース•ヒューマノイド。

有機生命体とは分かり合えない部分が大半。

わたしのことは忘れて」

 

「わたしの役目は涼宮ハルヒの監視 報告。

男女間の恋愛感情に促される行為は許されてない」

 

そうきたか…!だがっ!

 

 

「それは仮に、お前の親玉が許可したら俺と付き合ってもいいってことだよな??」

 

 

「…あなたが望むのなら……。

従う…。」

 

 

「お前の意思を聞かせてくれ、例えばお前がインターフェースじゃないとして!

ただの文学好きの女の子で

同じ部のこれといって特に取り柄のない男に告白されて!!」

 

 

「…っ」

 

 

「そしたら、お前は、なんて答えるんだ、長門!」

 

 

長くも短くもない沈黙の後長門はこう答えたんだ。

 

 

 

 

 

「…好き」

 

 

 

 

 

「…これはわたしの感…情?

教えて。」///

 

 

…長門…!

 

「ああ、そうだぜ。絶対に、言い切ってみせる!

許可なんていらねぇ!

なあ長門、本たくさん読んでたら知ってるよな。

 

目を閉じる意味を、俺が立つ意味も。」

 

 

「…こくっ」

 

 

頷く長門の肩を掴む。

長門の顔は真っ赤だった。

 

 

そして俺は小さな長門を包み込むようにキスをした。

 

これまた長くもなく短くもないキスの後本を閉じ、置いた長門は俺にこう尋ねた。

 

 

 

「…これは、なんの行為?///」

 

 

 

「好きな奴に…。

誰にも渡したくない…やつにする行為…」

 

 

 

「…そう」//

 

 

 

俺が長門の親玉に認められて交際ができる日は、果たして来るんだろうか。

 

もし来るならその時までに少しは力をつけねーとな。

「娘さんをください」をやるには、親父の「一発」というのがセットなんだろ?

 

SOS団の部室は、何故か知らないが大きな大きな温もりに包まれていたこと、長門じゃなくても観測出来ることだろう。

 

 

 

 




さて、これにて「全滅」はすべて終わりとなります!

あとは番外編「朝倉涼子の片想」「佐々木&キョンの苦悩」
「朝比奈みくるの寛容」があるので出来たらまたここに載せます。


そして、次の新作は「涼宮ハルヒの全滅」の次の話です。

タイトルは『涼宮ハルヒの壮絶』になると思います!
未来人たちとの戦いです。
また頑張るのでよろしくお願いします!

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