「F」ー長門有希の剥奪ー
ー思念体ー《長門有希、此処まで来るとは想定外》
「…朝倉涼子の行動の抑制を命ずる」
ー思念体ー《不許可。朝倉涼子インターフェースは我々の希望。
長門有希、涼宮ハルヒを殺せ》
「わたしと取り引きをするつもりならやめておいたほうがいい」
「わたしは「居場所」を決して裏切らない。
潜泳疑念空間思念体、朝倉涼子の行動を抑制しないのなら破壊する。」
ー思念体ー《朝倉涼子インターフェースは壊させない。
長門有希、長門有希は此処に封印する》
「わたしは情報統合思念体インターフェース。
潜泳疑念空間の拘束力でわたしを縛るのは不可能
仮にわたしを縛れたとして情報統合思念体は必ずあなたを消し去る
抵抗を止めれば破壊はしない」
ー思念体ー《此処は潜泳疑念空間。お前達が名付けた空間。
それは独立した空間を意味する
独立した空間の前には長門有希お前も情報統合思念体マスターも行動は制限される》
「…帰還」
ー思念体ー《不許可》
「これは…」
ー思念体ー《長門有希、我々の力でお前を破壊するのは不可能。
情報統合思念体も破壊は不可能。
だが意識を剥奪し封印することは可能》
「そぉ言うことですよ、な、が、と、さん♩」
「…朝倉涼子」
「はぁい、朝倉涼子でぇーす。
長門さん、悪いんだけど情報統合思念体を裏切るね。
貴女も此処で一生封印してあげる。
キョン君の身体さえ借りてれば私達ごとき瞬間で消せたのに、なぜ意識だけできたの?」
「彼は…」
『長門の役に立てる!』
『もしお前が今回の事に責任を感じて居なくなるとかいうなら俺は許さない!
必ずハルヒ達を呼んで記憶を戻してお前を探しに行く!忘れんな!』
『ドリンクバーでいいのか?』
『お前にばっかり負担かけてごめんな?』
『長門、辛くなったら、俺なんかで良かったらいつでも言えよな!俺たちは仲間だ!』
「彼はわたしの大切な仲間。
危険な事はさせない」
「…あっそ。なら封印されれば!?」
「意識が戻らない。
体への制限とアクセスを禁止されている。
迂闊。潜泳疑念空間が此処まで知能に長けていたのは予想外
情報統合思念体にエラーメッセージを送信
受諾 彼にメッセージを送信 完了
意識喪失までおよそ5秒
ーー後は任せた」
「しゃっと…だう…」
「…ちっ!
脳内攫ってやろうとしたのに自分からシャットダウンですって?
あの状態からではバックアップも取れないでしょう、一度シャットダウンしたインターフェースは外部からの邂逅以外で再起動は不可能。
この状況に陥っても誰かが助けに来ることを待ってるんですかね…。
でも、これで長門さんを誘い出すのに成功しました。
わざと帰結するエネルギーを察知させて此処に来させる作戦も成功です。
キョン君も封印する予定でしたが、まさか一人で来るとはねぇ」
ー思念体ー《…分からない》
「どうしました?マスター」
ー思念体ー《長門有希ほどのインターフェースなら我々如きの策略など目に見えて居たはず
されど全ては把握していなかっただろう。
しかしいくつかの予測はできたはず
なぜわざわざ来たのだろうか》
「私にもよっくわかりませーん。
恋とか愛とか
私には無縁ですから♩」
ー思念体ー《愛とか…恋…》
長門有希が…
青年を連れて来なかった理由…。
こればかりは概念である我々には理解が出来ない様だな。
〜ハルヒの家〜
「きょ、キョン!?」
ハルヒは割烹着姿で目をぱちくりさせている。
「よう、ハルヒ。」
「な、何してたの!?
あー、鍋が…
ちょ、ちょっと待ってなさいよ!」
(キョン、無事だったのね…
真っ先に私のところに来てくれたの!?
え、え、そんなわけ無いわよね//)
〜家の中〜
「悪いな、長門と幽霊を探してたら長門が川に落ちてな。
助けてたら携帯が水没しちまって今修理に出した。
画面が黒くなるだけだ、明日には治る
何度も電話を無視しちまって悪いな、鳴ってたんだが取れなくてな」
「もう、心配したんだから!
それで、有希は無事なの?」
「ああ、だがなんか家に連れてったら長門の親戚がいてな。
旅行に行くらしい、だからハルヒに伝えてほしいだってさ」
「ああ、それできたの?」シュン
「いや、それもあるが正直それはついでだ」
これは本音だ。
だってこれは長門のアリバイを作るための嘘なんだ。思い入れなんてない。
長門が心配なのは本当だぜ。
だけど、ハルヒに先に逢いに来たのは、お礼を言いたかった。
無自覚でも俺たちを助けてくれてる。
そう思うと体が止まらなかった
ダキッ
「!!!???」
「…」
「ちょ、ちょっと!キョン!
ど、どした…の…っ///」
「…ハルヒ…すまん… すまん…!!」
俺は泣いていた。
「ど、どうしたの、なんで泣くの…っ!」
俺は泣いた。
長門のなんの役にも立てず…
危険な場所に一人で行くあいつに「いってらっしゃい」すら言えなかった。
不甲斐なかった。
そしてハルヒへの感謝より長門への不義理感に苛まれて泣いていた。
そんなハルヒへの感謝もできないような自分に呆れて涙が出ていた。
そして、なぜ泣いているのか。
それすらハルヒに説明することができないのだ。
全てを纏めて俺は泣いてしまった。
「…ハルヒ…く…うう…」
「きょ、キョン…」
ハルヒは俺の頭を撫でてくれた。
今日はやけにしおらしいじゃねーか。
いつもなら殴られてコーヒー10杯分ものなのにな。
暴君ハルヒ様も涙には弱いのかよ。
…なんてな。軽口たたいてごまかしてんだよ。。
ありがとな、ハルヒ…。
「何があったか気になるけど聞かないわ。
話したいなら話しなさい。
聞いてあげるから。
私に言えない事ならみくるちゃんや古泉くんにも話しなさい。
2人もちゃんと聞いてくれるはずよ。
いいえ、聞かなかったら私が怒るわ、団長命令よっ///」
「だからーーんっ!!
ごめんなハルヒ。俺は今日どうにかなってるみたいだ。
「んーっ!んーーーっ!」(きょ、キョンのき、き、き、きききききき////)ぷしゅー
ハルヒは俺を殴り飛ばし俺を追い出した。
そりゃそーだよな。
ごめんなハルヒ、ほんとに。
これは黒歴史だ。
家に帰って頭を冷やそう。
次の日、部室でハルヒは俺に顔を合わせてくれなかった。
完全に友達としても嫌われたな。
自業自得だ。
ってか俺はなんであんなことを……。
ー優しくしてくれたハルヒを大切にしたいー
そんな感情が芽生えたことに確信を持てなかった、俺が一人帰る帰り道に差す日差しは冷たいような気がした。
ハルヒはこんなんじゃない!
という意見がもしかしたらでる話です。
ですが、僕もちゃんと考えて書きました!
なので、最後までどうかみてください!