「G」ー涼宮ハルヒの相愛ー
ハルヒはあれから俺を無視している。
部活内容の為話さなきゃならないときは目線を合わせてくれない。
「くれない」なんて、自分で引き起こしたのにな。
2日も経った。
長門は寝たきりだ。
長門に合鍵をもらっているからな。
部屋の掃除と長門の様子見は俺がいつもしている。
俺は長門の部屋で埃がたまらないよう適度な掃除を終えた後長門の顔を覗き込む。
苦し悶えているわけではない。
淡麗だ。いや、しないぞ。
そこまで最低な男になりさがったわけでは無いぞ。
毛布がはだけている。
意識がなくても体がたまに動く「ジャーキング」だっけな。
授業中体がびくっ!とかなるやつだ。
多分それだな。意識がなくとも細胞はある。
毛布を元に戻し、俺は家を後にした。
…ハルヒ
俺を助けてくれ
相談したいことがあるんだ
宇宙人はいたんだ
長門がそうなんだ!
超能力者も未来人も!!
それで狙われてるんだ、助けてくれよ!
なあ、ハルヒ…ハル…ヒ…
「うっ…うっ…」
「うあああああっ!!」
長門、ハルヒ、古泉、朝比奈さん…!!
おれは、俺はっっっ
あああああっ!!!!
「…ふふっ、成功ね。
さすが…さんだわ。」
「ーーーべつーーにーー たいしたーーことでーーはなーーいー
もとーーもとーーこーーわれーーかけてーーいーーたーー
だかーらー少しーー心をかき乱ーしただけー」
「とりあえずコレで涼宮ハルヒに嫌われたキョン君はもう使い物にならない。
長門さんも帰ってこない…くすっ
涼宮さんにとってこれでキョン君は「特別」じゃなくなった。
後は…キョン君を…
殺すだけ♩
キョン君が死んでももう涼宮さんの「閉鎖空間」が出ることもないでしょう。
ありがとうございます、周防さん♩」
「天蓋ーー領域ーーの命ーーーー礼を言わーーれることーーでもーなーいーー」
キョンの心を弄ったのは長門や朝倉と同期に作られた「天蓋領域」の情報インターフェースだ。
周防九曜。
藤原や橘京子と共にキョンたちの邪魔をしようとした1人だ。
厳密には加勢はしていなかった、が。
「さっ、周防さん。
貴方の役目は暫く終わりよ。
次は涼宮さん、いえ、ハルヒちゃんを殺す時に必要よ。
隠れていて頂戴」
「りょーーーうーーかいー」
フォンッ
「さて、キョン君を殺そうかしら。
ナイフで、もう止める長門さんもいないことだし♩」
バッ!ギィォィン!!
「な、なんだっ!?」
先ほどまで長門の顔を覗き込み泣いてたはずなのに、ここはいつもの公園だった。
飛ばされたのか?
ワープ?
わけがわからん!
「キョン君。もういいんですよ?」
「あ、あさ…くら!?」
まさか、俺の体に起きた異変はこいつが!?
「おま…っ」
がきっ
「ぐあっ!」
キョンは蹴り飛ばされる。
「い…てぇ…」
「あら、痛かった?
それはごめんなさぁ〜い♩
でも、痛みを感じるならまだいいじゃない。
あなたはこれから死ぬんだから、ね?」
そ、そうか…
俺とハルヒを仲違いさせて……
ハルヒの「部室」や「仲間」に対する想いを薄くさせるつもりか…
確かに少しでも薄くなれば「神人」が出ても機関のように抑えることができるだろう…
…で、でも…だったら死ぬ前に…
「お、おい、朝倉!」
「あら、なにかしら?」
「どうせ殺すならこれだけ教えてくれよ…
なんで、なんで俺だったんだ!?
お前の…いや、「お前らの」企みは分かってる
分かってるんだが、分からないんだ
どうして朝比奈さんや古泉じゃなくて俺だったんだ!?
ハルヒの想いを薄くするのになぜ…」
「そんなことも気付いてないの?
マスターといいキョン君といい鈍いわねぇ…。
そんなの決まってるじゃない。」
「あ…」
待ってくれ…やっぱり言わないでくれ…!!
「涼宮ハルヒ。涼宮さんがーーー
まて
やめろ!!!!!
「貴方を好きだからよ」
ああ…
「…うそ…だろ…」
「ふふ。その涼宮さんに嫌われたのよ。
もう生きている理由もないわねぇ、
さあ!!死になさい!」
「…ったら…だったら、尚更死ぬわけには行かないな、ハルヒ。
お前にちゃんと伝えるために…!」
「うおおお!!」
キョンは走った。
朝倉涼子はすぐに追いつき、キョンを転がす。
そして上に乗りナイフを構える
「すまねえ長門…メールくれたのにな…
ははっ、「後は任せた」
ごめんな、何もしてやれなかったぜ…」
古泉…悪いな、明日のキャッチボールはどうやらドタキャンだ。
ハルヒとやってくれよな…。
朝比奈さん…ごめんなさい、新しいお茶の葉、飲めないみたいです
鶴屋さんに飲ませてあげてください…
ハルヒ…。
俺も、俺も…
お前のことーー
「走馬灯はすんだ? さあ、死ね!」
「ちょっと待っておくれよ」
「!?」
「何僕の親友の上に跨ってるのさ。
ほら、退いて退いて」
「何よアンタ、邪魔をーっ!」(閉鎖空間!?)
ばっ!
朝倉涼子が俺の上から退いた。
そして距離を置く。
どうしたんだ、一思いに…
「……佐々木」
「うむ、いかにも。君の親友の佐々木だよ。
何殺されかけてるんだい?キョン。
君の事は何でも知っていたつもりだけどまさか武装した女の子に跨られて殺されかけるのがマイブームだとはね。
僕の常識がイレギュラーを受け入れられてないよ」
「ま、まて!違うぞ!
あいつは朝倉涼子、前にあった周防九曜と同じインターフェースで俺を殺しに来たんだ!」
「おっと、そうだったのかい
それは御愁傷様。」
「っおい!」
「何よアンタ…。
なぜあなたが「閉鎖空間」を発生させられるの!?」
「おっとそういえば自己紹介が抜けていたね。
僕としたことが失礼した。
僕は佐々木。
キョンの中学時代の同級生で唯一の親友だ。
僕僕言っているが僕は女だよ。
好きな物は「宇宙真理」かなぁ。
宇宙人の君からしたらつまらない物だろうけれどね。
そして第二の質問だね、閉鎖空間とやらさ。
橘京子さんに教えてもらって初めて気付いたんだけどね。
本来、涼宮ハルヒの力はどうやら僕に宿る予定だったみたいだ。
だが何故か涼宮さんにあの力が宿った。
だから僕の元には閉鎖空間だけが残ったわけさ。
穏やかだから神人なんて見たこともないけどね。
でも、君がキョンを殺すなら僕の閉鎖空間は荒れに荒れて荒波になるだろうね。
それでもキョンを殺す?
それとも僕を殺してみるかい?」
「くっ、ここに来て邪魔が入るなんて…
しかも私の把握圏外…
潜泳疑念空間、殺害の許可を…っ!」
「…くっ、許可が下りない
それほどこの女は「要注意人物」だというの!?」
「それはその人が未来の分岐点に立っているから、ですよ」
「!?」
朝倉涼子は驚いている。
だが、俺も驚いているんだ。
殺されかけて、佐々木が助けに来てくれて…
そして、更に現れたのは…
大人の朝比奈さんだった…!
「あ、朝比奈さん(大)!?」
「キョン君、お久しぶりです!
大丈夫、ここは私と佐々木さんに任せて…ね?」
ウィンクが眩しい。
・・・・・
「…へぇ〜。 こうなったか。
これもあなたの思惑通り?
朝比奈みくる大人。」
「いいえ。これは既定事項ですから。
在るべくしてこの時間枠に私たちは存在しているのです。」
「キョン、立てるかい?」
「ああ、佐々木こそありがとな…」
「なあに、親友を助けるのに礼なんか要らないさ。
朝比奈さんとは先ほど近くで会ってね。
ここに連れてこられたと思ったらキョンが居るんだもの。
少し前にあった「藤原」という未来人が居たからね、今更別の未来人が、しかもキョンの知り合いでも、更に更に「未来人の未来の姿」が来ても驚きはしないさ」
「理解力が強くて助かるぜ…」
いつのまにか朝倉涼子はナイフをしまっていた。
どうやら潜泳疑念空間に殺害を許可されなかったんだな。
朝比奈さんが言ってた、「既定事項」
つまり、これは確定していた未来なんだ。
ここで俺は死んではいけない、そうなんでしょう?朝比奈さん。
朝倉涼子が殺しにきたからそれを修正するために未来から来た。
佐々木を呼び込んだのは「閉鎖空間」による朝倉涼子への牽制のため。
いくら俺とハルヒの間を壊しても別の閉鎖空間があれば手は出せないからな。
さすが朝比奈さんだぜ。
「長門さんは潜泳疑念空間が捕獲しちゃったぁ。
自分からシャットダウンしたからね、もう返さないよ」
「な、なんだと!!??」
「それに長門さんやわたし、つまり情報インターフェースが居ないと潜泳疑念空間にはたどり着けない。
助けることも不可能なわけ。
ここでわたしが逃げればもうお手塞がり。
諦めて殺されてくれない?きょーんくん♡」
「いいえ、それは違いますよ。ふふ。
朝倉涼子さん、私を誰だと思ってるんですか?」
「…使えないポンコツ野郎」
「あ、あんまりですわ…」
朝比奈さんを悪く言いやがって…
それに長門が捕まったなんて…
「ごほん。 言ったはずです。
未来の分岐点に立つ人が居る、と。
そう。
佐々木さんがね!」
「どうやらそうみたいだ」
場にいる朝倉涼子と俺は驚く。
「閉鎖空間が出せる程度のあなたに何が出来るの?」
「さあね。僕も言われた通りにしてるだけさ。」
「朝比奈さん、説明をっ!」
こうやって説明を求めるしか出来ない。
夜の風は冷たく俺の肩を撫でていった。
この辺りから「全滅」の物語が紐解かれていきます!
原作ハルヒに見倣ってややこしい話になっています。