涼宮ハルヒの全滅   作:カオミラージュ

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「I」涼宮ハルヒの告白

「I」ー涼宮ハルヒの告白ー

 

 

 

 

 

タッタッタッタ

 

「はっ、はっ、はっはっ!」

 

 

「ついた、はぁ、はぁ。ふう、ふう。」

 

 

言うんだ。

近所迷惑?知ったことかよ!!

 

そう思うと俺は息を吸い込んだ。

 

 

「ハルヒーーーーっ!!!」

 

 

 

 

 

ー家の中ー

 

(キョン…。キョンはなぜあの時私にキスしたのかしら…。

私の事が好きなのかしら、だったら無視してしまってるのはやめなくちゃ。

キョンが私を好きになってくれてるなんて、こんな嬉しいことなのに、どうして、どうして涙が出るのよ…)

 

「…キョン」

 

 

ハルヒーーーーっ!!!

 

 

 

「!!?き、キョン!?」

 

ガララ

 

窓を開けベランダに出る。

下を見下ろすと、そこには白い息を出す怪我をしたキョンが立っていた。

 

 

「キョン!?な、なんでここに…!」

 

「…ハルヒ!いいか!よーっくきけよ!!

 

俺は、俺はなぁ!」

 

 

 

黄緑(今です…!能力移行!)

 

 

 

 

 

 

「涼宮ハルヒのことが、大好きだああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

鼓膜を劈く激昂音。

しかしそれはハルヒの耳に確かに届いた。

そしてそれは涙に変わりハルヒの頬を垂れ流れる。

 

 

「…へへ、答えをくれよ、ハルヒ。」

 

「キョン…キョン…!キョン!!」

 

ダダダダ

 

 

ハルヒは階段に向かった。

 

 

そしてドアが開いた…。

 

 

「キョンっ!!」

 

キョンに飛びつく。

キョンはハルヒを強く抱き締めた。

 

 

「この野郎。ずっとシカトしてくれやがって。

傷付いたんだぜ?」

 

「馬鹿キョン…ばか、ばか…っ!」

 

「…キスしていいか?ハルヒ。」

 

「え、え…っ。。。

 

や、優しくしなさい…よ?//」

 

「んっ…んん……」

 

「ハルヒ…んっ…」

 

 

 

〜公園〜

 

朝倉涼子は倒れていた。

黄緑は圧倒的な力で朝倉涼子を打ちのめした。

情報統合思念体のインターフェースとまともにやりあって勝てるわけはなかった。

 

黄緑はキョンたちの告白を公園からのぞき、ベストタイミングでハルヒの力を抜き出し佐々木に移した。

 

「今です!佐々木さん!」

 

「了解だよ」

 

「キョン君…」

 

 

 

「…」(長門有希をここに呼んでほしい)

 

 

 

 

長門さん!!!

 

 

 

ーー全員の思いが届くーー

 

 

 

「こ、これまで…ね…。」

 

 

 

〜ハルヒ宅〜

 

 

「…もう、馬鹿キョン。

近所迷惑でしょ、あんな声出して。」

 

「…悪かったな」

 

「あんなに大きな声で名前呼ばれたら近所の人たちに会わせる顔がないじゃない。

考えてよねもう少しっ」

 

 

「へっ、俺に抱きつきながら言っても説得力ねーぞハルヒ!」

 

「なっ…ばっばか!いいじゃない別に!」

 

「…ハルヒ、ごめんな、気付いてやれなくてな。

もっと早く伝えるべきだった。

もっと早くにお前を守りたかった。

お前は一人じゃないんだ、俺でもいいし古泉や長門、朝比奈さんを頼れよ?

一人で泣くな。俺の事で泣くなら変だが俺に相談しろっ」

 

「…キョン…」

 

「あの日お前が俺に言ってくれた言葉に似せた

伝えたいことは同じだからな」

 

 

「…キョンのこと好きでどうしようってのをキョンに相談すればよかったのかしら?」

 

「いっ…やっ…そ、それはだな…」

 

「くすっ、 冗談に決まってるじゃない。

…ばかきょん。」

 

やっと、繋がれた。

キョンと想いが通じた。

 

私は満足だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜公園〜

 

 

「成功。涼宮ハルヒさんに能力を返却。

人格も無事です。

告白も成功ですって。ふふ。」

 

「そう言えば僕の人格は変わらないのかい?」

 

「1分ですからね」

 

「そういうもんなんだね。

この想いだけは変わって欲しくなかったからね。

キョンが誰を好きでも僕はずっとキョンを好きでいるよ!」

 

 

 

 

 

 

「…わたしを…壊しなさいよ」

 

 

 

「…いい」

 

 

 

 

「目的はまだある。

あなたはあなたのしたいことをやれ。」

 

 

 

タタタタ

 

 

「朝比奈さ〜ん!黄緑さん!佐々木!

無事にせいこ…」

 

 

「…ただいま」

 

 

 

「な、長門…

 

 

お、おう、おかえり」

 

 

 

「…潜泳疑念空間の消滅を確認…。

は〜ぁ。わたしもこれで消滅かあ。

したいことをやれっていわれても潜泳疑念空間のインターフェースになった以上潜泳疑念空間が壊れたら死ぬじゃない。

長門さんがしたんでしょう?」

 

 

 

「?…していない」

 

 

「…え?」

 

 

ゾクッ!!

 

 

な、なんだこの悪寒は…。

ハルヒへの想いも届いた。

長門も帰ってきた。

これでこの世界から帰れる。

そりゃ、せっかく付き合ったばっかりのハルヒなのにもうお別れでよ…。

俺が頑張ったのに俺らが帰った後この世界の俺がいい思いをするんだぜ。

 

納得いかないけど自分だし、いいじゃねぇか。

 

 

でも

なんだこの寒気は…

潜泳疑念空間も倒したんだぞ!?

あれ?でも、誰が?

 

 

 

「…コピープロセスに異常発生…。

長門さん、これって…」

 

「潜泳疑念空間の消滅は恐らく別インターフェースの仕業。

概念の根幹から崩壊している。

わたしではない。つまり、これを出来るのはわたしたちの知る限り一人」

 

 

「…うらぎ…ったわね?」

 

 

 

 

 

周防 九曜。

 

「あなただけだ」

 

 

 




この次の投稿でラストになります!

ラストはエピローグを含みます!

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!!
あと一話、お楽しみください…!

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