初っ端からオリジナル展開です。
口調など、違和感もたくさんあるでしょうが多少は目を瞑ってください。
楽しんでいただけたら幸いです。
これは『if』の話
数ある世界の中のたった一つの世界の物語
あの時こうなっていたら運命はどうなっていただろうか・・・
ほんのちょっぴり、時間軸がずれていたら・・・スタンドとは違う、『別の力』があったなら・・・
あったかもしれない物語
本来はありえない物語
*
西暦2012年、3月19日、フロリダ州オーランド市内で戦いは行われていた。
プッチ神父の目指す新月まであと3日。あと3日という短い期間であるのに、プッチ神父は宿敵『空条徐倫』をはじめとする4人の仲間からの多くの妨害により、『天国に行く』という野望は終焉を迎えようとしていた。
「もう・・・終わりだ・・・プッチ神父!」
「馬鹿な・・・神は・・・私を見捨てたのか・・・」
プッチ神父の狙い・・・それは自身の弟ウェザー・リポートこと『ドメニコ・プッチ』のスタンド『ウェザー・リポート』の真の能力『ヘビー・ウェザー』を利用してウェザー・リポートを抹殺し、追手を振り切り、目指す場所『ケープ・カナベラル』で残る時間を過ごすつもりだった。
しかしそれはウェザーの機転、ウェザーの仲間、ナルシソ・アナスイの助力、そして偶然現れてしまった徐倫とその仲間、エルメェス・コステロにより完全に瓦解してしまった。
「徐倫! 今の神父は瀕死だ! カタツムリのあたしたちでも仕留められる! 今しかない!!」
「ええ、分かってる・・・エルメェス。・・・オラァ!」
徐倫のスタンド、『ストーン・フリー』の拳がプッチ神父の顔面を殴りぬける。その時、プッチ神父の頭から『何か』が飛び出した。それと同時に、プッチ神父の姿がぼやけ、別の男の姿に変わってしまった。
「こ、これは・・・馬鹿な・・・!?」
「こ、こいつは・・・『ヴェルサス』!?」
そう徐倫が殴ったのはプッチ神父ではなく、その協力者『ドナテロ・ヴェルサス』だった。プッチ神父は徐倫が攻撃するより早く、近くにいたヴェルサスに、自身のスタンド『ホワイト・スネイク』の能力を使い、『自身の姿の像になるDisk』をヴェルサスに挿入していた。
「じゃあ、本物の神父は!? み、見失ったのか、徐倫!?」
「いや、近くにいる! 感じるわ、ヤツの存在を! でも、カタツムリになってノロくなっている今では時間が限られている!」
「い、急ぐぞ!!」
徐倫とエルメェスは通常の速度で動けないことにもどかしさと焦りを感じながら、辺りを捜索した。
*
プッチ神父は路地に逃げ込んでいた。
彼には勝算があった。
徐倫たちは『ヘビーウェザー』でカタツムリになっている。対する自分は視力と引き換えに普通の肉体を保っている。リスクは大きいが、逃げ切るだけならば容易だと考えていた。
「ヴェルサス・・・おまえがあそこにいたということに、私は運命を感じている・・・。これは『啓示』だ・・・! 運命は・・・この私に3日後の新月にに『天国に行け』と押し上げてくれている・・・。じゃなきゃあ私は敗れていた・・・」
体を引きずりながら進むプッチ神父の行く手には、ある人物が立っていた。それに気付いた神父は驚愕した。
「・・・『
「・・・・・なに・・・お、おまえは・・・!」
「・・・『
「・・・まさか・・・まだ生きていたのか・・・ウェザー!!」
神父の前に立っていたのは、彼の実の弟であり、もう一人の宿敵、ウェザー・リポートだった。
「待っていたんだ・・・この時を・・・! 俺が今日まで『生きてきた意味』・・・。ベルラを失い、何もなくなった俺にとっての唯一の生きる希望・・・おまえと決着をつけることだ・・・!!!」
「くっ・・・考え直せウェザー! 何が大切なのかを・・・!おまえももう限界のはずだ・・・! そ、素数・・・2、3、5、7・・・グリーン・ドルフィン刑務所で、おまえを始末するつもりならいつだってできていたのだ。だが・・・いつかおまえを救えると思ったから・・・『記憶』だけを奪っておいたのだ。これは私の都合のいい命乞いなんかではない。弟であるおまえのためであり・・・『天国』への能力を手に入れるためにそうしていたのだ。『天国』へは誰かはいつかは到達しなくてはならない・・・11・・・13・・・やめろウェザー・・・自分と私を殺そうとするのはやめるんだ・・・17・・・!」
「・・・・おまえは・・・・・自分が『悪』だと気付いていない・・・もっともドス黒い『悪』だ・・・!!」
ウェザーは自身のスタンド『ウェザー・リポート』を発現させ、その拳をプッチ神父に叩き込んだ。
プッチ神父は断末魔の雄叫びを上げながら、『ウェザー・リポート』の風圧で遠くで吹っ飛んでいった。そして同時にウェザーの中で何かが切れたような感覚があった。
(これは、この感覚は・・・そうか・・・やっと・・・死ねるんだな。つまりそれは・・・ヤツの死も確実だと言うこと・・・ヤツと俺の因縁・・・俺は、救われた・・・ありがとう、アナスイ、エルメェス、エンポリオ・・・
ウェザーは、ゆっくりと息絶えた。
*
「こ、この風圧は・・・ウェザー!?」
アナスイは自身が受ける独特の風の感覚でウェザーの位置を察知していた。
「あの路地ッ! 神父の存在もあそこから強く感じる! 急げ、エルメェス、アナスイ!」
徐倫とアナスイ、そしてエルメェスが一斉に駆け出した瞬間、エルメェスは違和感を感じた。
「ま、待て・・・徐倫! 今あたしたちは・・・普通に走ってるよな・・・!」
「・・・・これは・・・カタツムリ化が・・・『ヘビー・ウェザー』が止まってる・・・風も・・・!?」
エルメェスを襲った違和感、それはカタツムリになっていた自分たちが普通に駆け出しているということ。カタツムリになっていた時は、走るなんてとてもできなかった。否、走っていた気にはなっていたが、実際はノロノロと動いているだけだった。
しかし、今はその障害がない。つまり、カタツムリ化の原因である『ヘビー・ウェザー』が発動していないのだ。
(『ヘビー・ウェザー』は、本体のウェザーでも制御できない無意識に発動される能力。それが止まっていると言うこと、つまり・・・・ウェザーは――――)
徐倫は最悪の想像をしながら、エルメェスとアナスイを引きつれ、路地へと向っていった。
*
「・・・・・・まだ・・・生きている・・・だが・・・永くはない・・・!」
ウェザーの攻撃を受け吹っ飛んでいったプッチは即死に至らず、瀕死の状態であった。必死に腕と足で体を引きずるが、とても動けない。プッチは仰向けになって空を見つめた。
「『天国の時』・・・あと少しだとい・・・うの・・・に・・・・」
プッチが体力の限界を感じ、目をつむった。
その時だ。プッチは自身に近づく足音を感じその目を開いた。
そこにいたのは、身長が180ぐらいある優しそうな顔をした細身の青年だった。
青年は驚愕に目を見開いてプッチ神父を見ていた。
「と・・・父さん・・・な、なんてことだ・・・!」
「や、やはり・・・運命は私に・・・み、味方している・・・ロ・・・『ロベルト』・・・私の『息子』よ・・・」
プッチは顔をロベルトの方に向ける。それだけで全身に激痛が走り、意識が霞むが、気にしていられなかった。
「父さん・・・! なぜ、こんな・・・。と、とにかく・・・病院に・・・!!」
「無駄だ、ロベルト・・・分かるのだ・・・もう永くはない・・・できればおまえに全てを説明してやりたいが・・・その時間もない・・・」
「と、父さん、喋らないでッ! き、傷口がッ!」
「いいから聞くのだ、ロベルト・・・私の・・・『ホワイトスネイク』の能力で・・・おまえに、私の『記憶』と『ホワイトスネイク』を託す・・・おまえなら使いこなせるはずだ・・・」
「な、なに言ってるんだよ・・・そんなことしたら・・・父さんが死んじゃうじゃあないかッ!!」
「もう永くはないのだ、ロベルト・・・! 私の研究、望み・・・おまえに託す・・・できればおまえには背負わせたくなかった・・・この宿命を・・・。これくらいしか残せてやれなくて・・・すまない・・・」
「う・・・うぅ・・・父さん・・・」
「DIO・・・君が託した骨・・・赤ん坊・・・無駄になってしまった・・・すまない・・・。ロベルトよ・・・おまえならやれる・・・! おまえのスタンドと・・・『あの力』・・・・『魔法の様な力』があれば・・・!! ・・・受け取れッ!!」
プッチ神父は最後の力を振り絞り、2枚の『Disk』をロベルトに投げた。『Disk』はそのままロベルトの頭に挿入された。
「ふっ・・・これで・・・良い・・・頼むぞ・・・ロベ・・・・・ル・・・・・・ト・・・」
プッチは静かに息絶えた。
ロベルトはそれを見て、涙を溢れさせて泣いた。子供のように泣き叫び、10分もすると、ケロリと泣き止んだ。その時の彼の表情は、最初に見せた優しそうな顔ではなく、覚悟を決めた精悍な表情をしていた。そしてその傍には、プッチ神父のスタンド
「『空条』・・・『空条徐倫』・・・父さんの仇。今回は私たちの負けだ。だが次は、私が勝つ。『天国へ行く』・・・それが人々のためである最も幸せなこと」
男の名は『ロベルト・プッチ』。
プッチ神父の意思を受け継いだ、『悪』の子孫であるッ!!
25年後・・・全てが始まる・・・!!