魔法少女は動かない   作:鷹売りのタカさん

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珈琲はただ静かに揺れる

アフムドを倒したジョシュアとユーノは、瀕死と言っても過言ではない状態のアフムドに詰め寄っていた。

 

 

「さて、アフムド・・・てめぇには他のスタンド使いの情報を吐いてもらう」

 

 

「ハァ――・・・ハァ――・・・だ、誰が言うかよ・・・俺だって一流の仕事人だ・・・誇りってもんがある・・・そんな簡単に仲間の情報・・・を――――ぐぇ、く・・・苦しい・・・こ、呼吸が・・・!!」

 

 

アフムドは仰向けの状態で、顔を真っ赤にして喉をかきむしった。

 

 

「ご立派だね。『I(イミグラント)・ソング』・・・風達に頼んだ。風の圧力で喉を絞めた・・・その余裕がいつまでもつかな・・・?」

 

 

「わ、分かった・・・言うとも・・・! だがこれは命乞いとかじゃあねぇ・・・俺に勝ったことへの賞賛として話すんだぜ・・・」

 

 

「結構・・・それで、他のスタンド使いとは?」

 

 

「そうは言うが、俺だってろくに知りゃしないぜ・・・奴等だって一流なんだ。たとえ仲間といえど自分のスタンドをほいほい見せるような馬鹿はいねぇ・・・」

 

 

「「へぇ・・・」」

 

 

ジョシュアが『D(ドラゴン)・フォース』を発現させ、ユーノは風の密度を高めた『風弾』を作り出し2人揃ってアフムドにさらに詰め寄る。その目は、まともな人間の目ではなかった。

 

アフムドは自身の危険を感じ取り、後ずさりしながら言った。

 

 

「いやマジだって! ホント! 知らないのよ俺ッ! せいぜい2人・・・それも詳しいことは分からねぇ」

 

 

「確かに、簡単にスタンドを教えるようなマヌケな連中ならこんなことはできないな。とりあえず今必要なのは情報だ・・・教えな」

 

 

アフムドは少し戸惑うような表情を見せると、決心したような顔をしてジョシュアを見た。

 

 

「・・・いいか、空条ジョシュアとユーノ・スクライア・・・もう一度言うが、これは俺を倒したおまえ等に敬意を表して言うんだ。決して命乞いとかそういうんじゃあないってことを分かって欲しい」

 

 

「・・・何が言いたい・・・?」

 

 

「まずはユーノ・スクライア・・・おまえも知ってる『レディオ・ガ・ガ』。こいつの能力は分からないが、遠隔操作型のスタンドってことは分かる。あと、誰もその像を映像越しでしか見たことがないってこともだ。・・・そしてもう一人・・・こいつは本当にヤバイ・・・」

 

 

アフムドは言いよどみ、俯いた。ジョシュアはその様子を疑問に思いながらも、アフムドに早く言うよう促す。

 

 

 

「ジョシュア、こいつの様子がおかしい・・・」

 

 

「そんなにヤバいスタンド使いってことか・・・?」

 

 

「・・・あぁ、確かにヤバい・・・あのホワイトスネイクもアイツは倒せなかった・・・ディスクで無理やり仲間にしているに過ぎない」

 

 

「なに・・・? それで、そいつの名前は?」

 

 

「・・・『チルドレン・オブ・ボドム』・・・本体は知らねぇ・・・能力も・・・ただ分かる・・・あいつは間違いなく俺らの組織で最もヤバいスタンド使いだ・・・」

 

 

「『チルドレン・オブ・ボドム』・・・。OK、じゃあ次の質問だ。おまえらの目的はなんだ?」

 

 

ジョシュアが問いかけると、アフムドはフッと溜息をつき、口の端をつり上げた。

 

ジョシュアとユーノは、その笑みの意味に気付くことはできなかった。そして、アフムドの手に握られた爆弾にも。

 

 

――――ユーノ! ヤツノ右手ダ! 爆弾ガ握ラレテイル!!

 

 

「――――何だってッ!!」

 

 

ユーノは風から情報を得るのが少し遅かった。

 

アフムドが爆弾を握っている手を振り上げる。ユーノはジョシュアに爆弾のことを伝え、2人はスタンドを出して防御の体勢を取る。

 

 

だが、アフムドはその爆弾を2人に投げることはなかった。振り上げられた右手をアフムドは自分の口元に持っていき、口を大きく開け、爆弾を飲み込んだ。

 

 

「――――ッ!! アフムド、テメェ!!」

 

 

「俺が教えられるのはここまでだ・・・これっぽっちでも、仲間の情報を晒して生きていられるほど俺もクズじゃあない・・・ほっといても、誰かが殺しに来るんだがよォ~~~、後始末くらいは自分でやるもんだぜ」

 

 

「馬鹿なマネするんじゃあない! やめるんだ、アフムド!!」

 

 

congratulation(おめでとう)!! おまえたち2人に敬意を表す!! アングラ、俺を攻撃しろッ!!」

 

 

アフムドから重なるように、アングラが姿を現し、アフムドの方を向くとその両拳をアフムドに叩き込んだ。その衝撃は、アフムドの腹の中に納まった爆弾に火をつけた。

 

 

「あばよ! ハハハハ――――」

 

 

アフムドは――――爆発した。

 

 

天を仰ぎ、まるでその視線の先に何か別の存在を見据えているかのように、悟ったような目をしていた。腹の底から大きな笑い声を出して逝った。恐怖などないと言う様に。

 

 

「・・・なんだか・・・釈然としないね・・・」

 

 

ユーノはアフムドが爆発し、消滅した場所を見つめながら静かに言った。

 

 

「ヤツにはヤツなりのやり方があるってことだ・・・それを全うしたまでのことだ。余計なことは考えるんじゃあないぜ・・・それが俺達にできるせめてものアフムドへの敬意の払い方だ」

 

 

「あぁ・・・分かってるよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くからジョシュア達の戦闘の現場を見ていたクロノやなのは達にとって、何が起きているかというのは全く持って謎だった。

 

スタンドを視認できるクロノは、おおまかな状況を把握することはできる。しかしそうでないなのは達にとっての認識は、敵とジョシュアは何もしていないのに互いに傷ついている、ユーノが戦っている最中に突然傷を負う、突然周囲を謎の爆風が襲った、という程度のものである。

 

 

 

理解不能。

 

 

 

スタンドを見えないものにとって、これほど胸中を表現できる言葉はない。

 

 

「・・・なのは・・・彼の名前は分かるか?」

 

 

言葉を発したのはクロノだった。彼は時空管理局員として、事の処理に当たる必要がある。よって何よりもまず、状況の確認と可能な限りの情報収集を最優先とした。

 

 

「えと、ジョシュア君・・・ジョシュア・クージョー・アナスイって言ってたよ」

 

 

「そうか・・・」

 

 

なのはからジョシュアの名前を聞き出したクロノは、敵が自殺して呆然としている2人に歩み寄り、言った。

 

 

「時空管理局のクロノ・ハラオウンだ・・・えっと、ジョシュア、でいいな? ジョシュア、君に詳しい話を聞きたい。一緒に来て欲しい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、一緒に来てやったが、何を聞きたい・・・?」

 

 

ジョシュアから話を聞くためにクロノが案内した場所は、海鳴市の喫茶店『翠屋』だった。この場所になった理由はジョシュアの提案だった。元々ジョシュアは翠屋に行ってみたかったのだ。ゆえに、この機会に案内させることにした。

 

翠屋に着き、早速ジョシュアはコーヒーを1杯注文した。砂糖もミルクもいれず、香りを少し楽しんでから一口啜り、ホゥッと一息つくとクロノに話を切り出した。

 

 

「聞きたいことは山ほどあるが、まず一番聞きたいことがある。それは――――」

 

 

「スタンド、か・・・?」

 

 

クロノの言葉を遮って、ジョシュアは言った。クロノはそれを聞いて黙って頷いた。

 

 

「スタンド、といって何から説明すればいいのかはいまいち分からないが・・・そうだな、スタンドというのはおおまかに言うと人の持つ精神のエネルギーを具現化したものだ。例えばそう、テレビで超能力者っつーのを見たことがあるな? 奴等がどうやってスプーンを曲げたりしているか・・・俺達はそれを『スタンドを操って曲げている』と言える。そしてスタンドを扱うものを俺達は『スタンド使い』と呼んでいる。スタンドには細かいルールがいくつかあるが、基本的に定まった形はない」

 

 

 

「なるほど・・・。だが気になることがある。あの縞模様の訳の分からないスタンド・・・アイツがなのは達の頭からディスクみたいなものを抜き取った瞬間、なのは達は魔法を扱えなくなった・・・他にもさっきの敵の爆発させたりしてたものは一体・・・?」

 

 

 

「それはさっき言った細かいルールの一つに当たるものだ。『スタンドは一つ、特殊な能力を持っている』・・・おまえの言ってる縞模様のスタンドってのはホワイトスネイクのことだな。ヤツの能力は『魂と記憶を2枚のディスクにして取り出す』っつーものだ。別のディスクを植えつけて命令することもできるらしい。もっともさっきのアイツは能力が少し成長していたがな・・・」

 

 

「成長だって・・・?」

 

 

「そう・・・スタンドは本体の精神の成長によって、その力を増す。ホワイトスネイクは成長することで『才能を細分化し、ディスクにして奪い取る』っつー能力を身に着けた・・・そこの女達が急に魔法が使えなくなったのは、そいつ等から『魔法を扱う才能』を奪い取ったからだろうな」

 

 

ジョシュアは、この会話を全く理解できないというような表情で聞いているなのは達に目を向けて言った。なのは達は突然目を向けられ戸惑ったような表情になるが、自分たちが魔法を使えない理由だと理解すると、一転して思いつめた表情に変わった。

 

 

「ねぇ・・・ジョシュア君。スタンドっていうのは分からないけど・・・私達って、もう魔法を使えないの・・・?」

 

 

「いや、ホワイトスネイクからおまえ達の『魔法を扱う才能のディスク』を取り返せば問題ない。逆にそれを取り返さない限り永久に使うことはできない」

 

 

「そう・・・方法はあるんだ・・・良かった・・・」

 

 

なのはは安堵の溜息をついた。なのはにとって魔法を使えないというのは自身のアイデンティティーに関わると考えているほど重要な問題であり、解決策があると分かった時の安心感は並ならぬものがあった。

 

 

「そういえばもう一つ・・・僕やユーノはスタンドが見えて、なのはやフェイト、はやてにはスタンドが見えないっていうのはどういうことなんだ?」

 

 

「スタンドが見えるのは同じスタンド使いか、その素質を持つ者だ。ユーノはその素質を開花させ、スタンド使いとなった」

 

 

クロノは戦闘状況を見てそのことを感づいてはいたが、改めて口にされると驚きの事実であるようで、戸惑いの色を隠せないという表情でユーノに目を向けた。

 

 

「ユーノ・・・やっぱり君はスタンドを使えるようになったのか・・・」

 

 

「うん・・・『I・ソング』って言うんだ。能力は風と会話するだけっていうものだけどね」

 

 

「そうか・・・ジョシュア、僕もスタンドは見える。ということは僕にもそれを扱う素質があるってことなのか?」

 

 

「そういうことだな。やろうと思ってできるようなものじゃあないぜ。精神を強く刺激するような体験をする必要がある。闘志、自己防衛本能、何でもいい」

 

 

その言葉を聞いてクロノは安心した表情になった。だがすぐにその表情は、怒りに満ちたものへと変わった。

 

 

「・・・じゃあ、最後の質問だ・・・『レディオ・ガ・ガ』、というスタンドに聞き覚えはあるか?」

 

 

「ッ!? なぜその名前を知っている・・・?」

 

 

「奴に会ったからだ・・・目の前で、部下を皆殺しにされた・・・絶対に許せない・・・!!」

 

 

ギリギリと歯を強く噛み締めながら、搾り出すような声でクロノは言った。あまりのクロノの怒気に、周りで見ていたなのは、フェイト、はやては怯えた。

 

ジョシュアはそんなクロノを注意するわけでもなく、ただじっと見ていた。そして少し冷めたコーヒーを啜り、言った。

 

 

「何があったかを詳しく聞こう。・・・おまえの話の中に、『レディオ・ガ・ガ』のスタンド能力に通ずる情報があるかもしれない」

 

 

クロノは黙って頷いた。そして、アースラで管理外世界の調査に向ったこと、調査隊を派遣したこと、調査隊の隊長を務めていたヴァン・ヘイレン一等空尉の突然の奇行、アースラに起きた謎のシステムダウン、そして『レディオ・ガ・ガ』の話によって地球に急行したこと、事の全てをジョシュアに話した。

 

 

話を聞き終えたジョシュアは、話を聞いているうちに冷めてしまったコーヒーを一気に飲み干し、自身の隣にいるユーノに問いかけた。

 

 

「ユーノ、確かおまえも『レディオ・ガ・ガ』の話を聞いてここに向ってきたんだな・・・?」

 

 

「うん、最初は信じられなかったけど、アイツの言葉にはこう・・・なんて言うんだろう、『凄み』ってヤツがあったんだ。なんだか知らないけど、コイツなら本当にやるんじゃあないかって思える何かがあったんだ」

 

 

「なるほど・・・少し考えてみる必要があるな。俺はしばらくこの町に滞在することになるだろうし、ここにいればヤツに会う機会も絶対に訪れる」

 

 

その言葉を聞いて、クロノは少し違和感を感じた。

 

 

「この町に滞在することになるって・・・どうして既に決まっているような言い方をするんだ?」

 

 

「俺だって本当のことを言えば今すぐ故郷のフロリダに帰って父さんと母さんにスタンドのディスクを届けたい・・・だが俺自身が行くことはできないだろう。――――えと、クロノって呼ばせてもらうぜ・・・クロノの話を聞いている限りじゃあ、俺達はこの町に閉じ込められたと考えていいな」

 

 

「閉じ込められた・・・? どういうことだ?」

 

 

「多分だが、クロノがもしアースラっていう船に戻って、この地球を離れようものなら『レディオ・ガ・ガ』の野郎が阻止しに来る。俺でも同じ事が言える。フロリダ行きの便に潜り込んで動けなくするだろうよ・・・。ヤツ等が何をしたいのは分からねぇが、『俺たちをこの町から出そうとはしない』、これだけはあると確信している」

 

 

今度はユーノがジョシュアに言った。

 

 

「ここにいればヤツに会う機会も絶対に訪れる、とも言ったよね・・・? 何でそう言い切れるの?」

 

 

その言葉を聞くと、ジョシュアは待ってましたと言わんばかりに指をパチンと鳴らし、ユーノを見て言った。

 

 

「スタンド使いってのは引かれ合うモンなんだ・・・たとえば、そこの席でのんびりとコーヒー飲んでるヤツがスタンド使いかもしれない。あるいは道を歩いていて肩がぶつかったヤツが、高町達が通う学校に転校してきたヤツが・・・全ては『偶然』だ。だが同時に『必然』でもある。抗えねぇのさ・・・運命ってヤツだよ。ホワイトスネイクのヤツはこの町に多くのスタンド使いを放って来るだろう。そしたら絶対に遭遇するぜ・・・あるいは、明日会うヤツが『レディオ・ガ・ガ』の本体ってことも十分にありえる話だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョシュアへの問答はあの後数十分も続き、やがて日も暮れてきた頃、解散という事になり、クロノとフェイト、はやてはそれぞれ帰宅した。なのははこのまま店を手伝うことにしたようで、席を離れた後は店の制服に着替え、仕事をしている。

 

ユーノはそれからしばらくはジョシュアにスタンドについての細かい説明を受けていた。

 

ジョシュアがこれまで出会ったり聞いたりしたスタンド使いの情報、ジョシュアが自身の祖父である空条承太郎から聞いたスタンドの特徴や能力の考え方など、多くの情報をユーノに伝えていた。

 

ジョシュアにとって、味方の中で一番信頼でき、実力のある者はユーノだと考えている。よって必要なことは全て伝えるつもりでいた。ユーノも、他にスタンドを使える者はいない以上、自分がやるしかないと思い、ジョシュアの話を熱心に聴いていた。

 

なのはは2人の様子を離れた所から見ていた。出会ったまだ数時間しかたっていないのに、まるで長い間一緒に戦ってきた仲間のように接している2人を見て少し微笑ましさを感じていた。

 

カップを2つ用意し、コーヒーを注いでジョシュアとユーノのいるテーブルに運んでいった。

 

 

「はい、2人とも。お疲れ様」

 

 

「あ、ありがとうなのは・・・ごめん、長いこと居座って」

 

 

「気にしないで、ユーノ君・・・。ねぇ、ジョシュア君・・・ジョシュア君は、もしまた次の敵がやってきたら、どうするの・・・?」

 

 

ジョシュアは黙ってコーヒーを一口飲む。そして少し考える仕草をすると言った。

 

 

「ぶちのめす。そんでもって情報を吐かせる。それで大丈夫そうならそのまま逃がす。ヤバそうなら――――殺す」

 

 

「――――ッ!? そんな、殺すって・・・話し合うってことは、できないの・・・?」

 

 

「無理だな。連中も本気で俺たちを殺しに来る。手加減なんかしていられない」

 

 

「だからって・・・なにも殺さなくても・・・。ユーノ君も、そう思うの・・・?」

 

 

ユーノは突然話を振られて少し驚いた顔になったが、事の重要さを考え、すぐに落ち着くとなのはに言った。

 

 

「なのはにとっては辛いことだと思う・・・だけど、今日戦って思った。今回の敵は、最悪の場合は殺す覚悟も必要だって・・・。なのは、君は優しい、危険すぎるほどに・・・。今度の敵はこれまで以上に容赦なく僕達を襲ってくる。厳しいことを言うようだけど、なのはの優しさはアイツ等と戦うにおいて不要な感情だ」

 

 

「ユーノ君、まで・・・そっか・・・うん、分かったよ・・・。ねぇ、ジョシュア君」

 

 

「・・・なんだ?」

 

 

「私に・・・スタンドって力を使うようにできない?」

 

 

その発言を聞いて驚いたユーノは思わず席を立ち上がった。その衝撃で、ユーノの前に置かれていたカップは倒れ、中からコーヒーがこぼれだした。しかし、ユーノはそんなことはお構い無しに、なのはに歩み寄って言った。

 

 

「なのは・・・君は自分がなにを言っているのか分かってるのかい? これは、危険なんだ・・・今の君は魔法が使えない・・・ただの女の子だ。今は戦わなくていいんだ・・・! 敵はどうやら君の命を奪うことはしないらしい。奴等の狙いは計画の障害となるスタンド使いのジョシュアや僕だ。なのはが自ら危険に飛び込む必要はないんだッ!」

 

 

「分かってる・・・だけど、他のみんなが傷ついて戦っているのに、私だけ見ているのは嫌なの・・・私だって力になりたい・・・ねぇ、ジョシュア君、教えて。・・・私にもスタンドは使うことはできるの・・・?」

 

 

 

「・・・・・できる」

 

 

 

「ッ!! 本当ッ!?」

 

 

なのはは驚きと喜びで笑顔になるが、対してジョシュアの表情は暗く、影が差していた。ユーノはその表情から、何かがあるということを感じ取っていた。とても勧める事のできない条件があるということを直感的に感じ取っていた。

 

 

「ジョシュア・・・何があるんだ・・・スタンド使いになる方法に・・・一体どんな試練があると言うんだッ!」

 

 

ユーノの問いかけに応えることはなく、ジョシュアは黙って自身の上着のポケットに手を入れ、中からあるものを取り出した。そしてそれを2人に見えるように掲げた。

 

 

ジョシュアの手にある者は、小さい尖った石だった。

 

 

「これは・・・この石は元々一つの『矢』の(やじり)の部分だった物だ。・・・高町なのは普通の方法ではスタンド使いにはなれない・・・しかし、普通でない方法ならばある。やることは簡単だ・・・この石で、自分に傷を付けろ」

 

 

「え・・・それだけで、いいの・・・?」

 

 

なのははきょとんとした表情をしているが、ジョシュアの表情は依然暗いままだということに気付くと、まだ何かがあると感じ取った。

 

 

「あぁ、それだけだとも・・・だがな、もしおまえにスタンド使いとしての素質が一切なければ・・・石に選ばれなければ、だ・・・高町なのは、おまえは死ぬ」

 

 

「――――ッ!?」

 

 

「ジョ、ジョシュア・・・それは本当なのか・・・?」

 

 

「こんなことで嘘をついてたまるか・・・高町、この石はおまえに預けておく。もし仮に・・・そう、絶対的な危機に瀕した時のみ、この石を使ってみるんだ・・・これは賭けだ・・・精神が最も危険な窮地に陥った時ならば、スタンドが目覚める可能性が高いかもしれない」

 

 

そしてジョシュアは席を立ち上がりなのはを指差し、強く、心に響かせるように言った。

 

 

 

「スタンドとは己の精神ッ! 常に心を強く持てッ! ――――忘れろ、『情け』をッ!! そして忘れるんじゃあないぞ、『闘志』をッ!!」




次回は戦闘のつもりです。
どんなスタンド出すか決めてないので、これからがんばって考えます。
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