アーチャーの全力とも言える力で放たれた矢と言う名の死が迫る。
その死はたとえアイアスを使っても止めることは叶わない。ならばどうする。
簡単な話だ。
一瞬此方を見守るライダーを見る。
”受けては守れないのなら受ける前に矢を脆くすればいい”
「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!」
投影に全力の魔力を通す。
「
鮮やかな色をした、まるで花の弁の様な盾が4枚花開くように展開される。
そして、その花の前に、それは描かれ始める。
最初に瞳のような紋章が、そしてそれを囲う円と神代の文字。
ライダーが驚きの表情を浮かべる。
「あれはっ!?」
それをアーチャーは直感的に何かを悟った。
「これは…。ライダーの魔眼?!」
ライダーの魔眼の効果で矢は石化し、矢であったそれはただ高速で飛ぶ岩でしかなくなっていた。
矢であったそれは花弁を2枚破壊し、粉々になって砕けた。
「…ちっ」
アーチャーが次弾を投影する。
しかし、今の守りで士郎の魔力は底を尽き。手立ては無くなってしまった。
「くそっ!」
放たれる魔弾、それは士郎を巻き込んだ弾道で後ろで蹲っている少女へと流星のように飛ぶ。
これで終わりなのか?もうあの子を救うことはできないのか?
魔弾は無慈悲にも迫り来る。
もう少しで士郎を貫こうとしたその魔弾が、実際に士郎を貫くことはなかった。
物凄い轟音と共に異形が霧散する。
響き渡る断末魔。
それとともに矢はその威力を弱め、大量の偽徒の命と共に力なく落ちた。
士郎を貫こうとしたその矢を受けたのは少女が率いる偽徒達だった。
そして、士郎の前に少女が背中を向け、立ち塞がっていた。
気づけば少女は自分が率いた偽徒に無意識に命令を放っていた。
"自分を守るあの青年を守れ”
と。
その結果、赤い礼装を纏った男が放った魔弾によって大多数の偽徒が霧散した。
その量の減少は撤退を余儀なくされる量だ。
少女は何故自分がそうしたのかわかっていなかった。
少女にとって、あの青年は殺す対象でしかない。それに、あの青年は自分のことを「肉親」と言った。なら、尚更殺さなくてはいけない。何故なら自分の中から聞こえるのだ。それは自分を突き動かす強迫観念のように、まるで"呪い"の様に。
"殺せ"
その一言が頭の中でグルグルと無限にループする。それに従って今まで沢山殺した。それが何故青年を救おうと思ったのか…。
頭痛がする。
今は撤退しなくてはいけない。
偽徒たちに撤退の命令を放つ。
命令を受けた偽徒が転移の為に周りをグルグルと回り、数匹の命を代償に魔法陣が描かれる。
撤退する瞬間、青年と目があった。
一瞬…日の光に包まれた幼き少年が自分に手を伸ばす風景が見えた気がした。
空間転移?そんな魔法簡単にできるわけないじゃん。
とかいう疑問その他諸々を言いたい方。
SSなので許してください(−_−;)