いや、ヒロインには黒ひとつあればとか思ってませんけどね。ラスボスとかな…ってあれ、なんか黒い影g((
気づけばそこには異形の残滓がかすかに残っているだけになっていた。
「ちっ…逃げたか。」
悪態を吐く弓兵を睨みつける。
弓兵は自分を睨みつける相手を怒りと後悔が渦巻く瞳で見据える。
「そんなにあれを助けたいか、衛宮士郎。」
「当たり前だ!俺は…!」
「『みんなが笑顔で居られる結末を望む』か?愚行だな。その姿になってなお、まだ叶うことのない理想を追い求めているとはな。」
「……っ!」
弓兵は身を翻し、此方に背を向ける。
「私はあれを追う。あれを追い詰め、殺しこの世界を救う。それが気に入らなければ貴様も追ってくるがいい。しかし、あれを救うのならば貴様の命をかける覚悟をしろ。」
そうして、弓兵はその体を霊体化させ去っていった。
アーチャーが去ったのち、ライダーと桜、そしてイリヤが駆け寄ってくる。
「大丈夫ですか?!先輩!」
「シロウ!」
突然目眩が起こり倒れてしまいそうになる。どうやら、本当に魔力がすっからかんになっているらしい。
桜とイリヤ、そしてライダーが必死に呼びかけてくる。
それを最後に俺の意識は少しの間途絶する。
鉄の焼ける匂いがする。
幼い時に見たあの地獄とは程遠い。しかし、殆どのビルは半壊、新都とまで言われた場所も瓦礫の山と化してしまっている。
彼方此方で火が燻り、ガスに引火すれば瞬く間に火災を引き起こすだろう。
そんな中で、なんとか形を保っているビルの屋上から周囲を見つめ続ける。
通常の人間なら豆粒ほどのものしか見えないものもアーチャーの目を持った彼にはしっかりと視認できる。
探し求めるのは異形を率いた少女だ。
彼女を見つけ出し、殺さねばさらに多くの人間が死ぬことになってしまう…。
「……ふ」
思わず皮肉めいた笑いが出る。
今自分は多くの人間を救うことを目的としている。"世界"と契約し、守護者と言う名の掃除屋をやらされ。万人の人間を殺し人間というものに愛想さえ尽きた自分が、だ。
それとも、未だに私も人間というものを尊いものだと思っているのだろうか?
そんな思考の中で、過去の自分の言葉がふと浮かんだ。
"お前に肉親は殺させない!"
肉親?士郎という人間はあの時に全てを失ったはずだ。そう、あの地獄。怨嗟と死が渦巻く炎の中で全てを失った。
肉親などと言ったものは存在するわけがない。それに、当の自分は既にその記憶を失っている。記憶がなければその出来事はなかったことになる。
そう、今はただ守護者という役割を全うするだけなのだ。
例え肉親であろうと天秤が傾くことがなければ切り捨てるしかない。それが、衛宮切嗣が衛宮士郎にかけた呪い。正義の味方の定義なのだから
プリズマイリヤみたいなほんわかとした話も好きなんですがやっぱりfateならシリアスは必要ですよね。
なんて関係ない話になっておりますが、これはただの息抜きであり。この物語もうどこに行くのかわからなくなってる、なんてわけじゃないですから…あはは…。