き、気のせいじゃないかなぁ……
何処までも続く海、海にも偽徒は潜んでいる。しかし、それも海の上。
空にまでは存在しない。
何故空にはいないのか。それは"飛行する"というものが"魔法"というものであるからだ。
そんな空に飛行する者が2人いた。
方や黒髪に赤を基調にする服を纏った女性。方や金髪にロールした青を基調にするドレスを纏っている女性がどういう原理でか空を滑空していた。
「ったく、なんで飛行機やらなんやら止まってるのよ!!」
「貴方、バカですの?世界は偽徒の騒動が起こっていて飛行機なんて飛ばす暇がないに決まっているでしょうに。」
空を飛行しながらコントの様な言い争いが行われる。
「わかってるわよ!うるさいわねこの縦ロール!」
「はぁ?元といえば貴方が原因ですわ!!私が準備した自家用機をっ!!!」
そこに二人の声とは違う声が聞こえる。
「元はと言えば凛さんがガンドで燃料部を撃ち抜いたのが原因ですよねー。全く困ったものです。」
「あ、あれはルヴィアがっ!」
遡ること2時間前
遠坂 凛、お前に冬木の調査を任命する。
この騒動の元凶は冬木にあると思われる。よって見つけ次第排除せよ。
大師父の命令に続けて、彼の師はこういった。
なぁに、一人だけでなくエーデルフェルト家のところの娘を連れて行くといい。
そして、特別に礼装も与える。
「というわけで、ルヴィア。あんたも日本に来なさい。」
その答えはわかりきっていた。
「はぁ?なんで私が貴方なんかと行かなければならないのです??この誇り高きエーデルフェルトに"土下座"をするのなら一緒に行ってあげても良くてよ?」
全く予想通りすぎて思わず呆れてしまう。
しかし、ルヴィアは確かに"大っ嫌い”な奴なのだが彼女は確かに時計塔の中でも優秀な生徒だった事実は変わらない。
私が己のプライドを捨てられないことを知っているからこそ、そのプライドを折ろうと高笑いをするルヴィア。だがしかし、此方にもカードはある、いやそもそもこいつをうまく言いくるめる手立てがなければ連れて行くことなど欠片も考えない。
「あら、いいのかしら?冬木に行くのなら士郎もいるのだけれど?。まぁ、誇り高きエーデルフェルト様は例え士郎がいたとしても見窄らしい日本にはいらっしゃらないんでしょうけど?」
「何ですって!?シェロが!!。」
驚愕の表情の後に躊躇いの表情が浮かぶ。此処までくればあと一押し。
「やっぱり嫌よねぇ?仕方ないわぁ。士郎にはよろしく言っておくわよ。あなたの分も。」
その一言が効いたのか、ついにルヴィアが折れた。
「ぐぬぬぅ…。仕方ないですわ。"特別に"我がエーデルフェルトの自家用機を使わせてあげましょう。」
此処までは順調に進んでいた。
そう、"此処までは"
事はまさに離陸前に起こった。
私とルヴィアは自分の荷物をまとめ、まさに出発、というとき。
ドンッ!
なんと、ルヴィアは離陸の直前に私を押して閉め出したのだ。
「なっ!?」
「ホーホッホッホッホ!爪が甘くてよ、遠坂凛!!私がタダで貴方を乗せるとでも?貴方はそこで大人しくしていなさい。」
ホーホッホッホッホ!
ホーーーホッホッホっホ!
ぁあ、悪魔の高笑いが聞こえる。
その時、私の中で何か大事なものが切れた。
左手の魔術刻印を起動させる。
この魔術刻印には魔術を発動させるための手順を飛ばしてくれる。
繰り出す魔術は至って簡単なもの。
""
大抵は風邪を引かせたりなどの効果しかないのだが、それが私の魔力量を込めると鉄さえも撃ち抜く弾丸と化す。
標的は勿論あの恐らく中で高笑いをしているムカつく縦ロールの乗っている自家用機だ。
「このっ!ドチクショーがーーーーーー!!!」
淑女にはあるまじき言葉が発せられた気がするがスルーしてもらいたい。
凛が放ったガンドはみるみる飛行機に近づいていき。呆気なくエンジン部分を打ち抜いたのであった。
いやぁ。この二人は絡ませたかった。ただそれだけのために作った話なのですが。これからルヴィアさんどうしよう。本当に後先考えて出すからこうなるんだなぁ。