偽徒がこちらを殺さんと牙を剥く。それをわざと大きな隙をつくり、そこに攻撃が来るように仕向けさせる。
一歩間違えばそれは死を意味する。
まるで綱渡りをしてるが如くのこの剣が衛宮士郎が今まで鍛え上げた剣の成果であり、あの弓兵の剣でもある。
しかし、この剣はこの敵には有効とは言えない。
この剣はあくまでも防御の形だ。防御をしているうちに相手は増殖を始める。
一匹が二匹に、二匹が四匹に。
もし、もしあの黄金の剣を携えた少女ならこれらを増殖する前に一刀のうちに伏せるのだろう。しかし、その彼女はもういない。
「くそっ…キリがないな。」
少し間合いを広げる。
これを一瞬のうちに消し去るにはあの剣しかない。
「
「……っ!!」
一瞬灼熱の痛みが走る。
遠坂は言っていた。自分の技量を超える魔術は己の体を壊すと。
しかし、そんな問題は瑣末なことでしかない。
あらゆる剣の記憶を、歴史を、込められた思いを。あらゆる全てを模倣し、幻想を現実に結びつける。
そして、ここに真に最も近いの聖剣を創り出す。
『
蒼と白銀の鎧を纏った彼女が選定の岩から引き抜き手にした聖剣。もう二度と戻らない失われた剣。
そして、その剣を静かに振り下ろした。
目の前が強い光で真っ白になる。そしてその光が治った時、そこに100を超えるほどに膨れ上がった偽徒の姿は消えていた。
「……ふぅ。」
ほっと胸をなでおろす。
魔力はすでにすっからかんだ。
どっと地面に倒れこむ。周りは焼け野原だが、空はそんな景色が嘘のように澄み渡っている。
少し、少しだけ休もう。
ビルの最上階からロンドンの街を見渡す。
焼けた鉄の匂いがする、空は分厚い黒い雲が青空を隠してしまっている。
その光景は、例えるなら地獄といっても過言ではないだろう。
彼らが幼き時に体験した出来事もこのようなものだったのだろうか。
そんな一瞬の思考を止め、街を闊歩する異形の塊を見据える。今、ロンドンでは封印指定を受けた魔術師さえもを集め、異形の掃討を行なっている。しかし、相手は高速で増殖するものだ。少し、ほんの少しずつしか数が減少しない。
それを見て思わず悪態を吐く。
「キリがないわねぇ、もう!」
魔力を貯めておいた宝石を強く握る。
あいつは大丈夫だろうか?例える封印指定の魔術師さえも集めているこの状況でもあいつのことは魔術協会の者には存在さえも知覚してもらいたくない為、冬木市に置き去りにしてきた。
そりゃ、私がロンドンに発つことを話した際は自分もいくと聞かなかった。しかし、封印指定に入る危険があること、桜を守らなければならないことを口実に黙らせた。
衛宮邸でのやり取りを思い出す。
私がロンドンに発つ旨を伝える。
「遠坂!まさか、一人で行くわけじゃないよな!?なら、俺も…!」
「何を言ってるのよ。あなたは魔術協会の奴らに見つかったら、確実にに封印指定に入れられるわ。例え、今いる偽徒を殲滅することができてもあなたは魔術協会に存在を知られ、保護という名のホルマリン漬けにされるでしょうね。それに、桜を守るのはあなたの仕事よ。」
「…っ!」
無茶な投影を続けたために体は少しずつ褐色に、髪は白髪になりかけている彼を見つめる。
「お願い、桜を…妹を…守ってあげて…。私は大丈夫、『魔法』さえも体現した魔術師も加勢に来るですもの。必ず生きて帰るわ。」
彼の顔が、変わる。やっと覚悟を決めたらしい。
「わかった。必ず生きて帰ってこいよ、遠坂。お前の分の飯もしっかり作って置くからな。」
「ぇえ。」
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「さてと、そんじゃ異形殺しに行きますか」
黒いスカートを翻す。
その背中には、『必ず生きて帰る』という覚悟が現れていた。
「それに、そろそろあいつも呼び出される頃合いでしょうしね。」
凛の服装についてはstay nightと同じものです。
fate/stay nightの二期には期待したいです。まぁ、イリヤのあの場面は一体どう描かれるのか非常に気になるところですww