アーチャーが固有結界を発動した同時刻。
士郎もその発動を感じ取っていた。
ほぼ同一人物であるためか、それともアーチャーが魔術師。いや、魔術使いだったからかもしれない。
「イリヤ。」
「シロウ?」
俺の表情から今の状況が芳しくないことを察したようにイリヤの表情は不安そうになる。
「あいつが固有結界を出したみたいだ。急ごう。」
「…うん」
身体に通した魔力をさらに強くする。
奴が固有結界を展開したことは一つの事実を示している。
「あいつは守護者なんていうとんでもない力を持つ奴だ。アーチャーとして召喚された時よりも強くなってるはずのアーチャーが宝具を展開したってことは大元に辿り着いたのかもしれない。」
あいつに追いついたとき、もし手遅れになっていたらという不安が飛び交う。
そんな中俺はただ急ぐことしかできなかった。
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何故、何故、何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故
相手はただの一人だ。それに対して此方は無限に湧き続ける使い魔がいる。なのに、なのに!!
何故あの赤い男の人は止まらないの?
男の人を飲み込むように異形の波は限りなく襲いかかる。しかし、それを男は己の手に握られた双剣とこの荒野と化した景色に突き刺さる剣を自在に使い異形の波を削る。
この世界の中にいるあの男の人に死角は無いのか。あらゆる方向からの攻撃にも冷静に撃ち落とし、屠っていく。
相手は一人だ。その体力は限られている筈だ。
なのに私は心の何処かではあの男の人を殺すことが出来ないのではと思っている。
このままではキリがない。
「お前たち、一旦退きなさい…。」
異形の波が引いていく。
男の人はまだまだ余裕があると言わんばかりの澄まし顔をしている。
「もう終わりかね?
所詮化物でも紛い物のようだ」
「あなた一体何なの……。」
私の問いを聞いて男の人は呆れたような仕草でこう答えた。
何なの。とは心外だな。
私は君と同じ化物だよ。正義の味方などといった間違いから生まれたな。
と
その瞬間、男の人の空気が変わった。
「っ!」
来る!
男の人から殺気を感じ取り、異形の者たちが止めていた進行を始める。
異形の波が男の人をまた飲み込もうと迫る。
異形の波は怨嗟の声を垂れ流しながら進む。そして、その男の人を飲み込まんとしたその瞬間。男の人の姿が一瞬にして消えた。
「!! ??」
どこに!どこに行ったの!?
慌てて周りを見回す。しかし、周りにいるのは異形だけだ。どこにもあの赤装束の男の人は見当たらない。
「悪いが、これで終わりだ。」
その絶対零度にも似た冷徹な声は私の後ろから聞こえた。
その時だけはこの地下のカビ臭さが私の死を知らせ、私の顔を歪めた。
チラチラと投稿に間が空いてしまうのは考えて考えて(気持ちが乗った時)に書いてるからです。何度も言っていますがまずこの話がどんな結末を迎え、いつ投稿されるか書いてる本人も分かってなかったりします(笑