「私が…………死んでる?……」
彼女はそう言ったの?本当に…私は…?。
「信じられない?けど事実よ。寧ろ、あなたが遭った火災の規模からして生きてること自体普通でないわ。」
「私が遭った…火災……っ…。」
一瞬、頭の中で見覚えのない記憶が再生される。
周りを囲む炎の中で私は倒れていた。力が入らない。
そして、私の腹部には鉄パイプが数本突き刺さっていて、そこからこれでもかという量の血が出ていた。
そして、其処に炎がじわじわと瓦礫を伝わって私に…。
「イヤぁぁぁぁっ!!」
指先から体温が奪われていく。
知らぬ間に息も乱れていた。
「いやっ…死にたく…ない。死にたくないっ!」
思わずその場に蹲った。
それを聖杯は優しく抱きしめる。そして、聖杯は優しく私の耳元で囁いた。
「あなたは死んでるの。これは変わらない事実。あなたの足りない部分を聖杯の残滓である私が補ってあげている、だからあなたはまだ息をし、活動することができているの。」
その声はまるで蜜のように、あるいは泥のように私の耳を侵した。
「あなたが私の足りない部分を…?」
「その通りよ。でも、その補うことにも限界がある。」
その言葉が私には受け入れ難いものだった。限界がある、それがどういう意味を持つのか私は薄々感じ取った。
「限…界…。いやっ!私…死にたくない…。死にたくないっ!!」
「大丈夫、一つだけ方法があるの。」
「方法…?方法があるなら私、なんでもする!その方法は何なの!?」
私の必死の言葉を聞き受けると聖杯はゆっくりと笑って言った。
≪あなたのお兄さんを殺すことよ≫
「お兄ちゃんを殺す…?」
その言葉とともに記憶が蘇る。
私の手を取って、私に微笑む男の子の顔。そして、その子が私の兄であり。とても大切な人であるということも。
「だめだよ…。私にお兄ちゃんを殺すなんてできないよ…!」
すると聖杯はゆっくりと私から離れる。そして、
「大丈夫よ。私が手伝ってあげるから…。」
その言葉とともに私の意識は闇の中へと沈んでいった。
一体どれくらいこの戦闘が続いているだろうか。私はすっかりとその戦闘の闘いに見惚れていた。
暗がりの中でもその戦闘ははっきりとわかるくらいに美しかった。
打ち付けあう剣の、鉄の音。音とともにまるで宝石のように火花が散る。それを対峙するもの通しの顔を照らす。
ずっと見ていたいと思うような闘い、しかし私にはやらなければならないことがある。
視線を懐で力無く横たわる子に向ける。
士郎の妹であり、私の妹…必ず死なせないんだから…!
スカートのポケットの部分から宝石を3つほど取り出す。
この宝石は凛のものだ。私が魔術を行使することがわかったときに凛は護身用として渡した。
正直言うと少し癪にさわっている。
しかし、使えるものは使うべきだ。
傷を治すならこの宝石に込められた魔力は十分なものだった。
「heilen…」
3つの宝石が砕け、光が少女の背中にできた傷に降り注ぐ。
すると深かった傷から流れ続ける血が瞬く間に固まり、止血された。
これなら応急措置にはなる。
視線を2人の闘いに向き直す。
アーチャー、そしてシロウはその長く激しい闘いの中でも息ひとつ乱さない。
それぞれが的確に相手の攻撃を撃ち落とし、流れるように反撃をする。
まるでダンスでも踊るかのように戦闘が続いている。
その戦闘はまるで、同一人物同士が闘っているようにも感じられた。
目先の戦闘が余りにも綺麗に見えて、注意を逸らしてしまったためか、私はこの時気づくことができなかった。
応急措置のみの筈なのに、抱えていた少女の受けた傷が完治していたことに。
ここからどんどん飛ばしていくぜ!(早く投稿するとは言ってない)
嘘です。頑張ります