月姫で翡翠、プリズマイリヤでサファイアを演じていたことを最近知り、とても残念です…。
ご冥福をお祈りします
いつの間にか周りにはすごい数の偽徒が精製されていた。
聖杯が不気味に笑う。
「彼らは本来、英霊のコピーとなる筈だった魂。それが出来損ないとなり、人の血を求めるだけの鬼へと堕ちた。一人一人は英霊には劣る力だけど、数はほぼ無限に等しい。あなたたちに耐えられるかしたら?」
一斉に黒い影が進行を始める。
「ちっ…」
「イリヤ!俺の後ろに!!」
黄金の剣を消し、
イリヤを守るようにアーチャーと背を向ける。
全くもって不本意だが、今はイリヤを守る為だけだ。
無限にも等しい闇を前に俺とアーチャーは投影魔術を使い、同じ白と黒の短剣を取り出した。
ーーーー
偽徒の侵食が止まってからさらに本を読んだ。
練成術。
宝石魔術。
召喚魔術。
いつの間にか綺麗な装飾があった机は本で埋まっていた。
「くそっ。これだけ調べても奴らの手掛かりさえないとは…。では、あれらは魔術とは違う関係なのか!?。」
ふと、ある項目が目に入る。
項目名は「英霊の魂のコピー」
"英霊とはオリジナルは常に座にあり、その魂のコピーが聖杯戦争などで召喚される。
コピーが経験した事は全てオリジナルとしての"記録"として…
そこまで読んだところで一人の部下が慌てて部屋に入ってくる。
「し、失礼します、ロードエルメロイ様、偽徒が突然その数を増やし進行を開始しました!」
「ちっ、はやりか。一旦退避し、体制を整えろ。」
「はっ!」
そして、さらにもう一人部下が入ってくる
「ご報告します。偽徒の進行を開始したのち、各国で無数の召喚魔術が観測されました。」
その報告に後頭部を叩かられる様な衝撃を受ける。
「召喚魔術…だと!?」
日本のとある都市
人が謳歌し、活気あったはずの街の彼方此方で銃声が聞こえる。
一体なぜ、何故こうなったのか。
緑の軍服を纏った男はビルとビルの間の陰で心の中で何度も繰り返す。
奴らは突然やってきた。
前兆もなく、前触れもなく。
あるものはその手に巨大な爪を、あるものはその口に大きな牙を。個々が様々な特徴を持つそれはただ何の意味もなく、何も目的もなく、人間を容赦なく切り裂き、喰らった。
交通機関、通信機器、あらゆるものがダメになった。何もかもをあれは破壊し尽くした。狙ったわけではなく、ただそこにあったから壊したのだろう。
突然の害敵に反応することなく破壊された日本だったが、なんとか態勢を立て直し、自衛隊の生き残りで部隊を編成して反撃へと出た。
しかし、案の定銃火器はあれに効くことはなかった。
効かなかった、というか"意味がなかった"のだ。奴らはたとえ傷ついたとしても怯みもせずに突っ込んでくる。
一時期はどうなるやらと思ったこの事件も一時だけ、静けさが戻った。
奴らが自然消滅したのだ。全て
その時は
助かった。
そう思った。
しかし、数時間。いや、もうしかしたら数十分だったのかもしれない。
またあいつらが湧いた。
完全に不意をつかれたその結果、当初何百だった自衛隊の生き残りは俺を含め数人となった。
「くしょ…!チクショー!!」
握りしめた銃のトリガーを壊さん限りに握りしめる。
後ろには生き残った仲間が嘆いていた。
俺は今まで不自由なく暮らしてきた。
家族がいて、恋人がいて、友がいて。安定した収入がある職にもついた。
幸せだった。
今ならそう思える。
だが、今はどうだ?
助けるべき者を助けることもできずに、ただそれが切り裂かれるのを黙って見ることしかできない。
「そ、そうだ…これは夢だ。そうに違いない。こんなこと起こるわけがない。」
そう、夢だ、そうに決まっている。
その瞬間、ザンっとすぐ後ろで何かを切った音がした。
物が落ちたような鈍い音が遅れて聞こえた。
その落ちたものが何なのか、俺は薄々気づいていた。ふり向かなければいい、そのまま振り向かずに逃げ出してしまえばいい。
しかし、身体は感情に関係なく動いてしまう。
その男の瞳に映ったのは身体さえも容易く切り裂くことができる巨大な爪と、後ろで嘆いていた仲間の首だった。
ぁあ、終わった。いい人生だった。
こちらに気づいた獣が襲いかかろうと強靭な4本の足に力を入れる。
もう満足だ。幸せだった。なんて、
「思うわけねぇんだよ!まだ…まだ、やらなきゃいけないことがあるんだよ!!」
トリガーを引き、泣けなしの残弾をありったけ撃ち込む。
無駄だとわかっている。でも、ここで諦めてはダメだと思ったのだ。諦めてしまっては、助けられなかった人たち、大切な人たちに顔向けできない。
銃弾がコンクリートを削り、煙が立ち込め標的が見えなくなる。しかし、それでも撃ち続ける。
決意を裏腹に残弾は着実に減っていく。
最後の銃弾が撃ち出され、空薬莢が転がる。
立ち込めた煙が消えるとそこには全くの無傷の獣がいた。
獣は次こそその強靭な脚と鋭い爪と牙で襲いかかってくる。
そのシーンがスローモーションのように感じる。
これで、これで終われない。
まだ、まだ俺にはやることがあるんだ!
獣の爪が俺に届こうとした瞬間、ふと声が聞こえた。
"その魂、しかと受け取った"
赤い流星が俺と獣の間に割って入る。
その流星は容易く獣を屠り、此方を振り向く。
「しかし、まだお主が死ぬのは早いぞ。」
その流星は…いや、その少女は
金髪に赤の装束を纏い、その小柄な身体からは圧倒的な強さが滲み出ていた。
後書きに書くことがない!
このひとでなし!!(使い方が違う