正直に言うとただエミヤがどういう道理で出てくるのか知りたいだけなんですけどね
「あの…イリヤさん?『守護者』って何ですか?」
イリヤはその瞳でアーチャーを見据えながら説明する。
「守護者って言うのは文字通り、守る者よ。『抑止力』で抑えられなかった世界の危機を消すためね。でも、その守護者が守るのは"世界"であって"人"じゃないの。」
「それって…」
人はどうするのか。
それを私は無意識に理解していた。
イリヤの返答は最悪といってもいいものだった。
「その危機に関わった者は皆殺しよ。守護者でも人にとってはただの殺人鬼よ。いいえ、殺人鬼じゃなくて殺戮兵器かしら?」
「なっ…」
一瞬聞き間違いではないのかと思った。
殺戮兵器?そんな、この人が?
アーチャーを見つめる。
すると、アーチャーはゆっくりと語る。
「殺戮兵器、か。ふ…あながち間違っていない。しかし、正しくは『掃除屋』だと思うがね。殺戮兵器は関係ないものまでをも巻き込み、ただ殺すためだけのものだ。しかし、『守護者』という名の『掃除屋』は霊長類のバランスを崩し得るものを滅ぼす。善悪関係なく殺し尽くす所は…同じだがな。」
アーチャーのその瞳には後悔と怒りが混ざったものが浮かんでいた。
さらにイリヤが問う。
未だにその目には敵意が込められている。
「それじゃ、私たちはその『掃除』の対象には入っていないのかしら?アーチャー。」
「そこのところは私にもわからなくてね。どうやら、この呼び出しはいつもとは少し違うらしい。しかし、私がこうして君達と話していられるのなら君達が掃除の対象でないだろう。」
掃除の対象ではない。それを聞いてイリヤの敵意は少し弱まった。
「そう、ならよかった。」
「ところで、あの小僧は何処に。…!」
何かを感じ取ったのか、アーチャーが警戒態勢に入る。
それと同時に今まで門番をしていたライダーが私に伝える。
「桜、敵です。数は千を裕に超えます。」
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埋め尽くすは異形の波。鳴り響くは不快な唸り声。その異形の中でたった一人立ち尽くすのは真っ白な少女。
少女は何段も続く階段の先にある寺を見据え微笑む。
「ここならお兄ちゃんいるよね?」
それを合図と取ったのか。同時に異形の波は寺へと雪崩れ込んだ。
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異形の波を迎え撃つは紫の女と赤の男。
女は鎖で繋がった短剣。
男は黒と白の剣。
それと同時刻
荒れ果てた教会に士郎はいた。
「っ…!遅かったか。」
ここには生存者を探すために桜たちが居たはずだ。しかし、残っているのは教会を教会たらしめたものの瓦礫の山と獣が暴れまわったような爪痕だ。
「桜!藤ねぇ!イリヤ!!誰かいないのか!?」
返事はない。
その時教会の奥に続いていた場所の瓦礫が崩れる音が響く。
「っ!!」
瞬時に投影を行い。短剣を構える。
「桜なのか!?」
ゆっくりと近づく。
崩れた瓦礫の隙間から彼女は現れた。
「命からがら生き延びた女の子に対して剣を向けるなんて穏やかじゃないですね。それとも、そのまま脅してピーしてピーしたいんですか?この早漏。」
自主規制が必要な単語を連発する。
「無事だったのか!カレン!!」