の状態のこの物語
睨み合うアーチャーと士郎。
それを異形に囲まれた少女は驚愕の表情を浮かべ見つめていた。
いつの間にか異形のなだれも止まっていた。
恐らく、またあの少女が命令するまで大人しくしているのだろう。
待ち望んでいた彼の登場に思わず声を上げる。
「先輩…!」
それとは反面にアーチャーは士郎を嫌悪を込めた言葉を士郎に浴びる。
「衛宮士郎、貴様わかっているのだろう?それがこの惨劇を開いた張本人であることを。なら、それを殺してしまえばこの惨劇は止まる。その事を知ってなお、貴様はそれを守るのか?」
「当たり前だ。言ったはずだ。お前の正しさはただ正しいだけの物だってな。少数を切り捨て多数を救う、なんて正義の味方の正しさなんて俺はいらない。俺は多数だけじゃなく少数にも手を差し伸べる。それに、この女の子は殺させない。それがお前なら尚更な!!」
士郎は二つの短剣を投影し、構える。
その姿はまるっきり対峙する弓兵と同一に桜には見えた。
「ふ、相変わらず愚かだな。その理想を、意思を貫こうとその先に待つのは裏切りだとわかっているだろうに。
そこを退かないというのなら貴様ごと大元を断つ。」
アーチャーも士郎と同じ短剣を投影する。
二人の戦闘が始まろうとした瞬間。空気が震えるほどの悲鳴が2人の動きを止めた。
「「…っ!」」
その悲鳴の主は異形に囲まれた少女のものだった。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!おにい…ちゃ……。ころ……だ…め。あ、あぁ…あああああああ!!!」
少女はまるで自分の中にある何かを抑えるように蹲る。それと同時に周りの異形がざわめく。
それを見て、アーチャーは弓を、士郎はアーチャーの矢を防ぐために構える。
「そこを退け!それは貴様が手を差し伸べるべきものではない!」
「いいや、退かない!お前に肉親は殺させない!」
その言葉にアーチャーの表情が驚愕へと変わる。
「肉親…だと!?」
それもそうだ、彼には…衛宮士郎には肉親は既にいない。しかしそれは彼の中では、だ。
あの地獄の中で助かったのは本当に彼だけだったのか。
もし、仮にあの地獄から助かった者が彼以外にいたとしたら何故今まで何一つ情報が入ってこなかったのか。
単純な話だ。それは"普通の人間に救われたのではないから"だ。彼女は魔術師に救われた。切嗣の様なフリーランスではなく、封印指定を受けた魔術師に。
アーチャーが沈黙する。
彼でも。いや、彼だからこそ彼女は殺すことはできないはずなのだ。しかし
「ならば。ならば尚更ここで彼女を仕留める。あれは既に霊長類に害する者だ。それを排除するのが守護者である私の役目。そして、大勢の人々を救うために彼女にはここで死んでもらう。」
アーチャーの引く矢に魔力がさらに込められる。あれほどのものになると次は止められないだろう。
「…っ!」
知っていた彼がこういう正義の味方であることを。知っていた、彼が肉親だと知っても止まらないことを。だってそれは、己の未来でもあるのだから。
だけど、それは本当に衛宮士郎の理想だったのか?こんな、正義の味方の在り方が?違うだろ。俺が望んだのはみんなを助けることだ。なら、目の前にある正義は必ず否定しなくてはいけない。
その為に…あの矢をとめる…!
アイアスの盾で止められないのならそれを超えるものをイメージすればいい。
「体は剣で出来ている。」
え?原作設定?そんなもの知ったことか!!
と言わんばかりの展開になっております。
できれば容認していただければ嬉しいです。