魔法少女リリカルなのは? ふもっふ   作:八神れっふぃー

1 / 16
ボン太くん、現る

 

「ふもっふ」

「ふも……なんやて?」

 

 私――八神はやては困っていた。

 朝、私はいつも通りに起きたはずやった。いつも通りに車椅子に乗って、朝ご飯を作って、洗濯物を干して、図書館に行って……そんないつも通りの、代り映えのない日常を過ごすはずやった。

 やのに、

 

「ふもっふ? ふもふもー!」

 

 朝ご飯を作ろうとリビングに向かったら……謎の生物がいた。

 見た目は、犬ともネズミとも見て取れる茶色の生き物っぽくて、頭には何故か軍用のヘルメットと……防弾ジャケット? みたいな物を身に着けている。

 まぁ、簡単に言うとさっき言った通り、謎な生物の一言で済む。というかそれ以外に表現出来へん。ホンマになんやねん、この生物。泥棒? ……いやいや、こんな奇抜な格好した泥棒おらへんやろ。

 

「えー……キミ、何なん?」

 

 とりあえず聞いてみる。

 

「ふもっふ」

 

 ふもっふ。

 ……いやいやいやいや。

 

「ふもっふじゃ何も分からへんよ。言葉、ちゃんとした言葉喋ってくれへんか?」

「ふも……」

 

 私がそう言うと、謎の生物さんはその大きな頭を下に向けて俯いてしまった。

 あ、ああ! それは言っちゃいけなかったんやろか!? も、もしかして喋れないとか? し、しもうた。私、なんてことを……。

 

「ご、ごめんな謎の生物さん。私、そんなつもりで言ったんとちゃうんよ」

「……ふもっふ?」

「そ、そやそや! ふもっふや! ふもっふ!」

「……ふも!」

 

 とりあえずふもっふと返してみたら、謎の生物さんも嬉しそうにふもっふと返してくれた。

 ……今の通じたんやろか、私は全然分からへんねんけど。

 

「……あ、そや。謎の生物さん、ペン持て……なさそうやな、その手じゃ。しくったなぁ、せめて名前は知りたかったんやけど」

 

 紙に名前書いてもらおうと思ったんやけど……指が無くて丸っこいその手じゃ何も持てへんやろうしな。うーん、謎の生物さんで呼び続けるしかないんか?

 

「ふも? ……ふも、ふもふもふも……ふもっふ!」

「ふぇ? どうしたんや、謎の生物さん……って、これ!」

 

 私が悩んでいると、謎の生物さんは右手に持った紙を差し出してきた。謎の生物さんの左手にはちゃんとペンが握られており、紙にもちゃんと文字が書かれていた。

 す、凄いやんか謎の生物さん! ペン持てたんやな!? そ、それで謎の生物さんの名前は一体……?

 

「……ボン太くん?」

「ふもっふ!」

 

 私が紙に書かれていた名前を呼ぶと、謎の生物さん―――ボン太くんは元気に返事をした。

 

 ――これが、私とボン太くんの出会いやった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。