いつの間にか二千歳   作:桐ヶ谷御幸

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小説続きました。

戦闘シーンって短すぎるとしょーもないし、長すぎると読むの面倒くさいし
難しいですな。


卯ノ花八千流
原作時の四番隊隊長である卯ノ花烈。
八千流は自分で名付けた本名であり、烈は偽名である。



第二話

「ところで重國」

「なんじゃ?」

「他の隊長さんは決まってるの?」

「ああ、一人隊長にしたいやつがおる」

今からそいつを誘いに行くから一緒にきてくれぬか、そう言われて重國についていくことになった。

やってきたのは西流魂街78区。

「ここにいるの?」

「ああ」

「どんな人?」

「わしもまだ会ったことはないんじゃ。だがの、噂にはきいておる。大罪人ではあるがあらゆる流派の剣術を扱えると言う奴じゃ。」

ん??ちょっと待て...

その噂聞いたことあるぞ。(1話参照)

まじか、私は今世の中が物騒になってしまった元凶に会いに行ってるのか。

「詳しい彼の現在地はわかるの?」

「それが困ったことにわからんのじゃよ」

何しにここまできたんでしょうか。

「まあ、地道に探して行くとするかの」

「アイアイ総隊長殿」

しばらく住居を歩いて街の人に聞き込みをしてみたものの成果は乏しかった。

すると突然森のほうから悲鳴が聞こえた。

素早く重國と目で頷きあって悲鳴が聞こえた方向へ走り出す。

悲鳴が聞こえた場所につくとそこには一人が刀を片手にゆらゆらと立っており、その横には人の山が出来上がっていた。

「たりない…。みんなみんな弱すぎる」

刀を持った人物がそうつぶやく。

「重國。どうするの」

「あやつと話がしたいのじゃが」

「話、通じるのかな、あれ」

すっごく血に狂ってそうな感じがするんだけど。大丈夫かな。

「やってみないことにはわからんじゃろう」

「そうだけどさぁ…」

私たちの話の中心となっている人物がこちらに目を向け、口をひらいた。

「そこの二人も私に倒されたいの?暇つぶしくらいにはなるかしら」

「ちょっと、重國。話しかけてるよ、どうすんの!」

「そうじゃな、ここは一発戦ったほうがはやいだろう」

「誰が戦うのさ」

「鈴、お主じゃよ」

まてい。ちょっとまてい重國。

「将来、あなたの部下になるかもしれない人物なんだよ。ここは重國が一発バーンといくほうがいいんじゃない?」

「わしはお主の実力もみたいのじゃが」

「それはまたいつか見せてあげるから、ね?」

目の前の人、本当に怖そうなんだもん。あと、重國の実力も肌で感じたいし。うん。

「わかったぞ。お主、怖いのじゃろう」

そう言ってふぉふぉふぉと笑う重國。

そうだよ、怖いんだよ。なんか文句あんのか。

「危なくなったら助けてやるから戦ってくるといい。ああ、あとこれは総隊長命令じゃ。」

さわやかに微笑む重國とたぶん死んだような目をしている私。

とても対照的な構図だ。

総隊長命令などと言われてしまっては歯向かうことができないではないか。

私はしょうがないと割り切って、一歩前に出た。

自分が鍛練を積んできたあの数十年は無駄ではなかったと思いたい。

今までやってきたものをここで見せるんだ。そうだろう、鈴。

「行ってまいります、総隊長」

「ああ、行って参れ」

私が今回のこの噂の人物であろう人物と向き合うと向こうから話かけてきた。

「今回は楽しめるのかしら」

「楽しめるかどうかわかりませんが、精一杯やらせていただきます」

私はへらっと相手に笑いかけた。

目の前の人物を観察すると体系はやや小柄で、私より少し年下のようにみえる。

性別は女で…って女?そうか、彼じゃなくて彼女だったんだな。

顔つきはいかにも悪人のように目の下には隈がある。

髪はとても長く、真ん中でわけて垂らしていた。

普通に整った顔をしているのにその雰囲気で台無しだ。

私が刀の柄に手をかけると同時に彼女はこちらに向かって刀を振りかぶって下ろそうとしてきた。

やはり、速い。

でも、まだ見切れる。

その攻撃を少し横に移動するだけでよけて、少しできた隙に私が刀を引き抜いたその動作のままお腹に向かって刀を振る。

やはり、というべきか、向こうもその攻撃を飛びのくことで回避した。

そのまま刀を交えては回避、交えては回避を繰り返す。

お互い決定的な一打を見舞うことができないでいた。

「あなたは…強い、強いわ。久しぶりに血が騒ぐ」

「はは、ありがとう」

「私も本気を出すことにしよう」

彼女は先端に少しついた血を舌で舐めとると、先ほどとは比べ物にならない速さでこちらに近づいてきた。

寸前のところで避けるが、先ほどまでできていた反撃ができない。

どんどんどんどん私は防戦一方になっていった。

「こんなものか、つまらない」

ここは、私も奥の手を使うしかないのだろうか。ないのだろうな。

「あんまり、甘く見ないで下さいね」

私は一気に彼女から後ろに飛びのくと、刀を自分の目の前に掲げた。

「操れ『無始曠劫』」

ごうっと自分の霊圧があがるのを感じた。いつもは霊圧を抑えて行動しているのだが、始解をするとそうもいかなくなるらしい。

彼女は一瞬戸惑ったように立ち止まったが、その思いを振り切るようにこちらへ向かってきた。

私は自分の周り半径5m以内を自分のテリトリーと設定し、敵の動作を遅くなるようにした。

彼女の刀はとても緩慢になり、赤子でも避けれそうなくらい。

「遅い」

私は彼女を白打で蹴り飛ばした。

彼女は木に飛んで、ぶつかりうめき声をもらす。

目をあげて私を見ようとする。彼女が私を目にうつすまで待ち、そこから彼女の目の前まで移動する。

彼女には多分、私の移動が見えなかっただろう。

なぜなら、私が彼女の時間を短縮したのだから。

彼女の手にある刀を自分の刀で叩き落し、そのまま刀を彼女の首にあてる。

「降参しなさい」

彼女は座り込んだ。

重國が私に近づいてきて肩に手をのせた。

「ごくろう。見事じゃったぞ。刀をおろしてやりなさい」

「ありがとう重國。すごく疲れたよ」

私は刀を鞘に戻すと後ろにあった木にもたれかかった。

あとは重國にまかせよう。

「素晴らしい戦いじゃった。して、お主の名はなんと言う」

「卯ノ花、八千流」

重國が問いかけると、彼女はそう答えた。

「わしは山本重國じゃ。先ほどお主と戦ったのが」

「桐ヶ谷鈴です」

「わしらは死神での、新しい組織を作るのじゃ」

「新しい組織…?」

八千流が問いかける。

「そうじゃ、護廷十三隊という死神の組織じゃ」

「それが、なにか」

「お主にはそこの十一番隊隊長になってもらいたい」

「私が?」

「ああ。この際、お主が犯した罪に関しては問わん。わしらに力を貸してはくれんかの」

重國がそう問いかけると、八千流は私に目を向けた。

「あなたは、私がそんな大層な役が務まると思いますか」

「あなたはきっと優しい人、務まるわ」

そう言うと八千流は重國に目を戻す。

「そのご提案、喜んでお受けします」

「そうか、よかった。では改めて、わしは護廷十三隊一番隊隊長兼総隊長を務めとる、山本重國じゃ」

「護廷十三隊十番隊隊長、桐ヶ谷鈴。よろしくね、八千流」

私と八千流と握手を交わし、微笑んだ。

私と重國の十一番隊隊長勧誘はこれにて無事終わった。

護廷十三隊が正式に活動を始めると、この十一番隊は戦闘集団とよばれ、八千流は初代剣八と呼ばれることになる。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

もうすぐ護廷十三隊も13人の隊長が揃い、組織として活動し始めようとしていた頃である。

重國が急に鍛錬をしようと言ってきた。

「どうじゃ、久しぶりにしてみんか」

「別にいいけど、何処でするの?」

「わしの道場でも使えばよかろう」

重國は自分の塾である「元字塾」の道場を使えと言ってきた。

重國は総隊長になる前に自分の流派の塾を開いていた。「元流」という流派で、重國はそこの総師範である。

ちなみに私も重國から技術を教えてもらったので、基本はこの流派であるが、数十年の自己流での鍛練で大分流派から離れてしまった。

故に私は自分を元流派だと名乗らないようにしていた。

「わかった」

私は重國と道場に向かった。

着いた先でいざ試合を始めようとすると重國が待ったをかける。

「鈴、真剣勝負をせんか?」

「真剣勝負?」

「そうじゃ、木刀ではなく斬魄刀で。あぁ、危険じゃから斬魄刀の解放は禁止としよう。己の霊力だけで戦ってみんか?わしはお主の本気の霊力はどのくらいか見てみたいのじゃ」

重國がとても真剣な目をして頼むから私は思わず頷いてしまった。

「わかった」

私たちは向き合ってお互い刀の柄に手をかけて刀を引き抜いた。

刀身が顕になって、その銀色の輝きが私たちをうつしだす。

私は霊力操作で抑えていた霊力を段々と解放していった。

重國も同じように解放していっているようだ。

出会った頃、重國は私をとても強力な霊力の持ち主だと言った。

重國自身も大きな霊力を持っていると言った。

その決着が、今この場でつけられようとしているのをひしひしと感じる。

「はああああああ!!!」

「ぬうううううう!!!」

お互い雄叫びをあげて刀を振り上げる。

ああ、この最初の一撃で決着がつくと感じたのはどちらが先だろうか。

確かなのは、私たちはお互いがこの一撃に全力を込めていたということだ。

そこからはスローモーションのように時間が流れた。

ぶつかり合った刀と刀は火花を散らしながら交わったものの、お互いそのまま刀は前へ進んでいって、お互いの額に刀が当たろうとした。

その瞬間、私は自分のすべての霊力を刀に傾ける。

重國も同じことをしたように思われた。

私たちの振りかぶった刀がお互いの額にあたる。

額の肉が切れるような音がきこえたような気がした。

刀が地面につくとお互い力は出し尽くしてしまったようで、同時に地面に倒れた。

自分の額からは赤い血が流れているのを感じる。ああ、私は負けたのか。怪我を負わされたのか。

視界が止まらない血でいっぱいになっていたが、そのまま顔を少しずらして重國を見ると、重國の額からも血がでているのが見えた。

私たちは、引き分けたのだ。

私たちは重國の門弟のものがこの道場に訪れるまで血を流し倒れていた。

私たちをみた門弟が慌てて私たちを治療室に連れていき、呼んできた麒麟志天示郎によって私たちは治療をしてもらった。

しかし、この戦いで私たちの仲は変わらなかった。

というより深まったのだが、その代わりに私たちはお互い額に消えない傷を残した。

親友の印だと笑いあい、私たちの勝負はまた持ち越しだねと、微笑みあった。

このころから、額にノの字を残した重國は「山本ノ字斎重國」と呼ばれるようになる。

いろいろあったものの護廷十三隊は額にノの字の傷跡がある総隊長を中心に13人の隊長が揃い、この初代隊長たちは護廷十三隊初代にして最強と言われるのである。





麒麟志天示郎
原作時の零番隊に所属している。
この小説では初代護廷十三隊四番隊隊長の予定。


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