インフィニタスポテンシア~無限の可能性~   作:北欧狐

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どうも、ゴッドイーター3をやってたらそのまま寝落ちしてて起きたらアラガミの討伐に成功していた北欧狐です。

今回と次回は2章に繋がる話です。2つとも2章の主人公sideです。

それではどうぞ。


私とレゾナンスの危険な日

 

五反田蘭side

 

私は休日を利用して友達と近所の商業施設に【レゾナンス】に服や雑貨などを買いに来ていた。そして午後の2時頃になりお腹も空いたということで少し遅めのお昼として喫茶店に入った。そして食べている時に事件が起きた。

 

テ「全員動くんじゃねぇ!!大人しく両手を上げて言う通りにしやがれ!!」

 

突然、銃を持った奴らが店に入って来た。最近世界中で多くなっている女尊男卑に対するテロリストというやつだろう。当然私たちは何もできないので言う通りに店内の隅に集められた。だが、1人だけ違う行動をとる人物がいた。

 

テ1「おい!お前も早くしやがれ!」

 

とあるテーブルで白い髪に白いコート、白いズボンという全身白一色の男が足を組んで座り英字の新聞を片手に両目を閉じ右手に持ったコーヒーカップの飲み物を静かに飲んでいた。テロリストの1人が男の正面からハンドガンを突きつけた。男は左目を開け正面のテロリストを少し見ると両手を軽く上げつつ溜息を吐いた。

 

男「はぁ、ここは大人子供じいさんばあさん男女性別問わず楽しむ為の施設だぞ?そんな場所を狙っては意味がないと思うがね。君たちはテロリスト、少なくとも主張や訴えたいことがあるから行動に出たのだろう?その主張がどれほど真っ当なモノだとしてもこんな場所を、ましてや一般人を巻き込んでしまっては君たちの主張はただの【犯罪者の戯言】にしかならないよ。それに今日はこんなに晴れていて気持ちいい休日だ。そんな日ぐらいティータイムを楽しませてくれないかね。」

 

いや、ティータイムって。私の実家定食屋で鼻も良いからわかるけどあなたが飲んでるのティーじゃなくてココアじゃん。

 

男「それに君たちも少しでも【裏社会】に関わる者なら俺の格好を見て【君たちでは相手にならない】と予め悟って欲しいんだがね。」

 

テ1「さっきからごちゃごちゃうるせー!黙って死んどけ!!」

 

そう言ってテロリストが引き金を引こうとするが男がそれよりも早くテーブルの上の新聞にいつの間にか挟んであったハンドガンを右手で取りテロリストの肩を撃った。そのまま銃声を聞きつけて店の奥から出てきたテロリストの仲間にハンドガンを振り払うように投げつけた。そして先ほど撃ったテロリストの持っていたハンドガンが飛んできたので男はそれを左手で取り先ほど投げつけて怯んだテロリストの肩を撃ちさらに出てきた仲間の肩も撃った。

 

テ「動くんじゃねえ!!」

 

テロリストの声がして男が声のした方向に銃を向けながら振り返るとそこにはわたしの左肩を後ろから掴んでまるで盾の様に捕まえ私の右肩の辺りでマシンガンを構えるテロリストがいた。

 

テ「おっと撃てるものなら撃ってみろよ。お前にこのガキごと撃てんならな。それの俺の後ろは窓ガラス1枚と外は人がたくさんいる。おれを撃ったところでこの距離なら貫通して外の奴らも怪我するぜ?」

 

そう、私たちの後ろは窓ガラス1枚しかない。その向こうには野次馬がたくさんいる。仮にテロリストを撃てば銃弾はテロリストを貫通し窓ガラスに当たり割れ野次馬に被害が出るだろう。

 

そこで私は後ろのことは男の人がなんとかしてくれると信じ私は私の出来ることをした。

 

運が良かったのか悪かったのか私の状況は少し前に家で兄が見ていた海外ドラマのワンシーンにそっくりだった。だからこそ私はそれと同じ行動をとった。

 

私は自身の右肩付近にあるマシンガンのマガジンを掴み前へ倒れ込む様にしゃがんだ。そしてしゃがんだ直後に男の方を見ると男は一瞬目を見開いて少し口角上げて笑い銃をテロリストに向けたまま持っていない左手を銃の前に持っていき手の甲で銃口を塞ぐ様に構えた。そして引き金を引き男の左手を貫通しながらテロリストの右肩に命中し、銃弾それ以上貫通することはなかった。そしてテロリストは後ろに倒れた。

 

テ「まさか自分の手をクッションにして威力を殺して俺を貫通しない様にするとはな・・・。」

 

男「まぁな、それで誰も怪我をしないで済むなら安いものさ。ただ1つ聞いていいか?」

 

テ「なんだ?」

 

男「何故テロなんて起こした?何が目的なんだ?」

 

テ「目的か・・・。俺は元警官でな。中学の頃から一緒にいた親友も俺と同じ時期に警官になってな。あいつと一緒にいると楽しかった。殺人事件ばっかりで精神的にやられそうだった時もそいつのおかげでなんとか乗り切れた。ホントに楽しかったさ。でも『白騎士事件』、そして『ISの誕生』が全てを変えちまった。ある日親友と俺が電車に乗ってたら女性が痴漢に遭っててな。親友が痴漢の犯人を捕まえたらその痴漢にあってた女性が『親友にやられた』なんて言い出してない。親友は捕まって裁判にもなって俺が必死になって証人だったり証拠だったりを集めて『これで裁判に勝てる!無実を証明できる!』って務所にいる親友に報告に行ったらもう全て無駄になってた。務所の中で自殺したらしい。その後わかったんだがその被害者の女性は痴漢のでっち上げの常習犯らしくてな。それで裁判で多額の慰謝料をふんだくるってのがお決まりの手口だったんだ。それでわかったんだ。『こんな世界だから親友が死んだんだ。女尊男卑の社会が親友を殺したんだ』ってな。だからせめて『俺や親友みたいな奴がこれ以上増えない為に世界を変えたかったんだ。』」

 

テロリストは泣きながら話した。

 

男「そうか、事情はわかった。お前たちが今回やったことは紛れも無いテロ行為だ。許されることじゃない。当然捕まるし、有罪で務所行きは免れない。」

 

テ「ああ、わかってる。「だがな?」えっ?」

 

男「お前の目的は、言ってることは間違ってはいないと俺は思う。ただ、やり方が間違っていただけだ。だから」

 

そして男が言葉を一度区切ると倒れているテロリストに右手を伸ばした。

 

男「務所を出たら『白夜の黒十字(ウチ)』に来い。一緒に世界を変えよう。」

 

テ「良いのか?俺はテロリストだぞ?」

 

男「何言ってんだ。お前のやり方は間違ってた。でも『世界を変えたい。』って気持ちは本物なんだろう?なら悪者でも悪でもない。もしお前みたいなのが悪だと世界が言うなら『俺も喜んで悪者になってやるよ。こんな腐った世界で正義の味方するくらいなら悪者になって世界に喧嘩売ってやる。』だから俺たちの所に来い。」

 

そしてテロリストは「ありがとう」と泣きながら男に言いその場の人たちにも謝ってから駆けつけた警察に連れてかれた。

 

それを見送った後男を探すとどこにもいなかった。まだ近くにいると思い慌てて店を出た。

すると

 

男「痛って〜、やっぱ手越しに撃つもんじゃねぇな。」

 

店を出てすぐのところで左手を抑えたまましゃがみ込んでいた。

 

私「えっと・・・、大丈夫ですか?」

 

私が話しかけると男は振り返った。

 

男「怪我の心配してくれたのか?ありがとうな。でも大丈夫、ただのかすり傷だ。」

 

いや、思いっきり銃弾貫通してましたよね。

 

男「すぐに治るさ。ほらな?」

 

男がそう言って左手を見せると少し蒸気の様なモノを出しながら確かにほとんど治っていた。

 

男「それにしても君はすごいな。君のおかげで助かったよ。」

 

男が笑顔で私の頭を撫でた。凄く温かい。

 

私「また会えますか?」

 

男「ああ、きっと会えるさ。君が本当に会いたいと思えばいずれな。」

 

そう言って立ち上がり「じゃあな。」っと言って去っていった。

 

 





いかがでしたか?ちなみに蘭ちゃんがテロリストの拘束から抜け出すところは海外ドラマ【NCIS:LA】を、男がテロリストを仕留める(殺してないけど)シーンは【シティハンター】をモデルにしました。この2つは見てて興奮した。

次回も蘭ちゃんsideです。

それではまた。

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