「天空闘技場へようこそ。こちらに必要事項をお書き下さい」
「あ、俺は付き添いだから」
「私も」
「え、2人は参加しないの?」
「しないっつーか、ここで戦ってもな……」
「ああ、スターの実力じゃそうか。でも、あんたは?」
「私、別に殴りっこが好きなわけじゃないから」
「だけど、鍛えられるぜ? あんたこの中で一番弱いんだしさ。それに金だって稼げる」
「稼ぐならちゃんと仕事して稼ぐわよ。私は理由もなく暴力を振るったりしないの」
「鍛えるのも金を稼ぐのも充分な理由だと思うけど」
「見解の相違ね。そういうのは男の子の理屈」
「へーへー、そうかよ。……まあ、いいや。じゃ、オレ達だけ参加で(ゴン、格闘技経験10年って書いとけ。早めに上の階に行きたいからな)」
「――それでは、中へどうぞ」
「うわ~」
「なつかしいな~、ちっとも変ってねーや」
「え? キルア、来たことあるの?」
「ああ。6才の頃かな。無一文で親父に放り込まれた。“200階まで行って帰ってこい”ってね。その時は2年かかった」
「なんていうか暗殺一家だけあってスパルタね」
「ここはまだマシだって。対戦相手を殺しても試合中の事故として処理されるけど、基本的に殺人は御法度だしさ。それにオレより強い奴相手の時はなんの問題もないけど、むしろ弱い奴との手加減とかはここで覚えたしな」
「――とにかく、ヒソカクラスの相手と戦うにはそれ以上の階の相手と戦わなきゃダメだ。急ぐぜ」
「うん」
『1973番・2055番の方、Eのリングへどうぞ』
「あ、オレだ。う~、キンチョーしてきた」
「――ゴン、お前試しの門クリアしたんだろ? なら、もうさ。ただ思いっきり……」
「え? 本当に?」
「……どんな助言してあげたの?」
「見てればわかるって」
『それでは――始め!!!』
「う、うそぉ……巨漢が飛んでったわよ。あのコ、あんなに力あったの?」
「ははっ、あんたも出来るようになってるぜ。あんただって試しの門クリアしたんだろ?」
「え、ホントにー?」
「イヤそーな顔すんなよ。見た目ムキムキにもなってないし、逆に素質ある方だぜ?」
「俺はどんなポンズでも好きだが、そのままでいてくれていいぞ!」
「訊いてない!」
『2054番・2039番、Aのリングへ』
「うし」
「頑張ってね」
「こんな階層で頑張る必要ないっての」
~~中略~~
「こちらへどうぞ。このビルでは200階までは10階単位でクラス分けされています。つまり、50階クラスの選手が一勝すれば60階クラスへ上がり、逆に敗者は40階クラスへ下がるシステムです」
「100階をクリアすると専用の個室を用意してもらえるんだ」
「へぇー」
「まぁ、私達は“ハンター証”を使えば無料でホテルに泊まれるけど」
「う、オレは個室でいい……」
「ホント頑固だなー」
「いいの! むしろ専用の個室の方がいいじゃん!」
「――押忍! 自分、“ズシ”といいます! お2人は?」
「オレ、キルア」
「オレはゴン。よろしく」
「さっきの試合拝見しました。そちらのお2人が流派の師匠ですか? 自分は心源流拳法っス!」
「「「「…………」」」」
「違うけど……ってか、別にそーゆーのないよな」
「ええ!!? 誰の指導もなくあの強さなんスか……ちょっぴり自分ショックっス。やっぱり自分まだまだっス」
「――ズシ! よくやった」
「師範代!」
「ちゃんと教えを守ってたね」
「押忍! 光栄す。師範代、またシャツが」
「あ、ゴメンゴメン。そちらは?」
「キルアさんとゴンさん、それから――」
「スターだ」
「ポンズです」
「はじめまして。“ウイング”です」
「「オス!」」
「あ、キルア」
「何さ?」
「こいつ“念”能力者」
「えっ! なあ、あんた“念”能力者なのか?」
「え、ええ、まあ……」
「よし! だったら、オレに“念”を教えてくれよ!」
「えーっと……? “念”なら彼に教えてもらったらどうかな? かなりの実力者のように思えるけど」
「あ、俺そーゆーのムリ。鍛え方とか知らないから」
「鍛え方を知らない……? 天然の“念”使いですか?」
「そうなるみたいだな。“念”のこと自体は他の使い手に聞いたことがあるんだけど、鍛え方とかは聞いたことないから」
「なるほど……」
「つーわけで、あんたが教えてよ」
「いえ、それは……ふむ、君達はなんでここに?」
「えーと、まあ強くなるためなんだけど、オレ達全然金なくて。スターは菓子代しか払ってくれねーって言うし、小遣い稼ぎもかねて」
「キルアここの経験者なんです」
「そうですか……ちなみになにか目標とかあるのかな?」
「目標ってここでの?」
「それで構わない」
「そりゃ、行けるトコまでかな。まあ、前に来たときは200階で止めたから、それ以上は確実だけどな」
「200階で? そのクラスでは一度も戦っていない?」
「ああ、元々その時は親父の命令で来てたからね。そこで帰って来いって言われてた」
「なるほど……じゃ、そのお父さんはまたここに来ることに対して何か言いませんでしたか?」
「いや、そもそもここに来るって決めたの家を出てからだし、あ、家を出ることは許してもらったから、どこに来たって怒られることはないはずだぜ?」
「わかりました……では、また200階まで上がったら私のところに来て下さい」
「え、今教えてくんねーのかよ! ひょっとして疑ってる?」
「いえ、君が戦えるのであろうことはわかります。ですが、“念”は誰にでも教えてもいいというものでもないので、一応君達の戦いを見せてもらいます」
「そーゆーことね。……はぁ、わかったよ。とっとと200階まで上がってやるさ! なあ、ゴン!」
「え、オレも? オレ“念”ってなんなのかよくわかってないんだけど……」
「だから、教えてもらうんだろー? スターやヒソカクラスと戦えるようになるためには多分だけど必要なものなんだよ!」
「そうなの?」
「そうなの!」
「……ちょっといいですか?」
「はい?」
「私、ここには参加してないんですけど、出来れば私にも“念”を教えてもらいたいんですけど……」
「あなたも? ……ですが、あなたも使えるのでは?」
「私も彼に聞いただけですけど、彼と同じタイプらしくて」
「つまり、あなたも意識して“念”を覚えるために鍛えたことはないと」
「はい」
「……そうですか。では、彼らが200階まで上がれたら、その時にはあなたも2人と一緒に来て下さい」
「わかりました。ありがとうございます」
「俺も!」
「え、あなたは天然とはいえ必要ない気が……私より強い感じがしますし、教えることなんて」
「ダメだ教えろ! ポンズと2人きりで手取り足取りなんて俺は許さんぞ!」
「……はぁ」
「別に2人きりというわけでは……それにそんなことしませんよ」
「どうだかな! やましい気持ちがないなら俺にも教えられるはずだ!」
「……わかりました。ならその時はあなたにも一緒に教えます。まあ、教えるとは言っても、あなたの場合、意識せずに行ってるであろうことの確認というか説明みたいな感じになると思いますけど」
「ああ、それでいいぞ」
~~中略~~
「いらっしゃいませ。キルア様、ゴン様、ズシ様ですね。チケットをお願いします。――はい! こちらが先程のファイトマネーです」
「152ジェニー……」
「缶ジュース1本分スね」
「1階は勝っても敗けてもジュース1本分のギャラ。だけど次の階からは敗けたらゼロ! 50階なら勝てば5万はもらえるかな」
「5万か」
「けっこうもらえるっスね」
「100階なら100万くらいかな」
「「!」」
「150階を越えるとギャラも1000万を楽に越す」
「いっ……キルア、前に200階まで行ったんだろ? そのお金は!!?」
「4年前だぜ。のこってるわけないじゃん。全部お菓子代に消えたっつーの」
「200階だと一体、勝ったらいくらになるの?」
「んーとね、さっきも言ったけど、正確には、オレが最後に戦ったのは190階クラスだけど、そこで勝った時は2億くらいだったかな」
「「2億が4年で菓子代に……」」
「ハンターになると金銭感覚変わるって言うけど、あのコはそれ以前ね……お菓子代払うっての早まったんじゃないの?」
「ポンズが俺のことを心配してくれるなんて……今度こそ本当に愛の」
「違う」
「せめて言わせてくれ……」
「だって違うもの」
「うぅ……」
「おい、早く行こーぜ。オレ達、前の試合でダメージなかったから、きっと今日もう1試合組まされるぜ」
~~中略~~
「キルア、こっち! 見て! 6万ももらっちゃった。少し時間がかかったね」
「ああ、ちょっと手こずっちまった」
「けっこう強かったんだ?」
「いや全然。素質はあるよ。あいつ強くなる。でも、今はまだオレから見りゃスキだらけだし、パンチものろい。殴りたい放題だったよ。なのに倒せなかった。やっぱ“念”だよ“念”。あいつ多分それで防御しやがったんだ」
「“念”って防御の技だったの?」
「いや、そーゆーわけでもないんだろうけどよ。けど、攻撃にうつるためか、構えを変えたとたん、兄貴と同じイヤな感じがしたし間違いないぜ。まあ、それはあのメガネニイさんに止められたけどな」
「ふーん」
「ふーんってお前……」
「どっちにしても200階に行けば教えてもらえるんでしょ?」
「そりゃまーそうだけどよー。ちっとは考えるとかな……」
「あ、スターとポンズだ! おーい! こっち!」
「聞けよ!」
「おう。儲かったぞ」
「儲かった?」
「あ、スター! さては、オレ達の試合で賭けてやがったな!」
「ふふ、その通りだ! お前達のファイトマネーよりよっぽど儲かったぜ」
「なにー! こいつムカつく! わざと敗けてやろうか……」
「そうしたら“念”を覚えるのが遅くなるだけだぜ」
「ぐ……ちくしょー! お前の金でお菓子買い漁ってやるからな! ゴン! 行こうぜ!」
「あっ、待ってよキルア!」
~~中略~~
「……こんなに楽してお金って手に入れてもいいのかしら?」
「別にいいだろ。あって困るもんでもないし、希少生物の保護だとかそーゆーのは金かかるんだろ?」
「まあ、そうだけど……私、初期の活動資金とかそれなりに苦労して溜めたのよ? それがあっという間に倍々で膨れ上がってくんだもの。信じられないっていうか、金銭感覚おかしくなってる」
「あいつら全然負けないからなー。クラス的にそれも当然といえば当然だけど。ポイント予測して倍率上げなくても、持ってる金を全部賭けてるだけでも余裕だもんな。上限あるけど」
「つーか、それが納得いかねえんだよ! だから、なんでオレらのファイトマネーよりも断然多く儲けてんだ、スター!」
「金を稼ぐために必要なのは自分で動くことよりも真実を見極める目だってことだ。別にお前らに賭けなくたって他の奴でも俺は稼げるぜ。闘士は特権でもない限り賭けられないからお前らはムリだけどな」
「ぐぬぬ……」
「まあまあ、お前らだって億越えしたんだから充分だろ。それにこれでウイングとの約束も達成なんだから」
「そうだよキルア! これでキルアが気になってた“念”っての教えてもらえるじゃん!」
「……ああ、まあな。ちっ。確か連絡先聞いてたよな。とっとと連絡してくれよ」
「まずは、おめでとう。ゴン君、キルア君。君達の実力を疑っていたというわけではないけれど、それでもこうも簡単に200階に到達してしまうとは思っていませんでした」
「ああ、それはいいんだけど。あんたがそう言うから、オレ達まだ登録してないんだよね。登録今日中なんだけど」
「わかっています。まあ、それは彼か私が一緒に行けば問題ないでしょうが、一応君達には先に伝えておきたかったのでこうして呼びました」
「どういうことだよ?」
「あのクラスにいるのは全員“念”の使い手です」
「「!」」
「ですので“念”を知らない者はあまりに無防備。他の闘士による新人潰しとでもいうべき洗礼を受けることになります。前にあなたのお父さんがその時点で帰らせたというのも、この事実を知っていたからでしょう」
「……なるほどね。んで? “念”ってのはすぐに覚えられるわけ?」
「誰もに眠れるこの力を目覚めさせる方法は2つ。ゆっくり起こすか。ムリヤリ起こすか」
「違いは? 当然早い方がリスクがあるんだろうけど」
「その通り。ムリヤリ起こす場合に取る方法は、君達に私のオーラを送るというもの。私のオーラを君達の体内に一気に送ることによって、精孔というオーラを身体にめぐらせるための穴をこじあけます」
「それ、危険なのか?」
「……まずは見せましょう。――これが“念”です」
「「「!!?」」」
「壁にヒビ……! というか穴が! 触れただけなのに!」
「私のオーラを攻撃に使いました。オーラを送るというのはこういうこと。もちろん君達の身体を壊すことが目的ではないから手加減はするが、未熟な者、悪意のある者が行えば、死ぬことだってある!」
「だけど、ウイングさんは未熟でもないし、悪意もない。でしょ?」
「……それでもこれは外法。私としては君達にゆっくり起こす方を選んで欲しい」
「そっちだとどれくらい時間がかかるのさ」
「その本来の方法は瞑想や禅などで自分のオーラを感じとり、体中をオーラが包んでいることを実感した上で少しずつ開くもの。だから時間がかかります。天性の才能を持つと言えるズシで3ヵ月――しかし、君達なら1週間! あるいはもっと早く目覚めるかも」
「でも、今日中はムリなんだね?」
「おそらく……」
「んじゃ、決まりだな。保護者連れで登録に行くなんて冗談じゃないぜ。対等な関係なら問題ないけどな」
「うん!」
「君達はそう言うだろうと思ってました。もっと早くにこの事実を伝えてたとしても、何かと理由をつけてそうしていたでしょう」
「だろうね。仮にそっちの方法しかないって言われても、信じなかった可能性も高いよ。オレ、ウソを見抜くのとかけっこう得意だしさ」
「……それでは、上着を脱いでこちらへどうぞ。そして背を向けて下さい」
「お前! 色々ともったいつけておいて、結局ポンズにセクハラする気か!」
「アンタねえ……」
「いえ、ポンズさんの精孔は既に開いているので、オーラをとどめる技術“纏”を覚えるところからで問題ありません。あなたはそれも必要ありませんし、これをやる必要があるのはゴン君とキルア君の2人だけです」
「なら許す!」
「これで、今日中……登録には間に合うんだよな?」
「君達次第です。では、始めます」
~~中略~~
「や★」
「――なっ、ヒソカ!!?」
「彼がいるから大丈夫だと思っていたけど、ちゃんと“念”を覚えてからここに来たようだね◆」
「どうしてお前がここに!!?」
「別に不思議じゃないだろ? ボクは戦闘が好きで、ここは格闘のメッカだ▲ 君達こそ何でこんなトコにいるんだい? ――なんてね★ もちろん偶然じゃなく君達を待ってた◆」
「ストーカーかよ」
「そう言うなよ▲ 君“天然もの”だし、そういうこと無頓着っぽいから、もしも彼らが“念”を覚えずに来たら止めてあげようと思ってね★ う~ん、ボクって親切◆」
「まさか、そっちから現れるとは思わなかったよ。手間がはぶけた」
「くっくく★ “纏”を覚えたくらいでいい気になるなよ▲ “念”は奥が深い◆ はっきり言って今の君と戦う気は全くない▼ ……だが、このクラスで一度でも勝つことが出来たら相手になろう★」
「――それよりも、君▲ ここ……っていうか、250階のフロアマスターだったんだね★ かち合わなかったから気付かなかったよ◆ バトルオリンピアの方にはまだ参加したことないみたいだけど▼」
「「「えっ!!?」」」
「250階ってフロア的には一番上――最上階!!?」
「ホントなのかよ!!?」
「まあなー。ほら、俺“ヒーロー”だからさ。世界のあちこちを回ってたし、いろんなイベントごとに参加してたからな」
「何で言わなかったんだよ!」
「いや、別に聞かれなかったから。わざわざ言うことでもなかったしさ。ここを出たのはハンター試験のちょっと前だけど、お前らがいなければまた来なかったし、そうしたら登録切れでフロアマスターじゃないしな。まあ、そのまま251階の殿堂入り?」
「何だよそれ! つーか、ここのラスボス、お前かよ! ネタバレはえーよ!」
「まあ、現実なんてそんなもんだ。調べればすぐわかることだしな」
「握手とか写真とか頼まれてたのはそういうことだったのね。理由訊いても“ヒーロー”だからとか、余計なことしか言わなかったから無視してたけど」
「君とも戦いたいけど、ここじゃないかな▲ 君との戦いにはルールとか必要ないし、観客を虐殺しようとでもすれば、君もやる気になるかも知れないけど、微妙にボクの趣味とはズレる★ それにそれやるとボク自身今後動き辛くなってやっかいだ◆」
「そもそも俺にその気がないんだが。素敵な女性からの誘いならともかく、お前じゃな」
「ボクは本気の君とヤれるなら、“性転換”するのもアリだけどね★」
「うげっ……」
「冗談だよ★ 今の相手は君じゃなくてゴンだしね▲ じゃ、ゴン、ボクのところに来るのを待ってるよ◆」
「ああ! すぐに行ってやるさ!」
~~中略~~
「お帰りなさいませ、スター様」
「「「「「「「「「お帰りなさいませ!」」」」」」」」」
「おおー。うちは執事ばっかだから、こーゆーのもいいな~」
「この人達、スターが雇ってるの?」
「雇ってるつーか、フロアお付きのって感じだな。まあ、一覧から選んだりすることも出来るみたいだけど、俺、雇い雇われの関係って苦手でさ。やっぱ、女性とは基本的に対等な関係の方がいいね」
「へー……」
「何その全然信用してなさそうなジト目は」
「そう思うなら、何かやましいことでもあるんじゃないの」
「ないって! マジないって!」
「そう」
「うわー! 中も広いし、豪華ー!」
「確かにまんま、ホテルのVIPルームとかそんな感じだな。お! ゲーム機とかも全部揃ってんじゃん!」
「まあ、正直高さ以外は“ハンター証”使ってホテル借りるのとそれほど変わんないけどな。だから、わざわざ戻って来なかったわけだしさ」
「メイドもでしょ」
「まだ言ってるのかよ……」
「事実じゃない」
「“クラウディオス・E・T・スター”……歴代最強と名高い最速無敗のチャンピオンねえ」
「俺のことだな。ふふ、俺に興味津々だな、ポンズ!」
「別にー」
「えっ、ちょっと待って! スターってファミリーネームだったの?」
「ん、まあな。俺の名前ちょっと長いしさ。名乗る時はスターって名乗ってるんだ。そうだ! この機会にポンズは俺のことを“クー”って呼んでくれていいぜ! 特別な相手だけの愛称だ」
「……遠慮します」
「遠慮された!!?」
「オレが呼んであげるよ!」
「男はガキでもダメだ!」
「ええー?」
「お。ゴン! お前の戦闘日決定だってよ! こっちに回してもらってたから――ってか、はやっ。11日つったら明日じゃねーか」
「――たぶん明日は勝てない。でもいいんだ。早く実感してみたいんだ。この力で、一体どんなことができるのか」
「でも、本当によかったの? 2ヵ月間は戦わないで下さいって言われてたじゃない。怒られるんじゃないの?」
「う、ウイングさんには終わってから謝るよ」
「別にいいんじゃねーの。お前らと戦いたいって奴ら、たいしたことなさそーだったしさ」
「そりゃ、あなたにはそうかもしれないけど……」
「あれ……? そういや、スターって参加者なのになんで賭けに参加出来たんだよ?」
「フロアマスター特権。ほら、200階以上のクラスになると単純なファイトマネーはなくなるからな。まあ、ここにいれば一般に出回ってる物なら電話一つで何でももらえるから、金とかそんなに意味ないんだけど、今更八百長もないし解禁されるわけだ」
「ふーん……なるほどね」
「それでも、上限はあるぜ? 一試合で1億まで。VIPでもなければ1000万だから一桁上がってるけど、ここの住人が全財産とか毎回賭けたらさすがに回らなくなる可能性が高いからな。あと八百長ないって言っても自分の試合に賭けるのはNG」
「まあ、そんくらいなら大手のカジノとかの方がよっぽど稼げるもんな。強さ計れるからこっちの方が確率は断然高いかもしれねーけど」
「金稼ぐだけなら190階辺りでうろちょろしてるって手もあるぜ? やりすぎると目付けられて、最悪消されるけど」
~~中略~~
「右腕、とう骨、尺骨完全骨折、上腕骨亀裂、ろっ骨3ヵ所完全骨折、亀裂骨折が12ヵ所。全治4ヵ月だとさ。このドアホ」
「……ゴメン」
「オレに謝ってもしかたねーだろ。一体どうなってんだこの中はよ!!? あ!!?」
「うーん、あの攻撃でそうなるなんて、ゴンは器用だなー」
「あなたも感想間違ってるから。……はぁ。けど、“纏”を解くなんて、ホントやりすぎよ?」
「そうだぜ、もっと言ってやってくれよ! これじゃ普通に洗礼を受けたも同然じゃねーか! 一歩間違えば、お前もああなってたんだ! この程度で済んだこと自体幸運なんだぞ!」
「う~……でもさ。大丈夫かなって思ったんだよね。何回か攻撃を受けてみて……まあ、急所さえはずせば死ぬことは……」
「死ななきゃいいってもんじゃないでしょ……」
「そうそう――はいよー。開いてるぜ」
~~中略~~
「で。あのコは今度こそ2ヵ月間、試合禁止――というか“念”を禁止されたわけだけど……あなたはどうするの?」
「どうするって?」
「登録期限切れるんでしょ? フロアマスターじゃなくなれば、あのフロアも使用禁止じゃない」
「あ、そういやそうな。登録だけして不戦敗でもいいけど……せっかく、ここにいる上、無敗で通してんだし、一回くらい戦うか」
「そう、まあ好きにしなさいよ。私はここら辺の斡旋所とか回ってみるわ。思ってたより長くここにいることになりそうだし、仕事の一つもしないとね」
「“念”の修業は?」
「するけど……私もあのコ達と同じ条件でもいいかなって」
「余裕見せると置いて行かれるかもしれないぜ?」
「余裕じゃないわよ。それにあのコ達の才能も理解してるつもり。だからこそ、基礎で差がつくのは困ると思って。基礎の基礎“念”の前の燃える方の“燃”ってやつからしっかりやることにするわ」
「あー、ポンズのそーゆートコ、やっぱりすごくいいな」
「何よそれ……」
「ん、電話だ悪い。――クラピカか。どうした?」
『突然の電話ですまない。スターに少し聞きたいことがあるのだが』
「なんだ?」
『前に“念”というものについて話をしていただろう。それについて聞きたい。スターやヒソカは“念”能力者と呼ばれる者なのだろう?』
「ああ。それで“念”の何を聞きたいんだ?」
『まずは概要を。“念”とはその名称から察するに思いとか精神的なもののように感じるのだが、それで目に見えないものを見ることが出来るようになったりはしないか?』
「目に見えないもの? んー、たぶんそうだな。俺はいつも見えてるから、そう言われても困るけど、オーラとかは具現化したりしないと一般人には見えないらしい」
『オーラ……。つまり“念”とはオーラを扱う技ということか?』
「ああ」
『それはどうすれば覚えられる?』
「ん、“念”能力者の師匠を見つければいいんだよ。こっちもちょうどゴン達が教えてくれる人を見つけたところだ。俺は鍛え方とか知らなかったからな」
『そうか……ゴン達も』
「俺達、天空闘技場にいるけど、クラピカも来るか? 俺からその人に頼んでやるぜ?」
『……いや。師匠は自分で見つけることにする。どうやら、これは裏ハンター試験とでもいうべきもののようだからな』
「裏?」
『ああ、おそらくだが“念”が使えないという理由から斡旋所で門前払いを受けてな。スターの出す威圧感やキルアと話していたことを思い出して、こうして電話をかけてみたんだ』
「“念”が使えないと仕事を回してもらえないのか?」
『個人ならともかく、斡旋所を通す場合はそうだろうな』
「そうか。それで他に訊きたいことは?」
『いや、充分だ。ありがとう。助かったよ。そちらは何か困っていることはないか?』
「大丈夫だ」
『そうか。ではこれで。次は本当にヨークシンでとなると思う。それじゃあ、また』
「ああ、またな」
「――あ、終わった?」
「ああ。待たせてごめん」
「“念”のことを聞かれてたみたいだけど」
「それなんだが、なんか“念”が使えないと斡旋所で仕事を回してもらえないみたいだぜ? 裏ハンター試験とか言ってた」
「えっ、そうなの? んー……じゃ、斡旋所に行くのはちゃんと“念”を覚えてからの方がよさそうね……軽い仕事くらいは受けてみたかったんだけど」
「俺がなんか受けて来てやろうか?」
「それはしなくていいわ。基準条件は自分でクリアしないと意味ないから。しばらくは修行の日々ね」
~~中略~~
「いよいよ今日から“発”の修行に入ります。これをマスターすれば“念”の基礎は全て修めたことになります。あとは基本に磨きをかけ創意工夫をもって独自の“念”を構築していくだけです。それでは始めましょう」
強
/ \
放 変
| |
操 具
\ /
特
強化系:ものの持つ働きや力を強くする。
変化系:オーラの性質を変える。
放出系:オーラを飛ばす。
具現化系:オーラを物質化する。
操作系:物質や生物を操る。
特質系:他に類のない特殊なオーラ。※後天的に特質系オーラに変わるケースがある。
「これが属性の愛称を示す表。六性図です。近いものほど会得の相性がいい。例えば生まれもつオーラの質が強化系ならば強化系の能力の覚えが最も早く力がつきます。そしてとなり合う変化系、放出系も相性がいいので覚えやすい」
「じゃ、強化系なら特質系が一番覚えにくいってことか」
「その通りですが、特質系は元々覚えようと思って覚えられるものではありません。血統だったり特殊な環境で育ったりが作用する個性的な能力の総称とでも言いますか……この位置にあるのは後天的に特質系に変わる可能性が高いのがとなりの二つだからです」
「“天然もの”ってこと?」
「いえ、それも少し違います。“天然もの”というのはある人物が“念”を知らないで何かを極めたときに、実は知らず“念”を使っていたような、そんな誰にも師事せず独力でそこに辿り着いた者達のことを言います」
「俺とポンズのことだな! 俺とポンズの!」
「そこ強調しなくていいから」
「つまり強化系に目覚めてようが変化系に目覚めてようが、独力でなら“天然もの”ってことなわけね」
「そうです。まあ、“天然もの”といえば、特質系をイメージするのも間違いではありません。流派的に独自の道を突き進んでいるようなものですから」
「それで、自分のオーラがどの系統に属してるかなんて調べる方法があるの?」
「あります。――水見式。心源流に伝わる選別法です。“発”の修行としてもこれを用います。ここに手を近づけ“練”をおこなう。その変化によって資質を見分けます」
「水が……すごい勢いで増えてる!!?」
「“水の量が変わる”のは強化系の証。私のオーラが強化系の性質に属していることを示しています。――さあ、順番に試してみなさい」
「お!ゴンも強化系か」
「――葉っぱが動いてるっス!」
「“葉が動く”のは操作系の証です」
「おー」
「よっしゃ、次はオレだな。……何も変わんねーぞ」
「そうですね」
「もしかしてオレって才能ねー?」
「いえいえ、水をなめてみて下さい」
「……少し甘い……かな?」
「ホントだ。これ、ただの水じゃないの?」
「“水の味が変わる”のは、変化系の証です」
「じゃ、私ね」
「お、水の中になんか出てきた」
「“水に不純物が出現”するのは具現化系の証です」
「具現化系……」
「ポンズさんは蜂を自在に操るということで操作系かとも思いましたが、“念”で作った空間から蜂を取り出していたという解釈の方が重要で正しいようですね」
「俺が言った通りだな!」
「そうみたいね」
「ええ。蜂そのものを具現化させているというわけでもなさそうですからね。ただ、操作系よりの具現化系とは言えるかもしれません」
「ふーん……確かに一度見せてもらったけど、なんかすげー数出てきたもんな。その帽子に入ってるってよりは納得出来るか。蜂は普通の人でも訓練すればそーゆーこと出来るかもだしな。でもそれ、特質系よりじゃねーの? 覚えられないからか?」
「その通りです。まあ、具現化系と操作系は間に特質系を挟んでいるので、両方を覚える際の覚えやすさは、強化系を覚える際のそれと同じってことになるのですが」
「それ、私達だけ損してないですか?」
「そうっスよ」
「こればっかりは系統の特性なので仕方ありません」
「むぅ」
「それじゃ、最後は俺だな」
「あっ、ちょっと待ってくだ――」
「「「「あ」」」」
「うわ、なんかすげーこぼれた」
「床まで水浸しだぜ」
「スターも強化系なんだね!」
「はぁ……スター君は“練”を覚えてから“発”をしなくても、かなりのオーラが出せるようになってるんですから、加減して下さいよ」
「わりわり」
「まあ、見てわかる通り、オーラ量によってこれらの変化はより顕著に出るようになります。これから4週間はこの修行に専念し、それぞれ今の変化がより顕著になるように続けなさい」
「「「押忍!」」」
「はい」
「わかった」
「いえ、スター君はやらなくてもいいです。本気でやると大変なことになりそうなので」
※水見式オーラ選別法
グラスにたっぷりと水を入れて、その上に葉っぱ(軽くて浮くものなら何でもいい)を浮かべ“錬”を行う。
その時の変化で自分のオーラがどのタイプに属するかがわかる。
強化系:水の量が変わる。
変化系:水の味が変わる。
放出系:水の色が変わる。
具現化系:水に不純物が出現。
操作系:葉が動く。
特質系:その他の変化。
「そういや、ヒソカの“念”能力が“オーラをゴム状に変える”変化系ってのはわかったけど、スターのはただオーラを強化しているって考えでいいのか?」
「……そうですね。キルア君は今、簡単にオーラを強化していると言いましたが、スター君の“念”は強化系の“極み”とでも呼べる能力です」
「“極み”?」
「例えば――個人の持つオーラの総量を100とします。それで攻撃力50、防御力50とオーラを割り振ると、それは全体攻防力50といわれる状態になります。その攻防力を変化させることを“流”と呼びますが、それが“念”を使った戦闘の基本体系です」
「つまりオーラを攻撃に使うか防御に使うかを戦闘中に考えながら変化させるってことか?」
「そうです。まあ、基本体系とは言っても戦闘で使えるレベルでそれをやるのは非常に難しく、上級者の技と呼べます。軽く解説するなら“凝”で相手のオーラを見ながら、“流”で相手に合わせて各部位のオーラ量を調整するといった感じです」
「基礎を組み合わせた応用編ってわけね」
「はい。そうやってオーラを細かくやりくりすることで、相手より優位な状況を作り出すというのが“念”を使った戦闘です。例え“発”で独自の技を開発したとしても、それが根幹をなすことには違いありません」
「だろうな。それで?」
「そう。それが普通のやり方。これを六性図で考えるなら、強化系はオーラ総量の100まで全てを攻防力に割り振ることが出来る。100%中の100%ですね。それが変化系だと80%までとなる。これが系統による違いです」
「それは自身を強化するってだけだとオーラを使い切れないってことか?」
「……わかる?」
「な、なんとか大丈夫っス」
「ええ。その分の違いを“発”によってそれぞれの系統ごとの技を開発することで補う。強化系は基本的にそうして己の肉体や武器の威力を強化するだけですから」
「なるほどね。“発”がなければ最強だけど、“発”によっては覆せるわけだ」
「そうなりますね。それぞれの系統間の差は20%くらいと考えていいでしょう。具現化系ならその攻防力に使えるオーラは総量の60%までということですね。それはそれぞれの系統の覚えやすさとも直結してます」
「ああ、さっき言ってたやつね。オレの場合は変化系100%、強化系80%、具現化系80%って感じになるってことだろ?」
「その通りです。そして他のどんな系統でも特質系は0%になりますが、それも先程言った通りですね」
「それで、それがスターの“念”とどう繋がるのさ」
「スター君の“念”はつまり言葉にするなら“反則的な強化”。他の人達がそうして100というオーラの総量の中でやりくりしているのを、200にして強引に押し通すようなもの。つまり攻撃力にも防御力にも100のオーラを割り振っているわけです」
「そりゃ確かに反則だな……」
「そうっスね」
「ええ。例えば“流”で右手だけにオーラを集めることで全体攻防力をある程度維持しながらも、右手の攻防力だけを上げる――なんて、過程はまるで必要なくなるということです。まあ、やればやったでその分多くのオーラがそうなるわけですが」
「すげーズリーじゃん! そんな“念”があるなら、誰だってそうすればいいんじゃねーの?」
「そうですね。――ですが、ここで資質の問題が関わってきます。“オーラの総量を増加”させるというスター君の“発”。それはスター君だから覚えられた、スター君の“個性”と言うわけです」
「……それは例えば同じ強化系のゴンやあんたでも覚えられないわけ?」
「真似事なら出来る可能性はあります。生涯かければ、オーラの総量の100を150に増加させる“発”を覚えられるかもしれません。でも、決して自力でその境地に辿り着いたオリジナルには敵わないでしょう」
「つまり、真似するくらいなら、自分に合った“発”を考えた方がいいってことか」
「ええ、そうですね。ただ、今はスター君の“念”を解説するということで上級者の話なども交えました。今の君達に必要なのはあくまで基礎力の向上。今から戦い方を考えるのはいいですが、考え過ぎて、それが疎かにならないようにね」
「「「押忍!」」」
「(彼らにはああ言ったが……制約と資質、それで本当にああもオーラの総量を増加させることが可能なのか? いや、しかし元々そうだとすれば彼にとって“念”とは“特別なもの”ではなく、ただの枷ということに……そんな人間いるわけがない。いるわけが)」
~~中略~~
「――さあ、それでは修行の成果を見せてもらいましょう」
「おお! すげー勢いだぜ!」
「よろしい。次、キルア君」
「おう。――いいぜ」
「すごく甘い! ハチミツみたいだよ!」
「まったく……たいしたものです。ポンズさんもやっておきますか?」
「はい」
「お、おお! ビー玉? いや、水晶か?」
「俺にくれっ!」
「え、いいけど……」
「やった! ポンズにプレゼントもらった。今度お返しするから」
「別にお返しなんていらないわよ」
「いや、する!」
「……じゃ、勝手にすれば」
「スター君は必要ありませんね。――よろしい。君達は今日で卒業です」
「「「!」」」
「そして、ゴン君。それから一応スター君とポンズさんも。裏ハンター試験合格! おめでとう!」
「え?」
「念法の会得はハンターになるための最低条件。なぜならプロのハンターには“相応の強さ”が求められるから。――しかし、悪用されれば恐ろしい破壊力となるこの能力。公に試験として条件化するのは危険。それゆえ表の試験に合格した者だけを試す」
「なんだよ。最初からオレ達に教えるつもりだったのかよ」
「ええ。一応君達であると確認を取るために時間をもらいました。ちなみに心源流拳法の師範はネテロ先生ですよ。君達のことは師範から色々聞きました」
「あのジジイか……」
「キルア君、ぜひもう一度試験を受けて下さい。君なら次は必ず受かります。今の君には十分資格がありますよ。私が保証します」
「……ま、気が向いたらね」
「ねぇウイングさん。他の人達が今どんなか聞いてる?」
「ええ。ハンゾーとクラピカは別の師範代の下、すでに“念”を会得しました」
「!」
「ギタラクル――イルミとヒソカは初めから条件を満たしています。レオリオは医大試験受験後に修行を開始するようです。ポドロは“練”の習得にかなり手こずってるようですね」
「みんながんばってるんだね!」
「だな」
「最後に一つ忠告です。明日の試合、くれぐれもムリをしないように!」
「はーい」
「――ズシ、あなたはあと4週間同じ修行です」
「押忍……!」
「自信を持ちなさい。あなたの上達の速さは並じゃない。10万人に1人の才能です」
「押忍!」
「ただ、あの2人が1000万人に1人の才能を持っており、スター君やポンズさんはすでに目覚めていたというだけです。まあ、スター君はその中でもかなり特殊ですが」
「押忍!(なぐさめになってないっス……)」
「――でも、絶対いつか追いついて見せるっス!」
~~中略~~
『ゴン選手! VS ヒソカ選手! いよいよ注目の一戦が始まろうとしております!』
「くくく、どうした? まだボクは開始位置から動いてさえいないんだけどねェ……◆」
「え、ホント!!? くそ~見てろよ」
『クリティカル! 2ポインッ! ゴン!』
『おおっと、試合開始から始めて動いた! 口元には薄く笑みを浮かべております! ここからが本当の勝負ということかー!!?』
『お!!? おお!!? おおー!!? 今のは一体何だったんだー!!? わからーん!!!』
「“念”について……どこまで習った?」
「? 基礎は全部」
「そうか、君、強化系だろ?」
「えっ、なんでわかるの!!?」
「くくく、君はカワイイなぁ★ ダメだよ、そんなカンタンにバラしちゃ▲」
「~~~うるさいな。なんで、わかったんだよ」
「血液型性格判断と同じで根拠はないけどね◆ ボクが考えたオーラ別性格分析さ★ ――強化系は単純一途★」
「(あってる……)」
「(あってる……!)」
「(あってるわね……)」
「ちなみにボクは変化系◆ 気まぐれでウソつき▲」
「(あってる……!)」
「(あってる……!!!)」
「ボク達は相性いいよ★ 性格が正反対で惹かれあう★ とっても仲良しになれるかも◆ だけど、注意しないと。変化系は気まぐれだから、大事なものがあっという間にゴミへと変わる▲」
「ヒソカ! 具現化系は! 強化系と具現化系の相性は!!?」
「アンタねえ……」
「操作系! 操作系も教えてくれるように頼んでほしいっス!」
『おーっと!!? あれはこの天空闘技場のチャンピオン、クラウディオス・E・T・スターだ!!! ヒソカ選手と知り合いなのでしょうか!!?』
「……具現化系は神経質▲」
「なるほど! マジメってことだな」
「(……私、そこまでかな?)」
「ちなみに強化系との相性は普通▼」
「ウソだ!」
「ホントだよ★ 六性図知ってる? 相性はあれの関係と同じ◆ 同じ系統だと同族嫌悪ってこともあるけどね▼」
「ウーソーだー!」
「君もしつこいね▲ じゃ、相性は普通で+も-もないんだから自分次第って言い換えてあげるよ★」
「自分次第か……なら、まぁ」
「……」
「操作系! 操作系も聞いて欲しいっス!」
「わかったわかった。じゃ、操作系は? つーか、全部教えろ!」
「ワガママだな▲ 操作系は理屈屋かマイペース◆」
「「(あってる……!)」」
「……あってますね」
「え、自分ってそう見えるっスか?」
「放出系は短気で大雑把▲ そして特質系は個人主義者、カリスマ性有りって感じかな★」
「なるほど……!」
※ヒソカのオーラ別性格分析
強化系:単純で一途。
変化系:気まぐれでウソつき。
放出系:短気で大雑把。
具現化系:神経質。
操作系:理屈屋、マイペース。
特質系:個人主義者、カリスマ性有り。
「さて――じゃ、そろそろ再開しようかゴン。ボクを失望させるなよ」
「!」
『勝負再開!!! お、速い! 速い!!! 速ーい!!!!! 見せたヒソカ! 本気です!!!』
「あーあ、敗けたな、ゴン」
「え?」
「“凝”」
「! あれは……一体いつ?」
「性格分析でゴンを指差したとき」
「最初じゃない!」
「ちょっと時間稼ぎしてやったのにな」
「……聞きたかっただけでしょ」
「はははっ!」
「笑って誤魔化した!」
「これ“
「やっかいだぜ……! 思ったよりずっと性質の悪い能力だ……! ヒソカの“
「防御もダメ……! ガードしても、その部分につけられてしまう!」
「……これ、攻略法とかあるの?」
「千切ればいいんじゃね?」
「それはスター君のオーラがあって初めて出来ることです。最低でもヒソカがそれにこめるオーラの総量を上回らなければならない。今のゴン君には到底不可能です!」
「(逃げられないなら、向かうまでだ!!!)」
『ダウン&クリーンヒット! プラス2ポイン、11-4! TKOにより、勝者ヒソカ!!!』
「大した成長だ▲ でもまだまだ実戦不足▲ あと10回位戦れば、いい勝負出来るようになるかもね★ あくまで天空闘技場の中でだけならだけど▼ だからもう、君とはここで戦わない★ 次はルール無しの世界で戦ろう▼ 命を懸けて▼」
~~中略~~
「――さて、ともかくこれでようやく目標クリアだな」
「うん」
「さあ、もうここには用がねーし、今度はお前ん家行こーぜ!」
「ホント?」
「おう、“ミト”さんにも会ってみたいしさ」
「それって、俺らもか?」
「うん、ぜひ来てよ! オレもみんなのこと紹介したいしさ!」
「ホントに私達も行っていいの? なんか邪魔じゃない?」
「そんなことないって! ミトさんだって絶対歓迎してくれるよ!」
「そう……なら、いいかな」
「ゴンの故郷ってどっかの島だよな?」
「そうだよ! くじら島っていうんだ! いいトコだよ!」
「島かぁ。ちょっと楽しみかも」
「ぜひ水着を用意して行くべきだ!」
「え、水辺の生物は……私の能力との相性も悪いじゃない」
「能力とかそんなの関係ない! 蜂のコ達だって休みたい日もある! なんかあっても俺が守るから、一緒に海水浴に行こう!」
「……必死だな、スター」
「ポンズもなんでスターに付き合ってあげないのかな?」
「さあな。……まあ、スターも美人とか見るとすぐ声かけるような奴だからな」
「そういえば、一番最初に会ったときクラピカにも声かけてた」
「えっ、何それ、オレ知らねー! 笑える話か?」
「えっとね……」
~~中略~~
「――ミトさーん!」
「ゴン!!?」
「ただいま! ミトさん」
「うん。おかえり、ゴン。――こっちの子達は?」
「えっと、友達のキルアと」
「ども」
「オレと同じ試験で合格した同期のハンターのスターとポンズ」
「初めましてポンズです」
「綺麗な人だ! 好きです!」
「は?」
「――ゴン、これからは俺のことを“お義父さん”って呼んでいいぞ!」
「えっ、何言ってるのスター?」
「始まったよ……どう考えてもこれだよな。スターがポンズに拒否られてる理由」
「……」
「あはは、なんかおもしろいお友達ね」
「初見で受け入れたー!!? 地味にスゲー!」
「ミトさんは酒屋を営んでるから、そういうのは慣れてるんだ」
「スターは酔っ払い扱いかよ」
「あ! 俺、洗濯物取りこむの手伝います!」
「えっ、そんなことしなくていいわよ。お客さんなんだから」
「大丈夫! 俺とミトさんの仲ですから!」
「そう? なら、お願いしようかしら」
「任せてくれ!」
「おお……ツッコまないで流した。マジでスゲーな」
「あーもー! 帰ってくるなら先に教えてよ。何にも用意してないわよ」
「いいよ、テキトーで」
「何言ってんの。せっかくお友達も来てるのに」
「いえ、おかまいなく」
「合格したって、電話くれてから全然連絡ないし、心配してたんだからね!」
「あ、何か手伝おうか」
「いーから座ってて」
「ならば俺が!」
「あなたも。洗濯物を取りこむのを手伝ってくれただけで十分よ。そーだ、ゴン。ゴハン作る間にお風呂入んなさいよ。あ、ポンズさんが先の方がいいかしら。それと、服も全部出しといて、洗濯するから」
「うん、あとで」
「今! 10秒以内! いーち」
「いつもあーか?」
「だいたい」
「ポンズに負けず劣らず素敵な女性だ!」
「……それ言われて、私にどんな返答を期待してるわけ?」
「結婚しよう!」
「しません」
「大丈夫! 俺は“ハンター証”の力ですぐにでも一夫多妻制が可能な国籍になるから!」
「そんなことに使うな!」
「「「「いただきまーす」」」」
「……試験、どうだった?」
「やっぱり大変だったよ。会場まで辿り着いたのがたった400人位で合格したのその中の9人だもん。そーだ、見て! これが“ハンター証”」
「ふーん、けっこう普通ね。……えい」
「わーーーっ! 何すんだよ、もーーー!」
「冗談よ。本気でやるわけないでしょ」
「アレ、ゼッタイ本気だったぜ」
「うん!」
「お弁当作ろうかー!!?」
「いいよ。森で何か採って食べる」
「よし! 俺達は海に行こうポンズ!」
「……えー」
「すごく行く気がない!」
「…………はぁ。まあいいわ。私達はちょっとお邪魔っぽいしね」
「やった!」
「はしゃがないでよ。子供じゃないんだから」
「子供でもいい。ポンズの水着姿が見れるなら!」
「……水着は着るのやめようかな」
「何ーーー!!?」
~~中略~~
「なるほど。んで、これがその箱な。――? あれ、これどーやって開けるんだ?」
「うん、色々試したんだけど、どうしても開かないんだよ」
「ちょっと、力、入れていいか?」
「いいよ。オレもやったから」
「――んがっ! ――ダメだな。フツーの箱じゃねーよ。ただの鉄箱だったら、溶接されてたってねじ開けられるのに」
「うん」
「スターもやってみろよ」
「ん、ああ」
「「「!!!」」」
「うお、なんだよ……」
「箱の中に……また箱が? っていうか今の光は何だったの?」
「……そーか! “念”だよ、“念”! ハンターになったら渡してくれってお前の親父が言ってたんだろ? そんでハンターになれば“念”を覚える! スターの“念”は反射でも出るっつーから、きっと何かに反応して出ちまったんだ!」
「ああ!」
「ただの鉄っきれだ。全然接着した跡もない。――このデザイン、見覚えないか?」
「これって――そうだ! ウイングさんがくれた“誓いの糸”に似たような模様が描いてあった!」
「ああ。あれも“念”を使うと切れるように仕込んでたって言ってたよな。どうやら“念”と似た力がこの模様にもあるみたいだな」
「うん!」
「その箱は空きそうか?」
「えーと、あ! もしかしたらここに“ハンター証”差し込むのかも」
「ビンゴ!」
「指輪と」
「テープと」
「ROMカード」
「――見ろ。指輪の裏にもあの模様。迂闊にはめない方がいいかもな」
「そお? それって“ジン”がオレに何かするかもってこと?」
「念のためさ」
「じゃ、まずテープ聞いてみる?」
「そだな。あ、ダビングの準備もな」
「え?」
「念のためさ」
『……よぉ、ゴン。やっぱりお前もハンターになっちまったか。それで一つ聞きたいことがある。お前、オレに会いたいか?』
~~中略~~
『……あー、一つ言い忘れたぜ。お前の母親についてだ。知りたければこのまま聞いてくれ。別にいいなら』
「いいのか?」
「うん」
「でも、もしかしたら何か手がかりがあるかも知れないぜ」
「ないよ。多分。勘だけど。――それに、言っただろ。オレの母親はミトさん! ゴハン食べよ!」
「「「…………」」」
「――ゴン! 止めたテープが勝手に動き出したぞ!」
「!」
「デッキにオーラが!!? “念”! “念”でテープを巻き戻してる!!!」
「まさか現在!!? どこかで!!?」
「まさか! “念”をこめたんだよ、10年以上前に! “停止ボタンを押したら巻き戻すよう”に!」
「なんで!!?」
「さーな――! 今度は録音……! そーか! 消す気だ! 自分の音声を!」
「ダメだ止められない! コードも抜いたのに!!?」
「悪いなゴン!」
「え!!?」
「壊すぜ!!! ――くそっ、ダメだ。“念”でガードしてやがる! スター!!!」
「フ、任せろ!!!」
「「「「あ」」」」
「……悪い。やりすぎた」
「あー! オレのラジカセ! テープも!」
「――ふー……。ダビング用のテープもぶっ壊れてる。こりゃダメだな」
「そっか。でも、スターが壊さなくても、もう聞けなくしてたってことだよね。なんでここまでする必要があったのかな」
「手がかりを残したくなかったってことだろな。音声からだけでも相当のデータが得られるから。身長、体重、性別、年齢、顔の造形やら、持病もわかるし、相手の心理状態だって読みとれる。背景の雑音から録音した場所を特定出来ることも多い」
「でも警戒したのはもっと別のことね」
「ああ」
「?」
「“念”能力だよ。機械よりはるかに優秀な解析が可能な“念”能力の持ち主がいてもおかしくはないだろ? 例えば声を聞いただけで相手の全てがわかる能力とか」
「そうか」
「手強いな」
「ん」
「きっとゴンの親父は恥ずかしがり屋なんだな。男がそれでも微妙なだけだが」
「だからあなたは感想がズレてるから」
「あと2つか。指輪はともかく、問題はこのROMカードだな。通常規格より小さいね。これ専用のハードがあるのかな」
「え? 知らねーの、ジョイステ」
「ジョイステ?」
「天空闘技場のスターの部屋にもあったじゃん。これはそのゲーム機専用のROMカードだよ。“ジョイステーション”っての」
~~中略~~
「“グリードアイランド”……か。知ってる?」
「いんや」
「スターとポンズは?」
「知らね」
「私もゲームはやらないから」
「でも、これでゲーム名もわかったから“トイ・ランド”で取り寄せることが出来るぜ。――それ!」
[該当店数は0軒です]
「あれ?」
「条件に合う店がないってことだな。即日配達希望にしたからかな? とりあえず売ってる店全部リストアップするか」
[該当店数は0軒です]
「どーなってんのかな」
「うーん。“トイ・ランド”に登録してる店には一つも在庫がない……つまり売り切れか、このゲーム自体市場に出回ってない可能性もある」
「市場に出てない……」
「つまり、個人がつくったゲームでさ。元々売りもんじゃないか、何らかの理由で発売禁止になってるゲームってこと。――とにかく調べてみっか。“ゲーム年鑑”なら今まで出た市販ゲームが全部載ってるから」
[グリードアイランド・ハンター専用ハンティングゲーム・制作発売元 株式会社マリリン]
「ハンター専用!!?」
[値段 5800000000ジェニー]
「――ごっ、58億!!?」
「何それ!!? ゲームソフトでしょ!!?」
「なんちゅーデタラメな値段だ!!?」
「販売個数の100コってのは少ないの?」
「っげー、少ねーよ。ゼッテーなめてる!!! ――でも、わかった。こりゃ完全な売り切れだ。当然だけどな」
「制作元に在庫はないのかな」
「問い合わせてみるか」
『“グリードアイランド”ですか。少々お待ち下さい。……そちらはもう絶版になっており、まして再生産の予定はございません。開発は子会社が行ったものですが、既にその会社はなくなっておりまして……』
「「うーん」」
「ダメだな。中古市場にも出回ってねーや」
「持ってる人を探し出してゆずってもらうしかないわけだね」
「正当な手段で行くと電脳ネットのオークションサイトに告知して、売ってくれる奴が名乗り出るのを待つってのがセオリーだけど」
「――だけど、お金はどーする?」
「う~ん、闘技場の金、2人合わせても8億くらいか」
「あと50億かァ」
「――スター! お前スゲー儲けてただろ。いくら持ってる? ポンズでもいいけど」
「私は……ちょうど50億くらい」
「おまっ!!? 私は関係ないですみたいな顔しといて、オレらの試合でそんな稼いでたのかよ!!? しかも、金なくなってねーってことはゴンが敗けた試合とかはそっちに賭けてたんだな!」
「あ、あはは……」
「スターは?」
「俺は500億。特権で一桁多く賭けられたからな」
「んがっ!!? こいつ……!」
「でもそれならよゆーで買えるね!」
「おいおいゴン。お前もハンターだろ。こーゆーのは自分で手に入れた方がいいんじゃないか? そっちの方が親父を見つけ出したときの達成感も増すぜ」
「あ! そうかも……」
「騙されんなよ。こいつ自分の金使いたくねーだけだぜ」
「はははっ!」
「……図星みたいね。必要なら私が出すわよ? 実際苦労しないで手に入れたお金だもの」
「さっすが、ポンズだな! スターとは違うぜ!」
「う~ん。お金をどうするかはあとで考えるとして、ダメもとで告知だけはしておこうかな」
「あっ、それは止めた方がいいかも……」
「え、なんでだよ。どうせアクセスなんてこねーだろ」
「ゲームソフトグリードアイランド求ム。値段応相談、と」
「「!!!」」
「な……何で!!? あっという間に1万件近くアクセスが……!」
「そうか……こいつら金目当てでニセモノ売りつけようとしてるんだ。額が額だからな……ポンズが言おうとしたのはこうゆうことか!」
「私もレスがこんなに早いとは思わなかったけどね」
「お手上げだな。これ一つ一つとなんて交渉してられねーぞ。第一本物か偽物かもオレ達じゃ判断つかねーし。もっとディープなトコに入りこめば情報も豊富になるけど。オレもあんま詳しくねーしな」
「ゲームと電脳ネットに詳しい人っていないかな」
「いた……両方詳しい奴。つーかアイツだったら“グリードアイランド”持ってるかも」
「本当!!?」
「でもやだなー、こいつに頼むの」
「誰、誰!!?」
「――あ、ゴトー? オレ、キルア。ブタくん呼び出して」
~~中略~~
「ワリ! 話の流れでカードのコピーと交換ってことにしちゃった」
「うん、かまわないよ」
「そのかし2つの有力情報得たぜ。まず一つ、ハンター専用のサイトがあるって」
「あ、そうか。“ハンター証”を使うんだね!」
「バカ、ここでやる気か! 自宅のパソコン使ったら住所がバレバレになるだろ。“ハンター証”狙いの子悪党がぞろぞろ島に集まっちまうぞ」
「あ、いけね」
「こうゆうのは公共のパソコンを使ってやるんだよ。ホテルとかサ店とかの。ま、何にせよアドレスがわかるまでサイトにアクセス出来ないけどな。――んで、もう一つがヨークシンのオークション」
「!」
「兄貴はガセかもって言ってたけど、ある人物がゲームを何十本も今年のオークションに流すって情報があるらしい」
「もしかして……その人物がジンかも?」
「ああ、そう考えるとあながちガセじゃないかもな」
「ただしどっちにしろ手に入れるためには、莫大なお金が必要なわけだね」
「……いいコンビよね」
「俺とポンズには敗けるけどな」
「どうかしら」
「うー、ポンズはおねーさんだな。その優しさを俺にも使って欲しい」
「周りを変えたければ自分が変わることね」
「……哲学だな」
「どこがよ」
~~中略~~
[ハンター専用サイト 狩人の酒場]
「あったぜ。“グリードアイランド”。いいネタ頼むぜ」
[グリードアイランドか。2000万いただくぜ]
「え?」
「さすがにタダじゃ教えてくれねーな。でもこの額ならしかたねーか」
「なんか金銭感覚麻痺してくるなー」
「私はとっくよ」
[OK。それじゃよく聞きな。グリードアイランドは“念”能力者が作ったゲームだ]
「「「!」」」
「“念”能力者しか出来なくて、ゲームの中に引きずりこむ……か」
「ゲーマーの夢だな」
「本当かな」
「ハンターサイトの情報だぜ。まず間違いない」
「「「!!!」」」
[ヨークシンシティで開催されるオークションには8月14日現在までに7本のグリードアイランドが競売申請登録されている模様。最低落札価格 89億ジェニー]
「はちじゅう」
「きゅうおく……」
「じぇにー」
「やっぱ上がってんよ、30億もー!!! スターの金使えば何とでもなるけどさー!!!」
「……人に頼るなとは言わない。だが、俺に頼るな!」
「こいつ……」
「ねェ、これってオレ達も参加出来るのかな?」
「あ? スターの金を掠め取るのか? 手伝うぜ!」
「違うよ。買う方じゃなく売る方でだよ」
「! ……そうか。オレ達も何かお宝を探して競売に出すんだよ! うまくいけば大儲け出来るかもな!!!」
「そう、うまくいくかしら……?」
「別にいいと思うぜ。そーゆーのも面白そうだろ」
「うーん。なんか私流されてるなぁ。私が目指してるのって“幻獣ハンター”のハズなんだけど」
「何事も経験経験」
「そうかな?」
「そうだって!」
「そっか……」
[総合入手難易度―G(易しい) 幻のゲームと呼ばれているが、あくまで一般人レベルでの話。公の競売に姿を見せ始めたことから“探す”意味での難度はもっとも易しいH、金額面を考慮に入れ総合はGとした]
「ふん……面白いじゃん。ゼッタイ手に入れてやろうぜ!」
「おう!」
「まず一般ネットのフリーマーケットとオークションサイトだ」
「そこで掘り出し物を見つけよう!」
「え、ネットでやるの?」
~~中略~~
「残り……いくら?」
「……2人合わせて1084万ジェニー」
「だから言ったのに……」
「くそー、あのジジイ、まんまとだまされたぜ!」
「最初の壺は2倍で売れたのにねー……」
「今、考えりゃそれが罠だったんだよ。小金を儲けさせて信用させてから大金をせしめる。詐欺の常套手段だもんなー」
「だから信用出来る公共サイトだけにしようって言っただろ!」
「んなもん8時間やって儲けがたった985ジェニーだぞ!!? 80億稼ぐのに何百年かかるんだよ!!!」
「減るよりいいじゃん!」
「おめーだって壺売れたとき、ノリノリだったじゃねーか!」
「やるか!!?」
「おお!!!」
「ちょっと止めなさいよ」
「ポンズは黙ってて!」
「つーか、あんたはどうだったんだよ?」
「え、私は1億プラスで51億ジェニーだけど」
「ぐっ……スターは!」
「30億プラスで530億」
「なんでだよ!」
「“ヒーロー”だからさ! 俺は真実を見極める目をデフォルトで装備してるのさ!」
「くっそー……! 言ってることはバカっぽいのによー!」
「キルア、2人のことはいいよ。今はオレとの勝負だ!」
「お、おー、やったら」
「オークションまでの残り2週間でどちらがいっぱいお金を稼げるか」
「おーお」
「542万ずつ持って、8月31日夜9時の時点で多い方の勝ち!!!」
「面白え。もし負けたら!!?」
「勝った方の言うことを一つ何でもやる!!!」
「乗ったぜ。カンプナキまでに負かしたら」
「ポンズ! 俺達もその条件で勝負しよう!」
「イヤ」
「だー! それじゃ、話が盛り上がらないだろー!」
「負けるとわかってる勝負をやるわけないじゃない」
「そこを何とか!」
「イ・ヤ! ――いちについて、よーい」
「無視しないでくれ!!?」
「「「ドン!!!」」」
「……あのコ達も元気ねー」
「勝負……」
「しないってば。私は今度こそ2週間で出来る簡単な仕事の一つも受けてるから」
「“念”の修業は?」
「やってるわよ? でも、“発”は一応元々出来てたから……まあ、少しアレンジとか加えたし、新技も考えてるけど」