ソードアート・オンライン《暁の死者》/   作:裕奇(復帰)

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第10話

 

 

 

 

「……………。」

 

 

「……………。」

 

 

「……………。」

 

 

「久しぶりだな、海斗。」

 

 

沈黙を破ったのは、奇しくも親父の方だった。

 

 

「何で、てめぇがこの世界にいやがる…。」

 

 

「……………。」

 

 

あの日、杏子を守るために、オレは親父を殺した。殺したはずなんだ。心臓だって止まってた、あのバケモノ___朝霧雅樹はオレをあざ笑うかのように死んだんだ。なのに……

 

 

「てめぇは死んだ人間だ。今のアンタはデータの集合体、亡霊だ。」

 

 

「……ならば、なぜ震えている?」

 

 

「…これは、武者震いってヤツだ…。」

 

 

「貴様は、この俺を越え、弱者から強者になったのだ。…ライオンがシマウマに怯える姿は滑稽以外の何物でもない。」

 

 

「……何を勘違いしているか知らんが、いかなる者にも俺を殺すことはできん。貴様も俺と同様、完成された人間だが俺を殺すことは不可能だ。」

 

 

「……よく喋るじゃねえか、親父…。」

 

 

くそっ、データの集合体にしちゃエグいプレッシャー放ちやがるな…。

 

 

「……ヌンッ‼︎」

 

ブンッ‼︎

 

 

「ぐおっ…⁉︎」

 

 

「いきなり何しやがる‼︎」

 

 

「おかしなことを言うな、海斗よ。俺と貴様が向かい合った、それだけでこと足りるだろう。」

 

 

「殺し合いってか…。」

 

 

確かに、先の正拳突きは、人を殺すためだけに特化したものだった。何度も見た、圧倒的な破壊力を持つ拳。

 

あの拳で、いったい何人殺しただろうか。親父の一撃は頭蓋骨を粉砕するほどの威力。普通の人間は一発貰えば、即座にあの世逝き。

 

 

「どうした。戦う気がないなら、すぐにでも殺してやろう」

 

 

「はんっ、どうせ殺すつもりだろーが。まぁ、てめぇの言葉を借りるなら”オレを殺すことは不可能”…だ‼︎全力でいってやっから簡単に死んでくれんなよ‼︎」

 

 

「…………それでいい。」

 

 

化物の子は、化物。

アンタのことは大嫌いだが、ぶっ壊れた身体にしてくれたことに今は感謝してるぜ。

自分が死ぬビジョンなんて全く見えねぇからな‼︎

 

 

 

「ヅラァ…‼︎」

 

 

「シッ……」

 

ガッ‼︎

 

 

互いに放った正拳突きがぶつかり合う。

ほぼ同等の力が拮抗し、ミシミシと、骨の軋む音だけが暗闇を支配する。

 

 

「(ったく、冗談きついぜ…。体術スキルは使ってないが、システム外スキルでブーストさせた力を乗せてんのに、互角なんてな…。親父も同じことをやってるとしたら、長引かせたらタダじゃすまねぇ…‼︎)」

 

 

「オレのプライドが許さねぇからな、スキルは使わないでおいてやる。んなモン使わなくても、生身でオレがアンタより強者だってことは証明できるからな」

 

 

「……………。」

 

 

___。

スッ…と親父の姿が一瞬消えた。

 

 

 

「フンッ…‼︎」

 

 

「な…にっ…⁉︎」

 

 

一瞬の出来事。

オレの眼前に迫ってきた親父は、上段回し蹴りを既に放っていた。

 

 

「(間に合わねぇ…‼︎)」

 

 

グシャ

 

 

「がはっ…⁉︎」

 

 

やべっ…肋二本は折れやがった。

 

 

「逃すかよ…‼︎」

 

 

オレの身体に、深くめり込んでいた親父の脚を取り、脚の皿めがけて、肘を叩き落とす。

 

 

「むっ…‼︎」

 

 

「まだまだぁ‼︎」

 

 

ゴッ

 

 

「ぐっ…⁉︎」

 

 

追い討ちで頭突きをしたのは良かったが……痛つつ、なんちゅー硬ぇ頭だよ…。

まぁおかけで距離を取ることには成功した。

 

 

「片方の脚は潰したぜ。その状態じゃさすがに、あのチート染みた瞬間移動っぽいのは使えないだろ?」

 

 

アレにはマジで面食らったぜ…かなりいいモン貰っちまった…。

 

 

「………………。」

 

 

結構いいダメージ入ってるはずなんだが、相変わらず表情一つ変えやしねぇ。

 

 

 

 

「まだまだピンピンってか?……上等だ。」

 

 

 




すいません、変なとこで切ります。
続きは明日投稿予定‼︎
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