ハイスクールD×D 未完の神器   作:英雄好きの馬鹿

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 なんか納得いかないので多分直すことになるんでしょうが一応載せておきます。

 まあ、大まかな流れは変える予定はないですがね。

※13/1/31 おかしいところを直しました!


生命樹の刺青

「あれ? 小猫も一緒に来たの?」

 

 グレモリー先輩がさも驚いたように言ってきました。

 

 おそらく、塔城さんに連れられてくることを予想していなかったのでしょう。

 

 塔城さんは無言でうなずくとソファーに座り、羊羹を取り出して食べ始めました。

 

 グレモリー先輩もその対応に慣れていたのか軽く流しておわりました。

 

 それにしてもここにいるメンバーは凄いですね。

 

まさしく全員が全員美男美女でした。昨日会った兵藤先輩も普段の変態的な行動さえなければ悪くない顔だちをしています。

 

「私の眷属悪魔を紹介するわ。小猫は知っているでしょう?」

 

「名前と顔は知っています。悪魔ということも知りませんでしたが……」

 

「紹介するわ。祐斗」

 

 グレモリー先輩は金髪の男性のほうを向いて自己紹介をするように促しました。

 

 呼ばれた男性は女の方ならば見ただけで恋に落ちてしまいそうな微笑みで僕のほうを見て言います。

 

「僕は二年の木場 祐斗。よろしく」

 

 木場先輩は握手を求めてきたので僕もそれに応じます。

 

 兵藤先輩も『イケメンとなんて握手したくねー』と言わんばかりの態度でしたが握手に応じていました。

 

 その光景に木場先輩は苦笑で返しましたが、怒るようなこともせずに席に着きました。

 

「三年生、姫島 朱乃ですわ。いちおう、研究部の副部長も兼任しております。今後ともよろしくお願いします。うふふ」

 

 お辞儀をされたので僕もお辞儀をしかえしました。

 

「そして、私が彼らの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位は侯爵。よろしくね、イッセー、シンジ」

 

 グレモリー先輩も自己紹介を終えた。今度は僕の番だろう。

 

「一年の片桐 心治です。若輩ながらもお力になれるよう頑張ります。これからよろしくお願いします」

 

「俺は二年の兵藤 一誠だ。イッセーって呼んでくれ」

 

 これで全員分の自己紹介は終わったようだ。

 

「それでは、これから心治君には神器(セイクリット・ギア)を発現してもらいますわ。あまり強くない神器(セイクリット・ギア)のようですから魔法陣で補助いたしますわ。その魔法陣の中央に来て下さい」

 

 部室にはいつの間にか、部屋いっぱいまで広がった魔方陣が描かれていました。

 

 僕は姫島先輩に言われたとおりの場所に立ちました。

 

「えっ……と。この後何をすればいいのでしょうか?」

 

「そこで自分が最も強いと感じる何かを心の中で想像してみてちょうだい」

 

 グレモリー先輩は当然のことのように言いますが、この衆人環境でそれは罰ゲームでは無いのでしょうか?

 

「ちなみに俺は深夜の公園でドラゴン波をやることになったんだ……」

 

 兵藤先輩が遠い眼をしながらつぶやいています。

 

 やはり罰ゲームなのではと思いますが、グレモリー先輩にせかされてしまい、やることになりました。

 

「……僕が一番強いと思うものですか」

 

「ええ。イッセーみたいにマンガやアニメのキャラクターでもいいし、強いと思えるのなら何でもいいわ」

 

 なら、小説でもよろしいのでしょうか。自慢ではないですが僕は本が大好きです。僕が強いと思い浮かべるとしたら……。

 

「イメージが固まったようね。では、それを想像して、その人が一番強く見える姿を思い浮かべるのよ」

 

「はい。分りました」

 

 僕は先ほど想像した、昔読んでいた小説に登場していた、全身刺青の盲目で、魔法を極めながら二百年以上生きた大魔法使いを想像しました。

 

 あの小説には挿絵が入っていましたので、その姿を真似ることにしました。

 

 盲目なことを表すために目をつぶり、片腕を力をあまり入れないで持ち上げます。

 

 ……それにしても足元には魔法陣があって、自分は魔法使いの真似をしている状況ですと、物語に感動して魔法の練習をしていた子供時代がほほえましく思えます。

 

 そして集中をしていると、一瞬フワッと体中が浮き上がる感覚がしました。

 

 

 

 

 神器(セイクリット・ギア)が出現しているのかと思い、目を開けてみると、そこはまさしく別空間でした。

 

 僕の周りを埋め尽くすのは本。

 

 本。

 

 本。本。

 

 本。本。本。.

 

 三百六十度、さらに言うならはるか高みを目指すかのごとき本棚にぎっしりと詰まった本。

 

 本棚が円形に並んだ学校の教室ほどの広さの空間には、二人掛けのイスと机があり、一人の男性が座っていました。

 

「ようこそ。俺の知恵を集めた空間。『未完書庫(バンク)』へ。そこに座って」

 

 僕は促されるままにイスに座ります。

 

「まず、俺の自己紹介から。といっても、君の名前は生まれたときから見てきたから知っているけどね。俺の名前は海神(わだつみ) 誠悟(しょうご)。君が今現在所有している神器(セイクリット・ギア)の前所有者だ。よろしく」

 

「はあ、よろしくお願いします」

 

 僕は、海神さんに礼をする。正直驚きすぎて返事がおざなりになっていますが仕方がないでしょう。

 

「いいって、そんなにかしこまらないでも。とりあえず俺は、君にこの神器(セイクリット・ギア)の性質を教えるためにこの空間に君を呼んだんだ」

 

 そう言ってからいつの間にか手元にあったティーカップとポットを取り出して紅茶を入れて僕に渡してくれました。

 

 特に悪い人でもなさそうですし、僕を利用する意味も無いでしょう。

 

 そう思って僕はティーカップに手を添えます。

 

「熱いから気をつけてね」

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

 そう言って海神さんが紅茶を飲見始めたので僕もそれにならって紅茶を一口飲む。

 

「あれ? これは……ずいぶんとおいしい紅茶ですね」

 

 びっくりするほどおいしい紅茶だった。僕のその反応に満足したのか、カップを置いてこっちを見据える。

 

 紅茶を飲んでいた時よりも真剣な表情で僕を見てきます。おそらく本題に入るのでしょう。

 

 僕もティーカップを置いて海神さんを見ます。

 

「いろいろ説明しなければならないことはあるんだけど、まず説明しておきたいのは、この神器(セイクリット・ギア)が未完成ということかな」

 

「この空間は違うんですか?」

 

 僕はこの空間こそが神器(セイクリット・ギア)だと思っていたのですが違うようです。

 

「あ、この空間も確かに神器(セイクリット・ギア)なんだが……ふむ。説明が長くなるなぁ。取りあえずこの神器(セイクリット・ギア)はもともと製作途中で何の能力も無いままに人間に宿ってしまった物なんだ。だからまだ神器(セイクリット・ギア)というくくりだけど何の異能も使えないものとして俺に宿った。それで神器(セイクリット・ギア)に俺が気づいた時に神様らしき人からこの神器(セイクリット・ギア)を完成させてくれと言われてね、頑張ることにしたんだよ。これでも俺は魔術師の中でも指折りの実力者だったからね」

 

 説明は短いですが、海神さんはそこをあまり重要だと思っていないようでさらりとしか説明はしてくれないようです。

 

「この空間は海神さんの魔術なんですか?」

 

 僕は魔術とはこんな事も出来るのだと思い、驚きました。

 

「確かに俺が作った魔術だけど、ここから俺は出られないんだ。それにいまだにこの神器(セイクリット・ギア)は未完成なんだ。製作途中のまま俺が死んだから次のターゲットの君に宿っただけ。だからこの空間は製作途中の副産物みたいなものかな」

 

 未完成の物を押し付けてすまんなあと頬を掻きながら謝られる。

 

「この神器(セイクリット・ギア)の何が未完成なんでしょうか? 僕にはこんな凄い場所を作れるのであればそれが能力といわれても問題ないと思いますが……」

 

「んー。その説明にはまず神器(セイクリット・ギア)種類から言ったほうがいいかな」

 

「種類……ですか」

 

「そう。種類。神器(セイクリット・ギア)には伝説の魔物や魔剣、聖剣なんかが封印されているものがあってな、それらは封印されて居るものの能力がベースの能力の神器(セイクリット・ギア)になる。だが、この神器(セイクリット・ギア)だけは別でな、封印されているものがない状態のまま人間に宿ってしまったんだ」

 

 何も封印されていないのに、何かを封印したタイプの神器(セイクリット・ギア)になっている? それはどういうことなのでしょうか?

 

「えっと。つまり……先ほど能力がないといっていたのはこの為なのでしょうか?」

 

「本来ならな。だが、そこで少しだけバグがあったんだ」

 

「バグ……ですか」

 

「ああ、何も封印されていないこの神器(セイクリット・ギア)はずいぶんと不安定でな、何かを封印しなければいけなかったんだ」

 

「もしかして、封印されたのは海神さんですか?」

 

 それならば先ほど、この空間から動けないといっていた意味がわかります。

 

「ああ、そうだ。俺は生まれたときから魔術師だったんだけど、神器(セイクリット・ギア)の存在を知ってからは狂喜乱舞したね」

 

「えっ? 封印されてしまうんですよね?」

 

「ああ、だからだよ。俺はもともと魔術が大好きだったから、出来ることなら永遠に研究したいと思ってたんだよ」

 

「では、もしかしてこのたくさんの本は海神さんの研究成果でしょうか?」

 

「そう! 無限の時間で研究ができるなんてすばらしい。だが、足りないものもある」

 

 海神さんは紅茶のカップに一度だけ視線を移してからこっちらを見て言いました。

 

「研究資料の追加ができないんだよ」

 

「資料……ですか」

 

 僕には資料といわれてもいまいちピンときません。

 

 指折りの魔術師というなら生前ため込んだ資料もこの部屋の中にあるでしょうから。

 

 しかし海神さんの表情はとても深刻なものでした。

 

「そう。いくら無限の時間があっても資料が無ければ研究もほとんどできないんだ。それに、どんなに優れた術式を作っても現実で振るうこともできないんだ」

 

「それでもこんなに膨大な量の研究をなされたんですか! ……では、僕は悪魔になったことですし、資料をたびたび仕入れられると思います。その資料をこの世界に届けましょうか?」

 

 海神さんはとても驚いたように僕のほうを見ました。目が爛々と輝いていてとてもうれしそうです。

 

「いいのかい! それなら僕もそれなりのお礼をしなければな! どんな魔術が使いたい? 陰陽道から仙術、北欧にルーンに西洋魔術くらいまでなら使えるようにできるよ!」

 

「えっと……。僕には違いがよくわからないのですが」

 

 かろうじて魔術の種類と言うのは分りますが、何がどう優れているのかなんてとてもわかりません。

 

「確かに分らないかもね。あせりすぎちゃったかな。まあそこら辺は本を読めばわかるんだし…………よし。そうだな。これが一番いい」

 

 海神さんは少し悩んだ後答えを出したようで僕のほうを向いています。

 

「何になったのでしょうか?」

 

「この世界でも、あの世でも、現実でもただ一つしかない術式をあげよう」

 

「そ、そんな貴重なものいただけませんよ!」

 

 そんな貴重なものは僕には絶対もったいないですよ。

 

 しかし海神さんは楽しそうに笑っています。

 

「はは、大丈夫だよ。俺がこの世界で開発した術式だから」

 

「ま、魔術を一人で開発できる物なんでしょうか?」

 

「まあ、普通なら無理だけど、俺には時間があるからね。しかも俺が完全に一から開発した術式なんて一つだけだよ。それすらまだ完成していないしね。だから正直なところその試運転も兼ねてほしいんだ」

 

 ……先ほど海神さんは現実で魔術が使えないことを嘆いていたのですし、ここはその術式をいただいたほうがよろしいようですね。

 

「では、ありがたく使わせていただきます。その魔術はどういう魔術なのでしょうか?」

 

「ああ、この魔術は君や俺のような特殊な魔力を持った人間でないと使えないものでね、『人間』の概念の魔術なんだ」

 

「人間……ですか?」

 

「そう人間。俺や君の魔力の性質はこの未完成の神器(セイクリット・ギア)の影響で魔力が『人間』という特殊な魔力になっているんだ」

 

「はあ。それが、どう関係するのでしょうか?」

 

「俺はその特殊な魔力でしかできない運用法を見つけようと思ってね。その結果できた魔術が俺が作った魔術。正確には十個の魔術を一つにまとめることで効率よく運用することができるまほうなんだ」

 

「えっと。その魔術では何ができるんですか?」

 

「ああ、この魔術にできることは人間というものを究極まで使うことができるようになる魔術なんだ」

 

「人間を使う魔術……ですか? ということはほかの人を操ったりするのでしょうか?」

 

 僕の質問に海神さんは一瞬キョトンとした後笑いながら答える。

 

「ははは。そんなことはしないよ。魔術の効果があるのは基本的に君の体だけさ。それとこの魔術に使うのは君自身の肉体。あと、やっぱりこれも魔術だから君にも少しは勉強してもらうことになるけどいいかな?」

 

「勉強は分りますし、是非お願いしたいのですけど、体は何に使うんですか?」

 

「ああ、魔術的な刺青を入れさせてもらうんだ。これがないと使えないからね。それとも刺青を入れるのは嫌かい?」

 

「大丈夫ですが、その刺青を隠すことはできますか?」

 

「基本的には隠せるよ。ただ、魔術を発動した時に全身に刺青が浮かび上がることになるけど構わないかな? それ以外のときは隠しておけるんだけど発動のときには隠せないからね」

 

「では問題ないです。では、いつ刺青をいれればよいでしょうか?」

 

「ああ、三秒で終わるよ。………………はい、終わり」

 

 海神さんは僕の背中に手を触れると本当に三秒ほどで終わらせたようでした。

 

「僕はこのタトゥーから手に入れた情報をもとにこれから調整していくから」

 

「……えっ! 本当にもう終わりなんですか?」

 

「そうだよ。まあ、今は君のご主人様が心配しているようだから戻りな」

 

 海神さんが右腕を上げるとそこにスクリーンができて、兵藤先輩やグレモリー先輩が僕を覗きこんでいる姿が見えました。

 

 確かに今は戻ったほうがよさそうです。

 

「では、ありがとうございました!」

 

「いいって。こっちにもだいぶ得してるんだからさ。まあ、魔術の勉強は君の夢の中ででも教えてあげるよ。だから取りあえず使ってみてね俺の開発した魔術『生命樹の刺青(セフィラ・タトゥー)』を」

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