一般人(嘘)による艦これ世界の過ごし方   作:黒ウサギ

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私の間違い

傘を翻し彼女は海を行く。

イ級がその存在に気づき、彼女に向けて砲撃を開始するが

 

「その程度、甘いです!」

 

彼女は傘で砲撃を逸らし接近していく。

逸らされた砲撃が砂浜に着弾し、また私は吹き飛ばされる。しかし、そのお陰で足枷となっていた流木が消え去り、私は立ち上がることが出来た。

立ち上がり、砂埃が晴れた視界で見えたのは

 

「ハァッ!」

 

畳んだ傘でイ級を一閃する姿だった。

そのまま彼女は一足で砂浜まで戻って来ると同時に、爆発。

 

「ご無事ですか、提督」

 

提督…?

彼女は何を言っているのだろうか。たまに来る彼はここにはいない。

辺りを見渡しても人影は見当たらず。恐る恐る私のことかと訪ねてみると首肯された。何故だ…

 

「提督が私を建造する様に、妖精さんにお願いしたのではないのですか?」

 

全く知らない。

そもそも艦娘は建造される物なのかと違う驚きが大きい。

 

「妖精さんは、貴方が提督であると仰っているのですが…」

 

そう言い彼女は足下にいつの間にか集まっていた小人の一人を抱きかかえた。

 

「待て待て、色々追いつかない…。小人だと思ってたのが妖精で?君はその妖精により建造された艦娘…えっと、大和…だったか?」

 

「はい、大和型一番艦大和です!」

 

成る程、つまりは赤城や加賀と同じ存在で、そこから導き出されるのは彼女も例に漏れず大食らいであると…。

 

「まず一旦家に戻ろう。こう雨に打たれたままでは風邪を引いてしまう」

 

そう告げると彼女は妖精を全員抱きかかえ、私の後について来た。

どうしろと言うのだ…

 

 

-----

 

 

「まずは、訂正させてくれ。私は提督などではなく、ただの一般市民だ」

 

「はぁ…」

 

納得していない様子。そもそも私の見た目の何処が提督だと判断する要因になるのだ。農作業スタイルの提督がいるのなら見て見たいものだ。

 

家に着き、先ず行なったのは彼女の誤解を解くことだった。だが誤解は解けておらず、大変困ったことになった。

 

「まぁ今はそんな事を話している場合では無いか。君も風呂に入って来たらいい、濡れた格好のままでは気持ち悪いだろう。」

 

「いえ、私よりも提督が先に…」

 

「女性を濡れ鼠のまま放置する趣味は無いよ…。どうしてもと言うのなら、命令だ。」

 

「っ……、命令であるなら従います」

 

そんな彼女にタオルを渡し、小人に案内を頼んだ。

 

「服は籠に入れておくといい。ではな。」

 

私はというと小人が作ってくれた暖炉に火を灯し、これまでを整理する。光と共に現れた大和という艦娘、鎮守府でもないココには小人…妖精が建造を行った事で出現し、私を提督と呼ぶ。いかんな、全く理解できん。

 

「だが、君たちには感謝している…。君たちが彼女を呼び出した事で、私は生き永らえる事が出来た。」

 

礼を告げると妖精達はその場で飛び上がり、全身で喜びを表現している様に見られた。

暖炉で幾分か温まることが出来たので、今度は芯からあったまるスープを作るために厨房に向かう。

作ると言っても作り置きのポトフを温め直すだけだ。そんなに時間は掛からない。妖精が作ってくれたこの家はとても便利だ。ボタンを押すだけで火がともり、簡単に鍋を温めてくれる。

そう言えば彼女の替えの服装を用意しないといけないのではないか?箪笥から私の着替えを取り出す。申し訳ないが今はこれで我慢してもらわなければならない。

風呂場への道を歩き、扉の前で立ち止まる。

 

「大和さん、いるかい?」

 

ノックをしても反応が無いため、まだ浴槽に使っているのだろう。そう判断し脱衣所に入る。

脱衣所に彼女はおらず、やはりまだ浴槽の様だ。鉢合わせを避けるためにも使われていた籠の近くに着替えを置き、足早に立ち去る。が

 

「……」

 

思わず立ち止まってしまう。そこにあったのは彼女の上下の下着。黒で統一されたサイズの大きめの其れを見てしまい、思わず彼女が着用した姿を想像してしまう。

 

「何をやっているんだ私は……」

 

頭を振り忘れ去る。

しかし私はここで気がついてしまった。

世界に色が戻っている。赤城と加賀に出逢い戻ってきた赤と青。それだけではなく、完全に世界に色が戻っている。

何故だ?何がきっかけだ?

考えては見るが思い当たる節が無い。ただ

 

(色があるというのは、こんなにも美しいものなのだな)

 

其れだけははっきり言えた。

 

「入渠する必要は無かった筈なのですが、何故入浴を勧めてきたのでしょうか……」

 

タイミングが悪かった、としか言えない。決して私は狙って彼女が上がるのを待っていたわけでもないし、不埒な気持ちを持っていない。

視線に入ってしまった彼女は、今迄見たことが無かった程美しかった。濡れた髪の毛は滑らかで、自己を主張するかの様に張り出した二つの山に張り付いている。胸から腰にかけてはまだ水滴が張り付いており、何処か其れが艶かしく感じる。その水滴が流れ落ちる場所を視線で辿って行くと、髪色と同じ下の茂みが

 

「いやぁああああ!!!」

 

叫び声と共に、私の意識は途切れて行った。




大和さんまじ聖母
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