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ぐっすり眠る水無灯里さん。
それを優しく見つめる郵便屋さんとフローレンスさんは、どうやら起こさないことにしたようだ。
その代わり、その横で寝てた白い猫……猫?
猫みたいなのが起きて、フローレンスに飛びついた。
「ぷいにゅ~!」
「あらあら、アリア社長。おつかいありがとうございます、えらいですねー」
「にゅ!」
「あらあらうふふ♪」
そういえばパンフレットに書いてあったが、ウンディーネ稼業は青い目の猫を社長にするんだったか。
ケット・シー関連の縁担ぎなのだろうか。
というか、本当にそれは猫なのか?
「うふふ、アリア社長はお部屋に戻りましょうか。疲れたでしょう?」
「うにゅ」
「あら、ひとりで行けるの?」
フローレンスさんに目いっぱい甘えていたかと思えば、ぽてぽてと一人で社内に戻って行ってしまった。
フローレンスさん曰く、きっと社長席でスタンバイしているんだろうとのこと。
面白い猫だな。
その後は、どうして郵便屋さんと一緒にいたのかとか、何してたのかとか話していると、漸く水無さんに動きがあった。
郵便袋を枕に丸まって寝ていた水無さんはゆらっと起きたかと思うと、大きく伸びて欠伸をする。
「ふっ……? ―――ふわああぁ!」
寝ぼけ眼をそのままに周りを見渡す水無さんは、一拍おいた後に顔を青ざめさせる。
黄昏時に、さざ波の音が寂しい。
「……寝てしまった」
「お? どうした嬢ちゃん」
「どうしよう……」
見下ろしている俺達にも気付かず、顔を蒼白にしてふるふる震える水無さん。
それを慰めるぶっきらぼうに、でも優しく宥める郵便屋さん。
それを見て楽しそうに笑うフローレンスさん。
やっぱりSっ気ありますよね?
というか声掛けてやれよ……。
「うふふ……起きたみたいね、水無灯里さん」
夕陽とARIAカンパニーを背負うフローレンスさんに、水無さんが見惚れるのが解る。
柔和に微笑んで歓迎の言葉を口にするその姿は、とても綺麗だ。
「ようこそ ARIAカンパニーへ」
「………は、はひ」
「……くっ」
「はひ!?」
「ちょっと、湊くん?」
「ごめん」
悪いとは思うけど、しょうがないって。
あんな間抜けな顔で、あんな気の抜けた声を出されたら。
次会ったら顔見ただけで笑いそうなことに恐怖を感じる。
ついでに隣のフローレンスさんの笑顔も怖い。
よし、逃げよう。
「あ、これ以上邪魔したら悪いので帰りますね」
「あらあら」
「君も笑ってごめん、明日から頑張れ!」
「は、はひ! 頑張ります!」
「じゃ、また会いましょう」
軽く会釈して、足早にARIAカンパニーを去る。
……それにしてもあの特徴的なもみあげ、どっかで見たような。
―――にゃーん
おや、あいつらはあの娘が気に入ったようだ。
珍しいな。
玩具にすることはあっても、そんなことは少ないのに。
まぁ色々巻き込まれるだろうが、強く生きて欲しいものだ。
ケット・シーのファンやめてみくにゃんのファンになりますん