ラブライブ! 君の為に   作:紅葉 秋

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どうも、色々あって約半年振りの投稿になります!

半年かかったわりにはちょっと短いです。申し訳ないです!

では、どうぞ!


第17話 最初の一歩

「あなた達……こんなのでよくここまでこれたわね」

 

「あははは…………返す言葉がないです」

 

アイドル研究部にダンスを教えることになった初日。

やっぱり、ダンスはまだまだとしか言えないものだった。

 

「ほら、もう一セット!」

 

「「「「「「「はい!」」」」」」」

 

ただ…………私が思っていたより基礎は出来てる。特に園田さんは誰よりも出来てる。

 

私が来る前に彼女達がやっていた練習も、園田さんがリーダー的ポジションで指示を出したりしていた。

一番、自分の練習時間が少ないはずなのに…………。

 

やっぱり優希さんが関係してるのかしら?

 

 

『絵里ちゃんは可愛いんだから』

 

 

っ!?……まただ。

最近、優希さんのことを思い浮かべるとあの一言を思い出す。

下心がない純粋な誉め言葉。そして温かさがある笑顔。

思い出す度に顔が熱くなる

理由は分からない…………でも自然と頬が上がってるのが分かる。

 

 

「はぁ、はぁ……せ、生徒会長、終わりました」

 

「っ!?そう。じゃあ今日は終わり」

 

優希さんのことを考えていたせいで、息を切らせてる高坂さんに声を掛けられて少し驚いてしまう。

 

「顔が少し赤いですけど大丈夫ですか?」

 

「え、ええ、大丈夫よ」

 

……やっぱり何とかしなきゃ。息切れしてる後輩にまで心配されるなんて……。

もう、本当にどうしたんだろう私……

 

「私は生徒会室に戻るわ」

 

「待ってください!」

 

生徒会室に戻ろうと屋上を後にしようとしたら高坂さんに呼び止められる。

それと同時に高坂さんを中心に全員が一列に並ぶ。

 

「ありがとうございました!明日もよろしくお願いします!」

 

「「「「「「お願いします!」」」」」」

 

…………なんで、なんでそんな顔が出来るの?

 

今日の練習内容は初心者には結構ハードなメニューをやらせた。

脱落者が出ると思ったけど、園田さん以外ぐったりしてかなり疲れてるぐらいで全部やり遂げた。

 

基礎は最低限出来てる、体力も予想よりある。

……きっとあの人がその辺で関わってるのね

 

 

『絵里ちゃん』

 

 

っ!?また出てきた……。

 

もう!最近あの人に振り回されてる!

仕方ない、一端優希さんのことは忘れて生徒会の仕事しなきゃ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、今日の授業の復習を終えて自分の部屋を出ると、亜里沙の部屋から鼻歌が聞こえる。

 

確かこれはあの子達μ'sの……。

 

 

「亜里沙」

 

「お姉ちゃん!」

 

気づいたら無意識のうちに亜里沙の部屋に入っていた。

いけないノックするのも忘れるなんて…………。

 

亜里沙は私が入ってくると片方のイヤホンを外して笑顔を浮かべてくれる。

 

「貸して」

 

「うん」

 

亜里沙は先程外した方のイヤホンを借りて左耳につける。

 

「私ね、 μ'sのライブ見てるとね、胸がカッーって熱くなるんだ。一生懸命で、目一杯楽しいそうで!」

 

 

確かに皆楽しそうな笑顔で踊ってる……。

 

「でも、まだまだね」

 

「それはお姉ちゃんに比べたらそうだけど

 

―――でも、元気が出るでしょ?」

 

亜里沙の問いに…………答えが出てるのに私は何も言えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やりたいからです!」

 

次の日、私は高坂さんに聞いてみた。

練習は辛くないのかと?

 

高坂さんはその問いにすぐに答えた。

 

―――やりたいから

 

「確かに練習は凄くきついです。身体中痛いです。でも、廃校にしたくない気持ちは、生徒会長に負けません!―――だから今日もよろしくお願いします!」

 

「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」

 

私は…………この場に居たくなくて屋上から走って出る。

 

 

今の私には……あの子たちは眩しすぎる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エリチ」

 

廊下まで来て走るのを止める。それとほぼ同時に良く聞き覚えのある声に呼ばれる。

 

「希……」

 

「ウチな、エリチは本当は何がしたいやろ?って。ずっと一緒に居ればわかるんよ。エリチが頑張るのは誰かのことばっかりで……。だからいつも何かを我慢しているようで、全然自分のことを考えていなくて」

 

嫌。今はそんなこと聞きたくない!

 

「学校を存続させたいって言うのも、生徒会長の義務感やろう!?だから理事長はエリチのことを認めなかったんと違う!?」

 

立ち去ろうとして私の足を止めさせる希の真剣な言葉

……そんなの薄々感じてるわよ

 

 

「エリチは……エリチが本当やりたいことは?」

 

 

「…………何とかしなくちゃいけないんだからしょうがないじゃない!私だって好きなことをやって、それで何とかなるならそうしたいわよ!」

 

頭の中で色んなことが爆発して、私の為に言ってくれた希に当たるように溜めていた不満をぶつける。

 

……希に当たるなんて最低ね私

 

「エリチ!」

 

ごめんね希、今は一人になりたいの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、折角早く終わったし、海未たちの様子でも見に行くか」

 

仕事が早く終わり、珍しく自分の車で自宅に帰ってる途中で思い付く。

 

学校説明会が近いから気合い入ってるようだし

 

そんなことを考えながら青信号の横断歩道を通過しようとすると、突然人が飛び出してくる。

 

「危なっ!」

 

俺は急いでブレーキを踏んで車を止める。

 

突然赤信号を渡るなんて何を考えてるんだ?

スピード落としてなかったらぶつかってたぞ

 

「ちょっと君!何を考えてるの!?…………あれ絵里ちゃん?」

 

車から降りて驚いて地面に座り込んでる学生に詰め寄ると、信号無視したのは絵里ちゃんだった。

 

どうしたの?

 

「うーん、とりあえずどこか行く?」

 

絵里ちゃんは何も言わずに頷くと立ち上がる。俺は助手席に絵里ちゃんを乗ってもらい車を出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫、絵里ちゃん?」

 

近くの公園の前に車を止めて絵里ちゃんを公園のベンチに座らせる。

 

先程まで泣いていたみたいで酷い顔をしている。

 

「…………」

 

無言のまま答えてくれない絵里ちゃん。

大丈夫じゃないか……。そりゃ大丈夫だったら車が来てるのに信号無視なんかしないか

 

「それでどうしたの?急に車の前に飛び出しても気づかないくらい動揺してたみたいだけど」

 

本当に驚いたよ。信号無視して誰かが出てきたと思ったら、絵里ちゃんだったんだから

 

「ちなみにお兄さんはこの後家に帰るだけだから、可愛い女の子の相談くらいにはのれるよ」

 

海未を励ます時と同じように優しく絵里ちゃんに喋りかけると、絵里ちゃんは重い口をあけて喋りだす。

 

「…………自分がどうしたらいいか、分からなくなって……」

 

「それは難しい問題だね……」

 

そうなった原因はきっとμ'sの皆か希ちゃんなんだろうな

 

「一歳しか違わない俺が言っても説得力ないかもしれないけど、人生何度か決断しなきゃいけない時がある。どっちを選択しても後悔するなら、少しでも自分が納得出来る方を選んだ方がいい」

 

「………………」

 

「ま、そんなの分かれば絵里ちゃんなら選んでるよね。分からないから悩むんだよな」

 

それが分かればここまで悩まない。そもそもそんなので選択できる程度の悩みは大したことない。

自分一人の問題で済まないからここまて悩むんだよな、絵里ちゃん。

 

「これは一つの意見。時は勝手に進んでいくものだから、流れに任せるのも良いかもよ。適当に言ってるわけじゃないからね、あくまでも一つの意見」

 

「そんなの適当なのは駄目です!私には生徒会長として、この学校を守る責任があります!」

 

そりゃそうか。良い方に転べば問題ないけど、悪い方に転んだら後悔しか残らない。

絵里ちゃんの性格からしてもこの選択肢だけは無いか

 

でもね絵里ちゃん

 

「それは生徒である君が負う物じゃない、理事長たち経営陣が負う物だ。強いて言うなら君が、君達が楽しく生活出来るように努力するのが、君のやらなきゃいけないことだ」

 

「だからって私が好き勝手やって…………音ノ木坂が廃校になったら!?」

 

「『怖くても、一歩踏み出してみる勇気!それこそが人類を繁栄させたのよ!』社長の親友さんの名言。そりゃ誰だって失敗したくない。でも、それで何もしないで後々後悔するより全力を尽くして失敗した方が良いと思わない?

それに今の君が『一人で』何やろうと廃校の結果は変わらない」

 

人間一人が出来ることなんてたかが知れてる。

誰かがいてこそ人は大きなことを成し遂げられる。

 

「生徒会の仕事と練習…………どちらも中途半端になったら」

 

「生徒会は希ちゃんや他のメンバーと頑張って。それでも駄目なら海未や真姫ちゃんにお願いして手伝ってもらって。あの二人は優秀だから作業が捗るよ。練習の方は放課後は全体練習して、夜は俺が直々に指導してあげる」

 

困ってるから助けてほしいと言えば、あの優しい二人は協力してくれるだろう

ダンスの方は俺が教えられることは少ないかもしれないけど、練習場所があるだけでいいだろう

 

「私に、出来ますか……?」

 

「自分で出来ると思わなかったら何も出来ない。でも、俺は絵里ちゃんなら出来ると思ってるよ。君は不器用だけど、やり方さえ出来れば案外なんでも出来るだけの能力はある。二週間くらいなら死ぬ気でやれば大丈夫だよ」

 

絵里ちゃんの頭を優しく撫でる。

でも、まだ頭の中で完全に答えを出しきれてないみたいだ。

 

「絵里ちゃん。生徒会長とかそういうのを全部抜きにして"絢瀬絵里"がやりたいことは何?」

 

真剣な表情で絵里ちゃんの顔を見つめる。

 

もう今の君なら分かるよ

 

 

「μ'sに……入りたいです。あの子たちと一緒に踊りたいです」

 

 

 

「そっか。ならまだ悩みはある?」

 

絵里ちゃんは首を横に振る。

なら次はその為に動こうか

 

「じゃあμ'sのみんなの所に行こ」

 

善は急げ。こういうことはさっさと終わらせるに限る。

 

「わ、私あの子達に冷たくあたってきたからどうすれば……」

 

流石に気まずいよね……。でもそんなことくらい越えてもらわなきゃ困る。

 

「『今までごめんなさい、これからよろしくお願い』じゃ駄目?」

 

「……頑張ります」

 

顔強ばってるよ絵里ちゃん。リラックスリラックス、そして笑顔だよ

 

「仕方ないから一緒に謝ってあげるよ。だから行こ」

 

そういって俺は絵里ちゃんの手を取る。

 

絵里ちゃんとあの三人の学院を存続させたいという目的は一緒だ。だが動機が絵里ちゃんは生徒会長の義務みたい感で、あの三人は自分たちがやりたいから

 

でも、今は自分の気持ちに従ってやりたいことをやろうとしてる。

ここまで付き合って、絵里ちゃんがやっとやりたいことを見つけられたんだ。応援したくなるだろう

 

 

「……あの……最後に一つ聞いてもいいですか?」

 

少し照れくさそうに聞いてくる絵里ちゃん。

 

「別にいいけど、なに?」

 

 

「こ、こんな私でも!…………応援……してくれますか?」

 

 

顔を真っ赤にして上目遣いで俺を見ている絵里ちゃん。

こんな可愛い顔も出来るじゃん

 

「君が本当に楽しんで笑っていたらね」

 

「えっ?そ、それってどういうことなんですか?」

 

「それは宿題。自分で考えて」

 

「むっ……いじわる」

 

「いじわるで結構。それより早く行くよ!」

 

俺は絵里ちゃんの腕を取り、自分の車の方に引っ張る。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!心の準備が!」

 

「車の中でしなさい。って言っても数分で着くけど」

 

じーっと隣の助手席で俺を睨む絵里ちゃん。

 

そんなことしてる暇があったら心の準備をしておいて方がいいと思うけどね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、音ノ木坂に戻った絵里ちゃんはμ'sの一員になった。それから希ちゃんも加わり、μ'sは九人になった。

希ちゃんの希望通りになって何よりだ

 

 

そして今日、俺は学校説明会でのライブを見に来た。

九人になっての初めてのライブ。

新しく入った二人が緊張してるんじゃないかと思ったけど

 

「楽しそうに笑えてるじゃん」

 

舞台で皆楽しそうに笑顔を浮かべながら歌っていた。

 

君たちが笑顔で笑えて良かったよ

 

 

頑張れ、皆

 

 

「さて、俺も仕事に行きますか」

 

 

俺はライブを最後まで見て音ノ木坂を後にする。

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます!

今後の話ですが、合宿の話は大体出来てるんですが、ミナリンスキーの話が全く出来ていないのでまた投稿の間隔が空いてしまうと思います。

出来るだけ早く投稿出来るように頑張ります!

感想や評価を心よりお待ちしております。

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