特に雪乃さん惚れそうな紅葉です!
番外編と違って、あんまり甘くないですがどうぞ!
9月5日、修正
理事長室のドアを開けて中に入ると、美人な女性が待っていた。
雰囲気が誰かに似てるな……。
「どうぞ、そちらにかけてください」
そう言われて俺はソファに腰かける。
「初めて、私が音ノ木坂学院の理事長をやっております南と申します」
「南……?」
あれ、確かことりちゃんも南じゃなかったけ?
もしかしてことりちゃんのお母さん?それにしては随分若く見える。三十代前半だと思った
「それでトップアイドルの神裂さんが何の用件で?」
「実は南さんにお願いがあってきました」
「お願い?」
「はい。明日の放課後、私に入校許可をください」
「……理由は?」
南さんが怪しい視線を送ってくる。そりゃそうだ、アイドルが何故か自分の学校に入れてくれって言ってるだもん
「南さんはμ'sって知ってます?」
「ええ、私の娘がやってますから」
あ、やっぱりことりちゃんのお母さんだったんだ。
ことりちゃんが可愛く育つわけだ
「私の幼馴染みがμ'sの一員なんです。なので初ライブを生で見たかっただけです」
「……もしかして海未ちゃんの幼馴染み?」
少し考えてから答えを見つける南さん
「よくわかりましたね」
「この間、神社でことり達に会ったでしょ?ことりが言ってたは『海未ちゃんに優しそうな幼馴染みのお兄さんがいて…………可愛いって言われちゃった。えへへ』って嬉しそうな顔で話してくれたわ」
そんなに嬉しかったんだことりちゃん。
君が嬉しかったなら俺も嬉しいよ。
「私があの三人で知らない幼馴染みは、貴方だけだったから」
「なるほど……。あ、海未以外の二人には内緒にしてください、あの二人は俺がアイドルって知らないので」
ま、いずれは教えるけどね
「わかりました。それで貴方のお願いなんですが、叶えてあげます」
「ありがとうございます」
「ただし!一つ条件があります」
出来る限り条件は受け入れよう。
何がくるか?やっぱり宣伝かな、この学校廃校の危機だし
「娘たちを見守ってあげてください」
先程の理事長の顔でなく、親が子を見るような笑顔でそうお願いしてくる南さん
やっぱり親子だな。
ことりちゃんと一緒で笑顔で相手を魅了する。
いい家族だ…………。
「それくらい頼まれなくてもやりますよ」
「そう。じゃあこれを渡すわ」
机の引き出しから入校書と書かれた腕章を渡してくれた。
「警備の人には言っておくからこれを明日付けててれば入れるわ」
「ありがとうございます。では、私はこの辺で―――」
「ちょっと待って!もう一つ個人的なお願いがあるんですけど」
俺が出ようとすると理事長が椅子から立ち上がり俺の腕を掴む。
「なんですか南さん?」
「こっちは個人的お願いなんだけど、今度ことりに服飾の勉強してもらえませんか?あの子お洋服に興味があるから」
んー、俺もあんまり詳しくないんだけどな。今度スタイリストの人にお願いしてみるか
「ええ、いいですよ。いつになるのかはわかりませんけど」
「ありがとう、決まったら直接ことりに伝えてください」
「わかりました、じゃあ今日は失礼します」
俺は理事長室のドアを開けて退室する。
今度は絢瀬さんか
私はあんな顔で人のことを話した娘のことりを見たことない。きっとことりは彼に特別な感情を持っている。
それが恋なのかは分からないけど
「ことり、お母さんに出来るのはこれくらいよ。まずは自分の気持ちに気づいて」
彼ならお母さんも応援するわ。頑張ってことり
「理事長とのお話は終わりましたか?」
理事長室を出るとすぐ近くに絢瀬さんがいた。
希ちゃんはいないから帰ったのかな
「待たせちゃってごめんね」
「いえ、無理を言ったのは私なので気にしないでください。では、行きましょうか」
また絢瀬さんの先導で歩きだす。
「ちなみにどこに向かってるの?」
「生徒会室です、今は誰もいないので」
確かに誰もいない方がありがたい
希ちゃんが居なくなった為、会話が全くない。
無言も嫌いじゃないけど、どうせなら絢瀬くらい可愛い子が笑ってたら良かったんだけどね。
その生徒会長の顔、止めた方が良いと思うんだけどね
結局、生徒会室まで無言だった。
中に入ると絢瀬さんは生徒会長の席に、俺はそれに向かい合う席に座る。
「それで絢瀬さんは俺に何をお願いしたいの?」
「一つは、妹が神裂さんのファンなんです。…………妹の為にサインもらえませんか?」
俺に恥ずかしいそうな表情で色紙とサインペンを渡す絢瀬さん。
入った時、真剣な顔してたからどんなお願いかと思えば……割と普通なお願いだな
あ、でも恥ずかしいそうにしてる絢瀬さんは可愛いかったよ。ギャップってだな
「別にいいよ。妹さん名前は何て言うの?」
「亜里沙っていいます」
「はいよ。…………それでもう一つは何?」
書き終わってから絢瀬さんに訪ねる。
たぶん、こっちの方が絢瀬さんには重要な用件だろうから
「……神裂さんは音ノ木坂学院が廃校の危機なのは知ってますか?」
…………それね
「知ってるよ」
「私は学院存続の為に生徒会で独自に活動したいと考えております」
「それで?」
「神裂さんにも協力してもらいたいんです。さらに言えば音ノ木坂で宣伝やライブしてほしいんです」
なるほどね……。
俺も海未の母校が無くなるのは嫌だから協力してもいいんだけど……。
「理事長の許可は?」
「…………ないです」
「日程、プログラム内容、場所は?」
「それもまだ決まってないです……」
バツの悪い顔をする絢瀬さん。
ちょっと意地悪な質問してごめんね。
普通は本人に許可を取ってからそういうのは決めるから決まってなくて当然だよね
「じゃあ無理だね」
「では次は理事長の許可を取り、ラフプランを作ってきます」
「あ、許可取ってプランを持ってきて駄目だよ」
「な、何故ですか!?」
俺の答えが予想外だったのか、立ち上がり机を叩いて答えを聞く絢瀬さん。
「君はさ……なんで音ノ木坂を廃校にしたくないの?」
「自分の母校を廃校にしたい人間なて居ると思いますか?
私は生徒会長として音ノ木坂を守らなければいけないんです!」
やっぱりそういう思いでやってるんだ……。
それじゃあ俺は協力しないし、第一にそんな気持ちじゃ理事も許可してくれないと思うよ
「俺は『音ノ木坂の生徒会長の為』に協力したくないな」
「音ノ木坂の生徒会長に何か恨みでもあるんですか!?」
俺の目の前まで胸ぐらを掴みそうな勢いでやって来る。
自分の母校がバカにされたと思っただろうな
「えっと、何か通じてなさそうだな……。俺は音ノ木坂のこと嫌いじゃない、むしろ大事な奴が通ってるから好きだよ。もちろん昔、生徒会長と何かあった訳でもない」
生徒会長が誰だったかも知らないし
「…………じゃあどういう意味ですか?」
さっきより落ち着いた絢瀬さんが胸ぐらを離して真剣な眼差しで聞いてくる。
「君が学院存続の為に生徒会で活動したいのって、『生徒会長』としての義務みたいな感じでしょ?」
「はい」
「それが絢瀬さんに協力したくない理由。ついでに言うと、結構お仕事で忙しいし俺を呼べると思う?
悪いけど、普通に呼ぶんだったら結構高いよ
「そ、それは…………私が神裂さんの為に何でもします」
その辺は考えていなかった絢瀬さんが、慌てて出した答えはとんでもなくアホなことだった。
「何でも?…………じゃあ君が欲しいって言ったらどうする?」
先程の雰囲気とは違う雰囲気で俺は立ち上がり、壁まで絢瀬さんを追いやる
「特に…………君の身体が」
追いやった絢瀬さんの耳元でそっと呟く。すると絢瀬さんの身体が少し震えだす。
やり過ぎたね
「ごめんね、怖がらせて」
元の雰囲気に戻してから俺は、怖がらせないようにそっと絢瀬さんの頭を優しく撫でる。
海未ならこれで恐怖が解けるんだけどな
効果はあったようで、ずっと下を向いていた絢瀬さんが顔をあげる。
「これでわかったでしょ、自分を大事にしなきゃね。絢瀬さんは可愛いし綺麗なんだから『何でもします』って言ったら本当になにされるかわかんないよ」
「……はい」
絢瀬さんが小さな返事をする。
震えも収まってるし大丈夫かな
「それに君が犠牲になって学院を救ったとしても、君が犠牲になった時点で音ノ木坂学院に価値は無くなる」
「……はい」
これで廃校を阻止しようとして危ない真似はしないだろう
「さて、ごめんね絢瀬さん。時間切れ。これからお仕事があるから」
「いえ、こちらこそお時間を取らせてしまい申し訳ないです」
「あ、そうだ、絢瀬さん携帯今持ってる?」
「はい、持ってますけど……」
絢瀬さんが自分のカバンからスマホを取り出す。
「じゃあ赤外線してもらえる」
不思議そうに俺を見る絢瀬さん。普通ここまできたら何やるかは分かると思うんだけど……
あ、送れた
「これは……」
「俺の『プライベート』の携帯の番号とアドレス。今日君のお願いを断った理由、もしくは君の『本当にやりたいこと』が見つかったら連絡して」
これは単純に俺の興味だ。
彼女がどんな答えをだすかの。あとは、海未達も生徒会長とはスクールアイドルをやる以上関わることになるだろうからや役に立つと思って渡す
「アイドルじゃない俺に相談でもいいよ」
「か、考えておきます」
突然アイドルのプライベートの番号を知ったからか、若干戸惑っている絢瀬さん。
海未と反応が似てて可愛いな
「俺ね、色々なこと言ったけど結構君のこと気に入ってるんだ。何かの為に頑張って努力する人が好きなんだ。だから君も応援してる。頑張ってね『絵里』ちゃん」
不器用だけど頑張る美少女って…………自然と応援したくならない?
「はい、亜里沙にプレゼント」
あれから家に帰り、神裂さんのサイン色紙を亜里沙に渡す。
結局、あの人が言った言葉の意味はよく分からなかったけど
「あ!これ神裂優希さんのサイン!?ハ、ハラショー」
色紙を見た瞬間、何度も目を擦り驚く亜里沙
私、普通に貰ったけど…………凄い物なの?
アイドルのサインの価値を私よく知らないんだけど
「ありがとうお姉ちゃん!……でもどうやってもらったの?」
満面の笑顔で私にお礼を言う。その後、疑問に思ったのか可愛らしく首を傾げる。
そこまで喜んでもらえたら私も嬉しい
「偶然、話をする機会があったの。そこでサインをお願いしたら貰えたの」
「凄いねお姉ちゃん!神裂さんってほとんどサインしないらしいから」
「へぇ~」
じゃあやっぱり私気に入られてるのね。
そういえば迫られた時は怖かったけど頭を撫でられた時は…………良かったな。
頼りになる先輩って感じよね…………もし、あの人が居たら音ノ木坂もなんとかなったかもしれないわね……って!そんな弱気になったら駄目よエリーチカ
私がしっかりしないといけないんだから!
「お姉ちゃん大丈夫?さっきから赤くなったり、嬉しいそうな顔になったり、色んな顔をしているけど?」
「だ、大丈夫よ亜里沙」
そんな顔してのね私…………もう全部あの人のせいだ。
今日は何も考えずに寝よ。……そして明日から色々考えよ
読んでいただきありがとうございます!
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