安心院さんと炬燵に入って蜜柑を食べつつ駄弁りながら物語を傍観するだけの簡単なお仕事。因みに時給2500円   作:惰猫

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第一話 安心院さんと炬燵に入って傍観する一話目

いや~いい仕事だね。

こんな美人と居つつ、傍観するだけのお仕事って最高じゃね?

 

「ねぇ?なじみさん」

 

「そうだね」

 

「おおう、冷たい」

 

俺が一方的に喋り続けるのだ。

それを適当に返すけども、俺がわざわざ続ける。

今はこんな感じのサイクルをエンドレスで行っている。

 

「お、動き始めたみたいだねぇ」

 

『世界は平凡か?未来は退屈か?現実は適当か?』

 

世界は割と異常で溢れていて、未来は挑戦を続けることで作り出せて、

現実はきっと面白いほどに人の意思に操られている。

俺が安心院なじみと出会ったのは必然的な偶然で、これもまた誰かの意思によって操られている。

 

『安心しろ。それでも生きることは劇的だ!』

 

どうやら歯車は回り出したようだ。

この黒神めだかというメインアクターの一語一語が物語の要らしい。

 

「なじみさん、紅茶淹れてこようか?」

 

「うーん、そうだね。頼むよ」

 

「了解です」

 

俺の仕事其の一【料理】

なじみさんは何でも出来る故に何もしたくないらしい。

紅茶やクッキーも指パッチン一つで出てくるんだから驚きだ。

兎に角面倒らしい。

 

「ダージリンでいい?」

 

「うん」

 

それにしても、美人は何やってても美人な訳で。

俺がこの人と居るのは完全に場違いだよな。

 

「ポットとカップと皿はここで、たしかティーパックはここに……」

 

有った有った。

それにしても、なじみさんタレてますなぁ。

 

「正直、最近めだかちゃんを観察してても面白くないんだよね」

 

「球磨川くんでも観てたら?」

 

「誰が好き好んで顔を剥がそうとした奴を観察するんだい?」

 

「え?なじみさんならしそうなもんだけど」

 

「君にとっての僕はどんな感じなんだい?」

 

「人格破綻且つ厨二な美人」

 

「なるほど。喧嘩なら買うよ♪」

 

「やめてくだしあ」

 

全く、聞かれたから答えただけだろうに。

そんなんだから球磨川くんに顔を剥がされかけるんだよ。

 

「でも、正直助かったよ。あの時は」

 

「ま、封印されかけてたしね」

 

偶然俺が通りかかって、偶然俺が馬乗りされてるなじみさんを見つけて、偶然使えるようになったスキルを使って、偶然助けることが出来たんだよな。

 

「ご都合主義にも程があるよね。全く」

 

「ま、偶然俺のスキルが対異常者&過負荷用だったからな」

 

「でもそれ本気でチートだよね」

 

「存在がガチートのなじみみさんだけには言われたくないね」

 

因みに俺のスキルは劣化贋作。

劣化させた分だけ上乗せすることができる。

つまり、過負荷はらば下位互換できるということだ。

球磨川くんの大嘘憑きは俺が更に劣化させ、無いことすら無いことに出来るようにした。

つまり、テストが楽勝になるということだ。

 

「やったね、なじみちゃん!」

 

「おい、止めろ」

 

ま、何だかんだでこう言う無駄な会話は俺は大好きだ。

例えそれが何の役にも立たない本当の戯れ事だとしてもね。

 

「あ、そう言えば球磨川くんと黒神さんのなじみさんの好感度ってどれくらいなの?」

 

「そうだね……。他の人間以上虫以下かな」

 

「うわぁお、辛辣。じゃ、俺はどう?」

 

「ん?最初から好感度はMAXだけど?」

 

「へ?」

 

「へ?」

 

……なるほど。聞き間違いか。

それにしても、そんなに俺って愛に飢えてるのかな?

 

「そうでもなければ幾ら僕といえども三年間も一緒に居れないぜ」

 

「うむ、正直嬉しすぎて発狂しそうだわ」

 

「じゃ、発狂すれば良いんじゃないかな?」

 

「其処は止めろよ」

 

「いや、別に好きにすれば良いと思うしね」

 

「辛辣だね」

 

「辛辣じゃないさ。唯のツンデレだよ」

 

「ハイハイ、ワロスワロス」

 

それにしても人吉くんと黒神さんはまるで涼宮さんとキョンくんみたいだな。

 

「別の世界の人物名を出すのは程々にしてくれよ?唯でさえコレも若干危ないんだからさ」

 

ですなぁ。

つっても、ココで出る名前は○を間に多めに付けたりして人物名出す気ですけどね。

 

「その巫山戯た考えをぶち殺す!」

 

「グハッ」

 

何もスキルで強化して殴らなくても良いのにね。

ま、それでもピンピンしてるわけなんだけどもね。

 

「それにしてもなじみさんや」

 

「なんだい?」

 

「いや、何時介入するつもりなのかな?と思って」

 

「……?介入なんてする気ないけど」

 

……ま、いいか。

俺のモットーは平々凡々並々の日常を送ることだからな。

つっても八年くらい前までは平凡すぎてつまらなかった訳なんだが。

 

「なじみさんと居られるんならそれでいいや」

 

「それで良いなら時給は無くしてもいいかい?」

 

「いや、それは俺の漫画代やらコミック代やらラノベ代やらゲーム代やらCD代に使うんだから」

 

「それでも一時間2500円は鬼畜じゃないかな?」

 

「なじみさんがそんなモンで懐が痛むとは思わないんだけどね」

 

「ま、そうなんだけどさ」

 

……何でわざわざ天井に引っ付いてるのかに突っ込むのはなじみさんの思うつぼなので止めとこう。

……ダブルピースつけてもダメだぜ?俺は絶対に突っ込まない。

 

「じゃ、ファ○チキ買ってくる」

 

「急だね」

 

「それが俺ですよっと」

 

「そうだったね。じゃ、僕はサンドイッチを要求する」

 

「なら、サンドイッチ作ってから行くわ」

 

「了解」

 

それではレッツクッキング♪

-テッテテテテテ♪テッテテテテテ♪テテテン♪テテテン♪テテテン♪テテテン♪テテテテテン♪

 

「ウルトラ上手に出来ました♪」

 

「ねぇ、そのセリフと効果音文字稼ぎにしか思えないんだけど」

 

「メメタァ」

 

「それを言ったら君の地の文なんて誰に向かって言ってるのさ」

 

「え?画面の向こうの人だけど?」

 

「メメタァ」

 

さて、どうしたものか。

……何か忘れているような気がするけど、まあいっか。

 

「君の脳はティラノサウルス並の記憶力しかないのかい?」

 

「ま、良いじゃん。早く炬燵に入ろうぜ」

 

「僕は既に入ってるんだけどね。あ、蜜柑ついでに取ってきてよ」

 

「俺はなじみさんの手足じゃないんだぜ?」

 

全く人を奴隷みたいに扱うんだから……。

ま、それは俺の心の中に潜めておいて、ここで自己紹介でもしようかな。

俺の名前は佐藤光一。

つっても何処ぞの56億の世界を救うバカとは別の人間だぜ?

そうは言っても俺の能力はまるでそのままだけどな。

 

「取り敢えず蜜柑はこのカゴに入ってるのでいいよな?」

 

「オッケーだよ」

 

「……ほれ」

 

「……君って無自覚に優しいよね」

 

「そうか?」

 

「わざわざ皮を剥いて渡すって」

 

……?

ま、それは天井の空いた空間に置いておくとしてこれからどうなるのか楽しみだな。

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