電脳世界の吸血鬼   作:世桜

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今回の話を一言で表すなら、
リーファ「解せぬ」
ですね。
あ、ユウキのキャラ崩壊注意ですので。


VRMMOの無い普通の生活

「それにしても久しぶりだね今日夜。最近は何してたの?」

 

木綿季をうちに招待して肉じゃがを二人で食べていたら木綿季がそう言ってきた。

 

「ん、最近は……リハビリとかあとは学校の入学手続きとかだなぁ」

 

「ふーん、やっぱりリハビリって辛い?」

 

「おいおい、それはお前が一番知ってることだろ?いつも見に来てたんだからよ」

 

「へへ……それもそうだね」

 

コイツ、紺野 木綿季は俺に依存していたらしい。詳しくは俺も知らない。ただ木綿季は目の前で姉を失いそれに続いて両親も失った。そのせいだろう。と医者は言っていた。だけどもそんな行動をしていたようには思えない。俺が出掛ければ必ずといっていいほど出掛け先に木綿季がいたり、小学校でもよく俺と一緒にいたし、俺の布団に入り込んできたりもあったし、たまにトイレにも乗り込んで来たりしたがまぁ、俺の勘違いだろう。

 

「それで、明日はお店やるの?」

 

「あ、う~む、午前中と午後の2時まではやるかなぁ」

 

ちなみにだが俺の家はお菓子屋を経営している。前は父さんと母さんがやっていたのだが二人ともこの世を去ってしまい今は俺が店長をしている。以外と人気らしく、お客さんも結構いる。

 

「ほんと!?だったらボク、ギャンブルパフェ予約ね!」

 

俺は木綿季の頭にチョップを叩き込んだ。

 

「痛い!なにするの!?」

 

「アホか。幼馴染みだからって特別扱いできるかってんだ。キチンと並んで買え」

 

「うー。……はーい」

 

「よろしい」

 

ちなみにだがギャンブルパフェってのは俺が作ったパフェのことだ。当たりから外れまで様々な味があるぞ?

 

「あ、ねぇ今日夜。明日なにか予定ある?」

 

「明日か?う~む、午前中と午後の2時までは店をやるし、3時からは約束があるからなぁ。わりぃな、明日は予定が有りまくりだわ」

 

「えー。せっかく遊園地のチケット持ってるのに……」

 

木綿季はそう言って頭と目線を下に向けた。落ち込んでいるようだ。

 

「……ハァ。分かったよ。明日は無理だが明後日なら行ってやるよ。まだ何も予定は入ってないしな」

 

「ほんと!?ありがと今日夜!」

 

「おう。……てかよ、俺以外のヤツでも誘って行ってきたらどうなんだ?」

 

「えー。今日夜以外の人なんて一緒に行ってもチケットの無駄だよ?」

 

「アホか。それはやったことが無いからそう言えるんだ。一回位行ってこいよ。弁当でも作ってやるからよ」

 

「……分かった。明日にでも友達誘ってみる」

 

「おお。そうかそうか」

 

俺は木綿季の頭に手をのせてゆっくりと左右に動かした。俗に言うナデナデってやつだな。

 

「……ふっえ??」

 

何故か木綿季を見ていると親心ってヤツをくすぐられるな。まぁ俺、親ですらないんだけどよ……。

 

「キチンと成長してんだな。そうやって自分の和を広げていけよな。そんまま俺みたいなヤツじゃないお前にあった王子様を見つけてこいよ。……ほら、食器片付けてやるから貸せ」

 

「……あ、うん。ありがと」

 

俺が木綿季の食器を受け取って洗っている間も木綿季は椅子から立たずに自分の頭を触ったり、撫でたりしていた。……髪の毛でも崩しちゃったか?

食器の片付けが終わりチラリと時計を見たら針は夜の9時を指していた。

 

「っと、木綿季ー。もう9時だからそろそろ家に帰ったらどうだー?」

 

「……え、9時?」

 

「おう。俺もそろそろ明日の仕込みしたいからよ。いても意味ないだろ?」

 

「ヤバい!今日9時半から約束あるのに!?バイバイ今日夜、また明日!」

 

「お、おい!」

 

声をかけるも間に合わず木綿季は玄関から飛び出していった。

 

「……クッキーでも持たせようとしたんだがな。まぁ、いいか。やれやれ……そんじゃ、仕込みでも始めますか」

 

そこから一時間ほど明日のために仕込みをしていたら電話がなった。

 

「誰だ?こんな時間に電話してくる人なんて知り合いにいたっけ?」

 

疑問を持ちながらも俺は受話器をとった。

 

「もしもし、灯です」

 

[も、もしもし桐ヶ谷です!ええっと、きょ、今日夜くんいいますか?]

 

「ん、その声は直葉か。俺が今日夜だが。どうしたんだ?凄く口が回ってないようにきこえるが?……それで、こんな夜遅くにどうしたんだ?」

 

電話の相手は直葉だった。

 

[え!今日夜くんだったの!?ごめんね気付かなくて!!えっとね、用事ってほどのものでもないんだけどね、いまからALOに入れる?]

 

……口が回ってないことうやむやにされたな。

 

「あー、悪いけど無理だ。明日の仕込みしてんだ。何か大切な事か?」

 

[うんうん!大丈夫大丈夫!仕込み頑張ってね!それじゃあまた明日!」

 

「おう。また明日な」

 

そう言って受話器を置く。

 

「……なんの電話だったのかなぁ?ま、いいか。って、ヤベェ!鍋が吹いてる!あんこが!あんこぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

その後、無事だったあんこを使って団子を作ったり、八ツ橋を作ったりして無事に仕込みが終わって風呂に入り歯磨きをして寝ることができた。

店開くの久々だけどお客さんきてくれるかなぁ。ま、明日になれば分かるか。お休み、父さん、母さん、木綿季、キリにぃ、アスねぇ、直葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間が過ぎて今は翌日の午後2時少し前。俺は予想以上に来たお客さんをさばいていた。

 

「―――ロールケーキにチョコクッキー三枚セット3つ。合計4点のお買い上げで840円になります。……はい、1000円お預かりします。160円のお釣りです、どうぞ。次の方どうって、なんだ木綿季か」

 

「なんだってのは酷くない?」

 

「別にいいだろ。んで、何買いにきたんだ?」

 

「あ、ボクが買いに来た訳じゃないんだ。……ほら、どうしたの?おいで」

 

木綿季がそう言うと後ろから1人の女性が出てきた。

 

「ALOってゲームで知り合ったんだ。紹介するね」

 

安 施恩(アン シウン)と言います。よろしくお願いします」

 

ALOで知り合った。これを聞いた俺の顔が歪んでなければいいが……。

 

灯 今日夜(ともしび きょうや)っていいます。一様ここの店長やってます。あと木綿季の幼馴染みもやってます。コイツが迷惑かけるかも知れませんが仲良くしてやってください。よろしくお願いします」

 

「ねぇ、なんで今日夜の自己紹介でボクがディスられてるの?」

 

「気のせいだ。それで、一体何をお求めで?」

 

「……え、あ、ケーキ1ホール貰えますか?」

 

「分かりました。味はどうしますか?」

 

「えーと、それでは苺ショートケーキを」

 

「承りました」

 

俺は作っておいた苺ショートケーキのホールを取り出して箱に詰めていく。

 

「どうぞ」

 

「ありがとうございます。おいくらでしょうか?」

 

「苺ショートケーキのホール1つなので、2700円になります。……はい、ちょうどお預かりします。こちらレシートになります。ありがとうございました」

 

「ふふ。接客業も大変なんですね」

 

「まぁ大変ですね。それでも自分がやりたくてやっているので他人よりは少し楽な気はしますけどね」

 

「そうなんですか。ケーキ、ありがとうございました。頑張ってくださいね」

 

「はい、ありがとうございます。……ほら、木綿季。早くいかないとおいてかれるぞ?」

 

「え、わ!まってまって!」

 

木綿季はそう言って安さんを追いかけていく。……ふぅ。何にも聞いてこなかったってことはやり過ごせたのか?まぁ、いいか。やり過ごせてないときはそのときだ。時間も時間だしそろそろ店しめようかな。

店のドアにかかっている札を表(open)から裏(close)にして、黒板を店にしまい、ドアを閉じた。そのまま窓などもキチンと閉め、それを確認したら俺は部屋に戻り頭にナーヴギアを被り例の言葉を言った。

 

「リンク……スタート!」

 

昨日と合わせてSAOが終わってからの2度目のダイブになるなこれで。




オマケ~電話時の桐ヶ谷家~

「う~ん。……どうしよう」

「スグ、何か分からないけど悩むのはいいんだが出来れば俺の部屋は止めてくれないか?」

珍しく俺が勉強をしていたらスグが部屋に入ってきて相談があるらしいとのことで部屋にいるのだがさっきからこの調子だ。……ちなみに上のやり取りはあれで5回目だ。

「……ハァ。スグ、何で悩んでるんだ?一人で溜め込んでも良いことはないぞ。ほら、俺に話してみろよ。力にはなれるかは分からないけどラクにはなれると思うぞ」

「……分かった。えっとね、お兄ちゃん。実は―――」

俺はスグの悩み、そして恋心を聞いた。アスナという恋人がいる俺としてもなにかアドバイスをしてあげたいのだが、言葉にまとめられず俺の口から出たのは自分でも驚く一言だった。

「もうさ、今日夜に電話でもしてデートに誘ったらどうだ?電話する理由はALOでの飛行戦闘のやり方を教える。って感じでさ」

言っていても流石に断られるだろうと思っていたがスグの反応はそうじゃなかった。

「そう、だよね。積極的にならなきゃ振り向いてはくれないよね。うん、分かった。電話してくる!ありがとお兄ちゃん!」

スグはそう言って俺の部屋から出て下に走っていった。
まぁ、本人が良い。って言ってるしいいか。俺も勉強の続きでもするかな。
そう思い勉強を再開して数分たったらまたスグが部屋に入ってきた。

「……どうしたんだ、スグ?」

「……断られた」

……ハァ。まったく。これじゃあ今日は勉強出来そうにないな。
俺は寝るまでの時間をスグをなだめるために使って今日は終わった。
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