『
目が覚めると、ヒカルは見たこともない部屋の中でした、自分の立っている場所が透けていると気がつくと、思わず目眩がしそうになりました。
しかし、足場がちゃんと踏み締めることの出来るものだと気付けば、何とか尻餅をつくだけですみました。
知らない場所で気を失えば、いつ命を落としても不思議はありません。
ヒカルはまず、自分が何故ここにいるのかを考えましたが、答えは見つかりません、次にフレンドリストを開き少年に相談しようとして気付きます。
現在地『追跡不可』
な、何…これ…。
何度、メッセージを送信しても、応答はありません。
転移結晶も使用禁止エリアのようで使えませんでした、何がどうなっているのかわかりませんでした、目の前には大きな黒い石碑だけがあります。
出口らしきものは見当たりません、転移門らしきものもありません、ヒカルは仕方なく石碑を調べてみました。
石碑に触れると、パァと青白く発光します。
そこには何かのリストが並んでいました、何か脱出する手段は無いかとリストを覗きこむと、気になる一文が目に留まりました。
そこには次のように書かれています
このコンソールを操作出来る者へ、以下の項目を解放する。
ヒカルは光に包まれ
『ホロウミッションマップ』
と
『実装エレメント調査リスト』
の2つがメインメニューに追加されていました。
ホロウミッションマップの方は全く知らない場所で、何層のどの場所かも分かりません。
実装エレメント調査リストの方は、何かのクエストのようなリストが見受けられます。
ヒカルは幾つか内容を読んでみましたが、どうやら条件があるらしく初めは選択できない項目もあるようです、試しに危険の少なそうな生産系スキルの項目を選んでみました。
特に変化はありませんでした、次にメニューから簡単なアイテムを作ってみたところ。
ファンファーレと共にリストの項目が更新されます、コンソールで操作してみると、今の項目をアインクラッドに実装するかの選択肢が表示されました。
ヒカルは迷いましたが、実装するとどうなるのか気になってOKボタンを押してしまいます。
これにより、ヒカルのスキルリストは今まで修得していたものが一旦リセットされ、新たに修得し直さなければならなくなりました。
幾らMobの湧かないエリアでも、流石にこれには驚きました、今戦闘エリアに行けと言われたら、それは死にに逝けと言われているようなものです。
ヒカルは、軽はずみな判断を後悔しましたが後の祭りです。
不意に背後で床が光ります、それはタイルだと思っていた部分が転移門として機能をする事を意味していました。
試しに転移と唱えると、行き先を指定してくれとばかりに光が強くなりました。
帰れるんだ、良かった…。
はぁ…と、溜め息をつくと同時にヒカルは血盟騎士団のギルドホームへ戻りました。
しかしそこで待っていたのは、少年でも自分の部屋でも無く、あの執務室でした。
見覚えのある執務室に現れたヒカルは、やはり見覚えのある男性と目を会わせます、お互いに信じられないものを見たような顔になり、一時的に世界から時間の概念が無くなったようです。
真紅の騎士甲冑を身に纏い、男性は告げます。
こんな夜更けに探検でもしているのかな?外には見張りを立たせてある筈だが、それより君は回廊結晶も使わずにどうやって此処へ来たのかな?
ヒカルは、何と言ったものか困りました。
目が覚めたら、知らない場所に居て転移結晶も使えず、仕方なく目の前にある石碑を調べてみたら、何かのクエストを受けられるようになって、それをこなしたら床の転移門が使えるようになり、帰れるんだと思ったら此処へ来てしまったこと。
リストの実装によりスキルリストがリセットされてしまったこと、すべて目の前に居る男性に話しました。
すると男性は、独り言なのか何やら呟いています。
……まさかこうも早く見つかるとは
ヒカルには聞き取れませんでしたが、とりあえず怒られることは無いようです、部屋まで送ろう、そう言われて自室まで送ってもらいました。
見張りには見つかりませんでした、何故かその時は見張りが立ったまま眠っていました。
部屋まで戻ると、少年はまだ寝ていました、とても可愛い寝顔です。
頬っぺたに触れてみると、ぷにっとした感触とともに、少年は寝返りを打ちました。
息も穏やかで、起きそうもありません、仕方がないので次の日に話そうと思い、自分も休むことにします。
そういえばスキルがリセットされてしまったので、また足引っ張りになってしまうな、そんなことを考えながら眠りに着きます。
ホロウフラグメントの部分をねじ曲げて入れてみました、徐々にアニメ本編から逸れていきます。
この先、ヒカルはどのようにスキルを取り戻すのか、または取り戻さないのか。
ヒカルが実装してしまった項目はオリジナルです、ゲームには登場しません。