何層目を攻略し終えた頃からだろうか、第1層の黒鉄宮に地下迷宮への入り口が開かれたのは?
アニメ1期のある場面では、アインクラッド解放軍キバオウがファーミングに失敗したダンジョンの最奥へと出口を設定した回廊結晶で、シンカーをMPKしようと画策した。
しかし、この世界では別の展開になるのは言うまでもない、主人公がキリトではなく、またサチが現時点においては未だ生存しており、リズベットへの紹介者がアスナではなく、ユニークスキルを含めて原作との展開は異なる。
ダンジョン内にはスカベンジ・トードというカエル型モンスター、倒せば食材としてその肉が手に入るという、アニメではオブジェクト化された物を次々に投げ捨てられ小説では一括ドラッグによる無情なる破棄、しかし食材として設定されている以上調理は可能なはず…キリトとしては食べてみたかっただろうことは想像に難くない…。
時間を少し巻き戻そう
ヒカル達3人だけの快進撃は瞬く間に、と言うのは大袈裟ではなくホロウエリアをそして階層攻略を幾つかこなした、と言うのもヒースクリフの絶技があってこそだろう。
ヒカルのそれは確かに有用ではあったが決め手には欠け、元少年のそれは決め手はあっても持久力、主に守備の面で欠けていた、対して血盟騎士団の団長ことヒースクリフはまさしく鉄壁である。
この世界ではヒースクリフの大盾は事実上破壊不可であり、それを操るヒースクリフの技量と相まってこれ以上無い守り手となる、しかしそれも常の戦い常の相手にあれば、である。
決して鉄壁とは無敵に在らず、対象が複数ではなく尋常なる勝負においては敗けはないだろう。
そう、このようにして…。
『…ッ!…クラディール…コレは…どういう事だ…ッ!?』
『ヒャハハハハハハハハッ!甘ェんだよ!騎士団長様よぉ!確かにアンタ強ぇよ!普通にデュエルしても闇討ちしても勝てる気がしねぇ!』
そこで顔を大きく隠した手を僅かにズラし、より正確には指の隙間をやや開く、その瞳で地に伏すヒースクリフを睨む、口の端をチロリと蛇のように舌を出して。
『…だがな…俺も馬鹿正直にヤってやるつもりはねーよ、アンタの強さの大半はあの大盾だ、アレさえ無けりゃあ恐れることはねぇ!悪いが拘束させて貰うぜ?』
『…クッ』
『…心配すんなすぐには殺しゃしねぇ…他のギルドも今頃は…クククク』
ヒカル達がキャンプから戻るとアスナからメールが届く、それを受け教会に集まる、メールにはヒースクリフ及び各ギルドリーダーも行方不明となり、アルゴを含め情報収集に長ける者は既に動き出していた。
『ヒースクリフが!?』
元少年は驚きを隠せません
『それだけじゃないの!他のギルドリーダーも行方が今朝からわからなくて、みんな情報収集に駆けずり回ってる!』
アスナからは切迫した雰囲気がありありと伝わりました
『団長程の人が…ううん、他のギルドもリーダークラスなら団長程でないにしても、いきなり居なくなるなんてあり得ない…』
ヒカルも団長への信頼そして同じくギルドを束ねるプレイヤーが消えることの疑問を口にします
『いったい何がどうなってんのよ?悪い冗談にしても出来すぎてない!?』
リズベットは訳がわからないと言った感じです
『不幸中の幸いか俺ぁ無事だったけどよ…』
心中複雑なクライン
『兎に角お前だけでも難を逃れられて良かった、だが油断するな、ギルドリーダーが…それも攻略組のトッププレイヤーが揃いも揃って消えるなんて…前代未聞だ!』
『そうだね、アスナさん今サブリーダー達に護衛は着いてるんですか?』
『ええ!私は外に待たせてるけど他のギルドも可能な限り複数人で行動しているわ!』
『とは言っても手詰まりよね?サブリーダーが信用出来ない訳じゃないけど』
『生命の碑の確認は?』
『そっちは異常無しだ、俺の仲間も手伝って確認してきた。』
『…あの、皆さん、少し休憩しましょう?…そんな場合じゃないかもしれませんけれど』
場所の提供、と言うには押し掛け半分、サーシャの好意で間借りしていた。
『そうですね、私簡単な調理ならお手伝い出来ます。』
ヒカルもサーシャに同意しキッチンへと向かいました
『なら私もなんか手伝ってくるかな、調理スキルが無くても何もしないよりは、ね?』
言ってリズベットはアスナにウインクします
『…そうね…気を張り詰めててもいざと言うとき集中力を欠いたら命取りだわ…私も手伝います!』
『俺等は待つか!』
『…だな、果報は寝て待てって言うし。』
クラインに頷き実際に横になろうとした、しかし身体は言うことを聞かず頭は休むことがない、何故いきなり?いや…行方不明者は以前から出ていたらしい、しかしそれは…ヒースクリフ達ですら手に負えないような理由があったのか?…あのヒースクリフが?
『お待たセ』
『ああ、ありがと…う?』
『何やってんだ?お前ぇら?』
見るとそこにはアルゴの差し出す手を握り締めた元少年と、ハニャニャニャニャ~!と異音を口にするアルゴが居ました。
『ち…違うんだ!コレはお茶か何かが差し出されたと思って!』
『…だ…大胆過ぎ…だヨ』
フーデッドケープではなくチュニックドレス仕様の少女は顔を真っ赤にしてうつ向いていました、傍目にはタイが曲がっていてよ?と言った台詞が聞こえてきそうな構図。しかしリアルも女性のプレイヤーとリアルが男性のプレイヤー、事情を知る者からすれば、何良い雰囲気醸し出してんだよおめーら!…と言った感じです。
ガシャン!
『!?』
扉の前にはヒカルをはじめとする女性陣の硬直した姿が、圏内なので怪我は無いでしょうがたった今持ってきてくれたであろうお茶やお菓子は、無惨にもポリゴン片へと変わり、消えていきました。
『…どういう…こと…かなぁ?』
ヒカルのそれは壊れたラジオのように震えた声しか出せませんでした、元少年の顔がみるみる蒼白になっていきます。
『…さ…サチ?』
キュイーン、何かの起動音、何かのライトエフェクト、誰かの呻き声、そして…バタリ、と誰かが倒れ伏す音が1度に起きました。
その後誤解が解けるまで終始無言、誤解が解かれてからはワタワタとゴメンなさいを連呼するヒカル、クラインはすっかり尻に敷かれてるな!と上機嫌。アスナはこの子は怒らせない方が良いわね、リズベットはニッシッシッシッと笑い、サーシャは苦笑い、アルゴは何処か照れが抜けきらず、そんな一時の和やかなお茶会…。
『ふぅ喰った喰った!』
『ごちそうさまでした、色々と!』
クラインが腹を叩きリズベットがニヤリと一瞥、ヒカルとアルゴがあうぅと顔を赤くし、元少年はと言えば頭を抱えていました。
『…ゴホン!…それで、アルゴさん。』
『ああ、間違いなく、ラフコフが絡んでるナ。』
『…
アレ?オリ設定で出すと言っていた話何処行った?…はい、延期させて下さい、すみません。
次々回くらいには、たぶん…。