ギルド『月夜の黒猫団』結成の翌朝
ヒカルを含め5人で狩りをしていると、下層でありながら他と雰囲気の異なる人物に出会う。
素人目に見ても、その人が強いと分かる。
そこにはまるで自分達のギルド名と同じ、黒猫のような少年が居た。
ヒカルは何故かその少年が気になった、自分より年下であろう少年に興味本位ながら声をかけることにした。
あの、強いんですね、下層とはいってもこの辺りのMobは少し強いと思うんですけど。
知らず自分の口から聞いたことも無い単語が出てくる、自分ではない少女の声音で。
声をかけられた少年は面倒臭いという風でもなく答える
あぁ、この辺りは最前線からは離れてるから、素材集めの邪魔が入らなくて良いと思ったんだ。
言いながら、一言区切る毎に次々と野生動物を駆逐していく。
ヒカルはそれを聞き、理解するまでに数瞬かかって反応する。
さ、最前線、攻略組の方だったんですか。
またも知らない単語が口から出る、ヒカルは疑問に思いながらも夢の住人である以上自由はない、紡がれる言葉はしかしヒカルのものではなかった。
良かったら私達と一緒に狩りをしていただけませんか、私達最近ギルドを立ち上げました、みんなでこの世界から生きて帰ろうって約束してます。
それを聞いて少年は、短期間であれば協力すると言ってくれました、そして敬語は堅苦しいからため口で良いと言います。
ギルドリーダーの少年が珍しいものでも見るように、2人の会話に混ざります。
攻略組か早く俺達も追い付きたいな、それにしても今日は随分と積極的じゃないか、まさか一目惚れか?
黒猫のような少年と私はお見合いの席のようにうつ向いてしまいます、少し浮かれていたみたい、一目惚れという言葉は私達の周囲の気温を少し上げました。
そんな空気に堪えられなかったのか、少年が自己紹介にとステータス画面をギルドメンバー全員に向かって可視化します、みんなやっぱり驚いていました。
それもそのはず、私達全員のレベルを足しても、彼は更に上のレベルだったのですから。
これでは彼の邪魔になるのでは、そう思い始めたところを。
レベルは気にしなくて良い、俺は攻略組のトッププレイヤーだ、恐らくこの世界の誰よりも突出して高いだろう、下層でギルドを立ち上げたばかりなら驚くかもしれないが最前線ではこれでも足りない。
それでもタゲを取って安全に狩りをする手伝いくらいならしてやれる、勿論それなりに報酬はいただくつもりだ。
そう言ってくれました、みんな素直に嬉しかったんだと思います。
しばらくして、下層ギルドの中では中堅といえるレベルまで、みんな強くなりました、けれどそれは彼のサポートがあったから。
本当の意味では、まだ弱いままです。
このまま次の層へ上がれば、慢心から命を落とすかもしれません、だから私は怖かった…彼を失う事が、彼の居なくなった後、私達だけでまた狩りを続けて行けるのか、自信がありませんでした…。
だから、彼の出掛けた晩、私はみんなから逃げ出した…。
アニメ『赤鼻のトナカイ』の辺りです、記憶力がそれほど高くないので、差異があると思いますが二次創作ということでご理解下さい。