Fate/BigDaddy Prototype 作:凡人9号
深夜、コンテナが無くなっていたり欠けていたり、爆弾で無理矢理開けたような後の残る港。
海沿いに佇む右腕にドリルを付けた潜水服が不意に左手を突き出し、その行動に対して二つの槍を、牛の手綱を、見えぬ武器を、各々潜水服に向けるが、その直後、想像だにしない出来事が起こる。
彼の左腕に吸い込まれるようにしてどこかから黒い体に白い骸骨の様な面を付けた存在、
「なっ、何なのだこれは、一体!」
アサシンがそう唸り、自身の首を掴む左腕に向け腰の後ろからとりだしたナイフを突き刺そうとした直後、その行動に気づいたのか潜水服がその首をへし折った。
直後、その死体は粒子と化して消えて行き、その感触を確かめるように左手を顔の前で握ったり開いたりを繰り返す潜水服。
「い、今のはアサシンなのか?脱落してたんじゃなかったのか?」
「ふむぅ、暗殺者がまだ居ると想定して、もう安心して寝れぬな小僧」
「それにしても、一体いつ気が付いたんだ?」
その直後、高い銃声が港に響き渡る。
「あ、主!」
二つの槍を持つ男が一足飛びで建物の屋根へと飛び上がり――――
「セイバー!再戦の約束、果たせそうもない・・・」
足元から粒子となり消えて行く男が、悲しそうにそう呟いた。
それに対するセイバーと呼ばれた見えぬ武器を持つ少女は何を言うでもなく、俯き肩を震わせる。
「これは俺の手向けたセイバー!せめて勝てよ!」
体が消えながらも、その両手で黄金の短槍を折り、満足した面持ちで消えて行く。
「アイリスフィール!行きましょう!」
「え?せ、セイバー?」
そう言って見に纏う青いドレスと銀の装甲を魔力へと戻し、ダークスーツ姿に戻り、白一色の美女の手を引いて何処かへと向かっていく。
「・・・よもや、このような幕引きとはのぉ」
「ま、まぁライバルが一人減ったからいいじゃないか・・・・」
「そういう割には、やけに沈んだ顔だが」
「一応、知り合いだからな。多分、さっきの銃撃で・・・」
「ふむ。バーサーカーよ!聞こえておるな!」
そう戦車に乗る男が叫ぶと、潜水服の男がキョロキョロとあたりを見回し、左手の人差指を自分の顔に向ける。
「うむ、お主だ。お主との戦はまた今度だ。良い戦に期待しておるぞ!」
そう言い放ち、雄叫びと轟雷を上げながら牛が空を駆けあがり、そのまま遠くへ消えて行った。
ガンマだが、牛が空飛んでった・・・飛んでった。海底都市荒らしまくった俺ですら意味分からない。
いや、その前の緑のタイツ男が金色の槍折った意味も分からない。
そして少女が美女の手を引いて行った意味も分からない。
金色の趣味の悪い鎧着た奴がなんで怒ってたのかも意味が分からない。
もう分からんことばかりだ。ラプチャーばりのわけのわからなさだ。
ま、まあいい。とりあえず家に帰って桜ちゃんと戯れよう。この時代には俺の時代にはなかった娯楽に溢れている。漫画、とは実に優れた娯楽だ。小説も良いは良いんだが、俺の想像力と語彙力が足りないせいで上手く想像できないのだ・・・それを省いて絵で表してくれる漫画は実に素晴らしい。
家に帰った俺を待っていたのは血を吐いて倒れた雁夜だった・・・あれ?なんで?EVA使い切ってないぞ?
何とか起こして事情を聞くとADAMを少しだけ包丁で切って食べてみたら体からあの妖怪に仕込まれていた虫が無理矢理逃げ出したそうだ。その反動で血を吐いたらしい。
起こした後はなんかすごい歩き安くなってたり、顔色も少しだけよくなってたりと、いい方向に転んでくれてガンマ嬉しい。
ま、相も変わらず顔の半分は死んでるんだけどもさ。
とりあえず、色々と起ったことを話した結果、雁夜の離った使い魔がどうやら二つの槍を持った男ことランサーのマスターと思わしき人物が言峰教会という中立地帯に女に叱られながら訪れた、という話だ。
その話を聞いた俺は素直にこう思う。聖杯戦争って女運ない奴しかいないんだなぁ、と。
ウチのマスターの雁夜もなんか妙な相手に惚れてるらしいし、そのランサーのマスターも面倒な相手みたいだ。あの戦車に乗っていた子供の方は分からんが・・・ま、一概に言い切るのはまだ早いだろうな。
とりあえず心配したのか降りてきた桜ちゃんを肩に乗せて天井に気を付けながら彼女の寝室へと向かい、ベットに寝かせて布団をしっかりと被せて寝入るまで眺める。
少しだけ、寝たきり状態にさせられていたエレノアを思い出したが、この子も無事に成長してほしいものだ。
リビングに降りたらシャドーボクシングしていた雁夜がいたのでぶっ叩いて部屋に運んでベットに放り込んでおいた。
グッバイランサー。やっぱり幸運は低いんだよね。
ところで、ディルさんの魅惑の黒子って死んだら解除なんです?それとも相手に「自分に惚れ続ける呪い」をかける感じなんです?とりあえず後者っぽくしましたけど分かりません。
そして止まるダディプロジェクト。