刹那サイド
皆さんこんにちは。僕の名前は《如月 刹那》と言います。突然ですけど、僕は前世の記憶を持って生まれ変わった転生者です。元々僕は前世で虐めの対象にされ、中学を卒業した辺りに雷に打たれてからトラックに轢殺されると言うとんでもない死に方をしました。そして女神である《アテナ》と言う人に謎の空間で目を覚ました僕は、この事は予定されていた死では無かったと言われ、転生する事になりました。そして僕は転生特典と言う物を貰い、とあるアニメの世界に転生しました。確か原作名は・・・《魔法少女リリカルなのは》とか言ったっけ・・・。内容も知らないその世界で主人公達と同じ年齢で転生した僕は、主人公達と仲良くなり、楽しい生活を送っていたのですが・・・クラスメイトの男子二人から嫌がらせを受けて、終いにはあらぬ噂を立てられ更に虐めが加速し、数少ない友達であった原作キャラ達からも「そんな人とは思わなかった」と言われて味方は居なくなり、遂に僕は・・・
「・・・あ、今日イベントだ」
中学2年生で絶賛引きこもりをやっています・・・。引きこもり始めたのは小学4年生の頃で、やる事がなかったので、暇つぶしにパソコンをやってみたら想像以上に面白く、それ以来部屋でネットの毎日だ。家族は居なく、転生特典で貰ったデバイスと言うAIを積んだ素敵アイテムと、居候4人で暮らしている。居候達は学校に通っているが、僕は行かない。そう思いながらネトゲにログインしていると、家のインターホンが鳴らされる。此処は居留守を決め込もう。そう思っていると・・・
----ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
「だあああああ、うるさいな!家のインターホンは回答ボタンじゃ無い・・・ぞ・・・」
「あ、あの・・・刹那君・・・」
僕は速攻でドアを締めて、鍵を掛ける。何で・・・何であの子が・・・!そう思いながらリビングへと移動し、インターホンのカメラでドアの人物を見る。その人物は紫の髪をした少女で、原作キャラの一人である《月村 すずか》だった。な、何で此処が・・・?家の場所は誰にも言ってないし・・・どうすれば・・・。そう思っていると、ドアの前の少女は話し始める。
「お願い刹那君、此処を開けて。私はお話がしたいだけなの!」
「絶対に嫌だ。帰って」
「此処に来た事は誰にも言わないからお願い・・・ちょっとだけでいいの・・・」
そう言って泣き始める。はあ・・・めんどくさい。僕は家のドアを開ける。
「さっさと入って。言っておくけどお茶は出さないからね」
「うん・・・ありがとう・・・!」
そう言ってすz・・・月村さんは涙を拭いながら笑顔を浮かべる。・・・めんどくさ。僕は彼女を自室に連れ、座らせる。そしてネトゲをしながら話し掛ける。
「で、話って何?また新しい僕に対する虐めでも考えた?」
「違うよ、その・・・刹那君の噂の事で・・・」
「ああ、アレまだ続いてたんだ。僕はてっきり藤○マー○ットレベルで消えてるかと思ったよ」
「その事でね・・・?最近それが嘘だって分かって・・・私、謝りたくて・・・」
「だから何?例え君がそれに関して謝って来たり、反省したとしても僕は学校へ行く気もなければ仲良くする気も無いよ。それは月村さんも分かるよね?」
「・・・もう名前で呼んでくれないんだね」
「当たり前でしょ。信じてくれなかった癖に今更友達顔されてもウザイだけだし。て言うか僕の事名前で呼ばないで欲しいんだけど。不愉快極まりないから」
「ご、ごめんねs・・・如月君」
そう言って月村さんは静かになる。僕はネトゲに集中する。暫く経ち、玄関のドアが開く音と、四つの足音が聞こえる。居候4人が帰って来た様だ。
「もうこんな時間だから帰った方が良いよ。て言うかもう帰って。僕これからイベントクエストがあるから手が離せないんだ。だからとっとと行ってよ」
月村さんはごめんなさいと何度も謝りながら帰って行った。それから僕の部屋のドアが再び開き、居候4人が姿を現す。
「只今戻りました」
「たっだいまー!おやつ何処!?」
「今戻った。またネトゲか貴様は・・・」
「ただいまです。後で私も一緒にイベント行って良いですか?」
帰って来た居候は上から順番に《シュテル・如月》、《レヴィ・如月》、《ディアーチェ・如月》、《ユーリ・如月》だ。僕はそれぞれに返事を返す。
「お帰り皆。おやつは冷蔵庫にチョコケーキ作ってあるから手洗いうがいをしてから食べる事。ディアーチェ、今日からイベントなんだ。止められる訳がない。ユーリ、今日の21時から広場前に集合だ。イベントボスの最難関を行くから装備はしっかりとね」
僕はそう言ってネトゲに戻る。皆も返事をして戻って行った。実はこの家の家事は僕がやっていたりする。流石に放置して劣悪な環境で居候が病気とか洒落にならない。暫くネトゲをし、区切りが付いた所で夕飯の支度を始める。今日はカレーだ。材料はディアーチェ達に買って来て貰っているから後は作るだけである。パパッと作ってから僕は部屋に戻る。僕は皆と食事を摂らない。他人と食事をする事が極端に苦手になったのだ。引きこもりになってから成長不良で背も伸びないし、体重も軽いほうだ。因みに現在の身長は100cmジャストだ。体重は10㎏前後で、体はガリガリでは無いのが不思議だ。自分の体に溜息を吐きながら、夕飯のカロリーメイトを齧りながら、パソコンに集中した。その日はユーリとクエストをこなしてから寝た・・・。
〜翌日〜
「刹那ー!ランニング行こー!」
「却下。ユーリでも誘って行ってきなよ」
「さっき行ったら寝不足だって言ってまた寝ちゃったんだよ」
「ああ、昨日あの後ネコネコ動画見てたからね」
「だから行こうよ!」
「シュテルとディアーチェを誘わない辺り怖いんだね」
「う・・・あの二人は寝起きが・・・」
「それは君の起こす時間に問題があると思うんだ・・・」
僕はそう言って時計をチラッと見る。其処には4時12分と表示されていた。僕は溜息を吐きながら年齢魔法を使って身長を伸ばしてジャージを着る。レヴィも気にする様子は無いので気にしない。
「じゃあ、行こうか」
僕達は外へと出て、ランニングを始めた。レヴィはこの時間帯によく僕を誘うが、それが僕の為である事は分かっている。運動不足を解消させる為と、僕が人に合わない時間帯でレヴィなりに考えてくれている事には感謝していた。走りながら僕はレヴィに言う。
「・・・レヴィ」
「何?」
「ありがと・・・」
「ふふっ、どういたしまして」
走り終わり、僕達は帰宅する。汗を拭いて、風呂を沸かす。あまり僕はシャワーだけと言うのが好きではない。できれば肩まで湯に浸かってゆっくりしたいのだ。だが僕の身長では風呂に入るとなると身長的な問題で年齢魔法を一々使うことになる。湯船用の椅子買うかな・・・。と思っていると、レヴィが言った。
「刹那、一緒に入ろうよ。僕が洗ってあげる」
「あのさ・・・君は女の子、僕は男の子。もう中学生なんだから考えなさい」
「いいじゃん。僕の背中流してよ!それとも僕と居るのは・・・嫌?」
「わ、分かったからそんな目で見ないでよ」
「やたー!じゃあ、早く行こ!」
そのまま僕はレヴィに抱えられ、連れて行かれる。その後、風呂に入り朝食を作った。
「じゃあ僕は皆を起こしてくるから先に食べてて」
「はーい、いただきます!」
そう言ってレヴィは朝食を食べ始めた。僕はシュテル達を起こした後に部屋に戻って机の上に置いてあるデバイスに話し掛ける。
「おはよう、《セシア》」
『おはようございますマスター。どうしました?』
「いや、君のメンテをやろうと思って」
『ありがとうございます。思いましたけどマスターって家事ができたりデバイスのメンテも出来るって器用ですよね』
「そう?じゃあ、始めるよ」
僕はセシアのメンテを始める。でも何故セシアはメンテ中に『はぁ・・・んぅ////』とか言い出すんだろうか?デバイスにも痛いとかあるのかな・・・?メンテを終えてセシアを机に戻す。
「ねえ、セシアも人型になって生活して良いんだよ?食事だって・・・」
『気にしないで下さい。それにデバイスは空腹が無いので食事は必要ないですし、マスターの迷惑にはなりたくないです』
「迷惑じゃないよ。お金はアテナさんが毎月エグい額を振り込んでくれるし」
おかげで我が家の通帳はヤバい事になっている。正直セシアをこのままでいさせるのは忍びない。結局セシアはそのままになってしまった。僕も諦めてネットを始める。時は過ぎ、夕方となった。再び家のインターホンが鳴る。ドアの前に居たのは月村さんだった。
「また来たの?凄い迷惑なんだけど・・・」
「ごめんね。でもまたお話したくて・・・ケーキも持ってきたんだけど」
「さあ、入ってよ。今お茶入れてくるから」
ケーキがあるなら仕方ないね。甘い物の為ならプライドなんて捨ててやる。再び僕の部屋に招き、紅茶を出す。お嬢様の月村さんには悪いが安物で我慢してもらおう。僕も座布団を数枚重ねて座って携帯を弄る。
「ねえ、もしかしてそれパズドラかな?」
「そうだけど?もしかしてやってる?」
「うん、私も最近始めたんだ。良かったらフレンド登録しない?」
「まあ・・・ゲームなら良いけど」
僕のフレンドリストに[すずにゃん]と新しいフレンドが追加された。おお、バステトがリーダーだ。因みに僕のリーダーは究極アテナだ。その日は特に蟠りも無く会話が続いた。気が付くと外は真っ暗になっていて、外では雨が降っていて、強風が吹いていた。
「ああ、そう言えば台風が来るって言ってたっけ・・・」
「どうしよう・・・帰れないよ」
「はあ・・・泊まってく?」
「良いの?」
「流石にこの中を帰らせる程僕も最低じゃないよ。早く家に連絡しなよ」
「うん!」
月村さんは携帯で家に連絡を始めた。連絡が終わり、暫くするとシュテル達が帰って来た。
「家の居候が帰って来たから説明しないと・・・その前に風呂か。さっき洗っておいて良かった」
月村さんを連れてリビングへと移動した僕はシュテル達にタオルを渡しながら月村さんの事を連絡するが、月村さんはシュテル達を見て固まる。
「どうしたの?」
「な、何でなのはちゃん達が居るの?」
「あ、実はさ・・・」
僕は月村さんに軽く説明する。彼女達と出会ったのは僕が小学5年生になった頃で、家の前に倒れていた事から始まった。僕は転生特典を使って傷だらけだった彼女達を癒し、家の中へ入れて寝かせた。目を覚ました彼女達は最初は警戒していた物の、僕が助けた事を言うと礼を言って警戒を解いた。何でも彼女達は闇の書と呼ばれる危険な物の中に居たプログラムらしく、平行世界で原作キャラ達に倒されて気がついたら此処に居たらしい。最後の力を振り絞って世界を越えて来たそうだ。傷は直したが、魔力を供給する物が無く、このままでは消えてしまうらしいので僕がデータを弄って彼女達をユニゾンデバイスに変えて僕の魔力を供給源にした。僕の魔力は測定不能レベルで溢れてくるから丁度良い。ディアーチェの持っていた魔導書は僕が持ち主になっている。僕の魔力の影響か、体が成長する様になったらしい。説明を終えると、月村さんは納得した顔だった。
「じゃあ、如月君も魔導士だったんだね・・・」
「僕達の事は他の人に言わないでくれるとありがたいんだけど」
「うん。言わないよ。もう如月君を裏切りたくないから」
「今は信じておくよ。皆、お風呂沸かすから全員で入っちゃって」
家はアテナさんの計らいで、大きな家になっている。風呂も当然大きく、最早大浴場と呼べる大きさになっている。僕は冷蔵庫の中を確認する。これなら大丈夫かな・・・。
「月村さん、今日は鍋にするけど大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
皆を風呂に行かせ、僕はパパッとガスコンロを用意し、食材を刻んで鍋に入れて、だし汁も入れて煮込む。やがて皆が風呂から出ると、丁度完成した。
「じゃあ後は皆で食べて。僕は部屋に戻るから」
「え・・・如月君は食べないの?」
「僕は他人とご飯を食べるのが苦手なんだ。と言うか複数の人と同じ空間にいる時点で無理。それじゃあ」
僕は部屋に戻ってカロリーメイトを齧る。食べ終えた僕は着替えを持って風呂場へと向かう。するとリビングでテレビを見ていたレヴィが僕に言った。
「刹那お風呂入るの?じゃあまた一緒に入ろう!」
「レヴィはさっき入ったでしょ?一人で入るよ」
「「「「ちょっと待ったーーーー!」」」」
僕とレヴィの会話に四人がツッコミを入れて来た。ディアーチェが顔を真っ赤にしながら言った。
「ま、待て貴様ら!い、今一緒に風呂と・・・」
「うん!刹那とはよく一緒に入るよ!刹那って抱き心地が良いんだ!」
「お前は自分の年齢を考えろ!我らはもう14になるのだぞ!」
「え〜・・・じゃあ王様入る?」
「なっ・・・し、仕方ない。この我が刹那と風呂に入れてやる////」
「仕方ないなら代わってください。刹那は私が一緒に入ります。願ったり叶ったりです」
「シュテル、私も一緒に入ります」
「えっ・・・はぅ・・・////」
居候は喧嘩を始めるわ月村さんは顔を赤くしてフリーズするわで収集が付かなくなったので僕は放置して一人で風呂に入った。ああ・・・ゲームがしたい。
刹那サイド終了
と言う訳で連載第1話でした。
ではまた、さようなら!