では、どうぞ!
刹那サイド
「ん・・・」
飛行機で寝ていた僕は心地良い温度と揺れに目を覚ます。気づくと僕は織斑先生に背負われていた。
「起きたか如月?」
「あ・・・ごめんなさい」
「構わん。小さい妹が出来た様な感覚だ」
「僕男なんですけど・・・」
「その見た目で言われてもな。何だ、話を聞くより存外可愛らしいじゃないか」
「話?ああ、多分小学校の頃に先生を追い返したからですね」
昔、引きこもり始めた頃に担任の先生が来たのを思い出す。よくお尻とかを触ってくる気持ち悪い先生だった。僕の家に来た時も無理矢理家の中に入って来ようとしていたので、ちょっと威力弱めでザケルをぶっぱした。思い出していると、僕達は建物の前に着く。
「此処が今日のホテルだ。今日はもう休め」
「はい。ありがとうございます」
「素直だな。偉いぞ」
「ふにゅぅ・・・」
織斑先生から降りると頭を撫でられる。この人の撫で方上手すぎる。気持ちよくて頭が真っ白になって来た。そう思っていると体をグイっと引っ張られて我に返る。犯人を見ると、蒼乃さんだった。蒼乃さんは織斑先生を猫の様に威嚇して僕を抱きしめる力を強める。
「先生・・・刹那は渡しませんよ!」
「あの、苦しいんだけど」
「だって刹那が織斑先生に○取られそうになってたから」
「いや、取られないし。そしてさりげなく全身を摩るな変態」
「ち、違うわよ!変態じゃないわ!仮に変態だとしても変態と言う名の淑女よ!」
「ならその手を離せや!ちょっとそこの二人!友達ならコイツの暴走止めてよ!」
僕はさっきから此方を見てソワソワしてる二人に怒鳴る。二人はパアッと顔を輝かせてから目にも止まらぬ速さで蒼乃さんを引き剥がす。
「ちょ、ちょっと離しなさいよ!」
「黙りなさい。さっさと部屋に行くわよ」
「うん、早く逝こうね」
「いや、それニュアンスちgアッーーーー!」
蒼乃さんは断末魔の叫びを上げて連れて行かれた。あれ?まだ鍵貰って無いんじゃ・・・。そう思っていると案の定、戻って来て鍵をロビーで受け取ってから部屋へと戻って行った。因みに僕は一人部屋だ。部屋に入った僕は荷物を置いてパソコンを起動する。
『やっと着いたな。大丈夫か刹那?』
「うん、大丈夫だよ」
『あの、マスターは何をしてるんですか?ゲーム・・・では無いですよね?』
「ああ、コレ?これは新しいシステムだよ」
『『システム?』』
僕の言葉に二人から疑問の声が上がる。僕はシステムの計算式等を映し出して見せる。
「今作ってるのは二人のセシア達の戦闘データとかハッキングする時のデータとかを元に新しいAIを作ろうと思って。偶に管理局のデータ漁って匿名で汚職データ送って嫌がらせしてやろうと思ってさ」
『それで、どんな奴になるんだ?』
「う~ん・・・分かんない」
『わ、分からない?』
「うん、見た目は最近アニメやってたから艦これのキャラにしてみたけど、ゲームに忠実にしようと思ってどんなのが出るのかはランダムなんだ。別に資材とかはいらないけどさ」
『それはちょっと楽しみですね。マスターは誰が好きなんですか?』
「夕立と利根と時雨」
『見事に即答だな』
話しながら僕はキーボードを打つ。暫くすると、画面にはデータが完成した事が表示された。
「お、できたね。早速やってみる?」
『少し楽しみだな』
『艦これのキャラと話が出来るのは素敵ですね』
「では早速、行ってみよう!」
僕はenterキーを押す。すると画面の中で製作中の文字が映し出される。もしもの時はこの子達を使ってデバイス造れるし、割と便利な物を作ったな僕。五分程経って制作が終了する。そして画面には一人のキャラクターが映し出されていた。
『超弩級戦艦として建造技術導入を兼ねて英国ヴィッカーズ社で建造された、金剛デース!太平洋戦域でも持ち前の高速力を活かして、大活躍デース!期待してネ!』
「『『一発目で金剛・・・だと?』』」
僕達は画面を見て驚愕していた。まさかテストがてらに使って金剛が出るとは・・・素晴らしいぞこのシステム!それじゃあ暫くは僕の作ったエリアの中で動いてもらってトレーニングを重ねて仲間を増やしてからデータベースをぶっ壊してやろう。あの時、何もしなければ関わらないと言ったな。アレは嘘だ。
「僕は刹那。宜しくね金剛」
『oh!可愛らしい提督だネー!』
「えっと別に深海棲艦と戦う訳では無いし、名前で良いよ」
『そうなんですカ?でもやっぱり提督が良いネ!』
「まあ、君が良いならソレで。リイン達と仲良くね。僕は少しだけ寝るよ」
そう言って僕は布団に潜る。最近悪夢を見なくなった所為かよく眠る様になった。パソコンの方で仲良さそうな声が聞こえ、安心した気持ちで眠りに落ちた・・・。
~数時間後~
『Hey!提督、外でteacherが呼んでるヨ?』
「ぁい・・・」
金剛に起こされ、僕はフラフラとした足取りで部屋のドアを開ける。そこには織斑先生と山田先生が居た。
「そろそろ夕食だから呼びに来た。出れるか」
「今・・・行きます・・・ふわぁ」
「眠そうですね如月君」
「らいようふ・・・れす」
「全然大丈夫では無いな」
再び織斑先生に背負われて食堂へと連れて行かれる。意識がハッキリした時には食堂へと到着していた。織斑先生が僕の正面に座って言う。
「此処はバイキングだ。好きな物を食え」
「では、早速・・・」
僕は席を立って料理を取ってくる。取ってきたのはソーキそば5人前、タコライス4人前、スパム大量盛り、ジョッキにシークワーサージュース、パインジュース、マンゴージュース等、沖縄産の物を多く使った食べ物ばかりだ。それを僕は手を合わせてから食べ始める。最近本当に良く食べる様になった。色んな物が美味しく感じる。食べ始めてから10分位で完食した。
「ご馳走様でした」
「刹那・・・貴方また食欲増えたわね」
「蒼乃さんこそ良いの?そんなに食べちゃって」
「良いのよ。この日の為に刹那の家のご飯以外セーブして食べて来たから」
そう言って蒼乃さんはパクパクと料理を口に運んで行く。その食べっぷりに周りが引いていた。いや、それは僕も同じか・・・。現に僕と蒼乃さんの前には塔がそびえ立っていた。その後、僕達は部屋に戻って入浴を済ませた。金剛達と話をしていると、ドアをノックする音が響く。僕はドアの穴から誰かを確認した。そこには蒼乃さんが居た。僕はドアを開けて部屋に上げる。
「どうしたの急に」
「いや、大丈夫かなって思って・・・」
「うん。織斑先生も良い人だし、多分山田先生も良い人だと思う」
「・・・アリサとすずかは?」
「まあ、友達としては無理だけどクラスメイトとしてなら良いかなって」
「何か・・・変わったわね」
「まあ、心に余裕が出来て来たからコレを機に少し考え直してみようかなって思ったんだよ。でも葉山達と管理局は無理」
「それは私も一緒だから良いわよ別に。それに・・・」
「それに?」
蒼乃さんが俯く。アレ?この状況何か前にも・・・。
「なのは達とは本格的に関わらない事にしたの」
「・・・それまた何で?」
「実はなのは達、貴方が聖王と魔王のハーフだって知ってから何回か会いに行こうとしたのよ」
「は・・・?」
蒼乃さんの言葉に僕はポカンとなる。何で僕に会いに?意味分からん。
「どうしても貴方を管理局に入れたかったみたいよ。その力があれば沢山の人が救えるって言って」
「却下だね。僕の一族滅ぼそうとした阿呆共の手伝いを何故しなきゃいけないのさ」
「そうね。挙げ句の果てにあの子達サーチャー飛ばして来たから全部クロノと回収して来たわ」
「そんな事したのかアイツ等」
「まあ、私も中学卒業したら管理局とも縁切りの予定だったし元々長く持つ関係では無かったと思うわ」
「そっか。わざわざ報告ありがと」
「気にしないで。それと改めてこの前はありがとう」
『私からも礼を言わせてもらう』
「おお、君が蒼乃さんの」
『ああ、《蒼雲》だ。よろしく頼む』
そう言って蒼乃さんの首元のペンダントから声が上がる。僕は気にするなと言って蒼乃さん達と何気ない話をする。
「・・・そこでシュテルがマジギレしてさ」
「レヴィもハチャメチャな子ね」
話していると、画面から声が響く。
『提督!私も話に参加するヨー!』
「へ?こ、金剛が動いてる?アニメじゃ無くて?」
『animationじゃありませン!提督に作ってもらったちゃんと意志のある金剛デース!』
「刹那・・・これどうするの?」
「管理局への嫌がらせにデータをハッキングしたり壊してやろうと思って」
「それ、私にもやらせなさいよ」
「じゃあ、一緒に今度ストレス発散にやろうか」
皆で笑いながらゲーム等をして蒼乃さんは部屋へと帰って行った。僕は歯磨きを終え、ベッドに潜ってから明日の予定を見る。
「視察だけだから午前中で全て終わっちゃうね」
『そうですね。あ、面白い物がありますよ』
「どれどれ?・・・ライブ?アイドル?」
広告を見た後にセシア達を見ると、キラキラした目で僕を見る。僕は溜息を吐きながらセシア達にOKを伝えて眠りに落ちた・・・。
刹那サイド終了