if〜刹那君は引きこもり〜   作:猫舌

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第16話

刹那サイド

 

 

三日目の午前、僕達は照り付ける太陽の下、真っ白な砂浜に立っていた。蒼乃さん達は水着を着ているが、僕は水着の上にTシャツを着た状態で、シャツの背中には[陸上生物]と書かれている。広げられたパラソルの下でパズドラをしていると、蒼乃さんが話し掛けて来た。彼女は青い布地に白のラインの入ったビキニを着ていた。蒼乃さんは僕の手を引っ張って海へと誘導する。

 

 

「ほら、早く泳ぎの練習しましょ?」

 

「良いかい蒼乃さん。人間は陸上で生活して来たんだだからその手を離して水には入れないdにゃああああああああ!?」

 

 

僕の体が水に浸かって行く。無理無理無理!ヘルプミー!そう思っていると、蒼乃さんの頭に拳骨が落下し、僕の体が支えられた。上を見上げると其処には織斑先生が居た。

 

 

「蒼乃、泳ぎが苦手な人間をいきなり深い所に連れて行くな。もういい、私が教えよう。如月、何処の深さまでなら行けそうだ?」

 

「えっと・・・もうちょっと浅い方で・・・」

 

「分かった。ならこの辺か?」

 

「はい。ありがとうございます」

 

「よし、では始めるぞ」

 

 

こうして織斑先生による水泳指導が始まった。蒼乃さん?確か拳骨で気絶して沖に流されていった様な・・・。まあ、蒼乃さんだし大丈夫だよね?そして数時間が経過した・・・。

 

 

~数時間後~

 

 

「取り敢えずは浮き輪を付けて泳げるまでは行ったか・・・」

 

「おお・・・進んでる・・・先生!僕、水に浮かんで進んでます!」

 

「ふっ・・・頑張ったな」

 

「にゅぅ。くすぐったいですって・・・」

 

 

織斑先生が僕の頭を撫でる。やっぱりこの人のテクニック侮れない・・・!暫く泳いでいると、山田先生に呼ばれて昼食となり、パラソルの下へと入る。そして目の前におむすびやおかずの並べられた弁当箱が広げられた。

 

 

「ふむ、これはまた美味そうだな」

 

「はい、実はコレ・・・如月君が作ってくれたんです!」

 

 

山田先生が言った瞬間、蒼乃さんの目がキラッと輝き、その他の月村さん以外のメンバーは目を丸くした。ああ、そう云えば小学校の頃は購買派だったな僕・・・。

 

 

「メシマズでは無い筈だから味は大丈夫だよ。それとも僕が復讐に毒を仕込んでいるとでも?」

 

 

僕が言うと二人は必死に首を振って否定している。思わず笑ってしまった。

 

 

「僕は料理を粗末にはしない主義なんだ。それは蒼乃さんと月村さんが一番知ってるよね?」

 

「ええ、だからコレ食べても良いかしら?良いわよね?」

 

「はいはい。さ、召し上がれ」

 

「ひゃっほい!いただきます!」

 

 

僕が許可した瞬間、蒼乃さんは凄い勢いで食べ始める。それを皮切りに皆も食べ始めた。

 

 

「む、美味いな」

 

「私も朝に味見させてもらいましたけどやっぱり美味しいですね」

 

「やっぱり・・・」

 

「初めて食べたけど女として負けたわ・・・」

 

「うめうめ・・・」

 

 

皆の評価の中、一人でモグモグとフードファイトする様は見ていて逆に気持ちが良かった。

 

 

「ほら、そんなに急がないの。はいお茶」

 

「んくっんくっ・・・もぐもぐ」

 

「それじゃ僕も・・・はむはむ」

 

 

僕もおむすびを食べ始めた。その瞬間、全員の視線が向いたが空腹に負けて無視して食べる。

 

 

「「「「(は、ハムスターみたい・・・♡)」」」

 

「はむはむ・・・」

 

 

食べ終えた僕達は休憩してシートに寝転がる。ああ、帰って髪の毛洗うの大変なんだろうな・・・。僕はずっと引きこもっている間、髪の毛を切りに行かず、前髪をハサミで切っていただけだったので他の髪は膝下まで伸びている。地面にタッチも夢では無いな。髪の毛を弄りながらそんな事を考える。すると、蒼乃さんが僕の横に寝転がって来た。

 

 

「刹那、一緒に寝ましょ」

 

「断る。と言うか友達の所で寝なよ」

 

「ちょっと相談したい事があって・・・」

 

「・・・話だけなら」

 

 

蒼乃さんってもしかしなくても苦労人?結局蒼乃さんに抱きしめられながらの相談が始まった。うう・・・布地が少ない所為で蒼乃さんのおもちの感触が一層リアルに・・・。

 

 

「・・・で、相談は?」

 

「実は、またなのは達の事なのよ」

 

「またかい。何やらかしたのさ」

 

「あの子達がまた貴方の家に行こうとして・・・。今度は夜中に行こうとか言い出してるのよ」

 

「は?懲りないねアイツ等」

 

「夜中なら私達が気付かないと思ってるみたいで、無理矢理貴方の家に行こうとしてるわ」

 

「よく分かったねソレ」

 

「世の中にはサーチャーと言うものがあるのよ」

 

「僕それ使った事無いよ・・・」

 

 

何だろう。この子はその内盗撮とかするんじゃないだろうか・・・。あれ?それ報告で相談じゃなくね?

 

 

「ねえ、それって相談じゃ・・・」

 

「相談は此処からよ。元々私はリンディさんからあの子達のお目付け役も兼ねてサーチャーを張ってたの。それであの子達の話を聞いて直ぐにリンディさんに連絡して中止してもらったわ。でも・・・」

 

 

そう言って蒼乃さんは暗い顔をする。そしてぽつぽつと言葉を続けた。僕を抱きしめる力も強まる。

 

 

「あの子達が止めるなら管理局を辞めるって言い出して・・・上は当然そんなの認めないし、でもあの子達も意見を曲げないわで最終的に最悪な形で収まったのよ」

 

「最悪な・・・形?」

 

「ええ、なのは達対私とクロノのチームで模擬戦になって・・・もう嫌よ・・・ごめんね刹那・・・私、また守れなかった」

 

 

そう言って蒼乃さんは涙を流す。アイツ等頭可笑しいんじゃないのか?もしかしてあの親子も苦労人チームな人なのか?・・・仕方ない、これも平和の為だ。

 

 

「・・・蒼乃さん、ハラオウンさんに連絡できる?」

 

「で、できるわ」

 

「取り敢えず落ち着いたらで良いから通信を繋げて。今は思いっきり泣いても良いから」

 

 

そう言って僕は蒼乃さんを抱きしめ返す。・・・まあ、今回だけだ。うん、今回だけ・・・。

 

 

『刹那・・・』

 

『マスター・・・』

 

『提督・・・』

 

『『『素直じゃないなぁ・・・』』』

 

「だまらっしゃい・・・」

 

 

やがて蒼乃さんも落ち着き、岩陰に移動して通信を開く。蒼乃さんのデバイスからディスプレイが映し出され、其処にハラオウン息子が居た。

 

 

『急にどうしたんだ真希?』

 

「えっと・・・その・・・」

 

「どうも、お久しぶりですハラオウンさん」

 

『あ、貴方は・・・!この前のデータはありがとうございました』

 

「別に気にしないでください。それで、蒼乃さんから話を聞きました。どうも僕の居ない所で勝手な事しようとしている馬鹿共がいると聞きまして」

 

『・・・申し訳ありません』

 

「いや、話を聞くに向こうが阿呆すぎるんで謝らなくて良いですよ。それでその対決なんですけど・・・・・・ってどうですか?正直アイツ等の行動は特権に反しているし、僕が介入するには充分だと思いますけど」

 

『それは是非と言いたいのですが・・・大丈夫ですか?真希に聞きましたが、他人と話したり近くに居るのが苦手と聞きましたが・・・』

 

「苦手ですけどそれで夜中に侵入される方がもっと迷惑なんで。それに最低限人払いをしてくれれば良いですよ」

 

 

僕はハラオウンさんに話す。ハラオウンさんは明るい表情になり、僕に詳しい日時を言ってから通信を切った。

 

 

「刹那・・・本当に良いの?」

 

「良いよ。いい加減セシアも訓練しろって言ってたから良い的が出来たよ」

 

「思いっきりやって良いわ。最悪骨の10本や20本は砕いても良いから」

 

「ん・・・まあ、やったら向こうの親が怒るよね」

 

「いや・・・全員貴方を味方するわ」

 

 

蒼乃さんの話によれば馬鹿共のご家族は現在の彼女達の行動に反対の意を唱えていて、本当は僕の所に謝罪に行きたいらしい。ご丁寧にお断りするが。まあ、その対決とやらまで約一週間・・・それまで訓練頑張らないとね・・・。首元に掛かったセシアと端末のアインスと金剛に微笑む。

 

 

「僕達の平和の為に頑張ろっか」

 

『はい!あんな奴らけちょんけちょんにしてやりましょう!』

 

『元主に灸を据えなければいかんな』

 

『私も出来る事なら何でもやりマース!』

 

「うん!蒼乃さん、戻ろっか」

 

「え、ええ・・・(なのは達、多分死ぬわね)」

 

 

僕は今までに無い戦闘意欲を感じ、少しテンションが上がっていた。まあ、多分全部終わったらその分引きこもるんだろうけど・・・。

 

 

刹那サイド終了




ども!第16話でした!
沖縄編が終わったら次は少し戦闘が入ります。そして遂に原作キャラ3人も登場です!
まあ、刹那は仲良くするつもりは無いですけど・・・。
そしてこの前初めてコメントで刹那を作品のゲストに呼びたいと言ってくれた方がいらっしゃいました!
本当にありがとうございます!コメント欄でも言った通り、是非お願いします!
その他の皆様も毎度ご感想ありがとうございます!
これからも応援お願いします!
では、さようなら!
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