if〜刹那君は引きこもり〜   作:猫舌

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第2話

刹那サイド

 

 

入浴を終えた僕は部屋に戻ってベッドに横になる。暫くすると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。

 

 

「・・・どうぞ」

 

 

僕が許可を出すと、レヴィのパジャマを着た月村さんが入って来た。

 

 

「で、要件は?」

 

「うん・・・あのね、なのはちゃん達に一度だけで良いから会って欲しいの」

 

「断る。あんな奴らの顔なんか見たくも無い。謝らなくて良いから二度と僕に関わらないで欲しいよ」

 

「でも!なのはちゃん達は謝りたいって・・・《達也君》達も・・・」

 

「ふざけるな!」

 

 

月村さんの口から出た人物に、僕の中で何かが切れた。僕は怯える月村さんに質問する。

 

 

「ねえ、僕の噂を流したのって誰か知ってる?」

 

「ごめん・・・知らない」

 

「じゃあ、話す事は何も無い。寝るから部屋に戻って。早く消えろ!」

 

「ごめんね・・・おやすみなさい」

 

 

そう言って月村さんは部屋に戻って行った。僕はベッドの中で膝を抱える様にして目を瞑る。月村さんはアイツ等の仲間だ。こんな扱いは当然の筈だ。なのに・・・なのに何でこんなに・・・胸が痛いんだろう・・・。

 

 

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

 

 

何回その言葉を呟き、涙したか分からない内に僕は眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・夢を見ていた。自分の意思で覚める事のできない悪夢だ。僕は人影に囲まれて蹴られ続ける。人影の顔が三日月型に歪み、僕に罵声を浴びせる。

 

 

----ホントウニキモチワルイナコイツ

 

----キットアノウワサモホントウダゼ

 

----サイテイ!キモッ!

 

----イッテヤルナヨ、コンナミタメノヤツガキモチワルイノナンテトウゼンジャナイカ

 

----ジャア、モットイジメテヤロウゼ

 

 

痛い。体を激痛が駆け巡る。何で・・・何で僕がこんな目に・・・。痛みで眩んで行く視界の先に,友達だと思っていた,少女達とその隣で嘲笑う少年がいた。

 

 

----ジャマナンダヨコノフミダイガ!

 

 

ああ・・・ああああ・・・・・

 

 

----シネヨ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

 

僕は夢の世界から開放される。痛みは消えない。震える体を無理やり動かし、机の引き出しを開けてカッターを取り出し、自分の体に突き立てる。何度も・・・何度も・・・何度も・・・。

 

 

『マスター!何してるんですか!?』

 

「放せ放せ放せええええええええええええ!」

 

 

セシアのバインドを引き千切り、カッターの刃を突き立て続ける。段々と意識が遠くなる。ああ・・・ヤットラクニナレル・・・。赤く染まった足元の海に僕は沈んでいった・・・。

 

 

刹那サイド終了

 

 

ディアーチェサイド

 

 

刹那の悲鳴と魔力反応に目を覚ました我は刹那の部屋へ駆け付けた。其処には血の海に沈んだ傷だらけの刹那がいた。

 

 

「刹那!おい、しっかりしろ!」

 

 

呼びかけても反応が無い。顔色も悪くなって来ている。直ぐにシュテル達も駆け付け、惨状に目を見開く。我は全員に叫んだ。

 

 

「早く回復魔法を全開で掛けろ!間に合わなくなるぞ!」

 

 

我の言葉に全員が即座に動き出し、回復魔法を発動する。月村だけは部屋のドアの前で口元を抑えている。我は月村に言った。

 

 

「貴様は部屋に戻っていろ。迎えが来るまでな」

 

「で、でもそんな如月君を放っておけないよ!」

 

 

その瞬間、我は月村の首元を掴んで睨みつける。今の言葉でこの場の全員が殺気立った。我は念話で作業に集中しろと言うと、月村に叫んだ。

 

 

「そんな・・・だと?刹那を,そんな,状況にしたのは貴様らだろうが!」

 

「え・・・?」

 

「刹那は優しい奴だ。何せお前らを恨んでいる片隅で許そうと思っている部分があるのだからな。その所為で刹那の心のバランスは危うい所まで行っている。ふとした事をトリガーに自殺しようとする位にはな!」

 

「そ、そんな・・・私は・・・」

 

「,そんなつもりは無かった,とでも言うつもりか!?貴様らのその軽い気持ちで刹那がどれだけ傷付いたと思っている!我らとあった当初は刹那の食事は週に一回でパンをひとかけらと水だけだ。ショックで拒食症になって真面に物も食べられなかったんだぞ!」

 

 

我は月村を突き飛ばして部屋の外へ追い出す。

 

 

「部屋で良く考える事だな。刹那へして来た罪の重さを。所詮貴様如きに分かる事では無いと思うがな」

 

 

部屋のドアを閉め、我も回復魔法を再開する。やがて刹那の傷は全て塞がり、セシアがスキャンを掛ける。

 

 

『呼吸、脈拍、共に安定してます。峠は越えました・・・』

 

 

その言葉に全員が安堵する。刹那をベッドに寝かせた後、我等はリビングで話し合う。

 

 

「やはりさっきの錯乱は・・・」

 

「間違いなくすずかの所為ですね」

 

「やっぱり昔の事だよね・・・」

 

「裏切られた人間にいきなり接近されたらそうなりますよ」

 

 

月村の発言は思い出す度に腹が立つ。いっその事我の手で・・・。そう思っていると、シュテル達が心配そうな顔で我を見る。

 

 

「心配するな。必要以上に手を出す気は無い。だが刹那が目を覚ます前にあの女を何とかせねばな」

 

 

もう名字で呼ぶ事すら不快になった。時刻は午前6時、玄関のインターホンがなった。カメラを見ると、あの女の家族と思われる別の女が映っている。我は玄関を開けた。

 

 

「ごめんなさい。すずかを迎えに来たのだけれど・・・」

 

「ああ、今すぐ引き取ってくれ。これ以上あの女を此処に置いておく訳には行かない。何せ家の家主が死に掛けたからな」

 

「え、それってどう言うk「待っていろ。直ぐに行かせる」ちょっと!」

 

 

我はドアを閉め、あの女の部屋へと向かう。ドアを開けると、ハイライトの無い目で膝を抱える女が居た。我は気にせず声を掛ける。

 

 

「迎えが来たぞ。さっさと帰れ。そしてもう二度と刹那に関わるな口外するな」

 

「・・・」

 

 

女は無言で頷き、着替えて荷物を纏めて玄関へと向かう。

 

 

「レヴィの服はそのまま持って行け。貴様の着た服など誰も着たくは無いわ」

 

「・・・お邪魔しました」

 

 

暗い表情のまま女は帰って行った。あの女の迎え・・・一応警戒しておくか・・・。我は部屋に戻る前にある部屋へと入る。其処には仏壇があり、刹那に瓜二つの女性の写真が飾られていた。我はその写真へと語り掛ける。

 

 

「すまない、刹那の母上殿。我等は刹那を再び傷付けてしまった・・・」

 

 

刹那によれば小学校に入学する前に母親は亡くなり、親戚の居なかった刹那は一人暮らしをしていたそうだ。父親は物心付いた時には居なかったらしい。刹那は基本、親の話を口に出さない。それほどまでに母親との思い出は刹那の大切な物で口に出すと止まらない物なのだ・・・。話を終えると、我はリビングへ戻った。

 

 

「今、あの女は帰った。我は今日は学校を休んで刹那の様子を見ている。三人は学校へ登校しろ。流石に全員休みは怪しまれる」

 

「分かりました。王、刹那の事をお願いします」

 

「僕も居たいけど刹那に複数は負担だし・・・うー!分かったよ・・・」

 

「分かりました。ディアーチェ、お願いします」

 

「うむ、任せろ。取り敢えず今は刹那の回復を待つしかあるまい・・・」

 

 

我等は不安な面持ちで刹那の部屋の方向を見つめる。刹那が無事に目を覚ます様に祈りながら・・・。

 

 

ディアーチェサイド終了




と言う事で第2話でした。刹那の心の傷は途轍もなく大きいです。
此処で刹那のステータスと、特典の紹介です。


如月 刹那

現在13歳

身長:100cm

体重:14キロ

容姿:赤い目に白い髪の男の娘

魔力ランク:測定不能

転生特典
1.デバイス:超高性能のデバイス、名前は《セシア・アウェア》(愛称:セシア)、ユニゾンデバイスはアテナが目下製作中

2.スキルメイカー:能力を創る能力

3.15の魔眼:15個の種類の魔眼、精神状態が安定していない為に使用不可能

4.MSやNMFを製造する場所:家の地下に訓練場と共にあるが、刹那は戦闘をする気が無かった為に、あまり使われていない
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