if〜刹那君は引きこもり〜   作:猫舌

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第24話

刹那サイド

 

 

あれから数日後、如月家メンバーと真希は用意された部屋である通信を試みていた。それは上手く成功し、通信が繋がる。

 

 

『はい、アテナです』

 

「アテナさん、僕です。刹那です」

 

 

その相手は僕を転生させた女神《アテナ》であった。通信ディスプレイの向こうのアテナさんに此方での状況を話す。流石に時代を超えるとなると、ディアーチェ達には繋がらず、アテナさんに頼る形となってしまった。説明を終えると、アテナさんは笑顔で答える。

 

 

『分かりました。二日程待ってもらえれば転移の用意をします』

 

「本当ですか。ありがとうございます」

 

『時間も皆さんが飛ばされた瞬間の時間に戻すので安心してください』

 

「何から何まですみません・・・」

 

『お気になさらず。それよりも・・・謝らなければいけない事が・・・』

 

「謝らなきゃいけない事・・・?」

 

 

アテナさんは顔を青くして言った。

 

 

『刹那さんの特典になる筈だったユニゾンデバイスが、上手く出来なくてですね・・・』

 

「無理そう・・・と?」

 

『はい。この前は上手く行ったのに・・・』

 

「ああ、別に無くても良いですよ、その特典」

 

 

実際アインス達が居るし、正直セシアが居れば戦える。そう言うと、アテナさんは涙目で叫ぶ。

 

 

『ちゃんと特典をあげないと私が大目玉をお父さんから喰らうんですぅ!』

 

「えっと・・・じゃあ何か別の物を特典にとかどうですか?」

 

『それです!なら、この前作った物が』

 

 

そう言ってアテナさんはガサゴソと何かを探し出す。そしてアタッシュケースを三つ取り出した。

 

 

『それならコレを特典に送ります。使いの者に渡させるので、一時間程待っててください』

 

「分かりました。あの、一つお願いが・・・」

 

『何ですか?』

 

 

アテナさんに僕は相談事をする。

 

 

「我儘なんですけど・・・僕の特典の《魔眼》を返却ってできますか?」

 

『返却なら特にダメとかは無いですけど・・・良いんですか?』

 

「はい、どうせ僕には手の余る代物ですから」

 

『・・・分かりました』

 

 

そう言ってアテナさんが手を翳すと、僕の中から何かが消える感覚がして、それが消えるとアテナさんの手に光が収まっていた。アテナさんはそれを大事そうに仕舞って僕に言う。

 

 

『これは返却。と言うより、一時的に預かります』

 

「預かる、ですか?」

 

『はい。コレはもしもの時、きっと貴方の役に立つ筈です。だから来るべき時まで私が預かります』

 

「・・・分かりました。ありがとうございます」

 

 

そして僕は通信を切った。すると金剛が聞いてくる。

 

 

「一体提督の新しい特典って何なんでしょうカ?」

 

「さあ?でも凄い物であるとは思うよ?」

 

「ですね。アテナさんはマスターの為なら世界さえ創りそうですから」

 

 

そんな事を話していると、僕達の目の前が光り、一人の男性がアタッシュケースを持って現れた。

 

 

「やあ、君が如月刹那君だね?」

 

「はい。貴方は・・・」

 

「僕はアテナ君の使いだよ。今回きりだけどね・・・」

 

 

そう言って男性はアタッシュケースを僕に渡した。

 

 

「今此処で特典の最終調整をしたいんだが良いかな?周りは特殊な結界を張ってるから君達以外の時間は停まっているよ」

 

「えっと・・・分かりました」

 

 

男性に言われ、僕は各アタッシュケースを開けた。中身の二つは黒い刀の様な形の物が付いたバックルと、赤いジューサーの様な形をしたバックルで、最後の一つにはフルーツや木ノ実、花の模様が描かれた南京錠が収納されていた。男性はバックルを僕に付ける様に言う。黒いバックル手に取って腰に当てると、黄色いベルトが腰に巻かれる。そしてバックルの端に横顔の様な紋様が幾つも出ては消えたりを繰り返し、やがて消える。

 

 

「よし、先ずは《戦極ドライバー》の調整は終了だ。次はその《ゲネシスドライバー》を付けてくれたまえ。ベルトは君の意思で外れる筈だ」

 

「えっと・・・こうか」

 

 

ベルトは本当に僕の意思で外れ、今度はゲネシスドライバーと呼ばれた赤いバックルを腰に当てると、再び何処からともなく銀色のベルトが巻かれる。コレは特に何も起こらなかった。男性に言われてベルトを外す。

 

 

「ふむ、コレでベルトの調整は終わりだ。次はコレだ」

 

 

そう言って男性がポケットから錆び付いたリンゴの形をした南京錠を取り出す。

 

 

「コレはまだ不完全な状態の物だ。コレに君のデバイスの戦闘データを入力するんだ」

 

「セシア、お願い」

 

「分かりました」

 

 

セシアは南京錠を受け取り、データを流し込む。すると、錆び付いていた南京錠は色を付け、銀色を主体に青い蔓の様な装飾が施されたリンゴの南京錠に変わる。男性はソレを指差して言った。

 

 

「その南京錠の物は《ロックシード》と言って、君がデバイスを使えない状況で使用する為の物だ。そのリンゴのロックシードは戦極ドライバーやゲネシスドライバーに装着する事で効力を発揮し、特殊な力を使ったバリアジャケットを構成してくれるよ」

 

「コレが・・・」

 

 

戦極ドライバーを装着すると、側面に銀色の兜の横顔が浮かび、ロックシードと呼ばれた南京錠をセシアから受け取って、側面に付いたレバーの様な物を動かす。すると、開錠されてロックシードから音がなった。

 

 

『《シルバー》!』

 

 

次の瞬間、頭上にチャックの様な物が現れて開き、中から銀色のリンゴが姿を現した。そして僕の体は勝手に年齢魔法で大人になり、銀色のズボンとコートに服装が変わる。

 

 

「ロックシードをベルトの窪みに付けて鍵を掛けたまえ!」

 

 

男性に言われ、ロックシードを窪みに付け、南京錠の鍵を掛ける。

 

 

『《LOCK ON》~♪~♪』

 

 

ベルトから音声が流れると、法螺貝を鳴らすような音が響く。

 

 

「そのブレードを降ろして果実を切りたまえ!」

 

『ソイヤッ!シルバーアームズ!《白銀・ニューステージ》!』

 

 

刀の装飾を下ろすと、ロックシードに切れ目が入り、中に銀色の杖の模様が浮かんでいた。そして頭上のリンゴが僕の上に降りて、鎧へと形を変える。頭部には冠の様な額当てが装着され、右手には銀色の杖が握られていた。

 

 

「それが君の新たな力、《アーマードライダー冠(カムロ)》だ!」

 

「アーマード・・・ライダー・・・」

 

「本来ならば全身装甲なのだがね。君の世界を考えると、バリアジャケット風にとアテナ君が作っていた物に僕が手を加えたんだ。後の戦い方はアタッシュケースの中にある説明書を読んでくれ」

 

 

そう言って男性は光の中に去っていこうとする。

 

 

「待ってください!貴方は一体・・・」

 

「僕かい?強いて言うなら・・・黄金の果実に目が眩んだ大馬鹿者さ。まあ、名前は・・・《プロフェッサー》とでも呼んでくれたまえ。もう会うことは無いだろうけどね」

 

 

そう言ってプロフェッサーと名乗った男性は光の中へと消えていった。それを見送った後、僕は鎧を解除してアタッシュケースにドライバーとロックシードを仕舞い、皆と説明書を読む。

 

 

「えっと、装着中にブレードを一回降ろして《スカッシュ》、二回で《オーレ》、三回目で《スパーキング》・・・」

 

「武器に《無双セイバー》・・・他にも多数か」

 

「面白いものを創りますねアテナさんは・・・」

 

「正にfruitのonparadeデース」

 

「見て、何かフルーツが一杯描かれた鍵があるわよ」

 

「本当だ・・・」

 

 

この後、ゲネシスドライバーの方も確認し、この日は解散になった。

 

 

 

 

~夜~

 

 

 

 

僕は先程使ったロックシードを片手で弄びながら星空を眺めていた。

 

 

「眠れないの?」

 

「真希・・・」

 

 

隣の部屋で寝ている筈の真希が僕の隣に腰掛ける。

 

 

「何時の間に・・・」

 

「コッソリ布団に入ろうとしたんだけどね・・・」

 

「僕が此処に居たと・・・」

 

「そう。・・・何か悩んでる顔ね」

 

「うん・・・実は、さ・・・あの魔導書使おうかなって」

 

「魔道書ってあの白い本?」

 

「そう。やっぱり皆を守る力が多いに越したことは無いし、何時までも面倒って目を背ける訳にも行かない」

 

「そうね。なら私が預かってるマントも返すわ」

 

「いや、それは真希に貸しておく。きっと役に立つから」

 

「分かったわ。ま、細かい事は明日にして今日はもう寝ましょ?」

 

「うん。・・・一緒に寝る?」

 

 

僕の言葉に真希は嬉しそうに笑い、ベッドへと歩き出した・・・。

 

 

刹那サイド終了 

 




刹那は特典《十五の魔眼》、《ユニゾンデバイス》を失った。

刹那は特典《各ドライバー&ロックシード》を手に入れた!
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