if〜刹那君は引きこもり〜   作:猫舌

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第28話

刹那サイド

 

 

「誘拐事件?」

 

 

ある日、僕は真希とゲームをしながら話していた。僕の声に真希は話を続ける。

 

 

「そう。最近学校の女子生徒とか女教師とかが誘拐されるのが多いのよ」

 

「それで学校は何か対策は練ってるんでしょ?」

 

「取り敢えずの所は午前放課で、集団下校って所ね」

 

「・・・来ちゃダメだろ」

 

「だってお母さん、カレーのルー買いに行ったら何故かインドから電話が来てお父さんが仕事抜けて迎えに行ったのよ?どうせ家に一人なら皆といた方が良いじゃない」

 

「インドって・・・」

 

 

方向音痴とは聞いてたけどワールドワイド過ぎない?そう思っていると、リビングのドアを開けてジャージを着た金剛が入って来た。何故か不快そうな表情をして、僕を見た瞬間、抱きついてきた。

 

 

「提督~!気分verybadデース!」

 

「ど、どうしたの金剛?確か今日はバイトだったよね?」

 

「じ、実はバイトしてたら知らないboysに話しかけられて、言う事に従え、とか真希の居場所を教えろ、とか言って・・・店長が何とかしてくれなかったら・・・」

 

「そっか・・・よしよし」

 

「はにゅ~♡」

 

「ああ、メスの顔してますわ」

 

 

取り敢えず金剛が落ち着くまで撫でる。落ち着いてくれたところで、金剛の言葉について話し合う。

 

 

「真希の居場所を聞くって事は次のターゲットは・・・」

 

「私ね・・・」

 

「・・・犯人には一応心当たりがある」

 

「マジ?」

 

 

僕は頷いて、予想を確信へと変える為にアテナさんへ通信を繋げた。

 

 

『どうしました刹那さん?』

 

「あの、真希の特典の事で聞きたいんですけど?」

 

『真希さんの?一応把握はしてますが何か?』

 

「彼女の性格を更正させるハリセンって"転生者"に効果はありますか?」

 

 

僕の言葉に真希が冷や汗を流す。恐らく彼女の中でも僕と同じ予想が浮かんでいるのだろう。そして、

 

 

『そう・・・ですね。効果は一時的な物だと思います。多分、数年程かと・・・』

 

 

疑問は確信へと変わった・・・。

 

 

「そう、ですか・・・ありがとうございました」

 

『いえ、お気になさらず。よければ今度デートなんt』

 

 

アテナさんとの通信を切った僕は頭を抱える。またふざけた事をやりだしたのかアイツ等は!僕は真希に言う。

 

 

「真希、暫くは家に泊まった方が良い。君の両親もだ。正直今この町は危険すぎる。家なら魔力を外に漏らさずに過ごせる。そうだ、学校にいる間は僕がこっそり警護するよ。ベル家の魔法には透明になれる物があるんだ」

 

「ちょ、ちょっと待って!刹那落ち着いて!」

 

「落ち着けないよ!またアイツ等が・・・!」

 

「落ち着けって・・・言ってるでしょ!」

 

 

真希に抱きしめられて頭を撫でられる事で、少し気分が落ち着いた。

 

 

「ごめん・・・凄い焦ってた。また真希に見捨てられるんじゃないかって・・・」

 

「大丈夫よ。もうアイツ等は信じてないから。・・・そう云えば金剛の言ってたのって多分催眠魔法よ。何で効かなかったのかしら?」

 

「私は提督の組んだprogramのお陰で催眠魔法とかからguardしてくれる様になってマス!」

 

「なるほどね・・・」

 

 

真希に撫でられながら僕はこれからの事について話す。

 

 

「真希、真面目な話なんだけど今日は泊まった方が良いよ。真希の両親はまだ帰るのに時間が掛かりそうだし、真希だけでも泊まって。丁度明日から夏休みでしょ?」

 

「そう・・・ね。分かった。今日はお世話になるわ」

 

「僕は今日中にアイツ等を何とかするよ」

 

「その・・・やっぱり」

 

「まだ"殺す"と決まった訳じゃないよ。もしアイツ等が誘拐した子達を殺していなければ大丈夫」

 

「と言うか居場所は分かるの?」

 

「多方、葉山のマンションでしょ。彼処なら結界貼れば良いだけだし」

 

 

僕は最悪の事態の場合の覚悟を決めて、真希を金剛に任せて地下で修行やメンテナンスを行っているセシア達に声を掛けに行った・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~PM22:00【マンション・葉山宅前】~

 

 

「此処か・・・何年ぶりだろ」

 

 

目の前の扉を見ながら僕は呟く。現在、透明化の魔法《グ・リアルク》を発動し、葉山の部屋の前に立っている。予想通り、葉山の部屋には結界が貼られており、嫌な予感がプンプンする。深呼吸をして落ち着いた僕は扉に向かって歩き出す。グ・リアルクは僕のレアスキルを使って改造し、物体を通り抜ける事ができる様になっている。こっそりと部屋の中へ侵入すると、鼻を刺激臭が襲う。顔を顰めながらリビングへと入ると、そこは地獄絵図だった。ボロボロになった女性達が大量に転がっていたのだ。全員全裸で、下腹部から悪臭の原因を漂わせていた。その中心に、カメラを持った少年と女性を抱いた少年が笑っている。葉山と神城だ。

 

 

「さてと、そろそろメインディッシュと行こうぜ」

 

「そうだな。いっその事母娘でヤろうぜ?アイツの母親の胸たまんねえよ!」

 

「良いなソレ。よっしゃ、行くぞ神城」

 

 

そう言って女性を床に放り捨てて葉山は神城を連れて部屋を出て行った。僕は葉山達が離れた事を確認して魔法を解除し、レアスキルと回復魔法を使って女性達を治療する。運が良かったのか死者は誰もいなかった。

 

 

『とことん下衆ですねアイツ等・・・』

 

「そうだよ。アレがアイツ等のやり方だ。数年前も・・・クソッ」

 

 

セシアの言葉に過去を思い出してイラつく。取り敢えず真希は家にいるし、アインス達に警護を頼んだから大丈夫だろう家の最強のセ○ムことトリエラもいるし。全員の治療を終えて、葉山のベッドルームから持って来た毛布等を被せる。流石に全裸は悪い。記憶も少しいじらせてもらった。警察には悪いが、彼女達の供述で架空の誘拐犯を追いかけてもらおう。アイツ等は・・・僕が裁く!

 

 

「行くよ、セシア」

 

『はい、マスター』

 

 

僕達はその場から退散し、葉山達の追跡へと向かった。葉山達に簡単に追いついた僕は結界を張って、二人の前に出る。

 

 

「ストップ。此処からは立ち入り禁止だ」

 

「お前・・・刹那か?ひゃひゃひゃ、まだ生きてたか!言ったよなぁ、死ねってよ!」

 

「少なくとも君達を捕まえるまでは死ねないね」

 

「お前が?俺達に?ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!無理無理!あの刹那だぜ?」

 

 

葉山と神城が高笑いした後に魔力を開放して、デバイスを装備する。葉山は杖を、神城は両手剣を構えて僕の前に立つ。

 

 

「お前の魔力量じゃ俺どころか神城だって倒せねえよ」

 

「へえ・・・」

 

 

ゴオッ!

 

 

「これなら、どうかな?」

 

 

僕はリミッターを一つ外して本来の状態になり、聖王と魔王の魔力が混ざった魔力陣を展開した。その光景に葉山と神城が表情を崩す。

 

 

「な、なんだよソレ!聖王じゃねえか!」

 

「そ、そう云えばリンディがアイツには手を出すなって・・・」

 

「余計な事を喋るつもりはないから・・・終われ!」

 

 

僕は腰の忍者刀を抜いて、突っ込む。すると、葉山の表情がニヤリと歪んだ。その瞬間、僕は魔力を感じて横に避ける。其処に魔力砲が飛んできた。ピンクの魔力。間違いなくあのバカの物だ。飛んで来た方向を見ると、民家の屋根に四馬鹿と知らない人達が数人いた。全員目がイっている。間違いなく掛かったな馬鹿どもめ、うん、馬鹿どもめ。

 

 

「刹那君、どうして達也君達の邪魔をsげふっ!?」

 

 

取り敢えずムカついたから顔面パンチ!他の面々もバインドして動けなくしてから高町に馬乗りになって顔面パンチを続ける。

 

 

「げふっちょっまっ!もどったかりゃ!もどったかりゃ!」

 

 

気が付けば高町の目に光が戻っていたので離れる。高町はフラフラと立ち上がった。そしてその目は葉山達へと向く。

 

 

「達也君、神城君、どうして私達にこんな事を!」

 

「・・・なのは、これは俺じゃなくて刹那が」

 

「違う!私は君に催眠魔法を掛けられた事を覚えてる!」

 

「・・・チッ!そうだよ、お前には邪魔な奴を殺す道具になってもらおうと思ってね」

 

「何でそんな酷い事を・・・」

 

「決まってるじゃないか。刹那がムカつく、真希がムカつく、でも俺がヤったら捕まるだろ?でも他の奴に間接的にヤらせれば俺の勝ちだ」

 

 

葉山の本当の顔に高町は崩れ落ちる。僕はそれを蹴り飛ばした。手加減したので、その場で高町はのたうち回る。たかが横っ腹をつま先蹴りしただけで大袈裟な。僕はイライラしながら高町に言う。

 

 

「これで分かったでしょアイツの本性。ほら、アイツ等は僕が処理するからお前は愉快なバカ共を元に戻せ」

 

「戻すって・・・?」

 

 

僕はサムズアップを逆にして言った。

 

 

「正気に戻るまで殴れ」

 

「皆女の子だよ!?」

 

「はっ」

 

「鼻で笑った!?」

 

「いいからやれ、そのツインテールもぎ取るぞ」

 

 

僕が言うと、高町は体を震わせながら一心不乱に仲間を殴りつけて行く。僕は葉山達の元へと戻った。

 

 

「さ、やろうか」

 

「お前・・・酷いな」

 

「君達程じゃないよ。あんな下衆な事してさ」

 

「まさかアレを見たのか?興奮しただろ?」

 

「歪みすぎだろお前達の性癖」

 

 

話していると、僕の目の前を金髪姉妹が通り過ぎる。顔面はズタボロだ。其処に高町がやって来た。

 

 

「ねえ、邪魔しないでよ」

 

「ご、ごめんね。ついテンション上がっちゃって」

 

「お前・・・コイツ等と一緒かよ」

 

「ち、違うよ!何で達也君達も引いてるのかな!?」

 

 

高町を見て、葉山達も震えていた。取り敢えず僕は気絶した金髪姉妹の足を持つ。そして、

 

 

「邪魔なんだよこのパツキン共が!」

 

「げふっ!?」

 

「おふっ!?」

 

「何で私もルスァ!?」

 

 

葉山と神城に投げつけ、高町を殴り飛ばす。セシアで斬ったらセシアが汚れる。運が良い事に残弾はまだあるしね・・・。そう思いながらバインドで縛った奴らが置かれてる屋根を見る。さあ、ショウタイムだ・・・。

 

 

刹那サイド終了

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